JPS5935161B2

JPS5935161B2 - チヨウデンドウジカイハツセイソウチ

Info

Publication number: JPS5935161B2
Application number: JP50134155A
Authority: JP
Inventors: 直文多田
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1975-11-10
Filing date: 1975-11-10
Publication date: 1984-08-27
Also published as: JPS5258497A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は超電導磁界発生装置に係り、特に容器内の冷媒
中に浸漬されている少なくとも２つ以上の円筒形超電導
コイルが同心円状に近接して配置されて構成される超電
導磁界発生装置に関する。

一般に、超電導コイルは直流下で電気抵抗が殆ど零のた
め、大きな電流密度がとれ、かつ、強力な磁界を発生す
ることができる。しかし、磁界発生装置の目的によつて
は１つの超電導コイルだけでなく、２つ以上の超電導コ
イルが同心円状に近接して１つの磁界発生装置を構成し
ている場合がある。また、１つの磁界発生装置を最も経
済的に製作するために、低磁界部のコイルト高磁界部の
コイルにわけ、それぞれの磁界の強さに応じた最適の超
電導線材を用いて２つ以上の超電導コイルを同心円状に
組合せて構成している場合がある。しかし、このように
２つ以上の超電導コイルが同心円状に近接して構成され
ていると、例えば１つの超電導コイルの磁界、あるいは
電流が急変すると、他の超電導コイルにこれを打消す方
向に大きな電流が誘起され、そのために他の超電導コイ
ルが不安定になつたりクエンチする可能性がる。従来、
このような場合の保護装置は皆無に等しかつた。実験室
的に小規模な電磁石の場合には、誘起電流によつて全部
の超電導コイルがクエンチしても、冷媒の蒸発量は比較
的小さいため、特に保護装置を設けるには至らないが、
大規模の電磁石の場合は、２つの超電導コイル間隔を大
きくしたり、あるいはクエンチ時にも磁界、あるいは電
流が急変しないような制御方法をとつていた。しかし、
このような制御方法は不便であり、特に高性能な超電導
コイルになればなる程制御は不可能になる。一方、この
現象と類似の目的のためには、従来ノ磁気シールド板を
用いる方法がとられていた。

たとえば、超電導発電機における超電導回転子と固定子
（常電導コイル）の間の電磁シールド板、あるいは超電
導磁気浮上列車における車上超電導コイルと地上側コイ
ル（常電導コイル）との間のジールド板などがこれであ
る。これらのシールド板は、常電導コイルよりの外部じ
よう乱、あるいは過渡時の磁界、電流の変化により超電
導コイル内に発生する電力損失を少なくする目的をもつ
ていた。この場合、２つのコイルの間には導電性のよい
銅、あるいはアルミニウムの薄板が用いられ、常電導コ
イル側からの変化磁界を受けて、これら導電性シールド
板に渦電流が流れて熱を発生する。そのため、従来のシ
ールド板は超電導コイルを収容するクライオスタットの
外側（常温部）か、あるいは液体窒素冷却、あるいは超
電導コイルを冷却した後の戻りの冷たいヘリウムガスで
冷却されている程度であつた。本発明は土述の点に鑑み
成されたもので、その目的とするところは、１つの超電
導コイルの磁界、電流の急変が生じても、他の超電導コ
イルがクニンチしないようにした超電導磁界発生装置に
関する。

本発明は容器内の冷媒中に浸漬され、円心円状に近接し
て配置されている少なくとも２つ以上の円筒形超電導コ
イルの、各超電導コイルの間に円筒状の導電性板を配置
し、該導電性板は超電導コイルを包囲する冷媒と同じ冷
媒中に浸漬されていることにより、所期の目的を達成す
るようになしたものである。

以下、図面の実施例に基づき本発明を詳細に説明する。

図は、２つの円筒形超電導コイルが同心円状に組合さつ
て１つの超電導磁界発生装置を構成している断面概略図
である。

該図において、クライオスタツト１は、超電導コイル、
ならびにこれを冷却するための冷媒を収容する容器で、
通常、ステンレス鋼の３重壁よりなり、真空断熱、液体
窒素冷却の構造になつている。２は高磁界発生用円笥形
超電導コイル、３は低磁界発生用円筒形超電導コイルで
、それぞれパワーリード（図示せず）により外部直流電
源に接続されている。

また、円筒形超電導コイル２，３はそれぞれフランジ６
よりの支柱（図示せず）により吊り下げられ固定されて
いる。４は円筒状の導電性板で銅、またはアルミニウム
板よりなり、２つの円筒形超電導コイル２，３の間に配
置され、超電導コイルのｌ部に固定、支持されている（
図示せず）。

５は冷媒で、円筒形超電導コイル２，３を冷却し、超電
導状態に温度を保持するため、通常は液体ヘリウムが用
いられる。

また、導電性板４も円筒形超電導コイル２，３と同じ冷
媒中に浸漬される。このような超電導磁界発生装置にお
いて、円筒形超電導コイル２，３を超電導状態まで冷却
した後、外部直流電源により通電すると、高磁界発生用
円筒形超電導コイル２のコイル軸中心部近傍に大きな磁
界を発生することが出来る。いま、円筒形超電導コイル
２，３が同心円状に組合され、ある磁界を発生している
時に何らかの外部じよう乱があり、高磁界発生用円筒形
超電導コイル２がクエンチしたとすると、円筒状の導電
性板４がなければ、低磁界発生用円筒形超電導コイル３
に大きな電流が誘起される。

その誘起電流の大きさは、２つの円筒形超電導コイル２
，３の相互インダクタンスと電流の変化速度の積に比例
する。高磁界発生用円筒形超電導コイル２がクエンチす
ると、クエンチによるコイルの焼損を防止するため、高
磁界発生用円筒形超電導コイル２に接続している直流電
源を切断する。従つて、相互インダクタンスが小さくて
も電流の変化速度が大きいので、大きな電流が低磁界発
生用円筒形超電導コイル３に誘起され低磁界発生用円筒
形煙電導コイル３もクエンチし、その際の液体ヘリウム
の蒸気量は非常に大きくなる。円筒状の導電性板４が２
つの円筒形超電導コイル２，３の間に配置されていると
、２つの円筒形超電導コイル２，３が発生するそれぞれ
の直流磁界はしやへいせず、変化磁界のみがしやへいさ
れる。

そのために、例えば高磁界発生用円筒形超電導コイル２
がタエンチすると、円筒状の導電性板４に渦電流が流れ
るが、低磁界発生用円筒形超電導コイル３はクエンチに
至らず、しかも、導電性板４は液体ヘリウム中に浸漬さ
れているので、円筒状の導電性板４がない場合に比較し
て液体ヘリウムの蒸気量は少ない。また、円筒状の導電
性板４は、２つの円筒形超電導コイル２，３を熱的にも
しやへいする。すなわち、高磁界発生用円筒形超電導コ
イル２がクエンチしてコイルが温度上昇し、その周辺の
液体ヘリウムが沸騰、蒸発しても、その影響は円筒状の
導電性板４でしやへいされ、低磁界発生用円筒形超電導
コイル３までは及ばない。尚、上述した円筒状の導電性
板４は必要に応じて小さな孔を多くあけたものでもよく
、また、各超電導コイル全体を包囲するように構成して
もよい以上説明した本発明の超電導磁界発生装置によれ
ば、少なくとも２つ以上の円筒形超電導コイルの各間に
円筒状の導電性板を配置し、この導電性板を超電導コイ
ルと同じ冷媒中に浸漬したものであるから、高磁界発生
用円筒形超電導コイルがクエンチしても低磁界発生用円
筒形超電導コイルがクエンチすることは少なく、磁界発
生装置を運転する際の冷媒所要量を著しく低減できるだ
けでなく、磁界発生装置の再起動に要する時間も短縮さ
れ、磁界発生装置の規模が大きくなればなる程導電性板
の果す役割は大きく経済的に有利になる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の超電導磁界発生装置の一実施例を示す断面
概略図である。１・・・・・・クライオスタツト、２・・・・・・高磁
界発生用円筒形超電導コイル、３・・・・・・低磁界発
生用円筒形超電導コイル、４・・・・・・導電性板、５
・・・・・・冷媒、６・・・・・・フランジ。

Claims

【特許請求の範囲】

１容器内の冷媒中に浸漬されている少なくとも２つ以
上の円筒形超電導コイルが同心円状に近接して配置され
て構成される超電導磁界発生装置において、前記各超電
導コイルの間に円筒状の導電性板を配置し、該導電性板
は超電導コイルを包囲する冷媒中に浸漬されていること
を特徴とする超電導磁界発生装置。