JPS594469B2 - 脂溶性抗酸化剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

脂溶性抗酸化剤組成物およびその製造方法

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JPS594469B2
JPS594469B2 JP9144178A JP9144178A JPS594469B2 JP S594469 B2 JPS594469 B2 JP S594469B2 JP 9144178 A JP9144178 A JP 9144178A JP 9144178 A JP9144178 A JP 9144178A JP S594469 B2 JPS594469 B2 JP S594469B2
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Description

【発明の詳細な説明】 食用油、バター等の油脂類は食品として大量に“5 製
造消費されているが、一般に油脂類は酸化されやすく、
一旦酸化されると味が悪くなり酸敗臭を発し、ひいては
食中毒の原因ともなるので、これに対しては従来合成ま
たは天然の抗酸化剤を添加してこれを防止している。
’0 油脂類の酸化は油脂類に含まれている不飽和脂肪
酸の不飽和部分に酸素ラジカルが付加してパーオキサイ
ドを形成し、次にこの部分で分解してアルデヒド、ケト
ンおよび酸等を生ずるためであり、油脂類中に微量存在
する金属が分解を促進すると5 考えられている。
最近、合成食品添加物の安全性が問題となつており、合
成抗酸化剤も例外ではなく、その安全性が懸念され使用
上種々の制限が付けられている。
これに対して天然起源の抗酸化剤としてはトコフ0 工
ロール類が現在使用されている唯一のものであるが、こ
れは合成抗酸化剤に比べて安全性は高いが、効果がかな
りかつ高価なものである。天然起源の抗酸化成分につい
ては、上記トコフェロール類のほかに、天然香辛料が油
脂の酸化防5 止に有効であることが古くから知られて
おり〔シュー ・アール・チパルトら:フード・リサー
チ、第17巻、第46頁(1952年)〕、また、天−
ハ 一然香辛料をエタノールで室温で処理抽出した溶液
が油脂の酸化防止に有効で・あることも知られている〔
渡辺幸雄ら;栄養と食糧、第27巻、第4号、第181
頁(1974年)〕。
しかし、この天然香辛料のエタノール抽出液からエタノ
ールを留去して得られた抗酸化成分含有物は油脂に不溶
で着色度が高く、臭いが強く、特に酸化促進作用を有す
るクロロフイル類を含んでおり、したがつてこれを抗酸
化剤として、または抗酸化剤の原料として使用すること
はできない。即ち、この抗酸化成分含有物から品質の良
い抗酸化剤を製造するには繁雑な精製操作を必要とし、
そのため出発原料に対する抽出率も大巾に減少する。本
発明者は上述のごとき天然香辛料中の抗酸化成分につい
て種々研究した結果、天然香辛料のローズマリ一および
セイジに水溶性の抗酸化成分と非水溶性の抗酸化成分と
の二種類があることを見出し、更にこの非水溶性の抗酸
化成分を効果的に抽出し脂溶化する方法を開発した。
即ち、本発明はローズマリ一,セイジまたはそれらの混
合物から抽出した非水溶性抗酸化成分の濃縮物を主原料
とした脂溶性抗酸化剤組成物およびその製造方法に関す
るもので、上記製造方法の詳細は、これらの混合物を含
水率40〜60%のメタノールまたはエタノールで処理
してその杭酸化成分を抽出(以下この操作を単に[処理
抽出1という。)し、この抽出液に水を加えて非水溶性
抗酸化成分を析出させ、更にこれに活性炭を加えて撹拌
した後、この溶液から非水溶性抗酸化成分と活性炭との
混合物を沢取し、この混合物をメタノールまたはエタノ
ールで処理抽出し、この抽出液から溶媒を留去して得た
粉末状で油脂に不溶性の非水溶性の抗酸化成分濃縮物を
用いて、これをメタノールまたはエタノールに溶解、更
にこれにプロピレングリコールを加えて溶解し、この溶
液にグリセリルモノパルミチル酸もしくはモノステアリ
ン酸エステルまたはグリセリルモノパルミチン酸もしく
はステアリン酸エステルとトコフエロール類とを加えて
混合し、この混合液から溶媒を留去して粉末状またはフ
レーク状で脂溶性抗酸化剤組成物となすものである。本
発明の方法によつて得られる脂溶性抗酸化剤組成物は粉
末状またはフレーク状で油脂類の酸化防止に顕著な効果
があり、しかG安価で且つ天然起源であるから安全性が
高い。
以下に、本発明並びにそれに到つた経過を詳しく説明す
ると、本発明者はまず天然香辛料の中から最も優れた抗
酸化能を有するローズマリ一およびセイジを選び、これ
を種々の溶媒で処理抽出して得られた抗酸化成分区分に
つき、その抽出率(出発原料に対する重量%)、抗酸化
能、着色度合、臭いの度合およびクロロフイル類の含有
度合を検討した。
その結果、抽出溶媒としてメタノールまたはエタノール
を用いれば抽出率が高く、他の溶媒、例えばイソプロパ
ノールやアセトンでは抽出率が低いことが分つた。しか
し、このようにして抽出した抗酸化成分区分は公知のエ
タノールで常温抽出した抗酸化成分含有物と同様の性質
を有し、これは抗酸化剤また抗酸化剤の原料として使用
することはできなかつた。次に、本発明者は天然香辛料
を種々の含水率のメタノールまたはエタノールで処理抽
出して得られた抗酸化成分区分につき、その抽出率等を
検討した。
その結果、含水率が高い程抽出率は高いが、含水率40
%未満ではクロロフイル類が著量抽出され、一方、含水
率60%を越えると着色および臭いの度合が強くなるこ
とを知つた。このようにして含水率40〜60%のメタ
ノールまたはエタノールで処理抽出した抗酸化成分は、
その着色度合、臭いの度合およびクロロフイル類の含有
度合がやや改善されており、抗酸化能は低下しているが
、これは抗酸化剤の原料として使用できることが考えら
れた。次に更に、本発明者は上記の天然香辛料を含水メ
タノールまたは含水エタノールで処理抽出して得た抽出
物を更にメタノールまたはエタノールで二次的に処理抽
出し、得られた抗酸化成分区分につき、その抽出率等を
検討した。
その結果、抽出率は低下したが、抗酸化能および品質は
向上することが分つた。しかし、まだ着色、臭いがあつ
てクロロフイル類を少量含んでおり、これは抗酸化剤ま
たは抗酸化剤の原料として使用することはできなかつた
。最後に、本発明者は上記の天然香辛料を含水メタノー
ルまたは含水エタノールで処理抽出して得た抽出液に水
を加えて抗酸化成分の一部(即ち非水溶性の抗酸化成分
)を析出させ、更にこれに活性炭を加えて撹拌した後、
この非水溶性抗酸化成分と活性炭との混合物を淵取し、
これをメタノールまたはエタノールで二次的に処理抽出
して得られた粉末状の抗酸化成分区分(以下これを非水
溶性抗酸化成分濃縮物という。
)につき、その抽出率等を検討した。その結果、抽出率
は若干低下したが、抗酸化能は大巾に向上し、色は白色
ないし淡褐色で、臭いは無いかあつても僅かであり、ク
ロロフイル類は全く検出されず、これは抗酸化剤の原料
として使用に供することができることを見出した。前記
の操作において、天然香辛料を含水メタノールまたは含
水エタノールで処理抽出して得た抽出液に活性炭のみを
加えた場合には抽出率が大巾に低下し、水のみを加えた
場合にはクロロフイル類の除去ができず、活性炭を先に
加えて撹拌後水を加えた場合には抽出率が大巾に低下す
る。この方法では含水メタノールまたは含水エタノール
で処理抽出して得た抽出液に水、次いで活性炭を加えて
洲過し、残渣をメタノールまたはエタノールで二次的に
処理抽出するものである。上記で含水メタノールまたは
含水エタノールの処理抽出液に水および活性炭を加えて
淵過して得た淵液は、これを減圧下で溶媒を留去すると
、その残留物は抗酸化能を示した。
即ち、これは水溶性抗酸化成分区分である。上述の検討
についての実験結果の一例を第1〜4表に示す。
第1表はローズマリ一を種々の溶媒で処理抽出し、得ら
れた抗酸化成分区分につき、その抽出率等を示したもの
で、抗酸化成分区分の調製の具体的データは次のとおり
である:ローズマリ一1009に各種溶媒11を加えて
3時間加熱還流し、温時F過して抗酸化成分を含む淵液
を得る。残渣を600m1の同じ溶媒で同様に処理抽出
する操作を更に二回繰返し、得られた戸液を合わせ、溶
媒を留去して抗酸化成分区分(粉末)を得る。第2表は
種々の含水率のエタノールでローズマリ一を処理抽出し
て得た抗酸化成分区分につき、その抽出率等を示したも
ので、抗酸化成分区分の調製方法は溶媒が異なるほかは
第1表の場合と同様に行つた。
第3表は40〜60%含水の各種エタノールでローズマ
リ一を処理抽出して得た抽出液を更にエタノールで二次
的に処理抽出し、得られた抗酸化成分区分につv)てそ
の抽出率等を示したもので、抗酸化成分区分の調製の具
体的データは次のとおりである:ローズマリ一1009
に40〜60%含水の各種エタノール11を加えて3時
間加熱還流し、温時淵過して抗酸化成分を含む炉液を得
る。
残渣を600m1の同じ溶媒で同様に処理抽出する操作
を更に二回繰返し、得られた沢液を合わせ、溶媒を留去
して抗酸化成分を含む固体を得る。これにエタノール4
00m1を加えて3時間加熱還流し、温時済過して抗酸
化成分を含む淵液を得る。残渣をエタノール240m1
で同様に処理抽出する操作を更に二回繰返し、得られた
淵液を合わせ、エタノールを留去して抗酸化成分区分(
粉末)を得る。第4表は各種含水率のエタノールでロー
ズマリ一を処理抽出して得た抽出液に水を加えて非水溶
性の抗酸化成分を析出させ、更にこれに活性炭を加えて
撹拌した後、この溶液から非水溶性抗酸化成分と活性炭
との混合物を沢取し、これをエタノールで二次的に処理
抽出して得られた非水溶性抗酸化成分濃縮物につき抽出
率等を示したもので、上記抗酸化成分濃縮物の調製の具
体的データは次のとおりである:ローズマリ一1009
に40〜60%含水の各種エタノール12を加えて3時
間加熱還流し、温時沢過して抗酸化成分を含む済液を得
る。
残渣を600m1の同じ溶媒で同様に処理抽出する操作
を更に二回繰返し、得られたP液を合する。この抽出液
に水500m1を加えて非水溶性抗酸化成分を析出させ
、更にこれに活性炭109を加えて撹拌し、この溶液を
一夜冷所に放置した後、沢過して非水溶性抗酸化成分と
活性炭との混合物を得る。この混合物にエタノール40
0m1を加えて3時間加熱還流し、温時済過して非水溶
性抗酸化成分を含む淵液を得る。残渣をエタノール24
0m1で同様に処理抽出する操作を更に二回繰返し、得
られた済液を合わせ、エタノールを留去して不純物含量
の少ない非水溶性抗酸化成分濃縮物(粉末)を得る。ま
た、以上の実験で各区分の抗酸化能は電子供与能の価を
指標として比較した。
電子供与能はラジカル部分を有する化合物、1,1−ジ
フエニル2−ピクリルヒドラジルが還元されると、その
還元度合により吸光度が変化することを利用して測定し
た。電子供与能の価が高いほど還元能力が強く、また同
一または同種の物質ではその電子供与能は抗酸化能と相
関関係にある。具体的な測定方法は次のとおりである:
試料約50mgを正確に秤量し、少量のエタノールを加
えて加温溶解し、さらにエタノールを加えて全量を50
m1としたものを試験用原液とする(0.1%溶液)。
これを0.5m1、1.0m1および1.5w11とり
、それぞれにエタノールを加えて5m1としたものを試
験溶液とする(0.01%、0.02%および0.03
%溶液)。各試験溶液0.5m1に0.1Mのリン酸緩
衝液(PH6.5、以下P液という。5.0m1および
2×10−4Mの1,1−ジフエニル一2−ピクリルヒ
ドラジルーエタノール溶液(以下D液という。
)4.5m1を加え電子供与能=Δ0.D.525/試
験溶液中の試料σただし、Δ0.D.525一0.D.
525(COntrOI)−{0・D・525(Saて
混合し. 25℃で30〜40分放置し、50%エタノ
ール含有P液に対して525mμにおける吸光度〔以下
0.D.525(Sample)という。
〕を測定する。上記の測定法で試験溶液に代えてエタノ
ール0.5m1を用いたものを対照とし、D液に代えて
エタノール4.5m1を用いたものをブランクとして、
それぞれについて同様に525mμにおける吸光度〔以
下0.D.525(COntrOl)および0.D.5
25(Blank)という。〕を測定する。前記の各濃
度における電子供与能を次式により算出し、その平均値
を試料の電子供与能とする。度(%)1e)−0.D.
525(Blank)}第1〜4表中の符号の意味は下
記の通りである。
丹+:着色度合が非常に高い、臭いの度合が非常に高い
、クロロフイルの含有度合が非常に高い。丹 :着色度
合が高い、臭いの度合が高い、クロロフイルの含有度が
高い。
+ :着色度合が低い、臭いの度合が低い、クロロフ
イルの含有度合が低い。
:ほとんど着色がない、ほとんど臭いが ない、クロロフイルを含んでいない。
上述のように、第4表の実験方法によつて調製した非水
溶性抗酸化成分濃縮物は不純物含量が少Cなく抗酸化剤
としての必要な多くの物性を具えているが、これは尚油
脂類に溶解しない不便がある。
そこで本発明者は上述の非水溶性抗酸化成分濃縮物の脂
溶化について検討を行つた。その結果、該抗酸化成分濃
縮物をメタノールまたはエタノールンに溶解した溶液に
プロピレングリコールを加えて溶解し、この溶液に食品
用界面活性剤のグリセリルモノパルミチン酸もしくはモ
ノステアリン酸エステルを加えて混合し、この混合液か
ら溶媒を留去して残留物を放冷したところ、得られた非
水溶3性抗酸化剤組成物は油脂に溶解することを見出し
た。ここに、グリセリルモノパルミチン酸またはモノス
テアリ酸エステルを使用した場合には溶液を均一に混合
することができ、得られた非水溶性抗酸化剤組成物の外
観が良く、保存中または油脂.に添加しても構成成分が
分離することがない。これに対し、同じく食品用界面活
性剤であるゾルビタン脂肪酸エステルを使用すると、こ
れはプロピレングリコールに溶けないので、大量のアル
コール、例えばエタノールに溶かして前記非水溶性抗,
酸化成分濃縮物のエタノール溶液に添加するを要し、し
かもこのようにして製造した抗酸化剤組成物は油脂に添
加すると該エステルが析出する欠点がある。同じく食品
用界面活性剤のシヨ糖脂肪酸エステルを使用した場合に
は、これは粉末であるので、これによつて該非水溶性抗
酸化成分濃縮物の脂溶化は困難であり、また油脂類など
を溶剤として用いても非水溶性抗酸化成分濃縮物の含有
量は5%程度にしかならず、さらに高温では褐変する欠
点がある。ゾルビタン脂肪酸エステルおよびシヨ糖脂肪
酸エステルには上記の欠点があるが、これらは親油性の
増大、外観の向上等の目的でグリセリルモノパルミチン
酸またはステアリン酸酸エステルと併用することができ
る。
この場合の使用量は抗酸化剤組成物の品質をそこなわな
い程度の量、上記グリセリルモノ脂肪酸エステルの量の
10〜20%である。上述した非水溶性抗酸化成分濃縮
物の脂溶化およびこれにより得られた本発明の抗酸化剤
組成物の酸化防止効果についての実験例を示すと、第4
表の実験と同様の方法で得た非水溶性抗酸化成分濃縮物
109をエタノール65m1!に加熱溶解し、この溶液
にプロピレングリコール59を加えて70℃に加熱して
溶解した。
この溶液にグリセリルモノステアレート359を加えて
80℃で撹拌混合し、この混合物からエタノールを留去
し、残留物を放冷して粉末状の抗酸化剤組成物50gを
得た。この抗酸化剤組成物を抗酸化剤無添加のラードに
それぞれ01(fl)(非水溶性抗酸化成分濃縮物とし
て0.02%)および0.02%(同上0.04%)添
加して、AOM試験(Q7,8%C.2.33TfLl
air/Sec)によりその酸化防止効果を調べた。試
験結果をグラフにして第1図に示す。抗酸化剤無添加の
ものを対照とし、比較のため天然トコフエロール・ミツ
クス(エーザイ(株)製品)0.02%添加のものおよ
び合成抗酸化剤のBHAO.O2%添加のものについて
も調べた。過酸化物価(POV)が30に達するまでの
時間を第5表に示す。第1図および第5表より、杢発明
の抗酸化剤組成物は天然トコフエロール・ミツクスより
格段に優れた効果を有することが分る。
以上の説明において、本発明の脂溶性抗酸化剤組成物の
主原料であるローズマリ一,セィジまたはそれらの混合
物から抽出された非水溶性抗酸化成分濃縮物としては、
前記第4表の実験方法によつて調製されたものを例示し
たが、これは同表の即ち、要するに、不純物含量の少な
い、いいかえると着色、臭いの度合およびクロロフイル
類の含有度合がきわめて低く且つ抗酸化能の高い調製品
であれば、本発明の脂溶性抗酸化剤組成物の製造に供す
ることができる。
次に、本発明者は、前述したごとき非水溶性抗酸化成分
濃縮物を主原料として本発明の脂溶性抗酸化剤組成物を
製造するさいに、トコフエロール類を添加した場合の製
品の抗酸化能について検討した。
その結果、非水溶性抗酸化成分濃縮物2〜10重量部に
対しトコフエロール類1重量部を添加するときは、抗酸
化能の顕著な向上が見られた。従来、ローズマリ一およ
びセイジのエタノール常温抽出による前記抗酸化成分含
有物については、α一トコフエロールとの併用では相乗
的効果は認められないものとされていた(渡辺幸雄ら:
前掲書)。したがつて、上記本発明の脂溶性抗酸化剤組
成物の製造過程におけるトコフエロール類の添加効果は
、本発明者により初めて見出された事実であるというこ
とができる。これについての実験例を示すと、前記第4
表の実験と同様の方法で得られた非水溶性抗酸化成分濃
縮物59をエタノール60111に加熱溶解し、この溶
液にプロピレングリコール5gを加えて70℃で溶解し
た。この溶液にグリセリルモノステアレート359およ
び天然トコフエロール・ミツクス59を加えて800C
で撹拌混合し、混合物からエタノールを留去し、残留物
を放冷して粉末状の抗酸化剤組成物を得た。これは非水
溶性抗酸化成分濃縮物:天然トコフエロール・ミツクス
=1:1の割合であり、同様の操作で2:1,4:1,
5:1および9:1の各組成物を製造した。これらを抗
酸化剤無添加のラードに0.01%(非水溶性抗酸化成
分濃縮物と天然トコフエロール・ミツクスとの合計とし
て0.02%)添加して、AOM試験(97.8℃,2
.33m1air/SeC)により、その酸化防止効果
を調べた。試験結果をグラフにして第2図に示す。抗酸
化剤無添加のものを対照とし、比較のため天然トコフエ
ロール・ミツクスのみ0.02%添加のものおよび天然
トコフエロール・ミツクスを含まない本発明の脂溶性抗
酸化剤組成物0.1%(非水溶性抗酸化成分濃縮物とし
て0.02%)添加のものについても調べた。過酸化物
価(POV)が30に達するまでの時間を第6表に示す
。表中、本発明の抗酸化剤組成物1〜6の意味は下記の
通りである。
1:天然トコフエロール・ミツクスを含まない本発明の
組成物2:非水溶性抗酸化成分濃縮物1重量部に対し天
然トコフエロール・ミツクス1重量部を添加して製造し
た本発明の組成物(即ち添加割合1:1)3:同じく添
加割合2:1の本発明の組成物4:同じく添加割合4:
1の本発明の組成物5:同じく添加割合5:1の本発明
の組成物6:同じく添加割合9:1の本発明の組成物第
2図および第6表より、非水溶性抗酸化成分濃縮物に天
然トコフエロール・ミツクスを添加することにより、該
組成物の抗酸化能の向上が認められ、特に添加割合が4
:1の場合に最も効果が高いことが分つた。
上記におけるトコフエロール類としては天然または合成
のトコフエロール類、例えばdl− α一トコフエロー
ル、dl−β一トコフエロール、α−γトコフエロール
、d−δ一トコフエロールまたはこれらの混合物をあげ
ることができる。
本発明の脂溶性抗酸化剤組成物の製造方法における各工
程の操作条件については、溶媒による抗酸化成分の抽出
操作としては通常の抽出操作を用いることができるが、
抽出溶媒の沸点で2〜5時間行うのが最も効率が良い。
沸点以下の温度でも抽出可能であるが長時間を要する。
抽出液から溶媒を留去するには通常の濃縮操作を用いる
ことができるが、減圧濃縮が最も簡便である。非水溶性
抗酸化成分を析出させるのに必要な水の量は原料の天然
香辛料1重量部当り3〜8重量部で、特に5重量部程度
が好ましい。3重量部未満では析出量が少なく、8重量
部を越えると着色が著しくなる。
また好ましくは水を加えた溶液を10℃以下に冷却する
。活性炭の量は原料の天然香辛料1重量部当り0.05
〜0.2重量部で、特に0.1重量部程度が好ましい。
0.05重量部未満では効果が少なく、0.2重量部を
越えると後の抽出操作が困難になる。
非水溶性抗酸化成分濃縮物を溶解するのに要するメタノ
ールまたはエタノールの量は該濃縮物または該濃縮物と
トコフエノール類との合計1重量部に対し6〜10重量
部で、またプロピレングリコールの量は0.4〜1重量
部、グリセリルモノパルミチン酸またはモノステアリン
酸エステルの量は3〜5重量部である。非水溶性抗酸化
成分濃縮物をメタノールまたはエタノールおよびプロピ
レングリコールに溶解゛させる場合、高温で操作すれば
溶解性が高く、70℃では濃度約20%程度まで溶解す
る。メタノールまたはエタノールによる処理抽出液から
溶媒を留去して非水溶性抗酸化成分濃縮物を得、これを
メタノールまたはエタノールに溶解する操作に代えて、
上記抽出液から完全に溶媒を留去せずに所定の量まで濃
縮するようにしてもよい。
本発明方法で、グリセリルモノ脂肪酸エステルとしては
、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステルまたは
これらの混合物を用いることができる。本発明の組成物
は固形物となり、これを粉砕するとフレーク状または粉
末状となる。このように、本発明の脂溶性抗酸化剤組成
物は粉末状またはフレーク状として得られるので、これ
は工業的に製品化するのにきわめて便宜であるという顕
著な利点がある。本発明法で天然香辛料としてセイジを
用いた場合に得られる脂溶性抗酸化剤組成物の効果はロ
ーズマリ一を用いた場合の効果の800t)程度である
本発明法によれば、ローズマリ一およびセイジの混合物
を原料として非水溶性抗酸化成分濃縮物を得、これを脂
溶化することができる。また、口ーズマリ一およびセイ
ジから別々に非水溶性抗酸化成分濃縮物を得、これらを
合せて脂溶化することもできる。本発明法で抽出および
溶解に用いたメタノールまたはエタノールは回収して再
使用することができる。実施例 1 0ーズマリ一1kgに500I)含水エタノール101
を加えて3時間加熱還流し、温時淵過して淵液を得た。
残渣を500!)含水エタノール61で同様に処理抽出
する操作を更に二回繰返して淵液を得た。これらの沢液
を合わせ、水51を加えると沈殿が析出した。この溶液
に活性炭1009を加えて1時間撹拌し、一夜冷所に放
置した後、沢過して沈殿と活性炭との混合物を得た。こ
の混合物にエタノール41を加えて3時間加熱還流し、
温時済過して戸液を得た。残渣をエタノール2,41で
同様に処理抽出する操作を更に二回繰返して済液を得た
。これらの淵液を合わせ、減圧濃縮してエタノールを留
去して粉末状の非水溶性抗酸化成分濃縮物809を得た
。上記と同様の方法で得た非水溶性抗酸化成分濃縮物1
009をエタノール650m1に加熱溶解し、この溶液
にプロピレングリコール509を加え70℃に加熱して
溶解した。
この溶液にグリセリルモノステアリン酸エステル(商品
名アトムルT95、花王石鹸(株)製)3509を加え
て80℃で撹拌混合し、この混合物からエタノールを減
圧下留去し、残留物を放冷粉砕してフレーク状の脂溶性
抗酸化剤組成物5009を得た。上記で得られた脂溶性
抗酸化剤組成物0.19(非水溶性抗酸化成分濃縮物と
して0.029)を抗酸化剤無添加のラード100m1
に添加し、この混合物を50〜60℃に加温し撹拌する
と透明になり溶解した。
これを60℃で3週間保存したがPOVの上昇はほとん
ど認められず、沈殿も生じなかつた。実施例 2 0ーズマリ一1kgに50%含水エタノール10!を加
えて3時間加熱還流し、温時済過して淵液を得た。
残渣を5001)含水エタノール61で同様に処理抽出
する操作を更に二回繰返して淵液を得た。これらの済液
を合わせ、水51を加えると沈殿が析出した。この溶液
を10℃に冷却し、活性炭1009を加えて1時間撹拌
し、一夜冷所に放置した後、淵過して沈殿と活性炭との
混合物を得た。この混合物にエタノール41を加えて3
時間加熱還流し、温時淵過して淵液を得た。残渣をエタ
ノール2.41で同様に処理抽出する操作を更に二回繰
返して淵液を得た。これらの済液を合わせ、減圧下約5
00m1に濃縮した。この溶液にプロピレングリコール
509を加え70′Cに加熱して溶解した。この溶液に
グリセリルモノステアレート(商品名二ツコールMGS
−B、日光ケミカルズ(株)製)350gおよび天然ト
コフエロール・ミツクス209を加えて80℃で撹拌混
合し、この混合物からエタノールを減圧下留去し、残留
物を粉砕して粉末状の脂溶性抗酸化剤組成物5009を
得た。上記で得た脂溶性抗酸化剤組成物0.19を抗酸
化剤無添加のラード100m1に添加し、この混合物を
50〜60℃に加温し撹拌すると透明になり溶解した。
これを60℃で3週間保存したがPOV.の上昇はほと
んど認められず、沈殿も生じなかつた。実施例 3 0ーズマリ一509およびセイジ509に40%含水エ
タノール11を加えて3時間加熱還流し、J温時沢過し
て沢液を得た。
残渣を40%含水エタノール500m1で同様に処理抽
出する操作を更に二回繰返して沢液を得た。これらの沢
液を合わせ水500m1を加えると沈殿が析出した。こ
の溶液に活性炭12f1を加えて1時間撹拌し、放冷し
たz後、済過して沈殿と活性炭との混合物を得た。この
混合物にエタノール400m1を加えて3時間加熱還流
し、温時ろ過して淵液を得た。残渣をエタノール240
m1で同様に処理抽出する操作を更に二回繰返して淵液
を得た。これらの炉液を合わせ、減圧下で約500m1
に濃縮した。この溶液にプロピレングリコール4gを加
え70℃に加熱しで溶解した。この溶液にグリセリルモ
ノステアレート349およびδ一トコフエロール1.9
9を加えて80℃で撹拌し、この混合物からエタノール
を減圧下で留去し、残留物を放冷してフレーク状の脂溶
性抗酸化剤組成物47.59を得た。上記の脂溶性抗酸
化剤組成物0.19を抗酸化剤無添加の大豆油100m
1に添加し、この混合物を50〜60℃に加温し撹拌す
ると透明になり溶解した。
これを60℃で3週間保存したがPOVの上昇はほとん
ど認められず、沈殿も生じなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は各種の抗酸化剤組成物をラードに
添加した場合の酸化防止効果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ローズマリー、セイジまたはそれらの混合物から抽
    出された粉末状で油脂に不溶性の非水溶性抗酸化成分濃
    縮物、プロピレングリコールおよびグリセリルモノパル
    ミチン酸またはモノステアリン酸エステルよりなる粉末
    状またはフレーク状の脂溶性抗酸化剤組成物。 2 ローズマリー、セイジまたはそれらの混合物から抽
    出された粉末状で油脂に不溶性の非水溶性抗酸化成分濃
    縮物、トコフェロール類、プロピレングリコールおよび
    グリセリルモノパルミチン酸またはモノステアリン酸エ
    ステルよりなる粉末状またはフレーク状の脂溶性抗酸化
    剤組成物。 3 ローズマリー、セイジまたはこれらの混合物を含水
    率40〜60%のメタノールまたはエタノールで処理し
    てその抗酸化成分を抽出し、得られた抽出液に水を加え
    て非水溶性の抗酸化成分を析出させ、更にこれに活性炭
    を加えて撹拌した後、この溶液から非水溶性抗酸化成分
    と活性炭との混合物を濾取し、この混合物をメタノール
    またはエタノールで処理して非水溶性抗酸化成分を抽出
    し、この抽出液から溶媒を留去して粉末状で油脂に不溶
    性の非水溶性抗酸化成分濃縮物を得、これをメタノール
    またはエタノールに溶解した溶液にプロピレングリコー
    ルを加えて溶解し、この溶液にグリセリルモノパルミチ
    ン酸もしくはモノステアリン酸エステルまたはグリセリ
    ルモノパルミチン酸もしくはモノステアリン酸エステル
    とトコフエロール類とを加えて混合し、この混合液から
    溶媒を留去することを特徴とする粉末状またはフレーク
    状の脂溶性抗酸化剤組成物の製造方法。
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