JPS5942226B2 - 還元炉の抽出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は還元炉の抽出装置に係り、特に炉内を降下し
て還元処理された降下物を炉底部より炉外へ抽出する還
元炉の抽出装置において、上記炉内を降下する上記降下
物に臨んで截頭円錐形状に形成された炉床と、該炉床の
周縁部に設けられた排出口と、上記炉床の錐体面上に沿
って摺動回転し上記炉内降下物を上記排出口へ抽出させ
るためノスクレーパと、該スクレーパ上にこれを覆うよ
うに設けられ上記炉内降下物を支承すると共に炉内中央
部より炉壁方向へ降下させる錐体とを備えて、スクレー
パの駆動源にかかる動力負荷を可及的に低減し且つ炉内
降下物の流れ分布を適切に確保しつつ定量的に且つ連続
的に抽出することを可能にした還元炉の抽出装置に関す
るものである。

従来、鉄鉱石の直接還元炉としては直立型のシャフト炉
が広く採用されている。

このシャフト炉はその頂部に原料の鉄鉱石等を投入する
だめのホッパーが設けられ且つその底部には還元処理さ
れた還元鉄を抽出する排出口が設けられている。

従って、上記ホッパーより炉内へ鉄鉱石等を投入し、そ
の鉄鉱石はその重力により炉内を順次降下されつつ炉壁
方向より供給される還元ガス例えばＨ２＋ＣＯ混合ガス
により還元化されて、炉底部の排出口より抽出される。

また、炉外へ抽出する際に、還元鉄は冷却処理が施され
る。

この種還元炉の抽出装置としては第１図及び第２図に示
すものが広（知られている。

第１図は従来還元炉の抽出装置の代表的なものの具体例
を示す説明図である。

図示の如く、この抽出装置は炉１の底部を円錐状に絞っ
て案内路２を形成し、この案内路２の下方に排出口３を
一体的に設けて成る。

この抽出装置は炉１内に降下する還元鉄を案内路２によ
って絞って抽出するものである。

この抽出装置は以上の如く特に構造が極めて簡単である
が、円錐状に絞った案内路２の傾斜角θを５〜２０°程
度に設定しなげればならないので、この案内路の軸方向
の長さが大きくなり炉全体の高さが高くなってしまう欠
点がある。

また、案内路２と排出口３との交点付近において、炉内
降下物のブリッジが発生し易く、排出口３を塞いで抽出
を妨げることがある。

更に、炉１内降下の還元物（鉄）の流速は炉壁側■２
より炉中央部■１ の方が加速されて早くなり、未還元
物（鉄）を抽出してしまう欠陥があった。

特に、還元ガスは炉壁方向より中央部に吹き込まれるた
めに、炉壁側に近接する部分が早めに還元化される。

従って炉内降下物の流れを適切にすることが望まれてい
る。

そこで、還元炉の炉内降下物の適切な流れ分布を得るた
めに、最近炉底部を末広、あるいは垂直に拡大したもの
が開発されている。

この炉底部を拡大した還元炉は第２図に示す通りであり
、第２図はこの還元炉の抽出装置を示す説明図である。

図示の如（還元炉２１はその底部を拡大する如く炉壁が
垂直に延長され且つ平坦な炉床２３が設けられている。

この炉床２３０両側には相対向する如（排出口２２が設
けられている。

この還元炉の抽出装置は水平な炉床２３上にスクレーパ
２４が回転自在に支持されて構成される。

このスクレーパ２４を回転させて、炉内降下物を排出口
２２に抽出するものである。

しかしながら、この抽出装置にあっては炉２１内を降下
する還元鉄等の降下物のほぼ全荷重をスクレーパ２４上
で受けることになり、スクレーパ２４を支承する駆動軸
２５に大きな負荷がかかる結果となる。

従って、駆動軸２５を回転させるための駆動エネルギが
極めて大きくなり且つスラスト受けにも問題が生じてい
る。

また、スクレーパ２４を炉床２３上に水平に回転支持し
たために、このスクレーパ２４と炉床２３間に還元鉄等
がかみ込む危険性が多く、連続抽出を中断することが多
かった。

本発明者は以上の従来抽出装置における諸問題点に鑑み
、これを有効に解決すべ（鋭意研究の結果この発明を完
成するに至ったものである。

この発明の目的とするところは、炉床を截頭円錐形状に
形成し、該炉床の周縁部に排出口を設けると共に、該炉
床の錐体面に沿って摺動回転するスクレーパを設けるこ
とにより、炉内降下物（還元鉄等）の定量的且つ連続的
抽出を可能にし、操作性の優れた還元炉の抽出装置を提
供する。

また、この発明の目的とするところは、スクレーパ上に
これを覆うように炉内中央部より炉壁方向への傾斜した
錐体面を有する錐体を固定支持して、炉中央部よりの降
下物を支承しつつ、スクレーパ上に炉内降下物の荷重を
受けさせな（・ようにしてスクレーパの駆動力負荷を可
及的に低減し且つ炉壁方向より炉内降下物を優先させて
降下させ、スクレーパにより抽出して未処理乃至未還元
鉄の抽出を防止し、併せて降下物の適切な流れ分布を保
持しつつ炉内反応を均一化し得る還元炉の抽出装置を提
供する。

更に、本発明の目的とするところは装置全体の構造が簡
単であり、廉価に提供し得る還元炉の抽出装置を提供す
る。

次に、本発明の好適実施例を添付図面に従って詳述する
。

第３図は本発明に係る還元炉の抽出装置の一実施例を示
す断面図、又第４図は本装置に用いるスクレーパの平面
図である。

第３図に示す如（、還元炉３０はその底部３１が拡大す
る如く、炉壁３２を垂直に延長して形成される。

この炉底部３１の開口部３３にはこの開口部３３から還
元炉３０内を降下してくる降下物に臨むように截頭円錐
形状に炉床３４が形成される。

この炉床３４は炉３０の中央部より炉壁３２の垂下され
る法線に向けて傾斜する錐体面３５を有する。

また、炉底部３１には炉床３４の錐体面３５０周縁部に
排出口３６が設けられる。

この排出口３６には更に室３１が連設され且つ開閉弁３
８が設けられる。

この開閉弁３８は炉底部３１の炉周外壁を囲繞する筒体
により構成され、排出口３６の上方より下方に昇降自在
に支持される。

また、この開閉弁３８が排出口３６を上下に昇降するこ
とにより、排出口３６を開閉し炉内より抽出する還元降
下物の流量調整が可変的になし得る。

次に、上記截頭円錐形状の炉床３４上には開口部３３か
ら排出口３６との間を結ぶ錐体面３５に沿って摺動回転
し、炉内降下物を抽出させるためのスクレーパ３９が回
転自在に載置される。

このスクレーパ３９は第４図に示す如く、上記炉床３４
の頂部平坦部４０に水平に回転自在に支持される円盤部
４１と、この円盤部４１の外方に且つ放射状又は取付部
接線とθ（θは変化する）の角度をなして垂下する羽根
部４２とから成り、羽根部４２は複数個適宜間隔を設け
られて円盤部４１に取り付けられており且つその下面は
炉床３４の錐体面３５上に摺動回転自在に設けられる。

またこのスクレーパ３９はその円盤部４１の中央部に回
転軸４３が取り付けられ回転自在に駆動される。

回転軸４３にはその下部に駆動輪４４が設けられ、駆動
モータ４５にベルト等４１を介して連結されて回転駆動
される。

図中４６は駆動モータ４５の駆動軸に取り付けられたプ
ーリであり、上記回転軸４３の駆動輪４４とベルト４γ
によって連結されている。

また、上記回転軸４３はその下部を軸受４８により、そ
の上部を後述する錐体５０に設げられた軸受４９によっ
て支持されている。

スクレーパ３９上には該スクレーパ３９を覆うように且
つ炉３０内中央部に頂部を臨ませて炉壁３２の底部３１
方向に傾斜する傾斜面５１を有する錐体５０を固定支持
する。

この錐体５０は第３図に示す如く円錐体あるいはこれに
類似する角錐体が採用される。

この錐体５０は炉中央部を降下する還元鉄の荷重を支承
すると共に炉内中央部より炉壁方向へ降下させ且つ炉壁
３２の近傍に位置する還元鉄の流速を早めるように形成
される。

尚、この錐体には炉内に冷却ガスを噴射するためのノズ
ルを付設してもよい。

以上で構成された還元炉の抽出装置の操作方法について
説明する。

先ず、炉３００頂部より投入された鉄鉱石は炉内を自重
により順次降下されつつ、炉壁方向より還元ガスを供給
し、還元鉄に還元されて炉床３４方向に降下されて来る
。

このように還元降下されて来た還元鉄は錐体５０上で受
けられる。

次いで開閉弁３８を上方に移動させて排出口３６を開放
し、スクレーパ３９を回転させると、炉内を降下する還
元鉄はこのスクレーパ３９により排出口３６に向けられ
て抽出することができる。

この場合、錐体５０によりスクレーパ３９上には炉内降
下の還元鉄の全荷重がかかつていないので−スクレーパ
３９の回転駆動は大きな駆動力を要せず円滑になし得る
。

更に、錐体５０は特に炉中央部より降下する還元鉄を支
承し且つその荷重を受けているため、この錐体５０の下
端縁及び炉壁３２の内周面に沿って炉内降下の還元鉄を
抽出することができる。

従って、炉内周壁に近傍する充分還元された還元鉄のみ
を炉外に抽出することができる。

更に、スクレーパ３９は截頭円錐形状の炉床３４上に載
置されており、且つその羽根４２は炉床３４の錐体面３
５上を摺動しつつ回転移動するものである。

従って、炉内降下の還元鉄は炉床３４の傾斜した錐体面
３５上を滑り排出口３６方向へスクレーパの羽根４２に
よって抽出される。

特に、スクレーパ３９０羽板４２は炉床の錐体面３５と
平行になるように構成されているために、上記錐体５０
と炉壁３２の内周壁との間より降下される還元鉄をその
降下乃至流下方向に対してその側方より押し出す如く抽
出する。

従って、スクレーパ３９にかかる降下還元鉄の荷重はき
わめて小さいものであり、回転駆動抵抗は小さいものに
なる。

このようにして、スクレーパ３９によって排出口３６へ
抽出された還元鉄は室３γに押し出されて脱ガスされる
。

脱ガス処理された還元鉄は室３７の下部に設けられた取
出口５２より外部に搬送される。

尚、図中５３は室３７に設けられたガス抜き装置である
。

以上に要するに、本発明によれば、炉床を截頭円錐形状
に形成し、該炉床の周縁部に排出口を設けると共に、該
炉床の錐体面に沿って摺動回転するスクレーパを設ける
ことにより、炉内降下の還元鉄を定量的且つ連続的に抽
出することができるものである。

また、スクレーパ上にこれを覆うように炉内中央部より
炉壁方向への傾斜面を有する錐体を固定支持して、炉中
央部よりの降下還元物等を支承しつつ、スクレーパ上に
これらの荷重を受けさせないようにしたため、スクレー
パの駆動力負荷を可及的に低減させ且つ炉壁方向より炉
内降下物を優先させて降下させスクレーパにより抽出す
ることができ、併せて、未処理乃至未還元鉄の抽出を防
止し、炉内降下物の適切な流れ分布を保持し得且つ炉内
反応を均一化し得るものである。

更に、本発明は装置全体の構造が簡単であり、且つ操作
性に優れ保守点検が容易であり、廉価に提供し得る等諸
特長を発揮し実用性に著しく富むものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図は従来装置を示す説明図であり、第３
図は本発明に係る還元炉の抽出装置の断面図、第４図は
本装置に用いられるスクレーパの平面図である。 図中、３４は炉床、３９はスクレーパ、５０は錐体、３
０は炉、３２は炉壁である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉内を降下して還元処理された降下物を炉底部より
   炉外へ抽出する還元炉の抽出装置において、上記炉内を
   降下する上記降下物に臨んで截頭円錐形状に形成された
   炉床と、該炉床の周縁部に設けられた排出口と、上記炉
   床の錐体面上に沿って摺動回転し上記炉内降下物を上記
   排出口へ抽出させるためのスクレーパと、該スクレーパ
   上にこれを覆うように設けられ上記炉内降下物を支承す
   ると共に炉内中央部より炉壁方向へ降下させる錐体とを
   備えたことを特徴とする還元炉の抽出装置。