JPS5945857B2 - コイルばね - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、重量軽減および密着長の短縮等が図れるコイ
ルばねに関する。

コイルばねは自動車などの乗物あるいは一般産業機械用
として広く使用されているが、特に乗物用として用いら
れるばねの軽量化が強く望まれている。

また、乗り心地を良くするためにコイルばねの伸縮スト
ロークを長くとること、すなわち圧縮した際の密着長を
短縮することも望まれている。

ところで従来から一般に使用されている断面円形のコイ
ルはねの場合、コイルの内側と外側とで応力の大・きさ
に違いがあることが知られている。

すなわち、コイル内側に作用する応力は ″”ｍａｘ＝」（）−巳であり、 ８Ｐ Ｃ−１＋０．６１ πｄ３Ｃ−４Ｃ またコイルの外側に作用する応力は （−＝） ８ＰＤ Ｃ＋１ ０．６１ ｍｘｎ 、ｄｓ Ｃ＋４ Ｃ〔ｄ−コイル
素線径、Ｄ＝平均コイル径、Ｃ−Ｄ、、、ばね指数〕 で表わされる。

つまりコイル内側に作用する応力の方が大きい訳である
が、このように不均一な応力分布を生じるものは均一な
応力分布のものに比べて無駄な断面形状であると考えら
れる。

そこで特公昭２７−３２６１号および特開昭５４−１３
２４６１号のように、応力分布の均一化を図る上で、コ
イル内側７５ｉ１’ｉぼ半楕円状でコイル外側を半円形
とした断面形状（以下マユ形と称す）のコイル素線を本
出願人が開発した。

また、上記のようなマユ形断面の素線は米国特許第２９
９８２４２号にも見られるが、単にこのような断面形状
の素線を採用するだけでは十分な軽量化を図りかつスト
ロークを長くすることはできなかった。

本発明は上記事情のもとになされたものでその目的とす
るところは、従来からの断面円形のコイル素線を使用し
たものに比べてはね重量の軽量化および密着長の短縮が
図れるコイルばねを提供することにある。

すなわち本発明は、コイル素線の断面形状をマユ形とす
るとともに、コイル中心径をコイル軸線方向に連続的ま
たは段階的に変化させたことを特徴とするコイルばねで
ある。

・以下本発明の一実施例について第１図ないし第
４図を参照して説明する。

第１図は本発明をたる形コイルばねに適用した例を示す
ものである。

すなわちこのコイルばねは、コイル中心径りがコイル軸
線方向に変化するような形状、つｔリコイル両端側が小
さくなるような形状をな・している。

そしヤコイル素線１の断面形状は、第２図に示すように
コイル内側の部分１ａがほぼ半楕円形をなし、またコイ
ル外側の部分１ｂがほぼ半円形をなすいわゆるマユ形と
しである。

ま、た、このコイル素線１は、後述する理由によりコイ
ル軸線方向の素線径ｄ とコイル径方向の素線径ｄＶと
の関係が１ 、＜ −Ｊ” ＜ １．３となるようにｄ
ＨとｄｖＯ値を設定しである。

上記断面形状のコイル素線を用いることによって、単な
、る円形断面のコイル素線を用いたコイル□ ばねに比べてコイル内側に応力が集中することを防止で
き、コイル内側と外側との応力分布の均等化が可能とな
る。

すなわち、コイル素線１の断面形状に無駄がなくなり、
以下述べるようにコイルの有効巻数を減少することがで
きる。

まだ、コイル中心径が漸次変化するコイル形状としであ
るから、圧縮してコイル素線相互を密着させた場合に、
単なる円側形コイルばねに比べて密着長を短縮すること
ができる。

以下に従来の円形断面コイルばねと本発明による異形断
面コイルばねとを比較する。

まず、円形断面コイルはねと本発明のマユ形断面コイル
ばねを比較する場合、ばね定数および応力（πｍａＸ）
が相等しいとして各々のコイル有効巻数をｎ、Ｎ、また
各々の凸イル重量をＷ、Ｗとすると、□有効巻数比Ｎ、
およびコイル重量比Ｗは以下の式で表わされる。

（ｈ：従来の円形断面コイルはねの有効巻数、Ｎ：本発
明のコイルはねの有効巻数、Ｗ：従来の円形断面コイル
はねの重量、Ｗ：本発明のコイルばねめ重量） Ｎ−９１５一つ（２，１ａＶ／ａＨ−１，１）・・■ｎ
３萄ＩＴガ Ｗ ｄＨ（２，ｌｄ／ｄ １．１） ｗ −ｄ ・ ・・・■Ｖ
に２ 「但しに一冊＋昔、Ｃ−ｑｏｏ、はね指数」上記■、■
式をもとにしてｄＨとｄｙとの比、すなわち縦横の大き
さの度合α（＝？）を関数にして各ばね指数Ｃにおける
ＮとＷの値を第３図と第４図に示す。

すなわち第３図は本発明を適用したコイルばねと円形断
面コイルはねとの有効巻数比率を表わしたものであって
、この図から明らかなようにＣ−１２の場合にはα−１
，３５付近以下であれば有効巻数の減少が見られ、寸た
Ｃ−１０の場合にはα−１，６付近以下で有効巻数の減
少が図れることがわかる。

また第４図はコイル重量比を表わしたものであって、Ｃ
−１２の場合はα−１，３以下、またＣ＝８の場合はα
−１，６以下でコイル重量の軽減が図れることがわかる
。

具体的には、Ｃ−８，α−１，２とすると、従来の円形
断面のものに比べて約１６％軽量化できる訳である。

しかも、上述したように本発明によればコイル有効巻数
を従来の巻数ｎよりも少なくすることができるから、サ
ージングの共振点が高くとれるという利点がある。

すなわち、サージングの共振点ｆ１ は、 Ｊ −− １２πｎＤ ２γ 〔γ０１．材料の単位体積当りの重量〕 で表わされるから、巻き数を少なくできることによって
共振点を使用条件下における駆動振動数より高く設定で
き、サージングを防止する上で有利になる。

一例として、従来の円形断面の円筒形コイルばねと本発
明によるマユ形断面の円筒形コイルばねとの諸元を比較
して次表に示す。

すなわち、従来の円形断面コイルはねに比べ、軽量化率
１６％、密着長の減少率１８．６％となる。

そして一般的なコイルばねのばね指数Ｃは８〜１２の範
囲にあることを考慮すると、第３図および第４図から明
らかなように、αすなわちｌの値が約１．４よりも小さ
く、まだはね指数Ｃが小さくなるほど有効巻数Ｎの減少
率が大きくかつ軽量化率も大きく設計できることになる
。

□そしてＪ′α〈１，３とすれば、ばね指数Ｃに拘らず
有効巻数と重量の双方を減少させることがてきる。

なお本発明は第５図あるいは輌６爾に示したように一部
に等径部１１をもつ円錐形コイルはね、あるいは第７図
に示すような鼓形コ誉ニルばねにも適用できる。

また、第８図に示すようにコイルの内径寸法をコイル全
長にわたって同じにし、コイル中心径りをコイル軸線方
向に変化させ仝±・、うにした略円筒状コイルばねで返
ってもよい。

。まだ、これらの実施例ではコイル素線１′ｌ１７Ｓ
″径を・・ 、、、ぺ：：： 素線の長さ方向にテーパ状に変化さすでいるが、たとえ
ば素線の全長にわた→て一一構の＊ ４ ’、茅達、。

線を用いてもよいμあるいは長さ方向の一部分の径を段
階的に変化させるようにしてもよい。

また、第９図に一例を示したように、コイル素線１の長
さ方向の一部に従来と同様の断面円形の部分１ｃを設け
、他の部分を本発明によるマユ形断面形状の素線とした
ものであってもよい。

また、第１０図に示すように、コイル素線としてパイプ
材を用いて、一層の軽量化を図ることもできる。

本発明は前記したごとき断面形状のコイル素線を用いる
とともに、コイル軸線方向の素線径ｄＨとコイル径方向
の素線径ｄ との関係を１ ＜ ｄ／ｄＨ＜１．３とし
、かつコイル軸線方向にコイル中心径が変化するコイル
形状としたから、従来の断面円形コ４ルばねと同等のば
ね性能をもたせながらコイル有効巻数９減少と軽量化が
可能となり、かつコイル密着長を短縮する上でも非常に
有効である。

したア（つて伸縮ストローク長を長くとれ、自動車など
の乗物用ばねに適用した場合には軽量化とともに乗心地
を改善する上で大きな効果がある。

図面の簡単な説明： 第１図は本発明の一実施例を示すたる形コイルばねの縦
断面図、第２図は同コイルばねにおけるコイル素線の断
面図、第３図は有効巻数比率Ｎを表わした有効巻数比率
線図、第４図はコイル重量比率Ｗを表わしたコイル重量
比率線図、第５図ないし第１０図はそれぞれ本発明の他
の実施例を示すコイルばねの全体または一部の縦断面図
である。

１・・・コイル素線、１ａ６．・コイル内側部分、１ｂ
・・・コイル外側部分、Ｄｏｌ、コイル中心径。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コイル素線の断面形状をコイル内側がほぼ半楕円形
   でコイル外側がほぼ半円形をなす形状とするとともに、
   コイル軸線方向の素線径ｄＨとコイル径方向の素線径ｄ
   ｖとの関係を１ ＜ ｄｖ ／ ｄＨ＜１．３とし、か
   つコイル中心径をコイル軸線方向に変化させたことを特
   徴とするコイルばね。 ２ コイルの素線の径を素線の憂さ方向にテーパ状に変
   化させたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   コイルばね。 ３ コイル素線の長さ方向の一部の断面形状を真円形と
   したことを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２
   項記載のコイルばね。 ４ コイル素線としてパイプ材を用いたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項橙いし第３項のいずれかに記載
   のコイルはね。