JPS5938284B2 - 高炭素鋼条材の連続熱処理方法ならびに装置 - Google Patents

高炭素鋼条材の連続熱処理方法ならびに装置

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JPS5938284B2
JPS5938284B2 JP12879277A JP12879277A JPS5938284B2 JP S5938284 B2 JPS5938284 B2 JP S5938284B2 JP 12879277 A JP12879277 A JP 12879277A JP 12879277 A JP12879277 A JP 12879277A JP S5938284 B2 JPS5938284 B2 JP S5938284B2
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cooling
temperature
wire
heat treatment
high carbon
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和夫 新井
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高炭素鋼条材の連続熱処理方法に関するも
のであり、この種条材なかでも線材(以下主に線材につ
いてのべる)に適用される、いわゆる連続パテンティン
グ処理においてオーステナイト化温度以上の加熱温度か
ら高炭素鋼線材に施される急冷の冷却カーブをコントロ
ールして当該鋼種において到達しうべき最高レベルの強
さと高度の冷間引抜加工に耐えうべき靭性とを兼ね備え
た微細パーライト組織をうるための熱処理方法を提案す
るものである。
この発明の主要点を要約すると、高炭素鋼線材を、その
鋼種と線径とによって規定される標準化された熱伝達係
数α を保定しうる特定の冷却液体中を適切な時間にわ
たり連続走行させたのち大気中放冷あるいは水冷後巻数
る冷却工程において、上記の冷却液体中にて完全な微細
パーライト(いわゆるソルバイト)変態を完了させるよ
うにした熱処理力法であり、完全オーステナイト温度域
内に加熱された線材の冷却カーブが当該鋼種の連続冷却
変態(CCT )開始ラインを線材の平均温度範囲45
0〜550°Cにて切るべき標準化された冷却速度ファ
クターk を第一条件とし、つぎに冷媒中での線材の到
達表面温度を300〜400℃範囲さすることにより当
該鋼種の達しうべき最高レベルの強さならびに靭性をう
るところにある。
ところで硬鋼線材やピアノ線材などの高炭素鋼線材は、
いわゆるパテンティング処理を施したのち、冷間でダイ
スによる引抜きすなわち伸線加工を行ない、所定の強さ
吉じん性が与えられる。
このパテンティングは従来一般に、空気パテンティング
(以下A、P、と略す)と鉛パテンテイング(以下り、
P、と略す)が主として実用されていてそれはオーステ
ナイト化温度(Ac 3点)以上に加熱した線材をそれ
ぞれ大気中あるいは溶融鉛中で冷却し、微細なパーライ
トを得ようとする処理であり、この処理後の鋼の組織が
伸線加工以降の線材の性質に大きな影響を与える。
ところがまずA、P、は冷媒が通常の大気であって空気
の熱伝達係数は小さいために、高い強さをうるこ吉がで
きないだけでなく、伸線性を損う初析フェライトの生成
など問題点が多く、それ数工程の2簡略さから特殊な用
途に限って採用されているにすぎない。
これに対しり、P、は第一の特徴として溶融金属浴を用
いるのでその熱伝達係数が大きく、冷却初期の冷却速度
が太きなって過冷オーステナイトの状態から微細パーラ
イトへの変態に移行しやすいとさ、そして第二の特徴と
しては強じん性を付与するのに適した微細パーライト(
いわゆるソルバイト)をうる変態温度域に相当する45
0〜600℃に鉛浴を容易に保持できるため、はぼ恒温
変態が可能となって、均一な組織の形成が期待されるこ
となどの利点がある吉一般にいわれてきた。
しかしながら発明者の理論的考察によれば、一般的な熱
伝達係数αは必ずしもそのまま物体の冷却の速さを決定
するわけではなく、冷媒の温度その他の因子もまた冷却
の速さに関係するこきからこれを考慮した熱伝達係数(
この発明においてあとでのべるように標準化され、これ
を以下実効的熱伝達係数とい5α で示す)を用いては
じめて絶対的な冷却速さの比較ができるのである。
この点についての解析によればαとα との間には一般
に α。
キにθα ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・ (1)の関係かあり、冷媒自身の温度が高い
ほど比例定数にθは小さくなる。
ところで溶融鉛の一般的な熱伝達係数αは(線材の温度
に依存するが)通常3×103〜5×1σKcal /
m2h ′Gのように大きいけれども通常のパテンテ
ィング適用温度である550℃の浴温では、線材表面温
度が650℃においてにθ=0.27となり、このとき
のα値について3X10 Kcal/m2h′Cを適
用すれば上記の実効的熱伝達係数α。
に換算してa。= 0.81 X 10” Kcal
7m2h℃とαの約7のように甚しく小さくなる。
また線材の温度が浴温に近づくほど、冷却速度は急激に
小さくなることは極めて常識的な事実であるが、これに
反してαは線材表面温度と液温との差の逆数に比例する
ために、急激に上昇してしまいαと冷却速度きは同様の
傾向を示さない。
他力にθはより急激に減少して結局にθαすなわちα。
は小さくなる。このα。
を用いれば冷却速度の変化を正確に把握することができ
このことは溶融鉛浴中での線材の冷却カーブ測定から実
証できた。
このように線材温度が冷媒の温度に近づくに伴いα。
は急激に小さく、従って冷却速度が小さくなるので、L
、P、のどきく冷媒温度域にて変態させる場合には一般
に理想吉する浴温からの変態開始が起り難く、そのため
恒温変態ではなくより高温度域での変態きなってしまっ
て、強度不足を招く結果となっていたことも否めないし
、さらに450〜600℃温度域の溶融鉛の示すα。
値の範囲が狭いので、とくに変態開始の早い、低カーボ
ン・低マンガン線材や、線径の大きい線材の場合には、
冷却能力不足のため、はるかにより高温度域からの変態
開始が起り、かようにして当然パテンティング処理で達
しうる最高の強じん性をえてはいなかったのである。
事実、L、P、によるパテンティング線材における強さ
の線径依存性(すなわち線材径が太なるほど強度が低い
傾向)の大きいことが実操業の場で既定観念化され容認
されてきたのである。
この発明は上述の高炭素鋼線材の熱処理に関する従来技
術なかでもとくにり、P、における問題点、とりわけ低
カーボン・低マンガン線材あるいは太径線材の場合に不
可避であった強さの不足を、高温鉛ガスや酸化鉛の人体
への害にあわせ解決するものであるこの発明では鋼種に
よって定まる連続冷却変態(CCT )開始ラインを冷
却の途次に切る線材の平均温度を450〜550℃の範
囲に規定する実効的熱伝達係数α。
をもつ冷却液体を用いかつ当該冷媒中到達線材表面温度
を300〜400°Cと規定するパテンティング処理に
よって当該鋼種の最高レベルの強さを線材の成分や線径
に関係なく得るものであり、この冷却液体はパテンティ
ング浴について鉛の使用を全面的に廃止することを可能
ならしめてその整置を完全に除去することができるので
ある。
さて発明者の解析によれば冷却物体の平均温度θncC
〕からθn+□〔°C〕への冷却時間t [sec]は
冷媒の温度に依存せず次の(2)式 のごとく与えられる。
こ5にk。は冷却の速さに対応するファクターである。
そしてこのK。
を用いて円柱状物体の冷却に対する冷媒の実効的熱伝達
係数が次の(3)式のごとく表示されることを導いた。
ここに、d:断面円直径〔槻〕、λ:物体の熱伝導率[
Kcal/mh’c] 、a :温度伝播率〔m2/h
〕、μ−8,889X 10”である。
実例として、硬鋼線材の実測の冷却曲線と、α0値を与
えて(2) 、 (3)式から計算で求めたt−θい関
係(θ :線材の平均温度)を第1図に示す。
さらに冷媒の一例としてアニオン係ポリソープ水溶液の
濃度Cと温度θ、とを種々変えて測定しし た硬銅線材の冷却曲線から(2) 、 (3)式を用い
て算出したα 値を、CLをパラメータとしてθ、との
関係に$いて第2図にプロットして示す。
この場合、゛物体を静止液中に完全に静止浸漬させた。
なお、算出されたα 値が線材径dに依存しないことを
d:1〜15凝の範囲で確認した。
第2図から稲α。
とθ、とがほぼ直線関係にあり、従って次の(4)式の
ごとく表示されることを発見した。
α。
:ae−bθL ・・・・・・・・・・・・(4)係数
a、bは主として冷媒の種類、冷媒の温度と水溶液の場
合はその濃度および冷媒と物体との接触状態とに依存し
て決定される。
第2図の稲α。
−θ。直線群よりそれぞれa。bを読みとり、CLとの
関係として第3図に示す。
図よりO<CL<1.5%および1.5<CL<60%
の2領域に分けてそれぞれa、bとCLとの関係式を(
5)式のごとくえた。
(i)0<CL<1.5% なお、C)6.0%においてはCL=6.0%の、
L 場合とほとんど同様である。
第4図に(5)式により算出したα 値を示す。
実際にはこの発明の方法による線材の連続熱処理におい
て、α を特定する手順は以下による。
0 まず線材の材質(すなわち主成分C,Mn量)に位存し
冷却における適正な(すなわち目的を達すべき)k 値
が(2)式より決定され、ただちに(3)式によりその
k を与えるべき冷媒のα が指定0
0される。
α が決まれば(4)式より具体的に冷媒の種類に応じ
てたとえば水溶液ならば攪拌状態を考慮して何組かの液
温と濃度の組み合わせを選択できる。
指定されたα を与えるべきこの〔液温・濃度〕の組み
合わせの中から、作業性、熱安定性などを配慮して最終
的にひとつの組合わせを決定するのである。
この発明に従う高炭素鋼線材の連続熱処理に用いる一般
的な装置の具体例を第5図および第6図に示す。
図中1はサプライスタンド、2は加熱炉、3は冷却液槽
、4は巻取り機、そして5は線材、6は水槽、また7は
冷却液循環装置であり、第6図に示した冷却液槽3の詳
細図解において8は、図に二つの調節位置について示し
た可動ガイドローラ9は固定カイトローラ、そして10
は冷却液体の定温保持のための循環用パイプ、11は一
定温度θ、に保持された冷却液、12は流量計、13は
循環ポンプ、14は温度計、15は液温調節のための加
熱および冷却を司る調温器、16は溶質濃度計である。
熱処理をすべき線材が、その鋼種の連続冷却変態(CC
T)開始ラインを、オーステナイト化温度以上の加熱温
度からの冷却過程で切るその冷却途次における線材の平
均温度θ を450℃〜550℃の範囲とし、かつこの
冷却液中での到達線材表面温度θ。
を300〜400°Cの範囲としてこの冷却液中にて微
細パーライト変態を終了させたのち水中冷却又は大気中
放冷径大気中にて巻取ることによって当該鋼種の達しう
べき最高レベルの強さと靭性をうる。
こメに冷却液温θ1は300℃以下で一定とする。
こ5にθ8の上限を550℃としたのはこれを超えると
亜共析鋼では初析フェライトの生成をみ伸線性が大きく
低下し、また高温度域での変態が主となりラメラ−間隔
の大きいパーライト組織となって強度の低下が太きいた
めである。
θ3の下限を450’Cとしたのは、これよりも低くな
る、より大きい冷却速度を与える熱伝達係数α。
を有する冷却液中で連続的に冷却した場合、その冷却液
中で完全な微細パーライト変態を完了させることが不可
能となって、一部分または大部分ベーナイトあるいはマ
ルテンサイト組織を生じ、所定の伸線ができなくなるか
らである。
またθ。
の上限を400℃としたのはこれをこえると、線材内部
においてはより外側と比べて高い温度での変態となって
ラメラ−間隔の大きいパーライト組織を生じ、その結果
線材断面積全体での引張強度を低下させるからである。
θ。の下限を300℃としたのは、これよりも低くなる
と一部にベーナイト組織を生じ、靭性の著しい低下を招
いて所定の伸線加工が不可能となり易いためである。
つまり300くθ。く400°Cの条件範囲は線材断面
で半径方向位置において均一な微細パーライト組織を得
るために不可欠であり、300℃〈θ く400°Cを
うるために冷却液温θ1は冷却中300℃以下に維持す
ることが必要である。
上述のごとき熱処理方法の適用される高炭素鋼線材とは
一般的にCを0.25〜1.00%含有し、C以外の通
常成分としてSi、Mn、P、S、Al 等を適宜な範
囲含有した線材であり、さらに添加元素としてNi 、
Cr、Mo、V、B、Ti、Nb、REM等を一種類以
上含有した線材も含まれる。
ところで線材をオーステナイト化温度(A c 3点)
以上に加熱し、従来のいわゆるA、P、およびり、P。
を行なった場合の冷却曲線例は第7図に示す如くであり
CCT曲線■に対し空気パテンティングの場合は鎖線の
帯域■、鉛パテンテイングの場合は破線の帯域■のごと
くなる。
各帯域の下限ラインは細径材、上限ラインは太径材に相
当する。
鎖線帯域■の場合は変態温度域が高いため、初析フェラ
イトを生成しかつ粗い屈伏パーライトとなり、強度が低
くかつ十分なる伸線性に欠ける場合もでてくる。
破線帯域■の場合は微細な屈伏パーライト(すなわちソ
ルバイト)相を呈し、帯域■の場合よりも強さが飛躍的
に高くなり十分なる伸線能も有するが、帯域■の下限ラ
インでは鉛浴温度近傍から変態が開始するいわゆる恒温
変態に近くはなっても線径が太くなるほど上限ラインに
近づき鉛浴温度より高い温度で変態が開始するため、細
径材と比べて強さの低下を来たすおそれがある。
実際に従来大径材においては強度の低下が容認されてき
たが、冷却理論の上からは当然の帰結であって大径のこ
のような強さの低下を避けるために従来Crなどを添加
することにより、変態の開始を遅らせ、鉛浴温度近隣か
らの変態を意図し一応その成功をみてはいるが、このよ
うな合金元素の添加はコストアップの要因となったり、
資源節約の主旨に反することともなる。
この発明は熱処理の工夫によりその解決を図るものであ
り第7図の太実線帯域■がこの発明にもとづく冷却カー
ブを示しその上限ラインは鉛パテンテイング相当の熱処
理効果を与え、下限ラインでは鉛パテンテイングを上回
る強さを十分なしん性のもとに与えることができる。
この発明の方法では原則的に第7図の→印点で冷却液中
より大気中へ導出されるが、よしんば線材の走行停止の
ために線材の温度がそのまま冷却液温(300℃以下)
に急冷却されることになっても、じん性のとくに劣悪な
下部ベーナイトやマルテンサイト相の生成量はほとんど
なく、条件の如何によってはかりに存在したとしてもひ
じようにわずかであり、そのため巻取時などの線材の断
線に伴う人体への危険や作業性の大きな低下が有利に避
けられる。
この発明による熱処理方法では冷却液をその実効的熱伝
達係数α。
に応じて適宜に選択することにより、変態開始のさい、
たとえば第7図にてCCT曲線■を示す線材(低カーボ
ン・低マンガン材)に太実線帯域■に示した冷却曲線を
適用して、通常の鉛パテンテイングでは全く達しえなか
った高い強じん性をうろことも可能である。
第8図は従来の鉛パテンテイング処理工程を示すもので
あり、サプライスタンド1から送り出された線材5は9
00〜1050℃に加熱された加熱P2の内部を走行す
る間にオーステナイト化温度(Ac3点)以上に加熱さ
れ、450〜600℃範囲内の一定温度に保定された鉛
浴槽3′を通過中にパーライト変態がほぼ完了し、以後
巻取ドラム4にて巻取られる。
これに対してこの発明による、熱処理方法では第5図に
その連続熱処理工程を示すごとく、サプライスタンド1
、加熱P2、巻取ドラム4の配置は鉛パテンテイングの
場合とほとんど同様であるが、鉛浴槽に相当する位置に
冷却液槽3をおき、その内部における冷却液11の循環
を可能にするため液温、濃度、流速の自動コントロール
を行う付属装置(たとえば、ポンプ13、冷却又は加熱
器即ち温度調節器15、温度計14、濃度計16、流量
計12など)を備え、かつ適宜な浸漬時間を選べるよう
になした可動ガイドローラ8と固定ガイドローラ9とを
第6図のように冷却液槽3に設ける。
そして冷却液槽3の後に水槽7をおく。
つぎにこの発明による熱処理方法とこれにより得られた
線材の材質を実施例によってくわしく説明する。
実施例: 供試材の寸法およびおもな含有化学成分を第1表に示す
圧延のままの線材と伸線のままの線材を、何れも約95
0℃に加熱後、冷却液にアニオン係ポリソープの水溶液
を用いてコントロール冷却を行った。
第9図は第1表に示したF鋼の変態を伴った冷却曲線例
を示す。
この水溶液の液温は90℃、α。値は0.22 X 1
0” Kcal /7712h °Gである。
オーステナイト化温度(Acs点)を超える加熱温度A
点(950℃)より水溶液中にて浸漬冷却された線材は
B点(500℃)で連続変態(CCT)開始ラインを切
りただちに変態が始まる。
この変態に伴う発熱により冷却が遅れかつオーステナイ
ト相からパーライト相に変態することによって線材の熱
的物性値:比熱、熱伝導率の変化から、結果として冷却
速度が若干小さくなるがC点(300’c )に至って
線材は水溶液中より大気中へ導出される。
第10図にはF鋼についてのC点源度θ。
が300℃に一定となるように設定したときのB点源度
θ と熱処理材の引張強さσBCKy/ma〕と絞りR
AI%lの関係を示す。
なお、第10図ではθ。
、θ8はともに線材表面温度で整理したが、線材の平均
温度との差は高々10℃にすぎない。
第10図において03)620℃では通常の空気パテン
ティングA、P、にはゾ相当する強さであるが、θ 〈
620℃では急激にσ8が上昇する。
一 しかしながらθ3<450℃ではRAが急激に低下して
十分な伸線加工が困難となる。
一方策11図はθ8をパラメータとした場合のθ。
とσ8.RAとの関係を示す。θ。〉550℃では通常
の空気パテンティングにはゾ相当する程度のσ8である
が、θ。
≦550℃ではθ。が低くなるほどσ3が増大し、θ。
く400℃にて上限のσ を示す。
またRA値は300くθ。く550℃にてほぼ50%と
高度の伸線加工を施すのに十分なしん性を示すが、θ。
〈300℃では大きく低下する。
なおθ8が低い方がRA値低下量は大きいがしかし低度
の伸線加工に耐えうる程度の値は保っている。
第10図および第11図に示した実施例より、θBさθ
をそれぞれ450くθ8く550℃および300くθ。
<:400℃範囲にて適宜選択することによって、当該
鋼種の達しうべき最高レベルの強さとじん性をうろこと
が可能であると結論した。
第10図、第11図の実施例において最高の強さを示し
たF鋼の熱処理材を伸線加工した結果を第12図に示す
すなわちこの発明による熱処理材は総加工度93%にお
いてσ8=260にノ/7rLd;RA=42%が確保
でき、熱処理強さをσ3=137 Ky/mr?tに等
しいとした鉛パテンテイング処理材、材よりも加工限度
が高く、かつ同一のσ8レベルでのRA値がこの発明熱
処理材のほうが鉛パテンテイング処理材よりもすぐれて
いることがわかる。
第2表には第1表の全供試鋼についての熱処理材と伸線
加工材の品質を示す。
82B材(E−H鋼)においては鉛温度500℃での鉛
パテンテイングと同等の熱処理強じん性および伸線加工
性を示している。
他方、62A材(B、C鋼)では明らかに鉛パテンテイ
ングを上回る熱処理強さを示しており、伸線加工性でも
すぐれている。
第13図にり、F鋼をα がそれぞれ0.8×10”
、 0.28 X 103Kcal /m2h’cで一
定の水溶液中にて連続的に冷却後大気放冷したときの水
溶液中浸漬時間tと熱処理強さσ8との関係を示す。
各鋼において変態開始の線材温度θ8は等しいがtの長
いほど大気中へ出るときの線材温度(すなわち水溶液中
到達線材温度)θ。
は低くなり、これに対応してσ3の上昇が明らかである
とくにD鋼においては連続冷却変態(CCT)開始時間
がF鋼と比べてかなり早いので、α。
すなわちk が大であり、tの増加に対するσ3の上昇
の程度が著しい。
D、F鋼とも500℃の鉛パテンテイングを上回る強度
かえられることを示し、D鋼においてより顕著である。
第14図は焼成剤として市販されているアニオン系ポリ
ソープの水溶液の濃度変化に対する標準化された熱伝達
係数α。
、C,G鋼を熱処理したときの標準化された冷却速度フ
ァクターk および熱処理材の性質を示す。
C鋼(62A材)は変態開始が早いので、α。
≧0.8 x 103Kcal /m”h C(すなわ
ちk。
≧0.09 sec 1)にて十分なる強じん性を示し
始め、500℃パテンティング材よりもすぐれているが
以後α。
が小さくなるにともない変態温度の上昇から強さが漸減
し、a。
= 0.3 X 103Kcal /7712h’C(
k = 、045ec−1)にてθ8の値は620℃
を超えるようになり、σ の急激な低下が明らかである
他方C鋼(80B材)はMnを多量に含むため変態開始
がC鋼さ比べてひじように遅いので、αo= 0.3
X 103Kcal /m2h ’cと小さくしても第
14図に破線で示したようにマイクロヴイツカース硬さ
がHv=444もあり組織はマルテンサイト相は含まな
いものの下部ベーナイト相主体であって十分な伸線がで
きない。
しかしながらこれに対しても水溶液の温度を上昇させれ
ばα。
を小さくでき、図には示していないが実際にG鋼をアニ
オン系ポリソープ水溶液による連続浸漬冷却において、
30%濃度−90°Cなる条件でaB=137Ky/m
4; RA=48%。
70%濃度−60℃なる条件でσB=136KP/m4
:RA=50%の最高レベルの強さを得た。
また第15図はC鋼についてのこの発明の熱処理材にお
けるk。
−σ8関係を示すか、koが太すなわち冷却速度が太な
るほどσ8が犬であることが明らかであり、koによっ
て空気パテンティング相当から鉛パテンテイングを超え
る強度まで任意に選択できることを示している。
以上のべたところから明らかなように基本的に冷却液の
α。
値およびk。値と鋼材の熱処理強靭性とは一対一の対応
関係にあることが実証できたのである。
第16図にC鋼の伸線結果を示す。
C鋼は熱処理材での鉛パテンテイングを上回るσ8を保
ち全加工度域にわたって高いσ3を示し、総加工度93
%でσg=230KP/mm:RA=45%に達してい
る。
以上を要するにこの発明にもとづく線材の連続的制御冷
却熱処理方法は、発明者によって解析された冷却温度式
から誘導されたファクターk。
(標標化された冷却速度を表示するファクター)および
実効的熱伝達係数α。
によって厳密に設計され、その結果最も単純な純水を含
む任意の水溶液を用いて連続冷却を可能さなすことによ
って任意のα。
を与えることができ、また噴射冷却法よりもむしろ浸漬
冷却法を用いて冷却設備がひじよに単純化され、鉛パテ
ンテイング法におけるごとき公害源の問題もなく、鉛パ
テンテイング法においても達しえなかったような、当該
鋼種の最高レベル強度をうろことが可能である。
この発明によれば従来技術に比してつぎのどとく有利で
ある。
■ 鉛パテンテイング法のごとき公害の問題が全くない
■ 各鋼種の最高レベルの強さとじん性が任意線径にて
、より太い線材でもJIS成分以外の元素を全く添加せ
ずに得られる。
■ ■の効果により伸線加工量の減少化、材料の節約化
がはかれる。
また、この発明方法はつぎのごとき技術分野にも応用可
能である。
■ 水溶液中での完全浸漬連続冷却方式のコイル等への
応用 ■ 線材のパテンティング以外の制御冷却熱処理へのフ
ァクターko、α。
の適用
【図面の簡単な説明】
第1図は冷却時間と線材温度の相関図、第2図はアニオ
ン系ポリソープ水溶液の濃度CLをパラメータきした各
液温さ実効的熱伝達係数きの関係グラフ、第3図は濃度
CLと(4)式の係数a、bとの関係を示すグラフ、第
4図はα。 −θ、線図であり、第5図はこの発明に従う水溶液浸漬
冷却を用いたパテンティング処理工程の一例を示す線図
、第6図は冷却液槽の具体例を示した断面図、第7図は
高炭素鋼材のCCT開始ラインと線材の空気パテンティ
ング、鉛パテンテイングおよびこの発明にもとづくパテ
ンティングの場合の冷却曲線とを併記したグラフ、第8
図は従来の鉛パテンテイング処理工程を示す線図、第9
図は本発明の実施例における変態を伴った冷却曲線の一
例を示したグラフ、第10図〜第16図はこの発明の実
施例における熱処理後の線材の材質特性を示すグラフで
ある。 1・・・・・・サプライスタンド、2・・・・・・加熱
炉、3・・・・・・冷却液槽、4・・・・・・巻取り機
、5・・・・・・線材、6・・・・・・冷却液槽、7・
・・・・・冷却液循環装置、8・・・・・・可動ガイド
ローラ、9・・・・・・固定ガイドローラ、10.・・
・・・送水パイプ、11・・・・・・冷却液。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高炭素鋼条材の連続熱処理において、該鋼条材の冷
    却過程でその組成、加熱条件により定まる連続冷却変態
    (CCT)開始ラインを切るときの該条件平均温度が4
    50℃〜550℃の範囲となる冷却速度をもたらすべき
    冷却能、すなわち実効的熱伝達係数を下記式に則り決定
    した300℃以下の冷却液体を用いてオーステナイト化
    温度以上に加熱した該条材を、液温一定の条件下に連続
    的に冷却し、引続き該条材表面温度300℃〜400℃
    において冷却液体からしゃ断し、ついで大気中放冷又は
    さらに水冷を経て連続的に巻き取ることを特徴とする高
    炭素鋼条件の連続熱処理方法。 α。 −、、e−b・θLしにα:実効的熱伝達係数1、θ″
    L:冷却液温、a、b:冷却液体の種類、溶質およびそ
    の濃度、ならびに条材との界面流速差で規定される定数
    。 2 高炭素鋼条材の連続熱処理において、該鋼条材の冷
    却過程でその組成、加熱条件により定まる連続冷却変態
    (CCT)開始ラインを切るときの該条材平均温度が4
    50℃〜550℃の範囲となる冷却速度をもたらすべき
    冷却能、すなわち実効的熱伝達係数を下記式に則り決定
    した300℃以下の冷却液体中に、 オーステナイト化温度以上に加熱した該条材を浸漬し、
    冷却液体の循環による液温一定の条件の下に連続的に、
    該条材の表面温度が300℃〜400°Cになるまで冷
    却してしかるのち冷却液体中より導出し、ついで大気中
    放冷又はさらに水冷を経て連続的に巻取ることを特徴と
    する高炭素鋼条材の連続熱処理方法。 。 −−b、θL ここにα。:実効的熱伝o a、e 連係数、θL:冷却液温、a、b:冷却液体の種類、溶
    質およびその濃度、ならびに条材きの界面流速差で規定
    される定数。 3 高炭素鋼条材を連続的に冷却槽内冷却液体中に浸漬
    して熱処理を行う装置において、該冷却槽に該条材の浸
    漬時間を調節する案内手段と、槽内冷却液温を一定にす
    る循環手段とを設けたことを特徴とする高炭素鋼条材の
    連続熱処理装置。
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