JPS5950756B2 - 低過電圧電極の製造方法 - Google Patents

低過電圧電極の製造方法

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JPS5950756B2
JPS5950756B2 JP55125896A JP12589680A JPS5950756B2 JP S5950756 B2 JPS5950756 B2 JP S5950756B2 JP 55125896 A JP55125896 A JP 55125896A JP 12589680 A JP12589680 A JP 12589680A JP S5950756 B2 JPS5950756 B2 JP S5950756B2
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aluminum
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塩素−アルカリ電解槽に用いる低過電圧電極の
製造方法に関する。
エネルギーコストの異常な上昇及び工業燃料供給量の減
少を考慮して、電解の分野では電解工程で用いられる電
力量を減少させる方法を見付ける活発な研究活動が行わ
れてきている。
長い間クロロ−アルカリ隔膜槽には鋼陰極を用いるのが
慣習になつていたが、陰極でのいわゆる水素過電圧を克
服するのにかなりの量の電力を使用する。水素過電圧の
大部分は電解液と接触する金属表面に固有の特性による
ものであり、従つてこの過電圧を減少させて槽の電力消
費量を低下する一層よい陰極表面が望まれ、求められ続
けてきた。゛活性多孔質ニッケルはアルミニウム又は亜
鉛の如き可溶性成分を、ニッケルと可溶性成分との合金
から選択的に溶出することにより製造できることは知ら
れている。
この種の多孔質ニッケル及びそれが製造された合金を一
般にそれらの発明者により「ラネーニツケル」及び「ラ
ネー合金」と呼ぶ。米国特許第1、563、787号(
1925)、第1、628、191号(1927)及び
第1、915、473号(1933)各明細書を参照さ
れたい。このラネーニツケルを製造するための種々の方
法があり、この金属の種々の用途が知られている。その
ようなラネーニツケル表面をクロロ−アルカリ電解槽の
陰極上に設けることも知られている。
例えばDuPontdeNemoursに譲渡されたC
、Needesによる米国特許第4、116、804号
(1978年11月17日出願、1978年9月26日
特許)には、電解槽の水素発生陰極として用いられる今
後「ニーズ(Needs)電極」と呼ぶ電極が記載され
ており、その電極には、ラネーニツケルの付着表面層が
少な<とも15%のニツケル(同特許明細書の第4表参
照)の外側層をもつ導電性金属心と電気的に接触してい
て、ラネーニツケルの表面層が75μmより厚く、少な
くとも11%の平均気孔率を有することを特徴とする。
触媒表面層は主としてNi。Al。粒子からなり、粒子
から少なくとも60%のアルミニウムが水性塩基で浸出
されており、過電圧は約60mVであるといわれている
。之を従来の陰極と比較すると、軟鋼陰極と比較して3
15〜345mVの水素過電圧の減少であると言われて
いる。しかし、後の試験によると過電圧はかなり高く、
実際にはわずか100〜150mVの減少となつている
。更に試験を行なつてみると、被覆の剥離或は層分離が
観察された。同特許はNiAl。相から形成されたラネ
ーニツケルが機械的に弱<、よ<付着しておらず、一般
に浸出中に失われることを教示している。亦その特許は
、Ni。Al。(γ相)が好ましい金属間化合物前駆体
であり、被覆の活性度を支配し、熱処理はNi。Al。
の割合が最大になるようにすべきであることを教示して
いる。NiAl。(β相)からのラネ一NiはNi。A
l,(γ相)からのラネ一Nはり水素脱着に対し一層活
性であることが前から知られていたにもかかわらず機械
的に弱いことが欠点であつた。例えばA.A.ZavO
rinその他によるKinetikaiKataliz
,l8,胤4,pp.988−994( 1977)(
USSR)を見ると、そこにはNi。Al。よりNiA
l。からのラネ一Niの方が水素に対する結合が弱いこ
とが説明されており、Ni。Al。よりNiAl。から
のラネ一Niの方が一層多くの水素吸着点があり、かつ
脱着熱はNi,Al。よりNiAl。からのラネ一Ni
の方が低いことを説明している。GOlin,Kara
seva及びSerykhはElektrOkhimi
ya,l3,遥7(1977) (USSR)に10%
MO、45%Ni)45%Al合金は浸出により水素−
酸素燃料電池で生ずるような水素酸化に対する極めて低
い活性化エネルギーをもつラネー触媒表面を生ずること
を述べている。
しかし、水素発生(即ち水素還元)触媒については何ら
言及も示唆もされていない。RuhrchemieA.
G.及びSteinkOhlenElectrizit
atA.G.による1959年12月28日公吉のオー
ストラリア特許第206,867号明細書には20〜8
0%ラネー金属と80〜20%の骨格材料(例えばNi
粉)からなるΓ二重骨格触媒」被覆をもつ薄い箔状電極
の製法が詳細に論じられている。
第3頁第2欄には箔上の触媒被覆に適した多数の焼結粉
金属合金が挙げられている。W.Vielstisch
,E.Justi及びA.Winsel−Ruhrch
emieA.G.による1960年12月15日公告の
ドイツ特許第1,094,723号明細書には(第3頁
24〜70行)水銀型クロロ−アルカリ電解槽系のアマ
ルガム分解器の陰極として第Vlll族金属をl〜20
%添加することにより改良されたような「二重骨格触媒
」被覆箔を使用することが示唆されている。しかし、そ
のような焼結被覆は隔膜又は薄膜型電解摺電極として比
較的短時間使用した後層分離が起きることが見出されて
いる。Ind.Eng.Chem.,PrOd.Res
.Dev.,lf!,▲2( 1977)の゛゛Met
hanatiOnStudiesOnNickelFl
ame−SprayedCatalysts゛’という
表題の論文で、Baird及びSteffgenは種々
の金属化合物のための温度範囲を述べており、例えばN
iAl。
は約725℃で、1、10又は30分間の熱処理中に生
ずる主たる相であり、合金にするためには725℃で1
0分を越える時間は不必要であることを述べている。7
25℃で熱処理すると、合金は一酸化炭素転化触媒とし
て最大の活性度をもつことが見出されている (同文献
第2図参照)。
Ni。Al。は、PetrOvその他により示されてい
る如く (1969)、最も活性な金属間化合物相であ
ると考えられると記述されており、その構造を示す顕微
鏡写真が与えられている。KuOその他による1977
年7月5日米国特許第4,033,837号明細書は比
較的低い過電圧が得られるN1−MO−V触媒被覆銅陰
極を使用することを教示している。
この陰極は鋼電極よりもかなり過電圧が低いが、、陰極
液を鉄を含まない状態に保たない限り、鉄汚染又は銅汚
染が問題になる。ラネー処理については何も言及されて
いない。Hallによる1966年12月12日公告の
米国特許第3,291,714号には、鋼又はチタン陰
極用の多数の被覆が記載されており、それらの被覆の中
には、Ni−MO被覆及びFe−Ni−MO被覆が最も
望ましいことが見出されたことが述べられている。電着
被覆の熱処理は被覆の層剥離を防ぐため必要である。中
程度の低い過電圧が得られると述べられている。ラネ一
処理については何も言及されていない。Macmnll
lnにより1976年2月2日出願された米国特許出願
第655,429号による優先権を主張して1977年
8月11日公告された西ドイツ公開公報第2,704,
213号には、板の形又は多孔質ラネ一Ni被覆有孔ニ
ツケル板のラネーニツケル陰極が記載されている。
陰極はタロローアルカリ膜型槽用に設計されているが、
その中の実施例で述べられているように、「小さな実験
室用槽」でのみ試験されたことは明らかである。陰極は
ニツケル・アルミニウム合金をつくり、注型して合金の
板をつくり、次にアルミニウムを浸出することにより製
造されている。モリブデンは言及されていないW.Vi
elstichによるChem.Ing.Techn.
33、PP.75−79(1961)には粉末ラネ一合
金(例えばニツケルと、アルミニウムの如き合金用成分
からなる)と純粋金属粉(例えばカルボニルーニツケル
)からなる骨格金属とを混合し、圧搾し、焼結し、次い
で、ラネ一合金が製造されている合金成分を溶解除去す
ることによつて製造された、ラネニツケルで作られた「
二重骨格」電極が記載されている。
そのような電極の表面層は、不活性固体ニツケル粒子か
ら作られた骨格中に活性ラネーニツケル粒子の分散物が
埋め込まれたものからなる。この電極は就中、塩素一ア
ルカリ隔膜型電解槽の水素発生陰極として用いられる。
しかし粉末冶金法によつて製造された二重骨格電極は、
塩化ナトリウム溶液の工業的規模の電解用に望ましいよ
うな大きな網状電極を製造するのに適するだけの充分な
機械的強度はもつていない。ラネーニツケルから平坦な
材料をつくる一つの方法は、ラネ一合金前駆物質(例え
ばニツケルとアルミニウムの合金)の溶融粒子を金属坦
体上に噴霧し、次いでアルミニウムを選択的に溶解除去
することからなる。
米国特許第3,637,437号明細書参照。この材料
は燃料電池の触媒電極用材料として示唆されている。し
かしこの方法により製造された陰極は一般に低気孔率の
表面をもち、破壊分離する傾向を有する。) 米国特許第3,272,728号及びドイツ公開公報第
2,527,386号(米国特許出願第489,284
号に基づく)には、金属担体(鋼の如き)上に無機電解
液浴からニツケルと亜鉛を同時に電着し、次いでこのよ
うにして製造されたNi−Zn合金から亜鉛を選択的に
溶解することにより製造されたラネーニツケル表面をも
つ電極が記載されている。
この電極処理は鋼陰極の水素過電圧を最大150mV減
少させると考えられている。1978年8月1日米国特
許第4,104,133号明細書には、金属メツキ陽極
を用いてクロロ−アルカリ槽中でその場で陰極上にNi
−Zn被覆を慎重に電着し、次いで亜鉛を浸出して、ク
ロロ−アルカリ槽の水素過電圧を低下するラネーニツケ
ル表面を与えるNi−Znラネ一被覆法が商業的に実施
するのに有用であると記載されている。
しかし非常に粗末な一時的ラネ一合金の層が形成される
のである。一層大きな過電圧減少を与える永久的被覆が
望まれている。英国特許第1,289,751号明細書
にはニツケル又はニツケル合金から作られた支持体上に
有機アルミニウム錯化合物を含む電解液からアルミニウ
ムを電着し、付着したアルミニウムの一部をニツケル中
に拡散させて合金を形成させ、次にアルミニウムを浸出
することにより電気化学的槽又は燃料電池用の多孔性ニ
ツケル電極を製造する方法が記載されている。拡散は6
59℃より低い温度、好ましくは350〜650℃で不
活性雰囲気中で1〜2時間行われる。5〜20μmの非
常に薄い電着層が記載されている。
1nd.Chem.Pr0d.Res.Dev.,11
、 屋53、Pp.29O−293(1972)の″L
aminatedRaneyNickelCataly
sts゛という論文中でJ.Yasamura及びT.
YOshinOは電極に関連してではないが、ニツケル
板上に溶融アルミニウムを噴霧し、窒素雰囲気中で1時
間700℃に加熱して0.2mm厚のNiAl3層を形
成し、その層からアルミニウムを溶解することによつて
ラネーニツケル板を製造することが記載されている。
このようにして得られた生成物は水素化(即ち水素酸化
)触媒として用いることができると思われている。水素
化触媒として用いるためのラネーニツケルから成形物品
を作る他の方法が米国特許第3,846,344号明細
書に記載されている。
この特許によれば、ニツケルメツキした金属パイプを少
なくとも0.02mm厚のアルミニウム層で被覆し、次
いでアルミニウムを少なくとも30分間少なくとも約4
80℃の温度で熱処理することにによつてニツケル中へ
拡散させ、次いでその拡散層からアルミニウムを選択的
に溶出除去する。この特許の実施例5には、火炎噴霧に
より0.5mm厚のアルミニウム層を付着させた1mm
厚の電着ニツケル層をもつ25mm径のパイプを650
℃で6時間拡散熱処理し、少なくとも0.05mm厚の
拡散層を生成させる仕方が記載されている。パイプは次
に8時間25%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬する
ことにより活性化する。特許にはこの表面はシクロヘキ
サンの触媒による水素化に高度の効率を示すと述べられ
ている。米国特許第3,407,231号明細書にはア
ルカリ電池に用いられる活性多孔質ニツケル表面をもつ
負電極を製造する方法が記載されている。
この特許によれば、その電極は高温でニツケル含有心の
表面とアルミニウムとを接触させ、ニツケルとアルミニ
ウムとを相互に拡散させてγ相アルミ化二.ツケル(N
i。Al。)の層を形成させ、然る後アルカリ水酸化物
で拡散させたアルミニウムを溶出除去し、活性ニツケル
層を得る。その層は心に冶金的に結合している。この特
許には625〜900℃の拡散温度、8 〜16時間の
拡散時間、20〜100℃の.溶解温度、l〜32時間
の溶解時間、及び200〜300μmの被覆厚さが言及
されている。特にこの方法は約52%Al2O3、40
%アルミニウム粉及び2%NH,Clからなる混合物か
ら作られた包み中にニツケルシートを入れ、その包みを
800℃の還元雰j囲気中で8時間加熱し、200μm
厚のNi。Al。層をニツケルシートの各面上に形成さ
せ、然る後その被覆したニツケル心を6N水酸化ナトリ
ウム中に約16時間80℃で浸漬し、少なくとも85%
のアルミニウムを溶解除去することにより遂行されると
こ思われる。しかしこの特別な方法に従つて製造された
電極のラネーニツケル表面は気孔率が低いことが見出さ
れている。この特許はニツケルシートを二枚のアルミニ
ウムシート間でロール掛けし、金属間結合を生じさせ、
そのサンドイツチ状物を4543℃の還元雰囲気中で加
熱することを示唆している。649℃より低い温度がこ
の特別の具体例では好ましいが、この特許は872℃位
の高い温度も示唆している。
しかしロール掛(サによつて結合する場合には希望の金
属結合は形成されないことが判明している。本発明の目
的は、上述の従来法による電極よりも長期間に亘つて一
層低い陰極分極電圧(水素過電圧)を有するクロロ−ア
ルカリ隔膜或は膜型槽用の陰極を製造する問題の解決法
を与えることである。
本発明によつて与えられる解決法は、導電性金属心と電
気的に接触したラネー金属表面層を有する型の、電解槽
中の水素発生陰極として用いられる低過電圧電極におい
て、前記ラネー金属表面層が、NixMO,−XAl。
(式中Xは0.95より小さい)からなる結晶質前駆物
質から得られるものであつて、しかも該前駆物質が前記
導電性金属心から誘導されて、該心と一体構造となつて
いることからなる。本発明により与えられる他の解決法
は、電解槽中の水素発生陰極として用いられる低過電圧
電極の製造方法において、a) 5 〜20重量%のモ
リブデンと、80〜95重量%のニツケルとからなるニ
ツケル・モリブデン合金の清浄な導電性金属心の表面を
アルミニウムで被覆し、b) 前記被覆した表面を66
0゜〜750℃の温度で熱処理して前記金属心へアルミ
ニウムを拡散させ、それによつて金属間化合物β相(N
ixMO,−XAl) (式中、Xは重量比で0.80
〜0.95である)から主としてなり、金属間化合物γ
相(NixMO,−x)。
Al。を実質的に含まない外側ニツケル・モリブデン・
アルミニウム合金層を形成し、c) 前記外側合金層中
の前記金属間化合物からアルミニウムを浸出除去する、
諸工程からなる低過電圧電極の製造法が与えられる。
第1図は典型的なクロロ−アルカリ電解槽の環境の中で
三つの異なつたラネー処理陰極を用いて陰極分極電位を
グラフとして示したものである。
β相(NiAl。)前駆物質から製造されたラネーニツ
ケル被覆は、γ相(Ni。Al。)前駆物質からのラネ
ーニツケルより150〜250少ない電位を有する。第
1図は亦モリブデンに富むβ相(NixMO,−XAl
)前駆物質からのモリブデン15重量%含有ラネーニツ
ケル(今後β−ラネ一Ni一15M0と呼ぶ)からなる
本発明の陰極は、約80〜120mV低い陰極分極電位
を示し、従つて80〜12mV低い過電圧を示すことを
示している。亦、β−ラネ一Ni−15M0は図に示し
た全7週間に亘つて約60mVの一定の過電圧をもつて
いた。之は第1図中に示した他の全ての試験した被覆に
対し対照的である。前述した如く、β−ラネ一Nil5
MOは鉄汚染は全く示さず、認め得る程の肉薄化を示さ
なかつた。一定した低い過電圧水準は、この実際に使用
している間の被覆のこの驚くべき予期せざる一定の性質
の結果であると考えられる。約540mV過電圧(即ち
、/(−0.94)−(1.500)/ボルト)で出発
した軟鋼試料は実際には過電圧が低下してから上昇し始
めていることが分る。之は鉄の付着によるもので、それ
は粗さを増し、従つて実際の電流密度を低下し、従つて
過電圧を低くすることが最近他の人達によつて見出され
ている。電流密度が低下すると一般に過電圧が減少する
ことはよく知られている。(第2図及び第4図参照)。
第1図は更に純粋にγ相からなる金属化合物構造体から
製造された従来のラネーニツケル(今後G−ラネ一Ni
と呼ぶ)では大きな問題が存在することを示している。
従来法のGラネ一Ni陰極はかなりの剥離と鉄付着とを
示していた。第1図に関し、横軸は時間(日)、縦軸は
陰極分極電位(V)であり、15%NaCl.ll%N
aOH.O.l%NaClO3、73.9%H2Oから
なる溶液中85℃で200mA/Cm・の電流密度で行
なつた。
図中、1は軟鋼、2はγ前駆物質(プラズマスプレー)
からのラネ一Ni、3はβ前駆物質(プラズマスプレー
)からのラネ一Ni、4はβ前駆物質(浸漬)からのラ
ネ一Ni、5はβ前駆物質(浸漬)からのラネ一Ni−
15M0、6は標準水素電極を用いた参照電位(−0.
94V)に対する曲線である。全ての被覆は最初120
ミクロンの厚さがあつた。第2図は、全てβ相前駆物質
から製造された本発明の二つの接触的に被覆した陰極に
ついての過電圧対電流密度及び時間の曲線を示す。
夫々モリブデンの重量%が異なり (Ni−10M0は
10%、Ni−15M0は15%)、同じ熱処理を行う
前のアルミニウム付着法が異なつている(プラズマスプ
レーと浸漬)。Ni−15M0基材を溶融アルミニウム
にノ浸漬すると、後のラネ一処理で、アルミニウムをプ
ラズマスプレーでラネ一処理前につけたNi−10M0
基材を用いたβ−ラネ一Ni−10M0が示す陰極過電
圧よりも約20〜40mV低い陰極過電圧を示すβ−ラ
ネ一Ni−15M0を生ずることが判明している。
この相違の理由は分つていないが、結果は確かめられて
いる。モリブデン含有量の差が主たる原因であると思わ
れる。第2図に関し、横軸は電流密度(MA/Cnlり
で縦軸は陰極分極電圧(V)であり、15%Na、11
%NaOH.O.l%NaClO3、73.9%H2O
からなる溶液中85℃で測定された。
曲線は1.R.がない場合の分極曲線で、1はβ−ラネ
一Ni−15M0(浸漬)、2はβ−ラネ一Ni−10
M0(プラズマスプレー)についての曲線である。全て
の試料は不活性雰囲気中725℃で10分間熱処理され
た。第3図に関し、横軸は日、縦軸は陰極分極電位(V
)で、15%NaOH、0.1%NaClO3、73.
9%H2Oの溶液中で28℃で、200mA/CIn2
として測定された、データーを示す。曲線1は軟鋼、2
はβ−ラネ一Ni−10M0(プラズマスプレー)、3
はβ−ラネ一Ni−15M0(浸漬)試料についての曲
線である。第3図は第1図と同様の条件で測定した本発
明の陰極の陰極分極電位((V)対経過日数曲線を軟鋼
陰極と対比したグラフである。
第4図は本発明のβ−ラネ一Ni陰極と従来のG−ラネ
一Ni陰極の相対的過電圧を示す分極対電流密度グラフ
で、β−ラネ一NiはG−ラネ一Niより過電圧が最初
約60mV低いことを示している。
第1図を参照すれば、この相違は時間と共に増大するこ
とが分る。第4図に関し、横軸は電流密度(MA/Cm
り、縦軸は陰極分極電位(V)であり、15%HaCl
.ll%NaOH、0.1%NaClO3、73.9%
H2Oの溶液中で85℃で測定した。
曲線1はβ/γ相からのβラネ一Ni−15M0、曲線
2はβ/γ相金属間化合物からのラネ一Ni、曲線3は
γ一金属間化合物(Ni2Al3)からのラネ一Ni、
曲線4は軟鋼について夫々測定した結果を示す曲線であ
る。第4図に示されたIRがない場合の分極曲線はNi
Al3相からのラネ一Niが優れていることを示してい
る。第5図は電子顕微鏡(SEM)で撮つた本発明のβ
−ラネ一Ni−15M0被覆の700倍の断面写真で、
底の所に15重量%のモリブデンを含むニツケル合金(
Ni−15M0)の心即ち基材(図中1)があり、心の
すぐ上に40ミクロンのγ相(Ni。
Al3前駆物質からの)ラネ一Ni−15M0即ちG−
ラネ一Ni−15M0の層(図中2)及び゛G−ラネ一
Ni−15M0層の上の120ミクロンのβ相(NiA
l3前駆物質からの)ラネ一Ni−一15M0即ちβ−
ラネ一Ni−15M0層(図中3)が示されている。金
属試料を装着した慣用の媒体の一部が上右端に見える。
β−ラネ一Ni−15M0層はG−ラネ一Ni−15M
0層より3倍厚く、β−ラネ一Ni−15M0層は外側
であり、この層は電解液と接触している。従つてβ−ラ
ネ一Ni−15M0が被覆の活性度を左右する。更にβ
−ラネ一Ni−15M0は浸出工程で剥離されない。β
−ラネ一Ni−15M0が主体になつているので、第5
図のこの被覆全体をβ−ラネ一Ni−15M0被覆と呼
ぶこともできる。第6図は第5図と実質的に同じ700
倍のSEM顕微鏡写真であるが、但し第5図の被覆心を
典型的な商業的クロロ−アルカリ隔膜型槽に類似させた
条件で実験室規模で隔膜型槽で6週間に亘つて操作した
後に撮つた点が異なるだけである。β−ラネ一Ni−1
5M0被覆は、隔膜型摺電解液中で6週間後でも認め得
る程の肉薄化は起きず、従つてβ−ラネ一Ni=15M
0は剥れ落ちないことを示している。第6図中の1,2
,3は第5図中の1,2,3に夫々対応する。第7図は
ニツケルとアルミニウムの相互拡散が610℃でどのよ
うに進むかを示している。
与えら,れたNi。Al。は同じ重量のNiAl。より
アルミニウムが約50%少なかつた。無制限の残存アル
ミニウムが存在し、合金温度が本発明の660℃〜86
0℃の範囲内にある時、NiAl。層は残存アルミニウ
ムに隣接して形成され、Ni2Al3はその下に.形成
される。第7図中アルミニウムは顕微鏡写真の一番左側
にあり、ニツケルは一番右側にある。之は処理が充分長
ければ、610℃位の低い温度でさえも起きることが分
る。しかし、第7図中NiAl。(β)層はわずか5
〜10ミクロン厚であるの・に対し、Ni。Al。(γ
)層は約35ミクロン厚であることが微量分析データー
から証明されている。図中の水平の白い実線(L)は微
量分析走査がその線に沿つて行われたことを示しており
、白点はその走査線上の対応する位置で見出された相対
的原子%で示したニツケル量である。走査線上の対応す
る位置は、対応する点の真上にある走査線上の点である
。このγ相支配域は一層高い温度及び同様な熱処理時間
でも同様にはつきりと認められる。しかし第5図及び第
6図では、Ni一15M0合金が用いられており、β相
が優勢であることが見出されている。従つてモリブデン
はNiAl。相を安定化し、後の浸出で驚くべき一定し
た低い過電圧を生ずるものと思われる。過電圧の減少は
、従来隔膜型クロロ=アルカリ電解槽で見られる電流密
度で典型的な200mA/Cm2(即ち2KA/m・)
の電流密度で塩水電解槽で陰極としてこの電極を操作し
て得られたものである。
ここで言及した全ての電圧値は200mA/Cm2の電
流密度に基いているが、電極は他の電流密度の広い範囲
に亘つて操作するのに同様に適している。本発明の電極
の多孔質ニツケル表面層は、電気的に接触している金属
ニツケル心上に形成されている。心材料はどんな導電性
金属或いは合金でもよいが、基材自身がラネー処理後被
覆を形成するようにニツケル又はニツケル・モリブデン
合金が好ましい。電極は都合のよいように成形された板
或いは網の形でよい。
商業的塩水電解槽に対しては拡大した金属網が好ましい
。本発明の電極は多孔質ニツケル表面上にニツケルの任
意の非常に薄い被覆をもつていてもよい。
好まじくは5 〜10ミクロンの厚さの非常に薄い被覆
は、多孔質ニツケル層の電気的活性度を減することなく
その機械的強度及び表面安定性を改良する。本発明によ
れば電極は互に拡散させたニツケル・アルミニウム合金
層を形成し、然る後それからアルミニΓクムを選択的に
浸出させる方法によつて製造される。
その方法は、(a)ニツケル含有外側層を有する金属心
を製造し、(b)心の表面をアルミ化し、(c)アルミ
ニウムとニツケルとを相互拡散させ、(d)相互拡散材
料からアルミニウムを選択的に浸出し、(e)任意工程
として、潜在的な自然発火性を防ぐために化学的処理を
し、そして(f)任意工程として、最終表面の機械的性
質を改良するためニツケルで被覆する諸工程を有する。
電極用の出発材料からなる金属心は、ニツケル濃度が少
なくとも15%、好ましくは少なくとも18%(重量)
であるニツケル含有外側層を有するように製造する。
心が実質的に純粋なニツケル又はインコネル600、ハ
ステロイ (HastellOy)C又は310ステン
レス鋼の如き適当なニツケル含有合金からなる場合は、
心はそれ自体で希望のニツケル含有外側層を有する。心
の外側部分は(「心」というのはここでは「基材」とも
呼んでいる)それ自体ニツケル含有外側層としても働く
のが最も好ましい。
なぜならその事は、外側層と心との界面で一方から他方
への変化をゆるやかにすることにより、その界面で生じ
る腐食の可能性を解消或は減じ、それにより被覆の剥落
をなくすか減するのに役立つからである。他の金属又は
合金の心に対しては、金属浸漬、電着、無電解メツキ等
々の既知の方法により心上にニツケル被覆を付着するこ
とができる。
心金属自身又は付着被覆によつて与えられる、心のニツ
ケル含有外側層は少なくとも100ミクロン、好ましく
は少なくとも150ミクロン厚であるのが都合よい。ニ
ツケル含有外側層の最大厚さは都合と経済的観点からの
選択の問題である。網又は板、特に網の形の心が好まし
いが、箔、線、管或は延伸金属から作られた心も適して
いる。心のニツケル含有表面は更に処理する前に、化学
的洗滌及び(又は)粒子吹付けの如き従来の方法により
完全に清浄し、心のニツケル含有表面と後で適用される
層との間の結合を改良する。心の清浄な表面をア゛ルミ
化処理にかける。
ここで用いる「アルミ化」とは、アルミニウムを心の表
面でニツケル含有材料と非常によく接触させ、相互拡散
工程中加熱した時、希望のニツケル・アルミニウム合金
属が形成されるようにすることを意味する。アルミ化は
、アルミニウムの心表面上への火炎噴霧、心をアルミニ
ウム溶融物中への浸漬、或は溶融塩電解の使用の如きい
くつかの既知の方法のどれかにより行うことができるが
浸漬が好ましい。なぜなら後のラネ一処理で最も低い過
電圧をもつ被覆を生ずることが判明しているからである
。之等のアルミ化法を用いた時、少なくとも100ミク
ロン厚のアルミニウム層が心のニツケル含有表面上に付
着している。
比較的に厚いアルミニウム層、例えば500ミクロンよ
り厚いアルミニウム層も本方法で満足にその機能を果す
が、経済的理由から約150〜300ミクロンの厚さが
好ましい。通常本方法では次の工程になる相互拡散工程
は、少なくとも660℃、即ちアルミニウムの正常な融
点より上の温度で行われる。750℃より下の一層高い
温度も適しているが、約700℃〜約750℃、特に約
715℃〜735℃が非常に好ましい。
通常相互拡散は水素、窒素又は不活性ガスの雰囲気中で
行われる。この相互拡散処理は、アルミニウムとニツケ
ルが互に拡散して少なくとも40ミクロン、好ましくは
少なくとも80ミクロンの厚さのニツケル・アルミニウ
ム合金層を形成するのに充分な時間継続される。心の外
側層が実質的に純粋なニツケルからなる時、Nial3
の相互拡散した合金層は1〜10分間で形成される。厚
さ100〜400ミタロンの相互拡散ニツケル・アルミ
ニウム合金層が好ましく、最良の結果は150〜300
ミクロンの厚さの時得られる。モリブデンをニツケル含
有層に添加しない場合には、その処理は約30分迄に止
め、Ni2Al3(γ相)の形成を最少量にする。Ni
al3はNi2Al3より大きな割合のアルミニウムを
含むため、温度は比較的速い相互拡散を行わせるのに充
分な高さであるべきであるが、供給源のアルミニウムが
完全に使い尽されてしまう程高くないのがよいと考えら
れる。なぜなら保有アルミニウムからの供給が一度び使
い尽されてしまうと、進行する拡散は既に拡散していた
アルミニウムを更に拡散即ち広がらせて一層薄くするだ
けで、それによつてNi2Al3又は他のNiAl3よ
りアルミニウム含有量の低い余り望ましくない金属間化
合物を形成させる方向へ進ませるからである。上述の如
く、約660℃〜約860℃の範囲内の温度がこの要求
を満足する。同様に相互拡散時間は、適切な厚さの相互
拡散ニツケル合金層を蓄積させるのに充分な長さである
べきであるが、保有アルミニウムを枯渇させる程長くな
いのがよい。約1分〜約30分の範囲内の相互拡散時間
がこの要求を満足する。第5図は、Ni−15M0基材
を溶融アルミニウムへ浸漬し、約725℃で約10分間
ニツケルとアルミニウムを相互拡散させることによつて
形成された相互拡散ニツケル・アルミニウムβ相合金層
から形成されたβ−ラネ一Ni−15M0の断面の顕微
鏡写真である。
この顕微鏡写真は、Ni−15M0心と、その上の比較
的薄いラネー化Ni。Al。層と、その上の比較的厚い
ラネー化NiAl,層とを示している。第5図では浸出
によつて形成されたβ−ラネ一Ni−15M0陰極は、
ほとんど完全にNiO.8。MOO.,。Al3相から
誘導されている。Ni。.,。MO。.,。Al。から
形成されたニツケルは後の浸出工程中活性表面から失わ
れない。Ni。
.,。MO。.,。Al。から誘導されたラネー表面層
は15重量%のモリブデンによつて安定化されているこ
とが見出されている。約5 〜20重量%のMOでβ相
金属間化合物を安定化するのに充分である。Ni。
Al,粒子の大きさ及びNi。Al。含有層の厚さが成
長する速度は、アルミニウム層が使い尽されるか否か、
又熱処理の長さ及びアルミニウムとニツケルが互に拡散
される温度に極めて大きく依存する。750℃以上の温
度を用いることにより、粒径は一層大きくなり、Ni。
Al,含有層の蓄積は非常に速くなる。従来法に関し、
米国特許第4,116,804号の第6図にはNi。
Al。の平均粒径の相互拡散温度に対する依存性が示さ
れている。660℃より上、特に700℃より高い相互
拡散温度では粒径の増大が一層大きくなることに注意さ
れたい。
660℃より.低い相互拡散温度では、Ni。
Al。粒子の大きさは後の活性多孔質ニツケル層の形成
に望ましいことが分つている大きさより小さい。亦、米
国特許第4,116,804号の第7図は温度の関数と
して、アルミニウムを火炎噴霧したニツケル心上に12
5.ミクロン厚のNi。Al,層を形成させるのに必要
な時間を示している。与えられた厚さのNi。Al。層
を得るのに必要な時間は、相互拡散温度が減少するにつ
れて急速に増大することに注意されたい。その第7図に
示された条件に対し、そのγ相.の厚さが形成されるの
に、560℃で74時間以上、600℃で29時間以上
、725℃で4時間以上、860℃で1時間必要である
。従つて本発明の熱処理の1〜30分という時間は、は
るかに短く、従つて不経済な燃料供給は少なくなり、更
に他の所で述べたζ如く、使用される操作電力が一層少
なくてよい被覆を与える。660℃より上の温度での処
理中、過度に長い相互拡散時間、例えばl時間以上の時
間は技術的及び経済的理由から避ける。
860℃より上の温度は一般に避けるべきで、添付第7
図に参考の為示したAl−Niについて状態図ではβ相
が約855℃以上で液化し、γ相(Ni,Al。
)へ転移することが示されている。亦、被覆とは組成が
異なつた基材上の被覆に対しては、γ相被覆を生成させ
るのに必要になるような長い熱処理は、基材を損傷する
か或は被覆・基材界面に望ましくないもろい金属間化合
物を形成するかも知れない。例えば、も’しアルミニウ
ムをニツケル被覆の鋼心中へ拡散させる場合、過度の相
互拡散時間或は温度は、アルミニウムが心の鋼基材へ滲
透し、即ちアルミニウムがニツケルを完全に通つて鋼心
へ拡散する結果を起すことがある。この滲透は非常にも
ろいFeAl,金属間化合物相の形式を伴い、その相は
心と相互拡散層との間の結合強度を著しく低下する。亦
、もし相互拡散が余りにも長<続き過ぎると、利用でき
るアルミニウムの全てがニツケル中へ拡散し、相互拡散
材料へ依然として非常に過剰のニツケルが存在すること
になるであろう。このような条件の下では、亦屡々約1
00℃より上の相互拡散温度が用いられた時には、後で
金属間化合物からアルミニウムを満足に浸出することが
できなくなり、従つて高度に活性な多孔質ニツケルは形
成されない。相互拡散中、過度に長い処理或は過度に高
い温度になるのを避けながら充分な量のニツケルとアル
ミニウムを与えることにより、望まし<ない金属間化合
物の形成及び滲透が回避される。上述の如く、アルミ化
と相互拡散工程は継続して行われる。
しかしそれらの工程は密閉拡散(Pack−Diffu
siOn)法により同時に行うこともできる。例えば、
アルミニウムとアルミナ粉末と活性剤との混合物をニツ
ケル心の周りに詰め、次いで750℃の温度で約8時間
水素雰囲気中で加熱することにより希望のニツケル・ア
ルミニウム合金層を形成することができる。希望のニツ
ケル・アルミニウム合金層の形成の後で選択的浸出工程
を行う。
ここで充分なアルミニウムが表面とニツケル・アルミニ
ウム合金層から除去され、活性ニツケル表面層を形成す
る。活性ニツケル凝集体の平均粒径は一般に35ミクロ
ンより小さい。そのような活性層は第5図及び第6図の
電子顕微鏡写真で断面として示されている。一般にNa
OH.KOHの如き水性強塩基、或は他のアルミニウム
を溶解することができる強塩基溶液を選択的工程で用い
る。選択的浸出は約1〜約30重量%のNaOHを含む
苛性水溶液で行なうのが好ましい。例えば室内条件で(
即ち、温度は制j御しない)10%NaOH中で20時
間選択浸出処理するか、又は室温で10%NaOHで1
4時間処理し次いで100℃で30%NaOHで6時間
処理すると、本発明の多孔性ニツケル表面を生ずるのに
満足できることが見出されている。好ましい選択的浸出
1工程は最初1%NaOH中で2時間、次に10%Na
OH中で20時間行い、之等の段階の両方共温度を制御
しない条件で行い、最後に、100℃で30%NaOH
で4時間行う。浸出工程により相互拡散合金属からアル
ミニウムを少なくとも約60%、,好ましくは約75〜
95%除去し、異常に高い電気化学的活性度をもつ多孔
質ニツケル表面を与える。浸出条件はアルミニウムの効
果的な選択的溶解を行わせるため上述の条件から変える
こともできることは認められるであろう。選択的浸出の
後、活性ニツケル被覆は空気に曝すと発熱する傾向を示
す。
この自然発熱傾向は恐らく自然発火問題を起すであろう
。しかし多孔質ニツケル層を化学的に処理する任意工程
を、この潜在的問題を解消するのに用いることができる
。この化学的処理のための都合のよい方法には、多孔質
ニツケルを少なくとも1時間、通常4時間より短い時間
、例えば重量で(a)3%NaNO3又は(b)3%K
2cr2O3又は(c)3%NaClO3と10%Na
OHを含む希薄水溶液中に浸漬する方法が含まれる。之
等の処理は多孔性ニツケル又はニツケル・モリブデン表
面の自然発熱性を、その電気化学的活性度或は機械的性
質を悪くすることなく除くことができる。前の工程で製
造されたような活性多孔質ニツケル表面層は、従来法の
ラネーニツケル表面の多くと比較して剥落に対する傾向
が低く、満足すべき機械的性質を有するが、その層の機
械的性質は任意工程としてニツケルの非常に薄い層を多
孔質表面に被覆することによつて改良することができる
このニツケル層は5〜10ミクロンの厚さが好ましく、
従来の無電解ニツケルメツキ又はニツケル電気メツキ浴
から適用することができるが、多孔性ニツケル層の機械
的強度をその電気化学的活性度を減することなく増大す
る。過電圧の一層高い金属が上に付着することによつて
低過電圧被覆が汚染されることが長寿命の低過電圧陰極
にとつて主な障害の一つであることが現在見出されてい
るが、之は最初解決できない障害であると感じられてい
た。
しかし本発明の陰極ではその表面付着は驚いたことに全
く予期しなかつたことであるが実質的に解消されている
。之は長寿命の低過電圧被覆を可能にする主たる技術的
進歩である。そのような表面付着には閾値が存在し、陰
極分極電位を約−1.100(標準水銀・酸化水銀水素
電極に対して測定して)より低く低下させると、即ち約
140mVより低い過電圧にすると、例えば鉄及び銅の
如き一層高い過電圧金属による汚染は実質的になくなる
ことが今度見出された。陰極液から鉄及び銅以外の多く
の金属汚染物を除去するのが実際的であるが、鉄及び銅
除去問題以上のものがある。なぜなら陰極室へ水を送る
水導管は屡々銅、鉄又は鋼であり、槽容器自体が屡々全
体又は一部が強度のため鉄又は鋼からできており、槽の
電気的接続が屡々銅からその比較的高い伝導度の故に作
られているからである。従来のクロロ−アルカリ電解槽
では、この汚染はほとんど鉄からくる。このような鉄汚
染が最も活性な陰極では起きなくなること、即ち陰極が
最低の過電圧を有することが驚いたことに思いがけず見
出されたのである。
従つて本発明は驚×程低い過電圧及び驚x程長い寿命を
有する点で最良のものを与える。今までそれら二つの点
は両立できない問題があると感じられていた。即ち、低
過電圧陰極被覆は寿命が短い欠点をもつと思われていた
。低過電圧の安定な金属陽極については既に知られてい
るが、陽極についての問題は腐食であつて過電圧ではな
い。陽極は正にその性質から、腐食される傾向をもつの
に対し、陰極は付着物を受ける傾向を有する。この鉄汚
染が起きなくなる理由は明確には分つていない。一つの
可能な説明は、ElectrOkhimiya,l3,
f).7,PP.1052−1056(1977) (
USSR)のGOllnその他による6℃0nnect
i0nBetweenChemica1andE1ec
tr0chemica1Activity0fRane
YNickelCatalysts゛というソ連の目立
たない燃料電池研究論文にむぞうさに報告されている陽
極的変移である。
もしこの変移が、休止している触媒が鋼とほぼ同じ電位
をもち、次に溶液中で300mV即ち陽極的に変移する
ようなものならば、槽を停止している間鋼と被覆との間
の残留電位は全く或はほとんどなく、鉄汚染を起し、陰
極が作動している時には、陽極的変移は過電圧を理論値
に近く低下するであろう (之に対し鋼陰極はそのよう
な変移は経験し7ない)。
原因が実際にはどうであれ、驚Xべき結果は「汚染のな
い」陰極、即ち実質的な鉄汚染を経験しない陰極である
という事である。更に他の予期しない驚異的な結果とし
て、モリブデンをβ相(NiAl3)金属間化合物に添
加した時に得られることが今後見出された。
β相の形成はモリブデンをニツケルとモリブデンの合計
量の約5〜20重量%の量でモリブデンに添加すること
により安定化される。このモリブデンは明らかにβ相が
式NixMOl−XAl3(式中xは重量でのニツケル
とモリブデンの合計量中のニツケルの量の割合である)
で表わすことができるような配列した斜方晶系β相結晶
構造中に捕捉されている。「安定化」とはβ相が一度び
形成されるとγ相(Ni2Al3)へ転移する傾向が小
さくなり、従つて高い熱処理温度を多くのγ相を形成す
ることなく長く続けることができることを意味する。実
際には最適725℃での熱処理を2時間或は4時間或は
4時間続けても、依然としてβ−ラネ一NiMO陰極を
生成させることができる。β相が選択された金属間化合
物であることが今や示されているから、このことはNi
−Al二成分系合金に優.るNi−MO−A1三成分系
合金の重要な利点である。更に、被覆にMOを用いると
水素の脱着熱(気相脱着により決定する)を減じ、この
減少が5〜20重量%モリブデンを含むラネーニツケル
の過電9圧がラネーニツケルと比較して(両方共β相金
属間化合物前駆物質からつくつて)減少していることに
直接関係していることが判明している。
更にβ相ニツケルは実際に、上述のZavOrinその
他によるソ連の文献に既に報告されているように、γ4
相より脱着熱が低いことも判明している。好ましい電極
は5〜20%、最も好ましくは約12〜18%(重量)
のモリブデンと約80〜95%、最も好ましくは82〜
88%(重量)のニツケルとからなるNi−MO合金の
一体的構造をもつもので、溶融アルミニウム中に浸漬し
、約1〜30分間不活性雰囲気中で約660℃〜約85
5℃の温度で加熱することによりラネ一処理を施された
ものである。
約700℃〜約750℃の温度及び約5〜15分の時間
が一層好ましい。なぜなら之は充分なアルミニウムがニ
ツケルへ相互拡散するのに充分な時間を与え、γ相(N
i2Al3)よりもNiAl3、即ちβ相を最大に優先
させることができるが、前述の米国特許第4,116,
804号で特に要求されているようなγ相(Ni2Al
3)が優先させる結果をひき起す程の充分な拡散時間に
はなつていないからである。米国特許第4,116,8
04号の記載とは反対に、驚くべきこととにモリブデン
をβ相NiAl3に添加すると、その相は浸出中に失わ
れず、実際に後でクロロ−アルカリ電解槽に用いている
間に認め得る程の肉薄化は起きないことが見出されてい
る。(第5図及び第6図参照)。
NiAl3表面層の非汚染性は、最も外側の個々のNi
Al3粒子がそこに付着した鉄と共に徐々にゆつくりと
腐食され、取れて落ちることによるものであると最初仮
定されていた。
実際にはそのようなゆつくりとした連続的腐食は陰極表
面に鉄が蓄積するのを防ぐので、そのような腐食はその
ような腐食がなかつた場合よりも陰極の寿命を短くする
が、望ましいとさえ考えられていた。しかし被覆の実質
的な腐食がなく、実質的な腐食がなくても陰極は何ら実
質的な量の鉄を取り込まないことを見出したことは全く
思いがけないことであり、驚きであつた。付加的なモリ
ブデンは明らかに鉄汚染を生じさせる或る閾値より低く
過電圧を低下させる。NiAl3型被覆が肉薄化しない
というこの驚Xべきことは、鉄汚染に対するNiAl3
の予期せざる優れた抵抗性に対する或る他の未知の原因
によると考えられる。
NiAl3は機械的に弱いという米国特許第4,116
,804号の教示を考慮すると、モリブデン添加が安定
化層をもたらすであろうとは予想できなかつた。実際、
発明者としてのKinh及びMOntvelleとAN
VARによる1976年3月30日米国特許第3,94
7,331号明細書には、ニツケルとモリブデンとの共
析出物は従来機械的強度のほとんどない多孔質で、裂け
目があり、実際的工業的用途とは両立しない層を与える
と教示されている。
そのような裂け目はラネ一処理が施されない或る結晶質
被覆の場合には、かかる裂け目によつて生じた表面積の
増大により被覆を有利とするので、有用かも知れないと
思われる。しかしラネ一表面では、更に裂け目ができる
ことは有利ではなく、むしろ有害であると思われる。な
ぜならそのような裂け目は既にざらざらしたラネ一微細
構造を切り離し、剥落させる傾向を与えると思われるか
らである。ラネ一被覆では、普通の当業者であれば弱い
のを求めるのではなく強いのを求めるものである。従つ
て添加モリブデンを含むラネーニツケルが何ら被覆の認
め得る肉薄化を起すことなく典型的なクカカーアルカリ
電解槽の環境中で作動し続けるということは驚き以上で
ある。本発明の電極は、特に塩水、水等の電解を目的と
した槽の水素発生陰極として、有利に利用することがで
きる。
これらの電極は、βラネーニツケル又はニツケル・モリ
ブデン表面の高電気化学的活性度が長い連続的使用で長
期間に亘つて一定である、塩水電解槽中で用いるのに特
に好ましい。この電極を塩水電解隔膜型槽で用いる場合
には、隔膜は電極の多孔質ニツケル表面に直接適用する
ことができる。例えば、本発明の管状網電極を、その管
の内側を通つて吸引力を加えながらポリテトラフルオロ
エチレン繊維及びアスベスト繊維の水性分散液中に浸漬
する。繊維は網の外側表面上に吸引されて付着し、遂に
は希望の厚さの隔膜が形成される。吸引を止めた後、例
えば95℃で5時間加熱するなどして複合体から水分を
除去する。次にその複合体を350℃で約30分間不活
性雰囲気中で加熱し、隔膜製造を完了させる。当分野で
知られている如く、そのような隔膜の満足すべき作動寿
命時間は、実際には塩水電解槽の陰極の寿命程長くはな
い。経済性から言つて、陰極の作動寿命間に隔膜は数回
換えなければならない。本発明の電極を用いると、電極
の電気化学的活性度或は機械的性質に重大な害を与える
ことなく、隔膜は多孔性ニツケル表面から容易にはぎ取
ることができ、何度も取り換えることができる。同様に
満足すべき結果が他の隔膜材料及び膜材料(例えば、ア
スベスト、ガラス、テトラフルオロエチレン及びポリテ
トラフルオロエチレンの如き不活性繊維ノと混合した親
水性のホスホネート化、スルホン化或はカルボキシル化
したフルオロカーボンテロマ一類からなる陽イオン交換
膜の如きもの)を用いても得られる。
試験法 本発明に伴う種々のパラメーターは以下に記載の方法に
よつて測定される。
多孔質ニツケル層の厚さ 電極の表面に垂直に電子顕微鏡写真用断面を調製した。
断面の典型的な領域について顕微鏡写真を撮る。通常1
50〜700倍の都合のよい倍率で顕微鏡写真中に多孔
質ニツケル層の全厚さを含ませることができる。多孔質
ニツケル層の厚さを顕微鏡写真中に示された層の厚さで
測定し、倍率で割ることによつて決定する。少なくとも
3枚の顕微鏡写真について少なくとも5回の測定を行い
、平均して電極の多孔質ニツケル層の厚さを求める。本
発明の電極に対し、これにより得られる厚さの測定値は
変動係数が一般に5%より少ない。厚さの測定を行うの
に用いることができる種類の顕微鏡写真を第5図及び第
6図に示した。表面気孔率及び平均凝集体粒径 電極の多孔質ニツケル層の表面から無作為的に選択した
領域について走査電子顕微鏡写真を撮る。
倍率は都合上約100〜500倍に設定した。顕微鏡写
真を均一重量の写真紙にプリントする。第5図又は第6
図の走査電子顕微鏡写真から明らかな如く、本発明の電
極の個々の多孔質ニツケル凝集体は容易に区別すること
ができる。凝集体間及びその中の暗い領域(「B」で示
す)は多孔質領域を示す。一般に倍率は少なくとも5個
の完全な凝集体が顕微鏡写真に示されるように選択する
。表面気孔率及び平均凝集体粒径は次の如く顕微鏡写真
から測定することができる。1 電極の表面の典型的な
領域を示すように調製された写真から、凝集体が写真の
縁の所に少しだけ見えるようにして凝集体を切り取る。
部分的凝集体を除くため部分的凝集体とそれに一番近い
完全な凝集体との間の多孔質域の中心線に沿つて切り取
る。写真の残りの部分の面積を測定する。その写真の面
積を倍率の二乗で割れば、分析した表面の面積Sに等し
くなる。切り取つた面積の重量Wを測定する。2 顕微
鏡写真の切り取つた面積内の凝集体の数Nを数える。
それは試料の表面の面内に存在する数である。この試料
の表面の下の面に明らかに存在しているものは数えない
。3顕微鏡写真の切り取つた部分を、試料表面の面内の
凝集体を表す部分と試料表面の面中の多孔質領域を示す
部分に更に切り分ける。
このような切り分けをする際、試料表面の多孔質領域中
に、(a)黒色領域、(b)明らかに試料表面の面の下
にある凝集体域及び(c)試料表面の面の下へ斜めに横
たわつている凝集体のわきの部分(通常黒色多孔質域よ
りいくらか薄い影として現われている)を含ませるよう
に注意する。4 凝集体を表す切り取り部分の重量Wa
、多孔質領域を表す切り取り部分Wpを秤り、Wa+W
p=Wを調べることにより失われた切断部分がないこと
を確かめる。
5 %として表わした表面気孔率PをP (Wp/W)100から計算する。
6D=〔S/N(1−P/100)〕チから凝集体粒径
Dを計算する。
7研究した試料に対する平均値を決定するため測定をく
り返す。
本発明の電極に対しては、変動係数が10%より小さい
P及びDの平均値を得るのに通常5回測定をくり返すだ
けぜ充分である。平均粒径Dを測定する別法は、(1)
同じ倍率Xで電極の表について撮つた5個の顕微鏡写真
の各々から少なくとも5個の典型的な凝集体を切り取る
(2)全重量W及び切り取つた凝集体の数nを決定する
。(3)顕微鏡写真紙の単位面積当りの重量K,を測定
する。そして(4)D:〔(W/n)/K〕+〔1/X
〕から平均凝集体粒径を計算する。浸出前のNi−A1
合金層金属間化合物前駆物質の顕微鏡写真は、浸出した
試料からその構造が容易に確かめられるので不.必要で
ある。
浸出は心又は基材まで完全に浸出し通す程長く続くこと
はめつたにない。なぜならそのようにすると心被覆界面
の金属間化合物を全て溶解し、それによつて被覆が心か
らくずれる傾向を与えることになるからである。従つて
顕微鏡写・真中でラネ一化被覆を見るためには一般に未
浸出合金属が利用される。しかし未浸出層の個々の顕微
鏡写真は次のようにして調製する。
電極の前駆物質の表面に垂直な金属組織を示す断面をつ
くる。
即ち相互拡散処理後であるが選択的浸出工程前のものに
ついてつくる。偏光を用いる。ニツケル・アルミニウム
合金を含む層を含ませて典型的な断面域について顕微鏡
写真を撮る。150〜700Xの倍率が都合よい。
次にニツケル・アルミニウムニ成分系又はニツケル・モ
リブデン・アルミニウム三成分合金層の厚さを、多孔質
ニツケル層の厚さについて前述したような仕方で測定す
る。ニツケル・アルミニウム合金層がNi2Al3又は
NiAl3である場合、粒径の測定は層の顕微鏡写真上
に網を重ねることによつて一層容易に行うこととができ
る。
10個の網目をNiAl3又はNi2Al3含有層の中
心部80%から無作為的に選択する。
各網目の境界内の全粒子の数Zを数える。顕微鏡写真上
の網の面積を倍率の二乗で割れば調べている層の実際の
面積Aである。各網目中の層中のNiAl3又はNi2
Al3の粒径dを調べ、次にd−(A/Z)+によつて
計算する。この式は本質的にNiAl3又はNi2Al
3粒子から本質的になる層に対して成り立つ。与えられ
た試料に対するNiAl3又はNi2Al3の平均粒径
は、単に10個の網目の各々に対する粒径の平均値であ
る。電極の前駆物質中のNiAl3又はNi2Al3を
特定化するために、少なくとも3枚の断面写真を上記分
析にかけると、変動係数が5%より少ない測定値が得ら
れる。金属組織学的試料 上述の顕微鏡写真にかけようとする断面は次のようにし
て調製した。
低速で作動するダイヤモンドカツタ一を用いて試料を切
断して薄片をつくる。次に試料をエポキシ樹脂にとりつ
ける。試料の断面のために都合のよい大きさは約6×1
3mmである。試料の主たる研摩は240A、400A
及び600Aの等級の炭化珪素紙をとりつけた砥石車で
行う。次に研摩を(a)フエルト被覆輪上の0.1ミク
ロンの粉末αアルミナ、次に(b)ミクロクロス(Mi
crO−ClOth)被覆輪上の0.05ミクロン粉末
γ−アルミナを用いて行う。電気化学的槽 第8図は以下に述べる試料の種々の板状電極の陰極電位
を測定するための試験用槽の構造を示す。
電気化学的測定 以下に述べる試料の種々の板状電極の陰極電位を測定す
るために用いた電気化学的試験槽の概略的図が第8図に
示されている。
テトラフルオロエチレン(TFE)から作られた試験槽
1は隔膜2によつて二つの室、陰極室10と陽極室20
へ分けられている。
耐苛性パツキング5及び6で適所に密封された二つのT
FE分離部材3及び4の間に配置された隔膜はナフイオ
ン(NafiOn8)227から作られており、それは
11200当量のペルフルオロスルフオン酸樹脂の均質
な7ミル厚のフイルムであり、このものはデユポン社に
よつて市販されている「T−12」テトラフルオロエチ
レン繊維織物と共に積層したペルフルオロスルフオンア
ミドに1.5ミルの深さまでエチ,レンジアミンによつ
て化学的に変性されている。酸化チタン・酸化レニウム
混晶で被覆された2CIn2の面積の円状チタン陽極を
陽極室中の陽極の端に取りつける。試験槽の陰極になる
試験電極11をフランジ及びパツキング(図示してない
)によつて陰極室の端に配置する。有孔テトラフルオロ
エチレン分離部材3及び4を隔膜2と陽極21及び陰極
1]との間に夫々置く。試験電極の多孔質ニツケル表面
の1cm・の円状面を陰極室の内側へ露出する。
陰極と陽極を陰極電流コレクター12と陽極電流コレク
ター22によつて制御可能な電源へ電気的に結合する。
電流計を二つの電極の間の線に結合する。次に槽1全体
を恒温にした液体浴中に浸漬し、一定の操作温度(例え
ば85℃)にする。11重量%の水酸化ナトリウムと1
8重量%の塩化ナトリウムを含む水溶液からなる陰極液
を入口13から陰極室へ或る速度でポンプで送り、出口
17から溢流させる。
陰極液は85℃に維持する。同様に24〜26重量%の
塩化ナトリウムを含む1.5PHの水溶液からなる陽極
液をポンプで入口23から陽極室へ送り、出口24を通
つて溢流させる。陰極液と陽極液の塩濃度は商業的塩水
電解槽で用いられる典型的濃度である。唯一つの供給塩
水を用いるのではなく陰極液と陽極液の別々の供給源を
用いることにより、希望の陰極液組成を一層よく制御す
ることができる。陰極液と陽極液の流れは、槽を横切る
イオン伝導度を確実に与えるのに充分であるが陰極液組
成に重大な影響を与えノブ るには不充分であるような陽極室から陰極室へのわずか
な溶液の流れが生ずるように制御する。
陽極室20中に配置したラギン(Luggin)テトラ
フルオロエチレン毛細管25及び陰極室10中に配置し
たラギン毛細管15を夫々水銀一酸化水銀参照電極即ち
″S.H.E.″(図示してない)に接続する。その参
照電極を1の他の電極へボルトメーター6を経て接続す
る。ラギン毛細管は、陽極又は陰極と参照電極との間の
イオン的或は電解液的接触をさせるのに溶液抵抗による
電圧降下を最も少なくし、参照電極に対する陽極又は陰
極電位の直接的測定を可能にする。試験電極の陰極電位
を決定するため、電圧を陽極と試験電極(即ち陰極)と
の間に印加し、電流密度が陰極で200mA/Cm2に
なるようにする。
電流密度は電流計で測定したミリアンペア単位の電流を
陰極液に曝した試験電極の多孔質ニツケル表面の面積(
即ち1cmりで割つたものである。従つて200mA/
Cm2の電流密度を得るのに陰極11には200mA適
用すればよい。陰極で発生する水素ガスは、陰極液出口
14を通つて陰極室から取り出す。白金陽極で発生した
塩素ガスは同様に陽極室出口24を通つて除去する。こ
のようにして槽を、電圧計で直接陰極電位を読み取る前
に少なくとも2時間操作する。次の実施例の各々におい
て、電極をつくり、塩水電解試験槽で陰極として試験し
た。
前述の試験手順に従つて全ての特性についての測定を行
なつた。特に別に指示しない限り全ての組成は重量%で
あたえてある。実施例 1 次の如く5種の群の試験電極をつくつた。
(1) 軟j岡 完全に清浄にした軟鋼試片 (2)ニツケル心上のG−ラネ一Ni(従来法)分析で
少なくとも99%のNiである1.6mm厚のニツケル
200シートを約1cn12の試片に切断する。
電極の心になるその試片をアセトンで脱脂し、10%H
CIでかるくエツチングし、水ですすぎ、乾燥した後、
應24グリッドAl2O3を3.4kg/Cm・(50
psi)の圧力で粒子吹き付けを行うことによつて完全
に清浄にした。清浄にしたニツケル試片を、そのニツケ
ル試片の表面に305ミクロン厚のアルミニウム被覆を
火炎噴霧することによりアルミニウム化する。
−200〜+325メツシユのアルミニウム粉末を用い
、従来のプラズマアークスプレー銃を試片から約10c
m離した所から13〜16KWで操作して適用した。ア
ルミニウム化したニツケル試片を窒素雰囲気中760℃
で8時間熱処理し、ニツケルとアルミニウムを相互拡散
させ、γ相(Ni2Al3)アルミ化ニツケルが優勢な
層を形成させる。
熱処理後、試片を窒素流中約2時間冷却させた。1之に
よりNi2Al3が優勢な相互拡散層を生ずる。
生成する試片を次に浸出処理にかけ、アルミニウムを相
互拡散層から選択に除去し、試片上に活性多孔質ニツケ
ル表面を残す。
浸出処理は,相互拡散した試片を10%NaOH中に温
度調節をせずに20時間浸漬し、次いで、30%NaO
H中に100℃で4時間浸漬する。次に試片を水で30
分間すすぐ。(3)ニツケル心上のβ−ラネ一Ni(プ
ラスマス2プレ一)分析で少なくとも99%のニツケル
である1.6mm厚のニツケル200シートを約1cI
n2の試片に切断する。
電極の心になる試片をアセトンで脱脂し、10%HCl
でかるくエツチングし、水です2すぎ、乾燥後、應24
グリッドAl2O3で3.4kg/Cm・(50psi
)の圧力で粒子吹き付けを行うことによつて完全に清浄
にする。清浄にしたニツケル試片を、そのニツケル試片
の表面にアルミニウムの305ミタロン厚の被3覆を火
炎噴霧することによりアルミ化する。
200〜+325メツシユのアルミニウム粉末を用い、
試片から約10cmの距離の所から13〜16KWで従
来のプラズマスプレー銃を操作して適用した・
3アルミ化ニツ
ケル試片を窒素雰囲気中725℃で10分間熱処理し、
ニツケルとアルミニウムを相互拡散させてβ相(NiA
l3)アルミ化二ツケルが優勢な層を形成させる。
熱処理後、試片を窒素流中約2時間冷却する。之により
NiAl4・3が優勢な相互拡散層を生ずる。生成した
試片を次に浸出処理にかけ、アルミニウムを相互拡散層
から選択的に除去して試片上に活性多孔質ニツケル表面
を残すようにする。
浸出処理は相互拡散した試片を10%NaOH中に温度
調節をせずに20時間浸漬し、次いで30%NaOH中
に100℃で4時間浸漬する。
次に試片を水で30分間すすぐ。4)ニツケル心上のβ
−ラネ一Ni(浸漬)分析で少なくとも99%のニツケ
ルである1.6mm厚のニツケル200シートを約1c
In2の試片に切断する。
電極の心になるその試片を、アセトンで脱脂し、10%
HClでかるくエツチングし、水ですすぎ、乾燥後、f
).24グリッドAl2O3で3.4kg/Cm・(5
0psi)の圧力で粒子吹き付けすることにより完全に
清浄にする。清浄にしたニツケル試片を、市販の融剤を
適用し、次に溶融アルミニウムのポツト中にその試片を
アルミニウムで完全に被覆するのに充分な時間浸漬する
ことによつてアルミ化する。
アルミ化したニツケル試片を窒素雰囲気中725℃で1
0分間熱処理してニツケルとアルミニウムとを相互拡散
させ、β相(NiAl3)アルミ化ニツケルが優勢な層
を形成させる。
熱処理後、試片を窒素流中で約2時間冷却する。之によ
りNiAl3が優勢な相互拡散層を生ずる。生成した試
片を次に浸出処理にかけ、相互拡散層から選択的にアル
ミニウムを除去し、試片上に活性多孔質ニツケル表を残
す。浸出処理は相互拡散させた試片を10%NaOH中
に温度調節せずに20時間浸漬し、次に30%NaOH
中に100℃で4時間浸漬する。次に試片を水で30分
間すすぐ。}) Ni−15M0心上のβ−ラネ一Ni
−15M0(浸漬)分析で少なくとも84%のニツケル
と15.0±0.1%のMOからなる合金(Ni−15
M0)である1.6mm厚の合金シートを約1cIn2
の円板状試片に切断する。
電極の心になる試片をアセトンで脱脂し、10%HCI
でかるくエツチングし、水ですすぎ、乾燥後屋24グリ
ッドAl2O3で3.4kg/Cm・(50psi)の
圧力で粒子吹き付けをして完全に清浄にする。清浄にし
たニツケル・モリブデン試片を、市販融剤を適用し、次
いで溶融アルミニウムのポツト中へ、アルミニウムで試
片を完全に被覆するのに充分な時間浸漬することにより
アルミ化する。
アルミ化したニツケル・モリブデン試片を窒素雰囲気中
で725℃で10分間熱処理してニツケルとアルミニウ
ムとを相互拡散させ、β相(NiAl3)アルミ化ニツ
ケルモリブデン((Ni−15M0)Al3)が優勢な
層を形成する。
熱処理後、試片を窒素流中約2時間冷却する。之により
(Ni−15M0)Al3が優勢な相互拡散層を生ず
る。生成試片を次に浸出処理にかけ、相互拡散層からア
ルミニウムを選択的に除去し、試片上に,活性多孔質ニ
ツケル・モリブデン表面を残す。
浸出処理は、相互拡散させた試片を10%NaOH中に
温度を調節せずに20時間浸漬し、30%NaOH中に
100℃で4時間浸漬することからなる。
次に試片を水で30分間すすぐ。陰極電位を45日間調
べて、電位が定常的に増大するか又は或る値で一定にな
るかどうかを測定した。
結果を第1図にプロツトした。
β相前駆物質からのラネ一Ni−15M0は他の4種の
試料よりも低い水準で始めから終り迄一定であるが、γ
相の試料はラネ一Ni−15M0より約120mVも陰
極的な電位を最初もつているが、45日後には約320
mV一層陰極的電位を有するようになることが分る。亦
、β相からのラネ一Ni(モリブデンなし)はβ相前駆
物質(浸漬)からのラネ一Ni−15M0より、浸漬か
又はプラズマスプレーであるかにより、最初50m又は
90m一層陰極的電位を有する。しかしモリブデンを添
加しないβ前駆物質からのラネ一Niは、45日間の試
験で約50mVの陰極的電位増大を経験した。亦、清浄
な軟鋼は最初約150mの電位低下を示し、次いで次第
に増大してその最初の出発時の値の約−1.500へ戻
ることも分る。β相前駆物質からのラネ一Ni−15M
0が60mの一定した低い過電圧をもつことは思いがけ
ないことであつた。実施例 2 本発明のβ−ラネ一Ni−15M0試片を実施例1の試
片5の場合と同様な手順によりつくつた。
本発明の第二の試片を実施例1の試片2の場合と同様な
手順によりつくつた。但し99%ニツケルシートの代り
にNlO.9OMOO.lOシートを用い、β−ラネー
Ni−15M0(プラズマスプレー)を生成させノた。
陰極分極電位(IRなし)対電流密度としてプロツトし
た結果を第2図に示した。
β−ラネ一Ni−15M0は20〜40mV低い分極即
ち低い過電圧を有する。200mA/CTn・の典型的
な隔膜型用電流密度では、陰極電位はβ−ラネ一Ni−
10M0(プラズマスプレー)に対しては約0.97V
、β−ラネ一Ni−15M0(浸漬)に対しては約−0
.93である。
200mA/Cm2では実施例1の軟鋼電極に対する典
型的陰極電位(IRなし)は−1.28であつた(第4
図参照)。
実施例 3 実施例2の試片を、標準陰極液(15%NaCl,ll
%NaOH,O.l%NaClO3,73.9%H2O
,85℃)中200mA/♂の電流密度で45日間試験
し、前述の電気化学的測定により水銀・酸化水銀(標準
水素電極即ちS.H.E.)に対して測定した。
βラネ一Ni−15M0(浸漬)の2個の試片と、βラ
ネ一Ni−10M0(プラズマスプレー)の1個の試片
とを用いた。β−ラネ一Ni−15M0(浸漬)試片は
夫々一定の−1.03V(90mV過電圧)の陰極電位
をもつが、β−ラネ一Ni−10M0(プラズマスプレ
ー)はS.H.E.に対し−1.04〜1.140のゆ
つくり変動する陰極電位を示す。βラネ一Ni−10M
0(プラズマスプレー)の電位は約4週間後に一定水準
になり、−1.08V(140m過電圧)で一定のまま
であつた。実施例 4実施例1の試片2について記載し
たのと同じ手順に従い、第一の試片をつくり、従来法の
G−ラネ一Ni被覆Ni陰極をつくつた。
実施例1の試片3について述べたのと同じ手順に従い第
二の試片をつくり、本発明のβ−ラネ一Ni被覆Ni陰
極をつくつた。実施例1の試片1について述べた方法に
より第三の試片をつくり、軟鋼陰極をつくつた。前述の
標準陰極液中で3種の試片を電気化学的に測定すること
によりIRがない場合の分極対電流密度曲線を測定した
。本発明のβ−ラネ一Ni陰極は200mA/CTn・
で従来法のG−ラネ一Ni陰極より約60m少ない分極
電位を有する。亦、第2図及び実施例2のβ−ラネ一N
i−15M0(浸漬)被覆Ni−15M0陰極を参照の
ためプロツトした。本発明のβ−ラネ一Ni−15M0
(浸漬)陰極は200mA/Cm・で約110mV少い
過電圧をもつている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の陰極を含む種々の陰極の分極電位(参
照、標準水素電極)対時間のグラフである。 第2図は本発明の二つの陰極の分極電位(参照、標準水
素電極)対電流密度のグラフである。第3図は本発明の
陰極の分極電位対時間を軟鋼陰極と対比したグラフであ
る。第4図は本発明の陰極及び従来技術の陰極のIRが
ない場合の分極電位対電流密度の比較グラフである。第
5図はラネ一処理直後に見られる、NO.85MOO.
l5Al3(β相)前駆物質から形成されたラネ一Ni
−15M0支配域を示す本発明の陰極の被覆の顕微鏡写
真である。第6図は第1図の電解試験後に見られる第5
図の陰極の被覆の顕微鏡写真で、β相構造が依然として
ほとんどもとのままであり、本質的に鉄の付着はなく、
被覆も薄くなつていないことを示している。第7図は浸
出前のアルミニウム、β(NiAl3)、γ (Ni2
Al3)及びニツケル相前駆物質を示す顕微鏡写真及び
データーである。第8図は本発明が用いられた実験室電
解槽の垂直断面図である。11一陰極、2]一陽極、1
3一陰極液入口、23一陽極液入口、]4一陰極液出口
、24一陽極液出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a)5〜20重量%のモリブデンと、80〜95重
    量%のニッケルとからなるニッケル・モリブデン合金の
    清浄な導電性金属心の表面をアルミニウムで被覆し、b
    )前記被覆した表面を660°〜750℃の温度で熱処
    理して前記金属心へアルミニウムを拡散させ、それによ
    つて金属間化合物β相(Ni_xMo_1_−_xAl
    _3)(式中、xは重量比で0.80〜0.95である
    )から主としてなり、金属間化合物γ相(Ni_xMo
    _1_−_x)_2Al_3を実質的に含まない外側ニ
    ッケル・モリブデン・アルミニウム合金層を形成し、c
    )前記外側合金層中の前記金属間化合物からアルミニウ
    ムを浸出除去する、諸工程からなることを特徴とする、
    電解槽中の水素発生陰極として用いるための低過電圧電
    極の製造方法。 2 熱処理を2時間より短い時間行う前記第1項に記載
    の方法。 3 熱処理中維持される温度が200℃〜750℃の範
    囲にある前記第1項に記載の方法。 4 温度が715℃〜735℃の範囲にある前記第1項
    に記載の方法。 5 被覆工程が前記金属心を650℃〜675℃の範囲
    の温度の溶融アルミニウム中へ1〜2分間浸漬すること
    によつて適用される前記第1項に記載の方法。
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