JPS5953163B2 - 原木の皮剥方法並びに装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原木め皮剥方法並びにその装置に関するもので
あって、特にリングバーカータイプの皮剥機を用いるこ
とを前提とした皮剥手法の改良に係るものである。

原木表皮を除去する手段としては、いわゆるリングバー
カータイプの皮剥機が存在する。

このものは中心を開口させた回転リングに対し、複数本
の刃物を取り付け、刃物の作用端を回転リングの中心に
臨ませて、そこを被処理材を通過させることによって原
木表皮を剥離乃至は削り取るようにしたものである。

ところでこのような皮剥処理を受ける原木についてみる
と、その表皮も、例えば崩皮繊維が長短、強弱など種々
の性状ものがあり、これに呼応して現在実用化されてい
るリングバーカータイプの装置にあっても、具体的に皮
剥ぎ作業を直接担う刃物の部分の構造については種々の
形態のものが開発されている。

しかしながらいずれも一つのリングバーカーに取り付け
られている刃物の構造はすべて同一のものであり、異な
る形状乃至構造の刃物を組み合わせて取り付けるという
技術思想は未だない。

そればかりでなく、刃物の作用端の原木に対する作用圧
力についても格別な配慮はされず、単にすべて等しく設
定されているのが現状である。

しかしながらこのような従来手法にあっては表皮の性状
によっては必ずしも円滑な皮剥きがなし得ない場合もあ
り、且つまた表皮のみでなく往々にして枝の部分いわゆ
る節が張り出しており、この部分の除去も要求されるな
ど、いまだ解決すべき多くの問題が存在していた。

本発明はこのような技術課題を解決せんとしてなされた
ものであって、まず原木表皮を剥ぎ起こす作用を主とし
て行う刃物と、表皮を削り取る作用を主として行う刃物
とを組み合わせて取り付けるようにするとともに、その
作用端の原木に対する作用圧力を種々設定できるように
してあらゆる性状の表皮をも効果的に除去できるように
したものである。

即ち本発明の方法の構成の大略は、中心を開口させたさ
せた回転リングに対し複数本の刃物を取り付け、刃物の
作用端を回転リングの中心に臨ませ、そこを被処理材を
通過させて表皮を除去するようにした皮剥方法において
、前記回転リングに取り付けられる複数の刃物としては
尖刃状の剥取刃と駆動回転する回転切削刃とを用い、且
つこれらの刃物の作用圧力を異ならせるようにしたもの
である。

また本発明の装置の構成の大略は、中心を開口させた回
転リングに対し複数本の刃物を取り付け、刃物の作用端
を回転リングの中心に臨ませ、そこを被処理材を通過さ
せて表皮を除去するようにした装置において、前記回転
リングに取り付けられる複数の刃物は、尖刃状の剥取刃
と駆動回転する回転切削刃との組み合わせにより構成さ
れ、且つこれらの刃物の作用端を中心に偏寄させるため
のシリンダへの圧搾空気の供給系路を複数系統とし、各
別に圧力設定できるようにしたものである。

以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する
ものであるが、まず本発明の装置の構成を説明し、次い
でその装置の作動状態を説明しつつ、併せ本発明の詳細
な説明するものである。

まず符号１は本発明たる皮剥機であって、その前後に送
材装置２を設けるものである。

皮剥機１について説明すると、符号３は機枠であって、
この機枠３に対し回転リング４を支持させるものである
。

即ち回転リング４は、機枠３に取り付けられているベア
リングＢにより回転自在に支持されるとともに、機枠３
上に設置したモータＭによって回転駆動させられるもの
である。

そしてこの回転リング４の正面には一例として四本の刃
物が設けられるものであり、これらの刃物は対向的に設
けられているものが同一の刃物構造を有して一つの組を
構成し、それぞれの組相互は異なる構造をとるものであ
る。

まず符号５は尖刃状をなす剥取刃であり、このものの取
り付は構造は従来公知の構造をとる。

即ち剥取刃５は回転リング４に支持軸６ａを介して回転
自在に取り付けられるとともに、作用端と反対側の端部
にシリンダ７ａの摺動子を接続し、常時剥取刃５の作用
端が回転リング４の中心に臨むように取り付けられるも
のである。

更に符号８は回転駆動される回転切削刃であって、この
ものもその支持杆９が、回転リング４に取り付けられた
支持軸６ｂを介して回転自在に支持されるとともに、そ
の端部をシリンダ７ｂと接続され、回転切削刃８を回転
リング中心に臨ませるように構成するものである。

尚、これら剥取刃５と回転切削刃８との組み合わせ構造
はこの実施例に限定されるものではなく、例えば回転切
削刃−基に対し剥取刃を二基、合計三基の刃物を設ける
ようにしてもよいし、あるいはそれぞれ剥取刃５、回転
切削刃８を三基ずつ壮大基設けるようにするなど、適宜
の組み合わせとしてももとより差し支えない。

次にこのような剥取刃５と回転切削刃８とに対する加圧
構造について説明する。

即ちこれら二つの刃物に作用するシリンダ７ａと７ｂと
にはそれぞれ異なった二つの圧搾空気の供給系路が構成
されるものであって、第５図に示すようにます機枠３に
対して固定されている配管リング１０に対しそれぞれ二
つの供給配管１１ａ、ｌｌｂを導き、ジヨイント１２ａ
、１２ｂを介して配管リング１０と供給配管１１ａ、ｌ
ｌｂとを接続させるものである。

因みに配管リング１０は前記回転リング４の周囲を取り
囲むように遊嵌され回転リング４の回転に拘わらず固定
状態に保たれる円環状の部材である。

そしてこのものは回転リング４における供給スリット１
３ａ、１３ｂに嵌まり込むように組み付けられ、各供給
スリン）１３ａ、１３ｂの仕切壁の部分と配管リング１
０との間には適宜のＯリング等を組み合わせてなるシー
ルリング１４を嵌め込み気密性を保つものである。

そして供給スリン）１３ａ、１３ｂからは回転リング４
側に供給配管１５ａ、１５ｂが穿たれ、このものはそれ
ぞれシリンダ７ａ、７ｂとに接続されるものである。

尚、供給配管１１ａ、ｌｌｂへの圧搾空気の供給源とし
てはエアタンクＴを用いるものであり、その途中にそれ
ぞれの圧力を規制すべく各別にレギュレタバルブＶａ、
Ｖｂを設けるものである。

本発明は以上述べたような構成を有するものであり、次
のような作用のもとに原木Ｗの表皮Ｗ′を除去するもの
である。

まず処理すべき原木の表皮Ｗ′の性状に応じ適宜剥取刃
５と回転切削刃８との作動圧力を設定するものであり、
これはレギュレタバルブＶａ、Ｖｂを操作して圧力設定
を行うものである。

尚、この設定を行うにあたり表皮が比較的厚い場合には
各刃物の作用圧力を高めに設定する傾向にあるが表皮の
乾燥状態あるいは繊維の性状等種々の状態により必ずし
もこのような設定を行わない場合も存在するものである
。

また回転切削刃８と剥取刃５との圧力であるが、これら
のうちいずれを作用圧力を高くするかも表皮の性状によ
り決定されるものであり、この実施例では剥取刃５につ
いては二本設けられているうち二つとも同じ作用圧力に
設定し、また回転切削刃８についてもそれぞれ二つ設け
られているものを等しい作用圧力に設定するが、同じ構
造の刃物同志の作用圧力を異ならせるようにしてももと
より差し支えないものである。

このような準備作業が終了した後、適宜のスイッチング
操作によりモータＭを起動させると、このモータの回転
が回転リング４に伝達されて回転を開始する。

しかる後送材装置２によって原木Ｗを回転リング４の中
心に送り込むと回転リング４とともに旋回している剥取
刃５と回転切削刃８とが原木Ｗの表皮Ｗ′を剥ぎ取り乃
至は削り取るようにして表皮除去を行うのである。

この際この種の機械的な皮剥ぎ作業で最も困難である杉
、桧、その他いわゆる内地材と呼ばれる長繊維表皮を有
する原木が供給された場合であっても、回転切削刃８が
積極的に表皮繊維をも切断しつつ切削し、それを更に剥
取刃５によって掻き取るように作用するから完全な表皮
の除去がなし得るものである。

特に長繊維表皮の原木の場合単に回転切削刃８のみでこ
れを削り取ろうとする場合には、回転切削刃８の回転数
その他回転切削刃８８に要求される切削能力が極めて過
大なものとなるが、本発明では回転切削刃８によっであ
る程度表皮Ｗ′の切削切断をなし、残余の部分を剥取刃
５に委ねて除去するようにしたものであるから、この二
つの構造の異なる刃物の作用が相乗的に奏効し、優れた
表皮の除去機能を発輝するのである。

しかもその際に回転切削刃８と剥取刃５との圧力を最適
なものに設定することができるから、例えば剥取刃５に
あっては表皮を木部から剥ぎ取るために必要な作用圧力
が設定されるとともに、回転切削刃８にあっては木部ま
での過剰な削り込みが生じないように最適な圧力に設定
できるのである。

因みに本発明の装置における剥取刃５と回転切削刃８と
の圧力の可変構造はその作動源であるシリンダ７ａ、７
ｂへの作動空気の供給源をそれぞれ異なった系統として
いるものであるが、本発明の方法を実施するためには必
ずしもこのような構造に限定されるものではなく、例え
ば剥取刃５と回転切削刃８とに対する作用端の加圧手段
としてバネ定数の異なるスプリングを用いたりすること
ももとより差し支えなく、必ずしもシリンダを用いた加
圧方法に限定されるものではない。

本発明は以上述べたようにリングバーカー型の皮剥機を
用いた皮剥手法において、原木表皮の除去作用を直接担
う刃物について回転切削刃と大刃状の剥取刃とを組み合
わせるとともにそれぞれの刃物の作用圧力を異ならせる
ようにしたものであり、あらゆる原木表皮の効果的な除
去が可能となったものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明たる皮剥機の斜視図、第２図は同上正面
図、第３図は同上側面図、第４図は回転リング部分を拡
大して示す斜視図、第５図はシリンダへの圧搾空気の供
給系路を示す回転リングと機枠との拡大断面図である。 １；皮剥機、２；送材装置、３；機枠、４；回転リング
、５；剥取刃、７ａ、７ｂ；シリンダ、１０；配管リン
グ、ｌｌａ、ｌｌｂ：供給配管、１３ａ、１３ｂ；供給
スリット、１４ ： シール’）ング、１５ａ、１５ｂ
；供給管路、Ｔ；エアタンク、Ｖａ、Ｖｂ：レギュレタ
バルブ、Ｗ；原木、Ｗ′；表皮。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中心を開口させた回転リングに対し複数本の刃物を
   取り付け、刃物の作用端を回転リングの中心に臨ませ、
   そこを被処理材を通過させて表皮を除去するようにした
   皮剥方法において、前記回転リングに取り付けられる複
   数の刃物としては大刃状の剥取刃と駆動回転する回転切
   削刃とを用い、且つこれらの刃物の作用圧力を異ならせ
   るようにしたことを特徴とする原木の皮剥方法。 ２ 中心を開口させた回転リングに対し複数本の刃物を
   取り付け、刃物の作用端を回転リングの中心に臨ませ、
   そこを被処理材を通過させて表皮を除去するようにした
   装置において、前記回転リングに取り付けられる複数の
   刃物は、大刃状の剥取刃と駆動回転する回転切削刃との
   組み合わせにより構成され、且つこれらの刃物の作用端
   を中心に偏寄させるためのシリンダへの圧搾空気の供給
   系路を複数系統とし、各別に圧力設定できるようにした
   ことを特徴とする原木の皮剥装置。