JPS5938311B2 - フッ素の製造方法 - Google Patents

フッ素の製造方法

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JPS5938311B2
JPS5938311B2 JP55129093A JP12909380A JPS5938311B2 JP S5938311 B2 JPS5938311 B2 JP S5938311B2 JP 55129093 A JP55129093 A JP 55129093A JP 12909380 A JP12909380 A JP 12909380A JP S5938311 B2 JPS5938311 B2 JP S5938311B2
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electrolysis
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稔 荒牧
義幸 小林
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【発明の詳細な説明】 本発明は溶融塩電解によるフッ素の製造方法に関するも
のであり、更に詳しくは、無定形炭素材を陽極電極とし
て、フッ化カリウム−フッ化水素系混合溶融塩よりなる
電解浴の電気分解によるフッ素の製造方法において、パ
ルス電流あるいはパルスを含む電流を用い、陽極分極の
完全防止ないし起きかけた陽極分極からの回復を可能と
するフッ素の製造方法に関する。
従来、工業的規模のフッ素の製造方法として一般に採用
されている方法には、米国で開発されたいわゆる中温法
があるが、これは陽極および陰極としてそれぞれ無定形
炭素材および鉄を用い、HF−KFのモル比が1.8〜
2.2であるHF一KF系混合溶融塩浴中で、浴温度が
80〜1200Cで電解を行わしめフッ素を製造するも
のである。
しかしながら、陽極材料として無定形炭素を用いるこの
中温法によるフッ素の製造方法においては、電解中に陽
極分極が頻繁に起り、それが昂じて突然電圧が上昇し、
電流が低下して電解継続不可能となり、このため、例え
ばフッ素製造装置内のガス圧力、電解浴温度など電解諸
条件の変動が生ずるなどして、連続操業上大きな支障を
来たす問題が起きている。陽極分極は、KF−HF系混
合溶融塩の電解で発生したフツ素の気泡が陽極面に附着
して有効面積を減らしたり、気泡が液中に分散して抵抗
を増大させたりなどして、電解電圧の上昇を招き、しか
も陽極分極の増大は、いわゆる陽極効果を生じさせ電解
継続不能に陥る結果となる。
一般に、溶融塩電解によるフツ素の製造において、陽極
分極ないし陽極効果は頻繁に発生する現象であり、その
発生の度合は、電極の種類、その大きさおよび形、浴組
成、浴の不純物、電解液の流動性、隔膜、隔板の有無等
により変つてくるので一概には言えないが、実際問題と
して電解中の陽極分極ないし陽極効果は、頻度の差こそ
あれ不町避的に発生しかつ繰り返されるので、実際のフ
ツ素の電解製造における大きな障害となつている。陽極
分極が増大して電解継続不能に陥つた系を回復する手段
として、従来から用いられている方法には、(1)電極
の通電を断ら、しばらく浴を放置する、(2)電極・\
逆通電する、または(3)陽極炭素材を浴より引き上げ
てその表面を研磨するなどの応急処置があるが、電解再
開において陽極効果は一時抑制されるものの、しばらく
後再び陽極効果が起きて系が電解継続不能に陥るという
ことが繰り返されているのが現状である。
他方、インダストリアル・アンド・エンジニアリング・
ケミストリ一(NdustrlalandEngine
eringChemlstsy)第47巻第5号第88
3−887頁(1955年)に記載のジエイ・デイクス
トラ他著(J.Dykstraletal):「中温法
によるフツ素製造の電解槽の改良法(ImprOved
MediumTemperatureFluOrine
Cell】には、30〜48の高電圧を数分から数十分
間電極にかけて陽極分極から系を回復させる高電圧処理
法が提案されており、現在最も簡便かつ効果的な処理方
法として用いられている。しかしながら、通常フツ素の
製造のための電解の稼動電圧は約7〜12Vであるので
、この高電圧処理法に従えば、電解中に生じた陽極効果
からの回復処置のためには、高電圧による処理のため多
量のジユール熱が発生して浴温度の上昇を招く結果にな
り、放熱によつて浴温度を正常値まで戻すため浴を長時
間放置しなければならない等工業的不利益はまぬがれな
い。その上、陽極効果からの回復処置を施しても、再度
陽極効果は繰り返されるので、何ら根本的解決にはなら
ず、従つて陽極分極ないし電解継続不能に陥つた電解系
を高電圧による回復処理を施すことによつて、陽極分極
ないし陽極効果を除去するというこの高電圧処理法は、
一時しのぎの応急処置にしかすぎない。工業的には、一
般に電解製造は低電圧および大電流で行われるのが望ま
しいが、このように繰り返される陽極分極ないし陽極効
果をなるべく抑えるため、フツ素の電解製造を低電流密
度の電解電流で行うのが通例であり、能率的にも極めて
低い操業を余儀なくされているのが実情である。
一般に、工業的に使用されている整流器によつて得られ
る直流には多少のパルス分が混入しているが、フツ素の
電解製造も含めた電解においては、通常、電流の安定注
を保持する等のために、直流電源からの電流をできるだ
け平滑化する、すなわら、できるだけパルス分を除去し
て整流化を図るという方向に努力が払われている。それ
にも拘らず、電解系の不安定や断絶を招く陽極分極ない
し陽極効果の問題は何ら解決されていず、依然としてフ
ツ素の電解製造における最大の障壁として立らはだかつ
ている。このような状況に鑑み、本発明者らは上記した
ような欠点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、この有
害無益とされたパルス分に着目して、驚くべきことにフ
ツ素の電解製造に特定のパルス電流を梗用することによ
り陽極分極の完全防止ないし起きかけた陽極分極からの
回復を可能にするという意外な効果を知見するに至つた
本発明は、このように全く新規な知見に基づいて完成さ
れたものである。すなわら、本発明の一つの目的は、無
定形炭素材を陽極とするKF−HF系混合溶融塩の電解
において、特定のパルス電流を使用することによつて陽
極分極の発生を完全に防止し、電解を中断することなく
安定な連続操業を可能にするフツ素の製造方法を提供す
ることにある。
本発明の他の一つの目的は、無定形炭素材を陽極とする
KF−HF系混合溶融塩の電解において、常時流されて
いる平滑化された電解電流に他のパルス発生電源から導
入されるパルスを含む電流を間欠的に所定時間印加する
ことによつて、起きかけた陽極分極を抑制して、系の安
定性を保持しつつ、電解を中断することなく長期間にわ
たつて連続操業を可能にするフツ素の製造方法を提供す
ることにある。
本発明の上記およびその他の諸目的、諸特徴ならびに諸
利益は以下に述べる詳細な説明および添付の図面から明
らかになろう。
基本的に、本発明によれば、無定形炭素材を陽極として
有するKF−HF系混合溶融塩からなる電解浴の電気分
解によるフツ素の製造方法において、パルスのピーク値
が15〜80V1パルス幅が1ミリ秒〜1秒、パルス間
隔が1ミリ秒〜10秒である特定のパルス電流を使用す
ることを特徴とするフツ素の製造方法が提供される。
本発明によるフツ素の電解製造において用いられるパル
ス電流のパルス電圧はピーク値として15−80Vを有
することが必要である。
これは、前記した高電圧処理法において工業的に用いら
れる平滑化された直流の電圧であるところの15一80
Vに対応するものである。パルス電圧のピーク値がこの
範囲にあるものを電解電流として用いるとき、たとえ実
効電圧は低くとも、陽・極効果が生じて電解継続不可能
な状態に系を陥らせることは全くなく、陽極分極を絶え
ず抑制して安定したフツ素の電解製造を可能にするとい
う驚くべき効果が発揮される。パルス電圧のピーク値が
15V以下であると、陽極分極の抑止効果がなく、他方
、パルス電圧のピーク値が80V以上であると、過大な
パルスによる負荷が電極に対して高周期で繰り返される
等のため、電極破壊などの悪影響が生ずる。本発明の方
法において、印加するパルス電圧のパル、ス幅は1ミリ
秒〜1秒であり、かつパルス間隔は1ミリ秒〜10秒で
ある。パルス幅が1ミリ秒以下のものは電気設備の上か
ら容易に得ることができず、他方、パルス幅が1秒以上
ではその効果は余り認められない。電解工業で使用する
ような大型整流器ではパルス間隔が1ミリ秒以下のパル
ス電圧にするためには、通常15相以上の交流を重ね合
わせる必要があるが、この場合、パルスビーク電圧が平
滑化され過ぎてパルス電流としての機能を発揮すること
ができないので、本発明には用いられない。他方、パル
ス間隔が10秒以上でもその効果は余り認められない。
本発明に用いるパルスを1秒間に操り出されるパルスの
周波数は問〜720ヘルツが好ましい。低電圧で高電流
密度の電流を電解に用いるという電解本来の目的のため
には、本発明に従えば、パルスピーク電圧が高く実効電
圧の低いパルス電流、すなわらパルスピーク電圧が15
〜80の範囲にありかつ実効電圧が7〜12であるパル
ス電流を電解電流として用いるのが好ましい。
本発明のフツ素の製造方法によれば、例えば、無定形炭
素材を陽極とするKF−2HF系混合溶融塩の電解にお
いて、電解電流として周波数が180ヘルツ三角形状波
形を有しかつパルスピーク電圧が30V(実効電圧:8
)であるパルス電流を用いて6力月間連続して電解操業
を行つたところ、全く陽極分極を起すことなく、フツ素
の電解製造が可能であつた。また、本発明の他の態様に
よれば、常時流されている平滑化された電解電流を用い
て、無定形炭素材を陽極として有するKF−HF系混合
溶融塩からなる電解浴の電気分解によるフツ素の製造方
法において、間欠的に、他のパルス発生電源から導入さ
れるパルスを含む電流を、常時流されている平滑化され
た電解電流に、所定時間印加し、この場合印加して重ね
合わされた部分のパルス電圧のピーク値が15〜80、
パルス幅が1ミリ秒〜1秒、パルス間隔が1ミリ秒〜1
0秒を有するようにする方法が提供される。
この態様の代表的なものは、電解浴の電解の過程で陽極
分極の兆候が起きた際に、常時流されている平滑化され
た電解電流に対して他のパルス発生電源から導入される
パルスを含む電流を印加して、上記の特定のパルス特性
を電流条件に付与するものである。
この際、印加する所定時間は、3秒〜3分、好ましくは
5〜10秒である。電解の過程において発生する陽極分
極の兆候は、例えば、一定電流下での操業であれば電解
電圧が、例えは、正常電圧より1上昇することなどを知
ることによつて、その発生を予測することができる。
陽極分極が増大した結果、陽極効果一\と至る最大の要
因は、この陽極分極の兆候を見過してそのまま放置して
いることにあるので、陽極分極の兆候が現れた時、すな
わら、初期の段階でそれを抑止ないしそれから回復する
ことが重要であることはいうまでもない。例えば、電解
電圧が9Vでありかつ電流密度が10〜11A/Dm2
を有する直流電流を用いて、無定形炭素を陽極とするK
F−2HF系混合溶融塩の電解を実施すると、約50時
間経つたとき、電圧が10Vになり、陽極分極の兆候が
現れたので、パルス発生器からパルス電圧のピーク値が
15V(実効電圧:11V)を有する鋸歯状波形のパル
ス電流を3秒間上記直流電流に印加することによつて、
電解を中断することなく、一度起きかけた陽極分極を除
去することができた。間欠的に他のパルス発生電源から
導入されるパルスを含む電流を、常時流されている平滑
化された電解電流に間欠的に所定時間印加する態様の他
の例は、陽極分極の兆候が現われる現われないに拘らず
、予め或る一定の時間間隔をセツトしてパルス電流を常
時流されている平滑化された電解電流に間欠的に印加す
る方法があり、この方法によつても未然に陽極分極の発
生を防止することができる。
この際の時間間隔は、用いる陽極材料、浴組成及び浴の
不純物などによつて変るが、予備的操業テストを経て経
験的に決めることができるが、一般に、10〜500時
間が用いられる。又、更に他の例として、電解系が完全
に陽極分極を起した状態になつて、パルスを含む電流を
常時流されている平滑化された電解電流に印加し、陽極
分極を除去回復させる方法が挙げられる。前記した態様
に関連して、12V以下のパルスピーク電圧を有するパ
ルスを含む電流を常時流される電解電流として用いるこ
とができ、この場合、電解操業の過程で発生する陽極分
極の除去ないし陽極分極の発生を未然に防止する等の処
理を、本願の方法によるパルス電流を用いて前記したと
同様にして行うことができることは勿論である。
この場合の処理に用いるパルス電流は、他のパルス発生
電源から導入されるパルスを含む電流でもよく、または
奄解電流である常時流されているパルスを含む電流の1
2V以下のパルスピーク電圧をその処理のために15〜
80まで高めた電圧からのパルス電流でもよい。本発明
の一実施態様として、パルス電圧のピーク値が15〜8
0V1パルス幅が1ミリ秒〜1秒、パルス間隔が1ミリ
秒〜10秒を有するパルス電流を常時流して電解する場
合に用いられるパルス電流の発生装置としては、電圧容
量の大きな整流器(例えば80〜100V)を使用する
ことによつて、本発明の意図する目的が達成される。
ここで、注意されねばならないことは、従来フツ素の電
解製造にこのような電圧容量の大きな整流器が採用され
ることは皆無であり、実際に操業時の電流の定常注等を
保持するために直流電源からの電流をできるだけ平滑化
するに相応した小型の整流器が用いられるのが普通であ
り、そのため整流器ならびに付帯設備からなるいわゆる
電気設備に要する費用が増大しているという事実であり
、皮肉にもこれらの設備投資をして得られた電流がフッ
素の電解製造において頻繁に陽極分極を増大させる原因
になつている、ということである。更に、陽極分極の発
生を予め抑止するために、パルス電流を用いるという発
想は今日まで誰しもなし得なかつたことは注目されねば
ならない。また、電解電流として使用する直流自体がパ
ルスを含んでいる場合は、陽極分極が発生したとき、パ
ルスのピーク電圧が少なくとも15Vを有するように電
圧を3秒〜3分間、好ましくは5〜10秒間だけ上昇さ
せることによつて、電解操業を中断することなく即座に
陽極分極を除去できる。この処理時間は短いため、電解
槽の定常状態を実質的に変化させることはない。更に効
表的な方法としては、パルスのピーク電圧が少なくとも
15Vでかつ実効電圧が7〜12V(これは通常、フツ
素の電解製造で用いられる電圧である)を有するパルス
を含む直流を使用すれば、事実上、電解を不安定にする
ような陽極分極を全く起すことなく、長期にわたつて安
定した電解操業を実施できる。前記したように、本発明
の方法は、完全に電解継続不能の状態、すなわち陽極効
果を起した系にも有効であることは無論である。本発明
の方法を実施する際に、電解浴の基本成分であるKF−
HF系混合溶融塩におけるHF一KFのモル比は1以上
種々のモル比が用い得るが、中温法と称される方法に用
いられる1.8〜2.2のモル比が好ましく用いられる
電解に用いる陽極材料としては、主として無定形炭素が
好ましく用いられる。
電解に用いる陰極材料としては、一般にフツ素の電解製
造に用いられている、例えば鉄、スチール、ニツケル、
モネルメタルなどを用いることができる。
これまで記述されたパルス電圧のピーク値の範囲を表わ
す値は、電解槽一槽についての値であるので、複数個の
槽を直列に配置した場合、パルス電圧のピーク値の範囲
を表わす値は前記した値の複数倍となることは言うまで
もない。
本発明のKF−HF系混合溶融塩の電解によるフツ素の
製造方法においては、更に注目すべきことは、パルスを
使用するため従来の平滑化された直流を電解電流として
使用する場合に比較して、同一電圧(実効値)において
より高い電流密度の電流が得られるということである。
すなわら、電解においては電流1と電圧の関係は一般に
10cVn(n〉1)で表わされ、パルスの高い電圧部
に対応する電流量がVnに比例して大きくなる。
電流もパルス波型のピークの積分値が実効値となるので
、平滑化された電流と比較してパルス電圧では極めて高
密度の電流が得られる。これはパルスを混入した直流を
使用した場合でも同様である。従つて、本発明において
パルス電流を使用することにより、電力原単位は小さく
て済むので、省エネルギーの面からも格段に有利である
。前述したように、これまでは、フツ素の電解製造も含
めて一段に電解操業時の電流の定常・囲を保持するため
に、直流電源からの電流をできるだけ平滑化する、すな
わらできるだけパルス分を除去して整流化するという方
向に努力が払われてきた。通常、工業的に使用されてい
る整流器によつて得られる直流には多少のパルス分が混
入していることを考慮する時、これは本発明の見地から
すれば、いたずらに負の方向に努力が払われていたとい
うべきで、従つて陽極分極も起きるべくして起きたと言
うことができるだろう。一方、前記したことから明らか
なように、本発明によれば、メーターに表示される電圧
の実効値は低くても、用いられるパルスビーク電圧が陽
極分極を抑止する電圧、すなわら、15〜80に達して
いる限り、パルス電流をそのまま電解電流として用いた
場合、常時流されている平滑化された電解電流に他のパ
ルス発生電源から導入されるパルスを含む電流を間欠的
に所定時間印加する場合、あるいは常時流されているパ
ルスを含む電解電流のパルスピーク電圧を高めることに
よつて、間欠的に所定時間印加する場合、いずれも電解
操業において、陽極分極の発生が予防され得、長期間の
安定した連続操業が可能となる。加えて、平滑化された
電流を電解に用いた場合に比較して、同一電圧(実効値
)でより大きい電流密度の電流が得られるため、極めて
良好な電力効率の下で電解操業を安定に継続することが
可能であり、その工業的価値は極めて高い〜 以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発
明の範囲は実施例に限定されるものではない。
実施例 1 250×250×400mmの鉄製箱型の電解槽を使用
し、無定形炭素を陽極(有効面積:400d)、鉄を陰
極(有効面積:500c7i)として、浴温度が100
℃でHF対KFのモル比が2.0であるKF−2HF系
混合溶融塩の電解によるフツ素の製造を行つた。
電解電流としては、第1図(オシロスコープによる測定
)に示すように電圧容量が100Vの整流器(大日電機
株式会社製)より発生したパルスピーク電圧が30V(
実効電圧:8V)、パルス幅が2.0msec(ミリ秒
)、パルス間隔が5,56msec(パルス周波数は1
80ヘルツ)を有する三角形状波形のパルス電流(電流
密度:20〜21A/Dm2)を用いた。このパルス電
流によりフツ化水素を供給しつつ連続電解操業を行つた
ところ、陽極分極を全く起すことなく6力月間何ら支障
なく連続操業が可能であつた。この時の電流効率は95
%であつた。比較例 1 実施例1と同じ電解槽および浴条件において、電解電流
として、第2図(オシロスコープによる測定)に示すよ
うに、電圧容量が16Vの整流器(オリジン電機株式会
社製)より発生した、パルスピーク電圧が12(実効電
圧:8V)、パルス幅が2.0msec1パルス間隔が
2.78msec(パルス周波数は360ヘルツ)を有
する鋸歯状波形のパルス電流(電流密度:11〜12V
d1T?!)を用いた。
このパルス電流により無水フツ酸を供給しつつ連続電解
操業を行つたところ、6力月間に4回、陽極効果が発生
して系は電解継続不能になつた。実施例 2 比較例1に於けるのと同じパルス電流を用いた電解操業
において、電解電圧が9(正常電圧8)になつたとき明
らかに陽極分極の兆候が現れたので、上記の整流器から
、第3図に示すようなパルスピーク電圧15(パルス幅
およびパルス間隔は、パルスピーク電圧が12の場合と
同じである)のパルス電流を印加したところ、3秒間で
陽極分極の兆候は完全に除去された。
使用電流を比較例1のものに戻し、電解操業を継続して
行いながら、陽極分極の兆候が現れる度に上記の処理方
法を繰り返し行うこの方法で6力月間何ら支障なく連続
操業が可能であつた。このときの電流効率は9501)
であつた。比較例 2 実施例1と同じ電解槽および浴条件において、電源とし
て蓄電池を使用し、電解電圧が9および電流密度が10
〜11A/Dm2を有する直流で、無水フツ酸を供給し
ながら電解を行つたところ、50〜100時間毎に、陽
極効果が発生して系は電解継続不能になつた。
実施例 3 比較例2に用いたのと同じ条件の直流による電解操業に
おいて、電解電圧が9V(正常電圧8)になつたとき、
明らかに陽極分極の兆候が現れたので、実施例2と同じ
ように、第3図に示されるパルスピーク電圧15の電流
を上記直流に3秒間流したところ、陽極分極の兆候は完
全に除去された。
上記の直流による電解操業を継続して行いながら、陽極
分極の兆候が現れたとき上記の処理方法を繰り返し行う
この方法で、6力月間にわたる連続操業は何ら支障なく
可能であつた。このときの電流効率は95%であつた。
比較例 3 実施例1と同じ電解槽および浴条件において、電解電流
として、パルスピーク電圧が100V(実効電圧8V1
電流密度30A/Dm2)を有する以外は実施例1と本
質的に同じパルス間隔でパルス幅0.6msecを有す
るパルス電流を用いて電解を行つたところ、3週間目に
陽極が破壊され電解不能となり、加えて多量の金属沈澱
物により浴が汚染された。
実施例 4 実施例3で陽極分極の兆候の除去のために用いたパルス
ピーク電圧が15Vのパルス電流の代りに、第4図(オ
シロスコープによる測定)に示すような矩形パルス電流
を用いて、実施例3と本質的に同じ処置を行つた。
蓄電池からの直流をオン・オフのスイツチ操作により生
じたパルスビーク電圧が15V(実効電圧7.5)、パ
ルス幅が1sec1パルス間隔が2secを有するパル
ス電流(電流密度10A/Dm2)を3秒間だけ陽極分
極の兆候が現れた系に流すことによつて、電解を中断す
ることなく系を安定な操業状態に回復することができた
。このときの有効電流は95%であつた。第1,2およ
び3図に示されるような電圧波形を有する電解電流およ
び実施例3および比較例2の蓄電池による直流の電圧(
パルス電圧の場合はその実効値)と電解電流の電流密度
の関係を調べて、結果を次の表に示した。
上記表より明らかなように、パルス電流(実効値)の電
流密度はパルス電圧(実効値)の変化にともなつて、大
きく変動することがわかる。
すなわら、同一電流密度を得ようとする場合、パルス強
度の大きいパルス電流はど、実効電圧は低くてよいので
、本発明により、フツ素の電解製造においてパルス電流
を使用することにより電力原単位は小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる三角形状のパルス電圧を、第2
図および第3図は鋸歯状のパルス電圧を、および第4図
は矩形状のパルス電圧を、比較例に用いたパルス電圧も
含めて示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 無定形炭素材を陽極とするフッ化カリウム−フッ化
    水素系混合溶融塩よりなる電解浴の電気分解によるフッ
    素の製造方法において、パルス電圧のピーク値が15〜
    80V、パルス幅が1ミリ秒〜1秒、パルス間隔が1ミ
    リ秒〜10秒のパルス電流を使用することを特徴とする
    フッ素の製造方法。 2 該パルス電流が、常時流される電解電流であること
    を特徴とする前記特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 該パルス電流が、常時流されている平滑化された電
    解電流および他のパルス発生電源から導入されるパルス
    を含む電流からなり、上記した他のパルス発生電源るら
    導入されるパルスを含む電流は、間欠的に所定時間、上
    記の常時流されている平滑化された電解電流に印加され
    ることを特徴とする前記特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 4 該パルス電流が、常時流されているパルスを含む電
    解電流のパルスピーク電圧を高めることによつて得られ
    たものであり、且つその印加が間欠的に所定時間行われ
    ることを特徴とする前記特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 5 電解電圧が正常電位より1V上昇したとき、3秒〜
    3分間該パルス電流を印加することを特徴とする前記特
    許請求の範囲第3項または第4項記載の方法。 6 該パルス電流が、常時流される平滑化された電解電
    流及び他のパルス発生電源から導入され且つ常時流され
    るパルスを含む電流よりなることを特徴とする前記特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 7 上記の常時流される平滑化された電解電流が、電圧
    約7〜約12Vの完全な直流又は実効電圧が約7〜約1
    2Vのパルスを含む電流であることを特徴とする前記特
    許請求の範囲第1項乃至第6項記載の方法。
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