JPS5939125Y2 - 可変バルブ機関 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は機関の開閉弁を開閉操作するロッカーアームを
ロッカー軸まわりに揺動可能に枢着するとともに該ロッ
カー軸に沿って移動可能となし、該ロッカー軸に平行に
設けられ機関のクランク軸に調時して回転可能なカム軸
にカムプロフィルの異なる複数のカムを隣接して形成し
、前記ロッカー軸に沿って移動可能なブッシングシャフ
トを連結ばねを介してロッカーアームに連結した可変バ
ルブ機関に関する。

かかる可変バルブ機関は本出願人が先に提案したもので
あり、この可変バルブ機関においては機関の吸気弁、排
気弁等の開閉弁を機関の運転条件に応じて異なる開閉条
件で開閉作動させることができる。

従って、例えば、異なるカムプロフィルを有する低速用
カムおよび高速用カムを使い分けて低速回転域において
も高速回転域においても常に高トルクを得ることが可能
となる。

かかる可変バルブ機関においては異なるカムフロフィル
を有するカムの上をロッカーアームが移動するので、こ
の移動は両カムの共通ベースサークル部の一部という極
く限られた時間範囲内で迅速に行って、ロッカーアーム
およびカムの損傷および摩耗を防止せねばならない。

また多気筒機関では気筒間の行程が異なるので順次ロッ
カーアームを移動せねばならない。

これらの条件を満足するようカム切替えに必要な移動力
を蓄積しまた自動的に解除するために、上述した提案の
可変バルブ機関ではロッカー軸の周面上に２つのラチェ
ツト溝を穿ちロッカーアームに装着した鋼小球のラチェ
ットボールをばねによりラチェツト溝に付勢して、連結
はねに所定のエネルギが蓄積されるとその蓄積力により
ラチェットボールのラチェツト溝との係合が外れロッカ
ーアームが他のラチェツト溝へ移動されるようになって
いる。

上述の構造は多くの場合に所望の特性を示すが、ラチェ
ットボールおよびラチェツト溝間の摩擦係合特性に依存
するためにラチェットボールおよびラチェツト溝の加工
精度のばらつきおよびその摩耗等により経時変化し、更
に機関回転数によりラチェットボールおよびラチェツト
溝間の摺動速度が変化し、また潤滑油温度やロッカーア
ーム移動力蓄積速度の影響を受けて、ラチェット解除時
期が変動することがある。

またラチェットの解除時期がラチェツト溝へのラチェッ
トボールの押付は力によって影響を受けるので、気筒間
のラチェットボール付勢用ばね調整を必要としその作用
が煩雑であるという欠点がある。

本考案は上述した問題を解消してラチェット解除時期を
容易に所定の時期とできて、ロッカーアーム移動開始時
期の気筒間および経時的ばらつきをなくし安定性を向上
しかつ機構の耐久性を高めるものである。

すなわち、本考案は油圧作動する停止解除機構をロッカ
ーアームに係合可能となし、この停止解除機構を油圧切
換弁を介して機関の油圧発生源に連結した可変バルブ機
関である。

本考案のブッシングシャフトは実施例に示すように、他
の切換弁を介して、同様に機関の油圧発生源に連結する
ことが好ましい。

更に、本考案の好ましい実施例では上述の２つの切換弁
をコンピュータにより、機関の作動特性、例えば回転数
、吸気管負圧、または潤滑油温、等に基き適当なタイミ
ングに切換え作動させている。

次に本考案の実施例を説明する。

シリンダブロックニジリンダボアを穿設しかつシリンダ
ヘッド・に燃焼室壁を穿設し、シリンダブロック上にシ
リンダヘッドを載置固定し、シリンダブロックのシリン
ダボア内にピストンを摺動可能に密封嵌合してシリンダ
ボア、燃焼室壁およびピストン頂面により囲周される燃
焼室を形成する。

シリンダヘッドに吸気ポートおよび排気ポートを形成し
てそれぞれ吸気弁および排気弁を介して燃焼室に連通し
ている。

吸気弁および排気弁は同一構造につき、以下吸気弁につ
き説明する。

吸気弁はシリンダヘッドの燃焼室壁に形成した弁座に係
合する弁体、該弁体から突出しシリンダヘッドに形成し
た装着孔に密封状に貫通した弁ロッド１．弁ロッドの頂
部に止着されたリテーナおよび該リテーナおよびシリン
ダヘッド上面間に装着されて吸気弁を上向きに付勢する
圧縮ばねを含んでなる。

弁ロンドの上端をロッカーアーム１の前端に螺合したア
ジヤスティングスクリュー（図示せず）により押圧して
吸気弁を開弁するようになしている。

ロッカーアーム１はロッカー軸３まわりに揺動可能であ
りかつロッカー軸３に沿って摺動可能であり、該ロッカ
ーアーム１の後端部に形成したパッド部１ａをカム軸５
に設けたカム７ａ 、ｙｂに選択的に当接するようにな
している。

カム軸５は機関のクランク軸（図示せず）の動きに調時
して回転され、カム７ａ、７ｂはそのリフト、位相等の
カムプロフィルが異っており、実施例においてはカム７
ａが低速用カムでありカム７ｂが高速用カムである。

カム７ａ、７ｂの間に、その共通ベースサークル部の後
半部分においてカム面から僅かの巽だけ突出するストッ
パガイド９を設けている。

ストッパガイド９はばね鋼製であり半径方向の力を受け
ると容易に撓むが軸線方向の力に対しては十分な剛性を
有している。

ロッカー軸３に平行しかつ軸線方向に移動可能にブッシ
ングシャフト１１を設け、その一端部１１ａを油圧シリ
ンダ１３のピストンロッド１３ａの先端に連結している
。

ブッシングシャフト１１にロッカーアームガイド１５を
軸線方向に摺動可能に遊嵌し、該ロッカーアームガイド
１５とブッシングシャフト１１に固着したストッパリン
グ１７との間に圧縮連結ばね１９を装着している。

しかして、油圧シリンダ１３によりブッシングシャフト
１１を移動させると、油圧シリンダ１３の移動力はブッ
シングシャフト１１からストッパリング１７を経て圧縮
連結はね１９を介してロッカーアームガイド１５に伝達
される。

第１図においてロッカーアームガイド１５が下向きに突
出したガイド片２１をロッカーアーム１に形成した溝１
ｂに係合して該ロッカーアームガイド１５がロッカーア
ーム１と一体的に移動するようになしてロッカーアーム
１の一部となしている。

ここにガイド片２１を周方向に延在させるかまたは溝１
ｂをロッカーアーム１０周に沿って突設してロッカーア
ーム１の揺動時にガイド片２１および溝１ｂが係合を保
つようになしている。

ロッカーアームガイド１５には更に上向きのガイド片２
３を突出している。

該ガイド片２３は単動油圧シリンダ構造をした停止解除
機構２５のピストンロッド２７に係合するようになして
いる。

該ピストンロッド２７に連結したピストン２９はシリン
ダ３１内を密封状に摺動可能であり、ピストン２９によ
り区画された下室内に供給された加圧油により上昇され
かつ下室内の加圧油が抜かれると上室内に装着された圧
縮ばね３１により下降される。

油圧シリンダ１３の左右のシリンダ室は油圧導管４１お
よび４ポート方向切換弁４３を介して機関の油圧発生源
である油圧ポンプ４５およびオイルパン４７に選択的一
連通している。

また停止解除機構Ｔの下室は油圧導管４１および３ポー
ト油圧切換弁４９を介して油圧ポンプ４５およびオイル
パン４７に選択的に連通している。

切換弁４３゜４９はコンピュータ５１により機関の潤滑
油温、回転数および吸気管負圧等に基き制御される。

第１図に示す状態においては吸気弁は低速用カムプロフ
ィルを有するカム７ａによりロッカーアーム１は開閉さ
れている。

機関の回転数および／または負荷（吸気管負圧）に基き
コンピュータ５１によりなされた演算の結果、高速用カ
ムプロフィルを有するカム７ｂＫ切換えることがよいと
判断されると、先ず方向切換弁４３が切換えられ油圧シ
リンダ１３の右側のシリンダ室へ加圧油が供給されて油
圧シリンダ１３のピストンロッド１３ａが前進し、それ
とともにブッシングシャフト１１が左行する。

ブッシングシャフト１１の左方への移動により右側の圧
縮ばね１９が圧縮されエネルギが蓄積される。

所望のエネルギが蓄積された時期に潤滑油温度およびカ
ム７ ａ 、７ ｂの位相を考慮しつつコンピュータ５
１により油圧切換弁４９が作動されて停止解除機構２５
のピストン２９とともにピストンロッド２７が上昇され
る。

該ピストンロッド２７およびロッカーアームガイド１５
のガイド片２３との係合が外れてロッカーアームガイド
１５は圧縮ばね１９に、蓄積されたエネルギにより左へ
移動され、それとともにロッカーアーム１はカム７ａか
らカム７ｂへ移動される。

実施例ではカム７ ａ ｔ ７ ｂ間にストッパガイド
９を設けて両カム７ａ ｔ ７ｂの共通ベースサークル
部においてのみロッカーアーム１の移動が行われるよう
になしているが、カム７ ａ ｔ ７ ｂの位相に合わ
せて切換弁４９を作動させるようになしてストッパガイ
ド９を省略してもよく、また両カム７ ａ ｔ ７ ｂ
を滑らかな曲面により接続してロッカーアーム１の肩部
がカム７ａ、７ｂに激突し損傷、摩耗１７ないようにな
してもよい。

ロッカーアーム１の移動完了に合わせて停止解除機構１
のピストン２９が下降されてピストンロッド２７の左側
にロッカーアームガイド１５のガイド片２３が衝接され
、次回のカム切換えに備える。

本考案ではロッカーアームの移動開始タイミングが油圧
作動される停止解除機構により制御され、従来装置の如
く：変化し易い摩擦力を用いた機構に比してそのタイミ
ング変動が大幅に低減される。

しかも内燃機関を搭載した車輌上にて入手容易な油圧に
より停止解除機構、場合によってはブッシングシャフト
移動機構も、を作動させるため、きわめて実用的な可変
バルブ機関が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る可変バルブ機関の概略平面図であ
る。 １・・・ロッカーアーム、３・・・ロッカー軸、５−・
・カム軸、７ａ、７ｂ・・・カム、１１・・・ブッシン
グシャフト、１９・・・連結ばね、１５・・・ロッカー
アームガイド、２５・・・停止解除機構、４９・・・油
圧切換弁、４５・・・油圧ポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の開閉弁を開閉操作するロッカーアームをロッカー
   軸まわりに揺動可能に枢着するとともに該ロッカー軸に
   沿って移動可能となし、該ロッカー軸に平行に設けられ
   機関のクランク軸に調時して回転可能なカム軸にカムプ
   ロフィルの異なる複数のカムを隣接して形成し、前記ロ
   ッカー軸に沿って移動可能なブッシングシャフトを連結
   ばねを介して前記ロッカーアームに連結した可変バルブ
   機関において、前記ロッカーアームに油圧作動する停止
   解除機構を係合可能となし、該停止解除機構を油圧切換
   弁を介して機関の油圧発生源に連結したことを特徴とす
   る可変バルブ機関。