JPS5940366Y2 - 糸端捕捉糸牽引装置における捕捉糸の巻付き防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は無杼織機の糸端処理装置における糸端捕捉糸牽
引装置に係り、殊に牽引手段としての一対の回転挟持体
（例えば歯車或いはローラ等）に捕捉糸が巻付くのを防
止する装置に関する。

無杼織機においては、緯入れされた緯糸の糸端を相互に
開閉口運動する複数本の捕捉糸によって捕捉し、或いは
更に捕捉糸をまとめて（以下このまとめた捕捉糸を捕捉
糸という）撚回すなどして、緯糸の弛緩を防止しで製織
された織布の耳部の組織を強固にし、緯糸の糸端は織縁
との間で切断した後もこれを捕捉したまま織布と等速又
はそれ以上の速度で牽引して織機外へ誘導する。

そして、この牽引は、通常一対の歯車間に捕捉糸を挟持
してこれらを回転させることにより行ない、歯車間を通
過した捕捉糸は自重により貯留部に降下させるようにし
である。

ところが、捕捉糸には糊づけされたものがあるため、歯
車間の噛合い部を通過したところで、いずれか一方の歯
車の歯面に貼付いたままこの捕捉糸が連続的に巻付き、
歯車の径を実質的に増加させることにより捕捉糸の牽引
速度を早めるために製織機能を阻害し、遂には捕捉糸を
切断してしまうことがある。

これを解決するため、かかる牽引手段の次位に、補助牽
引手段、例えば牽引手段と同速又はそれ以上の速度で牽
引作用を行なう一対のローラを設け、これにより捕捉糸
を更に牽引して貼付きをはがすようにしたものが提案さ
れているが、このように積極的に牽引するものであると
、捕捉糸が紡積糸などの場合、まれに過張力となって切
断される不具合があった。

本考案はこのような不具合に鑑みてなされたもので、牽
引手段としての一対の回転挟持体を通過した捕捉糸を揺
らすことによって貼付きをはがすようにしたものである
。

以下に本考案を図示の一実施例に従って説明する。

第１図及び第２図において、１は織機のフレーム、２は
フレーム１から突設した固定軸、３は固定軸２に回転自
在に枢着した歯車であって、この歯車３と一体に形成し
たプーリ４と、図示しない織機の駆動軸に固着したプー
リとの間に張設したベルト５により、織布の進行速度の
約２倍の周速で回転されるようになっている。

６はフレーム１から突設した固定軸、７は固定軸６に回
動自在に枢着した支持杵で、この支持杵７の先端部に突
設した軸８に歯車９を回転自在に枢着しである。

そして、フレーム１に突設したピン１０と支持杵７との
間に引張スプリング１１を張設して支持杵７を図で時計
方向に付勢し、歯車９を歯車３に押付けて両者を噛合わ
せである。

１２．１３はそれぞれフレーム１に固定されて歯車３，
９を覆うカバーである。

これら歯車３，９の噛合い部の上方にはカバー１２の上
面に固定した軸受１４に回転自在に支持されたガイドロ
ーラ１５を配置し、このガイドローラ１５に案内させた
捕捉糸１６を前記噛合い部に引通すようにしである。

又、支持杵７にはハンドル１７が植設してあり、このハ
ンドル１７を反時計方向に操作することにより支持杵７
を同方向に従動させて歯車９を歯車３がら離隔し、捕捉
糸１６の出入れができるようにしである。

一方、カバー１２の内側面の上部にピン１８を突出させ
てナツト１９で固定し、このピン１８に揺動杵２０の上
端部を回動自在に枢着して垂下させである。

揺動杵２０の下端部には線状体によりその先端部をリン
グ状にしてガイド孔２１ａを形成したガイド２１の基端
部をナツト２２ａ、２２ｂで固定してあり、このガイド
２１のガイド孔２１ａを歯車３，９の噛合い部の下方に
位置させ、該噛合い部を通過した捕捉糸１６をガイド孔
２１ａに引通するようにしである。

揺動杵２０の中間部には歯車３側に突出させて突起部２
０ａを形成してあり、歯車３の揺動杵２０側の側面に円
周方向に等間隔で係合体としての複数のピン（この例で
は６０°毎に６本のピン）２３を突設しである。

そして、ピン２３が斜め下方に回動する際ピン２３と突
起部２０．とが係合して揺動杵２０を図で反時計方向に
回動し、ピン２３が最下方近くの位置に達したときに係
合が外れて揺動杵２０がその自重により時計方向に回動
するように構成しである。

次に作用を説明する。

織機の作動によりベルト５を介してプーリ４へ伝達され
る動力を受けて歯車３が回転し、これと噛合う歯車９と
共同して捕捉糸１６を下方へ牽引する。

この歯車３の回動と共にピン２３も回動し、斜め下方に
回動する過程で第３図に示す如く揺動杵２０の突起部２
０ａと係合し、揺動杵２０を反時計方向へ押動する。

そして、このピン２３が更に回動して揺動杵２０の突起
部２０ａとの係合が外れると、揺動杵２０は自重による
モーメントにより第４図に示す如く時計方向に回動し、
ついで次位のピン２３によりこのような運動が繰返えさ
れる。

このような揺動杵２０の揺動運動により、ガイド２１も
同様に揺動し、そのガイド孔２１ａに引通されて自重に
より降下しつつある捕捉糸１６が図で左右に揺らされる
ことになる。

かくして、捕捉糸１６が歯車３又は９に貼付いた場合で
もこの揺れによりはがされ、巻付きが防止されるのであ
る。

以上説明したように本考案によれば、簡単な装置で牽引
手段としての回転挟持体に貼付いた捕捉糸をはがすこと
ができ、しかも揺らすだけで積極的には牽引しないので
、捕捉糸が切断することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は第１
図の■−■矢視断面図、第３図及び第４図は作動状況を
説明する正面図である。 ３．９・・・・・・歯車、１６・・・・・・捕捉糸、２
０・・・・・・揺動杵、２０、・・・・・・突起部、２
１・・・・・・ガイド、２１ａ・・・・・・ガイド孔、
２３・・・・・・ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の歯車或いはローラ等の回転挟持体間に捕捉糸を挟
   持しながら下方へ牽引するようにした織機の糸端捕捉糸
   牽引装置にお・いで、一方の回転挟持体の側方にて上端
   部を支点として揺動自在に垂下させた揺動杵の下端部に
   、捕捉糸を引通す案内部を形成して、該案内部を回転挾
   持体間の挾持部の下方に位置させると共に、前記一方の
   回転挟持体の側面にその回動の一時期に揺動杵に形成し
   た突起部と係合して揺動杵を揺動させる係合体を突設し
   たことを特徴とする糸端捕捉糸牽引装置における捕捉糸
   の巻付き防止装置。