JPS594668Y2 - 投薬用トレ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 病院や医院において、医師により処方された薬を患者に
渡す場合、従来では、薬局で紙製の投薬袋の表面に患者
名、および食前、食中、食後のいずれかあるいは日に何
回服用すべきか、１回につき服用すべき数量、何日分等
の用法等を記載し、その紙製の投薬袋に指示された薬剤
を充填していたが、これをチェックするため、別の薬剤
師が処方箋を見ながら袋を開いて薬剤の種類、数量等を
点検していた。

しかしながらこのような従来の投薬処理方法によれば、
分剤、充填を担当した薬剤師と異なる他の薬剤師が投薬
袋を開いて投薬の内容をチェックしなければならないの
で、手間がか・す、さらに投薬袋内の薬剤を充分に見る
ことができないので、投薬の過誤を完全に防止すること
ができず、しかも投薬内容が複雑化すると、薬剤の種類
、または用法毎に複数の投薬袋に薬剤を充填しなければ
ならないので、投薬の過誤がさらに一層起り易く、また
投薬作業能率が低下することが避けられなかった。

特に重症の入院患者に対する投薬は、時間または日数の
経過に対応して変化することがあるため、細心の注意を
払わねばならず、このために看護婦は看護婦本来の仕事
の外に投薬管理に多大の時間と労力とを必要とした。

しかも投薬袋は不規則な形状となっているため、多数の
投薬袋を規則正しくきちんと盆に乗せることができず、
病院内での薬剤配布が不便であった。

また薬剤が粉状、粒状である場合には、ポリエチレンフ
ィルム等で密封され、さらに薬剤が粉状、粒状または液
状である場合には、筒状蓋付容器に密封されているが、
これらは相互に滑り易くかつ転がり易いため、不安定で
床等に落ち易く、不衛生でしかも薬剤が飛散し易かった
。

本案はこのような難点を克服したもので投薬容器本体の
両側縁に蓋の係合側部を係合させて閉塞された投薬容器
の長縁部を係脱自在に係止しうる複数条の平行な溝をト
レーの長手方向に亙って多数形成するとともに、間溝に
筒状蓋付容器の嵌合凹部を少なくとも１個それぞれ形成
したことを特徴とするもので、その目的とする処は、薬
剤を安定して運搬、保存しうる投薬１〜レーを供する点
にある。

本案は前記したように投薬容器本体の両側縁に蓋の係合
側部を係合させて閉塞された投薬容器の長縁部を係脱自
在に係止しうる複数条の平行な溝をトレーの長手方向に
亙って多数形成するとともに、間溝に筒状蓋付容器の嵌
合凹部を少なくとも１個それぞれ形成したため、前記投
薬容器本体に所、定の薬剤を充填してから前記蓋を同投
薬容器本体に被せ、前記筒状蓋付容器にも他の薬剤を充
填した後、前記投薬容器の長縁部を前記トレーの溝に係
合し、また前記筒状蓋付容器を前記トレーの嵌合凹部に
嵌合すれば、前記投薬容器および筒状蓋付容器を立てた
状態で多数規則的に前記トレーに安定して載せることが
でき、同トレーを持運ぶことにより、前記投薬容器およ
び筒状蓋付容器を落下させずに各患者に確実に配布する
ことができる。

また前記投薬容器および筒状蓋付容器を立てた状態で密
に前記トレーに載せることができるため、多数の薬剤を
能率良く楽に配布することができる。

さらに本案においては、前記溝に筒状蓋付容器の嵌合凹
部を少なくとも１個それぞれ形成したため、前記投薬容
器と筒状蓋付容器とを１対１に対応させて保管すること
ができる。

以下本案を第１図ないし第６図に図示の実施例について
説明すると、１はポリエチレンの如き熱可塑性プラスチ
ックのフィルムを真空成形によって成形された容器本体
で、同容器本体１には長手方向に互って４個の薬剤収納
区画２が形成されると・もに、その一側にラベル凹部３
が形成され、前記４個の薬剤収納区画２の内、左方の区
画２ａに隣接した端縁に沿い係止突条４が突設されてい
る。

また前記容器本体１の長手方向両側縁５に弾性的に係合
しうるように、無色透明なプラスチックフィルム製蓋６
の両側部７が彎曲成形されている。

さらに前記ラベル凹部３と略同じ広さに裁断された投薬
ラベル８には、第３図に図示されるように、患者氏名欄
９、病室欄１０、医師名欄１１．投薬開始欄１２、投薬
終了欄１３および長手方向に亙り前記薬剤収納区画２に
対応して、朝、昼、夕、夜毎に区分された薬剤欄１４が
設けられている。

さらにまた１５は、ビー力１６と蓋１７とよりなる液、
粉末用容器で、ビー力１６には容量を示す目盛が付せら
れている。

しかして周縁にて２枚のプラスチック板を接合してなる
トレー１８の上部には、前記容器本体１の深さよりも僅
かに広い間隔毎に相互に平行に溝１９が形成されると）
もに、間溝１９の一端にビー力受凹部２０が形成されて
いる。

第１図ないし第６図に図示の実施例は前記したように構
成されているので、図示されない処方箋に基づき、前記
投薬ラベル８の各欄９，１０，１１．１２゜１３．１４
にそれぞれ所要事項を記入してから、同各薬剤１４に記
入指示された各薬剤をそれぞれ前記薬剤収納区画２ａ、
２ｂ、２Ｃ，２ｄに入れた後、前記蓋６の保合側部７を
前記容器本体１の両側縁５に係合させたよ・、前記係止
突条４と反対側の端より蓋６を長手方向に沿って摺動さ
せれば、投薬容器に所要の薬剤を１回の投薬分づつ分割
して能率良く充填することができる。

このように収納された容器本体１を、各病室毎にまたは
各科毎に分類して、ベッドの番号順に従ってトレー１８
に載せ、同容器本体１の手前側縁５ａをトレー１８の溝
１９に差込み、投薬ラベル８に液剤または粉剤の投薬指
示があれば、これを充填した液、粉末用容器１５を、そ
の溝１９の延長上のビー力受凹部２０に嵌合させると、
各患者に投与すべき薬剤を各病室毎または各科毎にまと
めて整理整頓することができる。

しかも整理整頓されてトレー１８上に載せられた容器本
体１および液、粉末用容器１５を持って各患者に分配す
れば、極めて能率良く誤りなく各患者に薬剤を配布する
ことができる。

また前記容器本体１（必要な場合には液、粉末用容器１
５も含む）の配布を受けた患者は、投薬ラベル８に記載
された指示に従い、朝の服用時に、密閉された蓋６をそ
の長さの士を右方へ摺動させれば、第１の薬剤収納区画
２ａを開放させ、同区画２ａ内の薬剤を取出して服用す
ることができる。

服用後、蓋６が係止突条４に係止される迄、蓋６を左方
に摺動させて密閉しておき、昼の服用時に、開蓋６をそ
の長さの約半分程度右方に摺動させれば、既に空になっ
た第１薬剤収納区画２ａの外に、第２薬剤収納区画２ｂ
をも開放させることができ、同区画２ｂ内の薬剤を取出
すことができる。

そしてこのようなことを１日に４回繰返せば、１日分の
薬剤を処方箋に指示された通りに誤りなく服用すること
ができる。

さらに蓋１６は無色透明であるため、容器本体１に蓋６
を被せたま・薬剤欄１４に記入された事項や薬剤収納区
画２内に収納された薬剤の種類、数量を直視することが
でき、従来の場合のように、紙袋を開けて処方箋と見比
べながらチェックするのと相異して、投薬内容を頗る容
易に誤りなくチェックすることができる。

さらにまた薬剤収納区画２内に薬剤を収納して蓋６を被
せた状態では、彎曲した係合側部７で蓋６は容器本体１
の両側縁５に密接されるので、前記薬剤収納区画２は密
閉され、空気中の塵埃が薬剤収納区画２内へ侵入するこ
とが阻止され、同区画２内の薬剤は極めて衛生的に保管
され、しかも容器本体１を傾けても、蓋６が脱落する惧
れもない。

また容器本体１の手前側縁５ａをトレー１８の溝１９に
差込んだ状態で、容器本体１をトレー１８に載せた・め
、狭いトレー１８の上に容器本体１を多数安定して整理
した状態で載せることができ、取扱いが頗る容易になる
。

第１図ないし第・６図に図示の実施例では、トレー１８
の溝１９にビー力受凹部２０が１個づつ設けられていた
が、第７図に図示するように、隣接する溝１９相互間に
おけるビー力受凹部２０を相互に中間に位置させるよう
に５個づつ設けてもよく、このようなトレー１８では、
１人の患者に数個の液、粉末用容器１５を配布すること
ができる。

また前記した実施例では、投薬ラベル８は単なる紙であ
ったが、裏に粘着性接着剤を塗布してもよく、このよう
な場合には、投薬終了後、ラベル四部３より投薬ラベル
８を剥し、この投薬ラベル８を体温表、カルテ等に貼付
けておけば、投薬状態を頗る容易に把握することができ
る。

さらに投薬ラベル８を２枚以上の感圧紙で構成し、その
内の１枚をラベル四部２に入れ、他のラベルをカルテ等
に貼付けるようにしてもよい。

さらにまた第８図に図示するように、薬剤欄１４の左右
に、それぞれ２週間分づつ日日毎に細分された投薬数構
２１を設け、１９７８年９月１日の投薬開始田こ対応し
た金曜日の欄（左端の）に縦線を入れて投薬開始曜日を
表示し、それぞれの日に投与すべき薬剤の個数を相当口
の欄に記入しておけば、約１個月に亙る投薬を指示する
ことができる。

各薬剤名の右方に記載されたＴ、ＥＴ、Ｆ、Ｃ，Ｓ等の
略号は、錠剤、発泡錠剤、液薬または水薬、カプセル、
座薬を示しており、ｊは記録されるべき投薬、：は必要
な時のみの投薬、−は医師による取消し、○は患者自身
で服用、＼は投薬できなかったこと、／は不必要となっ
た投薬をそれぞれ示しており、このような略号、記号を
用いることにより、色々な形状の薬剤、投薬方法（例え
ば注射）、投薬状況等を頗る簡単に表示することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る投薬用トレーの一実施例における投
薬容器の分解斜面図、第２図はその横断側面図、第３図
はその要部拡大正面図、第４図は前記実施例における液
、粉末用容器の斜面図、第５図は前記実施例におけるト
レーの斜面図、第６図は同トレーに投薬容器および液、
粉末用容器を装着した状態の縦断側面図、第７図は他の
実施例のトレーの平面図、第８図はさらに他の実施例の
投薬ラベルの平面図である。 １・・・・・・容器本体、２・・・・・・薬剤収納区画
、３・・・・・・ラベル凹部、４・・・・・・係止突条
、５・・・・・・本体側縁、６・・・・・・蓋、７・・
・・・・係合側部、８・・・・・・投薬ラベル、９・・
・・・・患者氏名欄、１０・・・・・・病室欄、１１・
・・・・・医師名欄、１２・・・・・・投薬開始欄、１
３・・・・・・投薬終了欄、１４・・・・・・薬剤欄、
１５・・・・・・液、粉末用容器、１６・・・・・・ビ
ー力、１７・・・・・・蓋、１８・・・・・・トレー、
１９・・・・・・溝、２０・・・・・・ビー力受凹部、
２１・・・・・・投薬数構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 投薬容器本体の両側縁に蓋の保合側部を係合させて閉塞
   された投薬容器の長縁部を係脱自在に係止しうる複数条
   の平行な溝をトレーの長手方向に亙って多数形成すると
   ともに、間溝に筒状蓋付容器の嵌合凹部を少なくとも１
   個それぞれ形成したことを特徴とする投薬用トレー