JPS5933960Y2 - 太陽熱集熱ユニットを備えるカ−テンウオ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽熱集熱ユニットが組、み込まれたカーテン
ウオールに関する。

熱エネルギ資源としての太陽熱を利用すべく、透光板や
集熱パイプなどを備える集熱ユニットを一般住宅の屋上
に傾斜して配置し、室内の暖房、給湯などに供する、い
わゆるソーラーハウスすなわち太陽熱暖房住宅が知られ
ている。

また、集合住宅やオフィスビルのように外壁にカーテン
ウオールを用い、前記太陽熱集熱ユニットをカーテンウ
オール部分に設置する構想もあるが、太陽熱集熱ユニッ
トの取付は構造について充分な解明は一般になされてお
らず、カーテンウオールに太陽熱集熱ユニットを組み込
むことは現実には困難であった。

さらに太陽熱集熱ユニットの取付面積は大きい程集熱量
が大きくなるが、これにより窓開口の面積が小さくなっ
ては採光量が減少して照明用に用いるエネルギが増大し
てし１うという問題がある。

本考案の目的は、太陽熱集熱ユニットを組み込むことに
よって窓開口の大きさが制約を受けることのない、ある
いは該制約を最小限とすることができ、また太陽熱集熱
ユニットをカーテンウオールに組み込むことを現実のも
のとし、かつ容易に施行できる太陽熱集熱ユニットを備
えたカーテンウオールを提供することにある。

本考案に係る太陽熱集熱ユニットを備えるカーテンウオ
ールの特徴は、 ◎ 方立をスラブ外方に取り付けると共に方立と方立間
に横桟を配設することによりカーテンウオールを構成す
る骨組みを形成することにより建物外面に一面状にカー
テンウオールを貼設すること、 ◎ 太陽熱集熱ユニットは上階の窓開口部の下枠を形成
する横桟の下面と下階の窓開口部を形成する上枠の上面
と方立の側面間に嵌送されること、すなわちカーテンウ
オールのスパンドレル部に配設されること、 ◎ また上記下枠を形成する横桟の下面、上枠を形成す
る横桟の上面及び方立の側面にはそれぞれ嵌め溝が形成
され、これら嵌め溝に集熱ユニットの四周が嵌装固定さ
れること、 ◎ 上記集熱ユニットは透光板とその内側に配置された
集熱パイプと該集熱パイプの内側に配置される断熱性を
有する耐火板とにより形成されること、 このように構成したことによりカーテンウオールに太陽
熱集熱ユニットを組み込むことを現実的なものとし、ま
た従来のカーテンウオール施工法をもって施工すること
も可能とすると共に窓開口部が設けられるスペースを大
きくとることができるものとした。

本考案が特徴とするところは、図示の実施例についての
以下の説明により、さらに明らかとなろう。

第１，２図を参照すると、本考案に係る太陽熱集熱ユニ
ット１０を備えたカーテンウオールが符号１４で示され
ている。

このカーテンウオールは集合住宅やオフィスビルのよう
な建築物のスラブ（図示せず）の外方に取付けられる方
立２２と方立間に取付けられる横桟２０ａ 、 ２０
ｂにより形成される骨組みによって形成される。

１６は上階の窓開口部であり横桟２０ａはその下枠を形
成し、またその下面には嵌め溝２１ａが形成される。

筐たこの嵌め溝は横桟本体２０′ａと外部押縁２０”ａ
とにより構成される。

１８は下階の窓開口部であり、横桟２４１ｂはその上枠
を構成し、その上面には嵌め溝２１ｂが形成されている
。

２２ａは方立２２の側面に形成させる嵌め溝であり、こ
の嵌め溝２２ａは方立体２２ａ′と補助枠２２ａ′／と
よりなる。

以上により、太陽熱集熱ユニット１０は、前記スラブの
屋外側すなわち窓開口部１６と窓開口部１８との間のい
わゆるスパンドレル部に位置するように、横桟２０ａ
、２０ｂと方立２２とにより規定された空間内に配置さ
れる。

また、太陽熱集熱ユニット１０は第１図、第２図に示さ
れる通り横桟２０ａ、２０ｂ及び方立２２に形成された
嵌め溝２１ａ 、２１ｂ、２２ａにその四周端縁を嵌装
することにより取り付けられる。

太陽熱集熱ユニットの嵌装は初め横桟２０ａの外部押縁
２０ａ”を取り外してお・き屋外側より太陽熱集熱ユニ
ットの四周端縁を上記嵌め溝２１ｂ。

２２ａ ＶＣ嵌装した後、外部押縁２２ａ”を取り付け
ることにより固着される。

太陽熱集熱ユニット１０ば、前記空間内において屋外側
に配置されたガラス板のような透光板２４と該透光板の
内側に配置された集熱パイプ２６と該集熱パイプ内側す
なわち前記空間内において屋内側に配置された断熱性を
有する耐火板２８とを備え、はぼ矩形のフレーム３０に
より取り囲捷れかつ保持される。

該フレーム３０により太陽熱集熱ユニットの四周端縁部
を形成し、このフレーム３０を介して横桟２０ａ 、２
０ｂと方立２２に形成した嵌め溝２１ａ、２１ｂ、２２
ａＫ太陽熱集熱ユニットは取り付けられている。

フレーム３０ Ｈ一対（ｌＤ横フレーム３２と該横フレ
ームに固定された一対の縦フレーム３４とから成り、各
フレームは押出し成形により形成された形材を用いるこ
とが好ましい。

前記横フレームおよび縦フレームは、第３図に示された
本考案の他の実施例におけるように、複数のビスポケッ
ト３０ａが間隔をおいて設けられており、相互に前記ビ
スポケットを介してビス止めされている。

各フレームは溶接により相互に固定することもできる。

各フレームは、第１，２図に示すように、透光板２４を
これの縁部２４ａにあ・いて受は入れるための外枠部３
６と、集熱パイプ２６および耐火板２８を受は入れる内
枠部３８とから成る。

横フレーム３２ば、その外枠部３６の外側面４０が前記
横桟２０ａの外部押縁２０ａ“及び横桟２０ｂの外側面
４２に覆われている。

縦フレーム３４ば、その外枠部３６の外側面４４が前記
方立２２の外側面４６に覆われている。

これにより、フレーム３０は屋外側において露出するこ
とがなく、カーテンウオール１４の美感を維持する。

透光板２４ば、上方に位置する横フレーム３２の外枠部
３６において該外枠部に取り付けられた弾性材料からな
るピード４８により押圧されている。

また、透光板２４の縁部２４ａと横フレーム３２との間
隙および横フレーム３２と横桟２０ａの外部押縁材２０
＆間及び横桟２０ｂの外側面４２との間隙を液密的かつ
気密的に密閉すべく、透光板２４の縁部２４ａから横桟
２０ａの外部押縁材２０ａｌ又は横桟２０ｂの外側面４
２に渡ってパテ状の材料を充填して成るコーキング部材
５０がバックアップ部材５２を介して配置されている。

横フレーム３２の外枠部３６の屋内側において透光板２
４に沿って伸びる部分３６ａの先端と透光板２４との間
にタイト材５４が配置されている。

横桟２０ｂの外側面４２から屋内側にＬ状に伸びる部分
４２ａの先端と横フレーム３２との間にタイト材５６が
配置されている。

さらに第２図に示すように、縦フレーム３４、透光板２
４および方立２２のそれぞれの間にも雨水などが室内へ
侵入するのを阻止すべく種々のタイト材が配置されてい
る。

集熱パイプ２６ＩＩｉ、前記透光板２４の全層に対応し
て設けられ、導管５８を介して室内より水のような流体
が送給される。

集熱パイプ２６ば、その縁部においてフレーム３０の内
枠部３８に取り付けられた断面がほぼＬ状Ｄブラケット
６０を介してフレーム３０に取り付けられている。

耐火板２８は、集熱パイプ２６の内側にあってフレーム
３０の内枠部３８の全域に配置されている。

また、耐火板２８は、集熱パイプ２６の室内側面を覆っ
て配置されたアルミ箔６２を介して集熱パイプ２６の内
側に配置されている。

アルミ箔６２により集熱パイプ２６の裏面より放熱され
る熱を再び集熱パイプ２６に放射することにより太陽熱
の集熱効果を増大させる。

また、耐火板２８は断熱性を有する材料から成り、これ
により集熱パイプ２６が吸収する熱エネルギーが室内方
へ逃げるのを阻止する。

従って、耐火板２８は、断熱性をも併せもつケイ酸カル
シウム耐火材、石綿などの耐火材を用いることが好まし
い。

また、耐火板２８はその四周端縁部２８ａを肉薄とし、
中央部２８ｂを肉厚に形成してあり、これにより太陽熱
集熱ユニット１０は全体としてその四周端縁が肉薄に構
成されるにもかかわらず充分な耐火板（断熱性を有する
）の肉厚が確保されることになる。

また太陽熱集熱ユニットの四周端縁部が肉薄に構成され
ることによりカーテンウオールを構成する骨組みの内外
方向の深さは小さくてすむことになり、通常のカーテン
ウオールに用いられる骨組みを転用することも可能とな
る。

太陽熱集熱ユニット１０は工場において形成され、矩形
状に組み付けられたフレーム３０内に予め組み込１れ、
その後カーテンウオール１４の骨組み内に配置される。

さらに集熱ユニット１０は、室内に配置された蓄熱槽か
ら水のような流体をボン７”Ｋより導管５８を介して集
熱パイプ２６に送給する（図中矢印で示す）。

太陽熱は透光板２４を通過して集熱パイプ２６に吸収さ
れる。

これにより、集熱パイプ２６内の流体が加熱される。

加熱された流体は集熱パイプ２６を循環し、導管５８を
介して前記蓄熱槽内に入り、室内の暖房、給湯に使用さ
れる。

また、一度暖房に供されて低温となった流体をさらに前
記ポンプにより集熱パイプに送給して循環させ、これを
繰返して室内を連続的に暖房する。

なお、前記フレーム３０ば、一対の横フレーム３２あ・
よび一対の縦フレーム３４から成り、各フレームは外枠
部３６および内枠部３８から成るが、その外枠部および
内枠部としてフレームの少くも１つを分離可能の一対の
フレームピースを用いることができる。

この例では、例えば、第３図に示すように、上方に位置
する横フレーム３２′からフレーム３０ｒｃ透光板を挿
入しかつ位置決めた後、横フレーム３２′の外枠部とし
ての外フレームピース３６′をビス６４を介して内枠部
としての内フレームピース３８’に固定スル。

本考案に係るカーテンウオールによれば、太陽熱集熱ユ
ニットは、建築物を構成するスラブの屋外側に位置する
よ５［、すなわち上階の窓開口と下階の窓開口との間の
、通常窓開口用に供されず単に建築物の内外の遮断と化
粧の為に用いられるだけであったスパンドレル部に組み
込１れている。

したがって、窓開口の大きさを犠牲にすることなく、ま
た従来太陽エネルギを充分採取することに供されてい友
かったスパンドレル部を利用することができる。

また横桟及び方立てに形成した嵌め溝を利用して太陽熱
集熱ユニットを組み込むものであり、また太陽熱集熱ユ
ニットの構成部分に断熱性を有する耐火板が用いられて
いることから、カーテンウオールのスバンドレル部を通
しての上階または下階への延焼が防止される。

以上の通り本考案は太陽熱集熱ユニットをカーテンウオ
ールに組み込むことを現実的なものとし、従来のカーテ
ンウオール施工法をもって施工することも可能なものと
した有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る太陽熱集熱ユニットを備えたカー
テンウオールを示す縦断面図、第２図は第１図における
２−２線に沿った横断面図、第３図は本考案の他の実施
例を示す縦断面図である。 １０・・・・・・太陽熱集熱ユニット、１４・・・・・
・太陽熱集熱ユニットを備えたカーテンウオール、１６
・・・・・・上階の窓開口部、１Ｂ・・・・・・下階の
窓開口部、２０ａ、２０ｂ・・・・・・横桟、２０ａ′
・・・・′・・横桟本体、２０ａ“・・・・・・外部押
縁、２１ａ、２１ｂ、２２ａ・・・・・・嵌め溝、２２
・・・・・・方立、２４・・・・・・透光板、２６−−
−・・・集熱パイプ、２８・・・・・・耐火板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 建築物のスラブ外方に取り付けられる方立２２と方
   立間に配設される横桟とにより建築物外面に一面状のカ
   ーテンウオールを構成する骨組みを形成し、上階の窓開
   口部１６の下枠を形成する横桟２０ａの下面と下階の窓
   開口部１８の上枠を形成する横桟２０ｂの上面及び方立
   ２２の側面にそれぞれ嵌め溝２１ａ、２１ｂ。 ２２ａを形成し、これら横桟及び方立に形成される嵌め
   溝に太陽熱集熱ユニット１０の四周端縁を嵌装すると共
   に、該太陽熱集熱ユニットは透光板２４と透光板の内側
   に配置される集熱パイプ２γと該集熱パイプの内側に配
   置された断熱性を有する耐火板２８とよりなる、太陽熱
   集熱ユニットを備えるカーテンウオール。 ２ 上階の窓開口部の下枠を形成する横枠の嵌め溝は横
   桟本体２０’ ａと、その室外側に配設される外部押縁
   ２０’ａにより形成される実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の太陽熱集熱ユニットを備えるカーテンウオール
   。 ３ 耐火板は四周２８ａが肉薄で、中央部２８ｂが肉厚
   に形成される実用新案登録請求の範囲第１項ないし第２
   項記載の太陽熱集熱ユニットを備えるカーテンウオール
   。 ４ 耐火板はケイ酸カルシウムよりなる実用新案登録請
   求の範囲第１項ないし第３項記載の太陽熱集熱ユニット
   を備えるカーテンウオール。