JPS5933901Y2 - 自動車用燃料の脈動防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用燃料の脈動防止装置、特に燃料噴射に
より発生する背圧の脈動を減衰し、異音の発生を防止す
る脈動防止装置に関するものである。

燃料導入通路に該通路を開閉する弁装置を設け、ノズル
先端の噴射孔より燃料を噴射せしめる自動車の燃料噴射
装置においては、燃料噴射により発生する背圧の脈動が
燃料配管を逆伝播して配管系に異音を生ぜしめ運転者に
不快感、不安感を与える。

この異音防止のため従来は、配管中にダイヤフラノお↓
びスプリング等より成るダンパーを設けて脈動を減衰せ
しめる手段がとられている。

しかしながらこの手段においては、ダイヤフラムの耐久
性、燃料漏洩に不安があり、また構成部品数が増して配
管系を複雑にするとともに取付場所の制約等の諸欠点が
ある。

本考案は簡素な構造で効果的に上記脈動を減衰消去させ
ることを目的とするもので、燃料噴射装置の燃料導入通
路内に燃料の流通可能な複数の微細通孔を有する多孔物
質体を挿置せしめ、この多孔物質体は内部に空隙を有す
る中空体とし、かつ燃料が流入流出する多孔物質体の端
面および空隙の端面のいずれかを燃料の流通方向に対し
て傾斜面とすることにより前記の目的を達成するもので
あり、渣た本考案の脈動防止用多孔物質体はコンパクト
であるとともに交換可能であり、會た燃料中の異物が燃
料噴射装置へ侵入するのを防止する効果も併せ発揮する
ものである。

以下、本考案の脈動防止装置の実施例を図面により説明
する。

第１図は本装置を電子制御方式燃料噴射装置Ａに具備せ
しめた実施例を示す。

該噴射装置Ａはノズルボディ１の先端に開口する燃料噴
射孔２を有し、該噴射孔２と燃料ポンプ、燃料供給源（
共に図示せず）とを連通ずる燃料導入通路３を有する。

該燃料導入通路３の吐出側端部３２には、これを開閉し
て燃料を噴射孔２より外部へ噴射供給制御する弁装置と
しての針弁５が配置されている。

該針弁５は後記する電磁コイル８２の励磁、消磁作用に
よって昇降作動し、前記噴射孔２を開閉する。

該針弁５とこれに連結されたプランジャ７とは、ノズル
ボディ１の案内孔１１内に摺動自在に密嵌合され、かつ
スプリング１２に上って噴射孔２の閉方向に押圧されて
いる。

ノズルボディ１内には前記針弁５の昇降作動を制御する
電磁制御装置８が設げられている。

該装置８は固定鉄心８１、その外周に複数巻きした電磁
コイル８２を有し、継鉄８３は電磁コイル８２を覆着す
るとともに固定鉄心８１を固定している。

固定鉄心８１の内腔には前記プランジャＩの端部が配さ
れている。

また電磁コイル８２はコネクタ８４に電気的に接続され
、該コネクタ８４に接続されたコンピュータ（図示せず
）よりの噴射電気信号が入力可能とされている。

ところで、本考案の脈動防止装置４は前記電磁制御装置
８より燃料吸入側３１の燃料導入通路３内に装着されて
いる。

該脈動防止装置４は第１図および第２図ａ第１の実施例
に示すように軸方向に複数の連通細孔４１１を有する円
柱状多孔物質体４１の側面外周を筒体４２にて嵌合し、
該筒体４２を、一端が上記ノズルボディ１の端部１３に
螺着せしめられて燃料導入通路３の一部を形成する筒体
４５内に挿着せしめることにより構成されている。

前記多孔質物体４１としては、軸方向に導通する複数の
直線状細孔または互に不規則に連通し軸方向に導通する
複数の海綿状細孔を有する金属、セラミックスあるいは
プラスチックス製のものが用いられ得る。

また多孔物質体４１は内部に空隙４１５を有する中空形
状としである。

即ち、第２図ａは多孔物質体の側面図、第２図すは正面
図、第２図Ｃは平面図であって、部材４１ 、４１の一
端面が傾斜面４１２，４１２に形成され、該傾斜面４１
２，４１２を対向せしめて接合し、燃料の流通方向に対
して傾斜する傾斜面間に空隙４１５を形成している。

前記電子制御式燃料噴射装置においては、電磁コイル８
２への励磁用パルス電圧が遮断されているときにはスプ
リング１２の押圧力に上り噴射孔２は閉鎖されており、
電磁コイル８２への電磁用パルス電圧が印加されるとプ
ランジャ７はスプリング１２の付勢力に抗して作動し、
噴射孔２は開放されて圧力燃料が噴射される。

このとき、燃料導入通路３の吐出側３２に前記燃料噴射
により発生する背圧の脈動が生じ、該圧力脈動は燃料導
入直路３内をその吸入側３１へ逆伝播する。

しかして、圧力脈動は多孔物質体４１の機い孔４１１
を通過して空隙４１５へ至る過程で減衰される。

方、空隙４１５へは燃料が流入するが、燃料は各細孔４
１１から空隙４１５へ入るときに拡散し、空隙内では燃
料醜に乱れが生じることに上り、各細孔から空隙内へ伝
播された脈動は互いに干渉して更に減衰せしめられるの
である。

しかも前記のように空隙４１５は傾斜面４１１としであ
るので、圧力脈動が多孔物質体の一方の端面から各細孔
を通って空隙へ入る経路の長さはそれぞれ異なるので各
細孔かも空隙内へ伝播される脈動粗密波は位相ずれし、
これ等の脈動が干渉することにより更に効果的に脈動が
減衰消去される。

また消去しきれなかった脈動も、空隙を出て各細孔を通
り多孔物質体の他の端面外へ伝播されるときも同様に各
細孔の経路長さが異るので位相ずれによる脈動の干渉に
より消去されるのである。

第３図に示す多孔物質体の第２の実施例は斜面４１３，
４１３を有する多孔体部材４１．４１を斜面４１３，４
１３を対向せしめスペーサ４１４を介して接合構成し内
部に空隙４１５を形成せしめたものである。

第４図に示す多孔物質体の第３の実施例は中央部に断面
菱形の空隙４１５を設は燃料の流入流出面を燃料流通方
向に対し傾斜面４１６としである。

第５図に示す多孔物質体の第４の実施例は、端面を傾斜
面４１７，４１７にするとともに内部にスペーサ４１４
な介して空隙４１５を形成せしめる態様としたものであ
る。

上記第２ないし第４の実施例においても多孔物質体内に
は空隙４１５が形成してあり、筐た空隙４１５筐たは多
孔物質体の端面が傾斜面としてあって各細孔の経路長さ
がそれぞれ異なるので、空隙内における燃料流の乱れに
より、筐た脈動が各細孔より空隙内へ伝播されたとき、
および空隙から多孔物質体外へ伝播されたときの脈動の
位相ずれにより、脈動は効果的に減衰消去されるのであ
る。

また上記多孔物質体は構造簡単でコンパクトであって取
付けが容易であるとともに取換えが可能であり、しかも
燃料中の異物が噴射孔へ侵入するのを防止するフイルー
タとしての効果を発揮する。

なお、本考案の装置は、電子制御式燃料噴射装置に限ら
ず、燃料噴射により発生する背圧の脈動が異音を発生せ
しめる燃料噴射装置に広く適用され得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の脈動防止装置を具備した自動車の電子
制御式燃料噴射装置の断面図であり、第２図ないし第５
図はそれぞれ本考案の脈動防止装置に用いる多孔物質体
の実施例を示す図である。 Ａ・・・・・泪動車の電子制御式燃料噴射装置、２・・
・・・・燃料噴射孔、３・・・・・・燃料導入通路、５
・・・・・・針弁、８・・・・・・電磁匍脚装置、４・
・・・・・本考案の脈動防止装置、４１・・・・・・多
孔物質体、４１１・・・・・・通孔、４１５・・・・・
・多孔物質体内に設けた空隙、４１２，４１３゜４１６
．４１７・・・・−・傾斜端面。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） ノズルボディの先端に燃料の噴射孔を開口し
   、ノズルボディ内に該噴射孔と燃料供給源とを連通ずる
   燃料導入通路を設け、該燃料導入通路に該通路を開閉し
   て燃料を噴射孔より外部へ噴射供給制御する弁装置を配
   設して成る自動車用燃料噴射装置の上記弁装置より吸入
   側の燃料導入通路に、燃料の流通可能な複数の微細連通
   孔を有する多孔物質体を装着せしめ、該多孔質体はその
   内部に空隙を形成して中空形状となし、かつ燃料が流入
   流出する多孔物質体の端面および空隙の端面のいずれか
   を燃料の流通方向に対して傾斜面としたことを特徴とす
   る自動車用燃料の脈動防止装置。
2. （２）多孔物質として、互い、に平行な直線状微細通孔
   を有する多孔物質体を用いた実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の自動車用燃料の脈動防止装置。
3. （３）多孔物質体として、互いに不規則に連通ずる海綿
   状微細通孔を有する多孔物質体を用いた実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の自動車用燃料の脈動防止装置。