JPS5939617Y2 - 露出計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動露出カメラ（ＥＥカメラ）等で使用される
露出計の温度補償回路に関するものである。

従来の露出計にあっては、その測光輝度範囲を拡張する
ために、測光回路中に対数圧縮特性を有するダイオード
等を設けている。

然しながらこのダイオードは周囲温度によってその特性
が変化するため、前記構成による露出計の指示は不正確
となり易い欠点を持っていた。

本考案は上記の如き従来装置による動作上の不安定さを
除き、極めて安定度の高い露出計を提供せんとするもの
で、本考案の特徴とする処は、増幅器と、該増幅器の二
人力端子間に接続される、被写体からの光を受光する光
電変換素子と、前記増幅器の第１の入力端子と出力端子
の間に接続される、対数圧縮特性を有するダイオードを
有する測光回路において、前記増幅器の第２の入力端子
に接続される出力回路を有する定電圧電源を設け、この
定電圧電源の出力回路に温度補償用の半導体素子を設け
ることによりこの定電圧電源に温度補償作用をもたせ、
前記増幅器に接続された対数圧縮用のダイオードの温度
依存性を定電圧電源の温度依存性により補償した測光回
路を具備した露出計にある。

以下、本考案の具体的実施例について図面を参照して説
明する。

第１図は本考案による露出計の一実施例の電気回路図で
、１はたとえばブルーセル等の光電変換素子で、被写体
等からの光を受光する。

２は対数圧縮特性を有するダイオード、３は増巾器、４
は増巾器３のオフセット電圧調整用抵抗、５は電流計、
６は電流計５に流れる電流を制限する制限抵抗である。

またＱ１〜Ｑ４ 、Ｒ１−Ｒ３は露出計の温度補償用定
電圧電源回路部を構成する各素子で、Ｑｌは該回路の出
力回路に接続されたトランジスタ、Ｑ２゜Ｑ３はそのコ
レクタが前記トランジスタＱ１に接続された・トランジ
スタ、Ｑ４は該回路の出力端電位を調整する抵抗Ｒ３に
接続されたトランジスタ７は電池である。

光電変換素子１上に被写体等から光が照射されると、そ
の光電に比例した光電流が該光電変換素子に流れる。

該光電流は、増巾器３で増巾され、ダイオード２で対数
圧縮された後。

電流計５に流れ込む。

したがって電流計５の指針は光電に比例した振れ角を示
す。

以上の如き露出計においては、測光回路の主としてダイ
オード並びに増巾器３の温度による特性変化によって、
その指示に誤差を生じるのでこれらの回路の温度による
特性変化を補償する回路を設けである。

すなわち測光回路の電源７にその出力回路（Ｑｌ 。

Ｒ２、Ｑ２ ）にトランジスタＱ１を有する定電圧電
源を設け、温度補償回路を構成している。

両回路の相互作用により、温度に対して極めて安定な動
作を行う露出計を得ることができる。

第２図は上述した第１図の回路の動作をより具体的に説
明するための説明図である。

トランジスタＱ１〜Ｑ４のベース・エミッタ間電圧をＶ
ＢＥＩ〜ＶＢＥ４ とし、トランジスタＱ３ 、Ｑ４
のコレクタ電流をｉ２．ｉｌ、電源電圧をｖＣＣとする
と、次の式が成り立つ。

ここで に；ボルツマン定数 １．３８ Ｘ １Ｏ−２３Ｊｏｕ
＆／’Ｋｑ：電 荷 １．６Ｘ １０− クー
ロンＴ；絶対温度 ３００°にの時 ｉｏ ；逆方向飽和電流 例えば、電源電圧が３ｖから６■に２倍変化して電流１
１が約２倍に変化してもＶＢＥ４の変化。

すなわち△ＶＢｇ４は次式にて求められる。

すなわち、電流が２倍変化してもＶＢＥ４はわ ずかｏ、ｏｉｓｖｔ、か変動しないので実際上変動は無
視できる。

とすることができる。

トランジスタＱ４ とＱ３ とは、カレントミラー回路
を構成するので、トランジスタＱ３のコレクタ電流１２
も１１ と等しくなる。

よって １２＝ｉ１ とすることができる。

トランジスタＱ２ 、Ｑｌの電流増幅率ｈｆｅは１６
０程度に構成することができるので、トランジスタＱ２
、Ｑｌ のベース電流を無視することができ、した
がって、トランジスタＱ２のＶＢＥ２は次式にて表わす
ことができる。

例えば、電源電圧が２．５Ｖから３． ＯＶ Ｋ ０．
５ Ｖ変化すると、ΔｖＢＥ２の変化 すなわちΔＶＢＥ２は次式にて求められる。

すなわち、電源電圧の変化０．５ Ｖに対して、出力電
圧の変化は０．００６Ｖとなり良好なる定電圧特性を本
回路が示すことが理解される。

ＶＢＥ２の電圧がトランジスタＱ１、抵抗Ｒ１，Ｒ２か
らなるバッファ回路を介してＡ点に出力されるので、Ａ
点から電流ｉ３を取り出してもＡ点の電圧がｖＢＥ２で
決まり、定電圧特性が悪くなることはない。

又、Ａ点の電圧ＶＢＥ２はダイオード特性の式、で温度
特性が決まるので、１℃当たりの温度の上昇に対して約
−２ｍＶ程度ＶＢＥ２が減少する事が知られており、測
光回路の対数圧縮用ダイオード２の温度特性ｖＤも、 であり、ｖＢＥ２の温度特性でＶＤ温度特性を打消すこ
とができることは容易に理解される。

第４図ａには従来の露出計回路図が示され、この回路は
単に光電変換素子１、対数圧縮特性を有するダイオード
２、増幅器３、電流計５、該電流計５に流れる電流を制
限する制限抵抗６及び電源とから構成されている。

第４図すは本考案に具備される温度補償回路のみの図で
あり、図中、Ｃが温度補償回路を示す。

第３図は露出計の測光回路の温度対出力電圧特性を示す
図である。

図においてＰａは従来の露出計（第４図ａ）を用いた場
合であり、ｐｂは従来の露出計に温度補償回路を具備し
た本考案による露出計（第１．第２図）を用いた場合で
ある。

なお図中Ｐｃは本考案の温度補償回路（第４図ｂ）の温
度による出力電圧の変化を示す曲線である。

以上の様に本考案によれば、測光回路の温度による特性
の変動が測光回路の電源に接続した温度補償回路によっ
て軽減されるので、極めて高精度かつ高安定度の特性を
示す露出計を得ることができるのである。

また該露出計を自動露出カメラ（ＥＥカメラ）に内蔵し
た場合は、極めて高精度のカメラを得ることができるも
のである。

また本考案の露出計は従来の露出計のもつ測光回路の温
度による特性変化を電気的手段により解決したものであ
るから、露出計の構成も複雑とならず、かつ安価にその
改良をなすことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る露出計の一実施例の電気回路図、
第２図は第１図の回路の動作を具体的に説明するための
説明図、第３図は露出計の測光回路の温度対出力電圧特
性曲線図、第４図ａは従来の露出計回路図、第４図すは
本考案に具備される温度補償回路図である。 １・・・・・・光電変換素子、２・・・・・・ダイオー
ド、３・・・・・・増巾器、５・・・・・・電流計、Ｃ
・・・・・・温度補償回路、Ｉ・・・・・・電源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 増幅器と、該増幅器の二人力端子間に接続される、被写
   体からの光を受光する光電変換素子と、前記増幅器の第
   １の入力端子と出力端子の間に接続される、対数圧縮特
   性を有するダイオードを有する測光回路において、前記
   増幅器の第２の入力端子に接続される出力回路を有する
   定電圧電源を設け、この定電圧電源の出力回路に温度補
   償用の半導体素子を設けることによりこの定電圧電源に
   温度補償作用をもたせ、前記増幅器に接続された対数圧
   縮用のダイオードの温度依存性を定電圧電源の温度依存
   性により補償したことを特徴とする測光回路を具備した
   露出計。