JPS5950737B2

JPS5950737B2 - 銅の連続製錬法

Info

Publication number: JPS5950737B2
Application number: JP9700981A
Authority: JP
Inventors: 寿彦五十嵐; 明義山城
Original assignee: Mitsubishi Metal Corp
Current assignee: Mitsubishi Metal Corp
Priority date: 1981-06-23
Filing date: 1981-06-23
Publication date: 1984-12-10
Also published as: JPS57210930A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、銅カワまたは硫化銅精鉱を処理して硫黄含
有量の少ない粗銅を得る際の工程改良技術に関する。

硫黄金属鉱を原料にして銅の連続製錬をなす場合、一般
には（１）鉱石の予備処理、（２）カワの製造、（３）
粗銅の製造の各工程を経て行なわれるが、それらの各工
程は、溶錬炉→分離炉（あるいは分離槽）→製銅炉と続
く一連の炉中において連続的に進行する。

この発明は、これらの工程中、製鋼炉における粗銅の製
造に関する。

製鋼炉においては、溶錬炉および分離槽を経て製造され
た銅カワ、または硫化銅精鉱を処理して硫黄含有量の少
ない粗銅を得る処理がなされる。

ところが、この粗銅を得る際、酸化銅を含むカラミが必
然的に副生ずる。

そこで従来一般には、その副生したカラミを再び溶錬工
程に房す方法が採られていた。

しかし、その一般の方法では処理の連続性を損ねるので
、本出願人は、酸化銅を含むカラミを溶錬工程に繰り返
すことなく効果的に処理してカラミからの銅回収をも可
能とした銅の連続製錬法を先に提案した（昭和５３年出
願公開第２２１１５号）。

その先の提案に係る技術については、第１図に示すフロ
ーシートが明らかにしているように、通常と同様溶錬炉
および分離槽を経て製造された溶融カワ、または硫化銅
精鉱に対し、空気を過剰に用いて処理する製鋼炉におけ
る第一工程と、還元処理をなす還元炉における第二工程
とからなる。

製銅炉における第一工程では、溶融カワまたは溶解した
硫化銅精鉱よりなる浴に、ＣａＯを生成する溶剤（たと
えば石灰石や石膏）の添加の下で空気または酸素富化空
気を理論量より過剰に吹き込み、硫黄含有量の低い粗銅
と酸化銅を含むカラミとを生成し、また還元炉における
第二工程では、第一工程において生成した粗銅とカラミ
とを分離し、その分離したカラミに還元剤および珪砂等
よりなる溶剤を添加して粗銅と脱銅カラミとを生成する
。

ところで、このような先の提案に係る技術において、前
記還元炉での第二工程によって得られる粗銅は少なく
（たとえば、第一工程で得られる粗銅の量を９とした場
合、第二工程でのその割合はｌである。

）、その処理がきわめて面倒であり、コスト的にも難を
生じることが判明した。

すなわち、生成する少量の粗銅を連続的に抜き出すこと
は困難であるため、還元炉においては、粗銅抜き出し用
タップホールから定期的にタッピングしなければならず
、その作業のために多大の労力と費用とを要し、しかも
また、その粗銅を溶融状態のまま製鋼炉等へ移送するこ
ともできないため、それを冷却固化した後、製鋼炉ある
いは精製炉へ装入しなければならず、それによる熱的ロ
ス、あるいは輸送のための労力、費用も必要となるので
ある。

この発明は以上の点を考慮してなされたものであり、銅
の製続製錬における処理の連続性を損なわないことは勿
論のこと、粗銅製造のための処理が容易でコスト的にも
有利な改良技術を提供することを目的とするものて゛あ
る。

以下、添付の第２図を参照しながら、この発明の内容に
ついて詳細に説明する。

第２図はこの発明によるフローシートを示す。

それに示すように、この発明にあっても、溶錬炉および
分離槽■を経てカワを製造する工程、並びにその溶融カ
ワを製鋼炉において、ＣａＯを生成する溶剤添加の下で
空気または酸素富化空気を理論量より過剰に吹き込むこ
とによって、硫黄含有量の低い（硫黄含有量１％以下）
粗銅と酸化銅を含むカラミとを生成する工程については
、前述した第１図の場合と同様である。

しかし、第１図の場合には生成した粗銅とカラミとを分
離し、その分離したカラミに還元剤および珪砂等よりな
る溶剤を添加して粗銅と脱銅カラミとを生成するように
しているのに対し、この発明では、生成した粗銅とカラ
ミとを共に、還元雰囲気に保った分離槽■に装入し、そ
の分離槽■で粗銅とカラミとを分離し、かつカラミを還
元処理するようにしている。

したがって、この発明では、製銅炉の粗銅およびカラミ
をオーバーフロー口１ケ所から流出させ、分離槽■へ移
送する。

その分離槽■は、還元剤（コークス、石炭あるいは木炭
等の固体還元剤、または気体、液体還元剤）を添加ある
いは吹き込むことによって、炉内を予め還元雰囲気に保
たれている。

この分離槽■では、連続的に流入する粗銅、カラミを分
離し、と同時に、連続的に添加される還元剤によってカ
ラミは還元されて１％以下に脱銅される。

脱銅されたカラミは、比重分離によって連続的に分離槽
■内から流出され水砕処理される。

また一方、分離した粗銅は、還元により生成した粗銅を
吸収し、連続的に次工程へと送られる。

以上のように、この発明にあっては、ｉ製銅炉で生成す
る粗銅と酸化銅を含むカラミとを共に、還元雰囲気に保
った分離槽に装入するようにしているので、還元工程に
より生成する粗銅を、タッピングを要せずに次工程へ連
続的に移送することができ、ｉｉさらに製鋼炉において
は、製鋼炉自身の分離工程がなくなるので、粗銅を複雑
な構造のサイフオンなどにより抜き出さなくともよく、
粗銅もカラミも共にオーバーフローさせて分離槽に送れ
ばよいという優れた利点が得られる。

またそれに関連し、製銅炉の溶湯抜き出し口が２ケ所か
ら１ケ所に縮少することになるので、炉の保全上もきわ
めて有利になる。

なお、この発明は、不純物（Ｐｂ、Ａｓ、Ｂｉ、
Ｓｂ等）の少ない硫化金属鉱を原料とした場合に実効が
ある。

不純物が多い硫化金属鉱を原料とする場合、不純物は、
製鋼炉において酸化されカラミ中に分離濃縮され、つい
で分離槽■において還元されて再び粗銅中に入り込むた
め、実際上この発明は有効とはいえない。

また、溶錬炉および分離槽を経て製造された溶融カワ、
または硫化銅精鉱に対し、空気を過剰に用いて処理する
製鋼炉における第一工程の後、還元炉において還元処理
をなす場合、処理物の流動性の向上のため一般には珪砂
等よりなるフラックスを添加するが、次のような方法を
採るならば、還元処理をなす第二工程で珪砂等のフラッ
クスを添加しないでも流動性の良いカラミ等を得ること
ができる。

その方法とは、第一工程において添加するフラックス量
を、第二工程における処理物中のＣａＯ品位が１８〜２
８％になるように調整することによって、Ｃａ０−Ｆｅ
Ｏ−Ｆｅ２０３系の低融点のカラミを生成するように調
整する方法である。

次に、実施例を挙げることによってこの発明の内容をよ
り明らかにする。

不純物の少ない硫化金属鉱を溶錬炉に装入し、その溶錬
工程の成品である粗銅とカラミとを保持した製銅炉に、
Ｃｕ６６％のカワを１２５トン／Ｈｒ装入しつつ、空気
８００ＯＮｍ”／Ｈｒ、０゜８０％の工業酸素を１０
１００ＯＮ／Ｈｒランスパイプから吹き込み、同時に溶
剤として石灰石を１０００ｋｇ／Ｈｒ供給し、５Ｏ０１
％の粗銅とＣｕ１７％、ＣａＯ１６％、Ｆｅ４２％ツカ
ラミを得た。

このカラミ中のＣｕの大部分は酸化物、Ｆｅの大部分は
Ｆｅ３Ｏ４またはＣｕ２Ｏとのフェライト状化合物の形
態である。

また製鋼炉から連続的にオーバーフローしたＣｕ９８．
５％の粗銅７．８１−ンと前記カラミ２．５トンとを予
め還元雰囲気に保った１５０ＫＶＡの電気炉（分離槽■
）へ連続的に装入し、かつ粉状コークスを時間当り３０
ｋｇ／Ｈｒ連続的に装入した。

すると、分離槽■から流出するカラミは、ＣｕＯ０５８
％まで還元脱銅されており、一方還元により生成した粗
銅は、製鋼炉から送られてきた粗銅に混入し連続的に次
工程へ搬出された。

【図面の簡単な説明】

第１図は先の提案に係る銅の連続製錬法を示すフローシ
ートを示す図、第２図はこの発明による銅の連続製錬法
を示すフローシートを示す図である。

Claims

【特許請求の範囲】

１溶融カワまたは溶解した硫化銅精鉱よりなる浴に、
ＣａＯを生成する溶剤添加の下で空気または酸素富化空
気を理論量より過剰に吹き込み、硫黄含有量の低い粗銅
と酸化銅を含むカラミとを生成し、ついで、生成したこ
れらの粗銅とカラミとを共に、還元雰囲気に保った分離
槽に装入し、その分離槽で粗銅とカラミとを分離し、が
っカラミを還元処理することを特徴とする銅の連続製錬
法。