JPS5938588B2 - シ−ト搬送用ロ−ラ−対 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複写機における、互いに圧接してシートを挾
持し、該シートに保持されたトナー画像をシートに定着
するための圧力定着（加熱を併用する定着も含む）用ロ
ーラー対に関する。

第１図において、電子写真複写機における定着装置の加
熱定着ローラー対の一例を説明すると、加熱定着ローラ
ー対１は、互いに圧接してそれぞれ示矢方向に回転する
ローラー２と金属ローラー３とから成つている。

ローラー２は、加熱源４を内蔵した芯ローラー５と、そ
の周囲を被覆したゴム等の弾性体６で形成されている。
いま、熱可塑性トナー像７を保持した支持体であるシー
ト８が矢印ａの向きに送られて、上記ローラー対１にく
わえられると、加熱源４と両ローラー２、３の圧接力に
よつて、トナー像７はシート８に定着させられる。この
とき、加熱定着ローラー対１が、中央部も両端部も同径
に形成されたローラーで構成されていると、ローラーの
長手方向の温度ムラやシートの吸湿による伸びムラに加
えて温度（１４０〜２００℃）や圧力（片側３〜２０に
９）のために、シートにシワが寄る不具合があつた。

上記不具合を防止するために、加熱定着ローラー対のう
ち一つを、第２図に示すような鼓型ローラー９、すなわ
ち弾性体９ａの厚さが中央部と両端部では相違するロー
ラーを用いると、径の変化即圧力の変化となつてシート
のシワは除去されるが部分的な定着ムラが発生する。

さらにこれを防止するには、第３図に示すような太鼓型
ローラー１０、即ち弾性体１０ａの中央部の厚さが両端
部のそれより大きいローラーを上記鼓型ローラー９と組
み合せることが考えられている。勿論大鼓型ローラー１
０と鼓型ローラー９を対に構成する場合に、両ローラー
の中央部から両端部に向つての相対的な径の変化は、互
に一致させるようにしなければならない。上記両ローラ
ーを互いに組み合せるかあるいは他のローラーと組み合
せるかは別問題として、中央部と両端部において径を変
化させたローラーでシートを搬送すると、シートにシワ
が寄らないことが発見されている。

これは第２、３図に示すように、ローラーの中央部と両
端部の反撥弾性が異なるためである。従つて、ローラー
に反撥弾性の変化を持たせるには、芯ローラーに被覆す
る弾性体９ａ，１０ａ（第２，３図参照）の厚さを変化
させればよい。

しかし、ゴムのような弾性体の外径を変化させて且つ精
度よく加工することは、硬度上極めて困難なことである
。本発明は、弾性体の外径を変えることなく同一外径で
仕上げ、芯金の外径に変化を持たせることによつてロー
ラーに反撥弾性の変化を持たせた圧力定着用ローラーを
少なくとも一方に用いた圧力定着用ローラー対を提供す
るのを目的とする。

以下、図示の実施例によつて本発明を説明する。なお、
本発明は、シートを挟持してこれを搬送しつつ、該シー
トに保持されたトナー画像を定着する圧力定着用ローラ
ー対に係るものであつて、一対のローラーからなるもの
であるが、以下の説明においては、かかるローラー対を
構成する一方のローラーについてのみ図示し、これを説
明することとする。先ず、第４図ａには、両端部の反撥
弾性が中央部のそれよりも大きい圧力定着用ローラー（
以下単にローラーという）１１を示している。

ローラー１１は、中央部１２ａから両端部１２ｂに向つ
て次第に小径となる、いわゆる太鼓型の芯ローラー１２
と、これを被覆していて外径ｄが一定の弾性体のゴム層
１３から成つている。このローラー１１の形成方法を第
４図ｂにおいて説明すると、太鼓型に形成された芯ロー
ラー１２に、全体的に肉厚が略等しく且つ硬度が一様な
ゴム筒１３Ａを被覆固定すると、図示のように太鼓型ロ
ーラー１１Ａが出来上る。

次にこのローラー１１Ａの外径が両端部、中央部共に同
一（符号ｄ）となるようにこのローラーの外周を切削研
磨すれば、同図ａに示すようなゴム層の中央部が薄肉で
両端部が肉厚となるローラー１１が得られる。次に第６
図において、ローラー１１の形成方法の別の例を説明す
ると、所望のローラーの外径に等しい、一率の内径を有
する筒体１４に、太鼓型芯ローラー１２を挿入したのち
、筒体１４と芯ローラー１２とで形成される周隙Ａにゴ
ムを流し込めば第４図ａに示すローラー１１が得られる
。

この第６図に示すような成型加工によるローラー１１は
、第４図ｂにおける切削・研摩の必要がないので、ロー
ラー外周の仕土面が細かく、電子写真における加熱定着
ローラーとしては耐久性の点でも有利である。第５図に
は、中央部１５ａの反撥弾性が両端部１５ｂのそれより
も大きいローラー１５を示している。

この場合には芯ローラー１６は鼓型に形成されていて、
これを被覆するゴム層１７は中央部が厚く、両端部が薄
くなつている。そして、このローラー１５は第４，６図
に示したものと同じ方法によつて作製される。従来は、
圧力定着用ローラーの反撥弾性を、中央部から両端部に
向つて次第に変化させるのに、弾性体を切削・研磨加工
し、ローラーの中央部から両端部にかけて径の変化を持
たせて反撥弾性の変化を得ていた。

弾性体にこのような加工を施すことは、表面仕上や精度
の点で極めて困難である。また、ローラーの軸方向にお
ける反撥弾性を変化させる手段として、ローラーの弾性
体を、中央部と両端部とでは硬度の異なるもので形成す
る技術思想があるも、かかるローラーでシート搬送用ロ
ーラー対を構成すると、反撥弾性の変化が軸方向におい
て段階的となり、かかるローラー対でシートを搬送する
と、むしろンワが発生するという不具合がある。本発明
のローラー対を構成する圧力定着用ローラーは、硬度の
点で加工の容易な芯ローラーに外径の変化を持たせ、そ
の外周に形成する弾性体層の外径は、中央部・両端部共
に同一径としたので、表面の切削・研磨加工が極めて簡
単に行なえる。

また、外径が同一ということは、成型加工が可能となり
、研磨に比べて表面の仕上面の細かいものが得られる。
更に、弾性体の硬度が一様であるから、ローラーの中央
部から両端部への反撥弾性の変化が連続的なものになる
ので、かかるローラーを用いてシートを挟持し搬送する
場合、シートのシワ発生を完全に防止することができる
。

なお、本発明の圧力定着用ローラー対を構成するローラ
ーにおける芯ローラーの径の変化を数値で例示すると、
第４図ａにおいて長さｌ＝３３０朋の場合、中央部の径
Ｄ２と両端部の径ｄ１との差が２ｍｍ．となるように形
成する。

上記数値は、当該ローラーの使用目的、すなわち単なる
シートの搬送や絞りローラー用、また熱定着や加圧用に
よつてそれぞれ適宜のものに定められる。

以上述べたように、本発明の複写機における圧力定着用
ローラー対＆ζ製作が簡単で且つ精度が出し易く安価に
作ることができるので、これを複写機の随所に用いるこ
とができる。

そして、これによつて搬送されるシートはシワのないも
のとなる。すなわち、互いに圧接してシートを挟持し搬
送するローラー対の場合、軸方向における反撥弾性は段
階的ではなく連続的に変化させないと、シワの発生を抑
えることができないが、本発明においては、これが可能
であると共に、精度の高い表面性の良好な圧力定着用ロ
ーラー対を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子写真の熱定着ローラー対を例示する側断面
図、第２図は本発明の従来例を示す鼓型ローラーの断面
図、第３図は同太鼓型ローラーの断面図、第４図ａは本
発明の複写機における圧力定着用ローラー対を構成する
１つのローラーの一例を示す縦断面図、同図ｂは同ロー
ラーの製造方法の一例を示す縦断面図、第５図は本発明
の他の例を示す縦断面図、第６図は本発明の圧力定着用
ローラー対を構成するローラーの他の製造方法を示す縦
断面図である。 １２・・・・・・太鼓型芯ローラー、１３・・・・・・
中央部より両端部が肉厚で外径が一定の弾性体、１６・
・・・・・鼓型芯ローラー、１７・・・・・・中央部が
両端部より肉厚で外径が−定の弾性体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互いに圧接していて、トナー画像を保持したシート
   を挾持してこのトナー画像をシートに定着する圧力定着
   用ローラー対であつて、中央部から両端部に向かつて次
   第に外径を変化させた芯ローラーを、一様な硬度の弾性
   体で外径が一定となるように一体的に被覆して、中央部
   から両端部に向かつて次第に反撥弾性を変化させたロー
   ラーを少なくとも一方に用いたことを特徴とする複写機
   における圧力定着用ローラー対。