JPS5933149Y2 - 螢光表示管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱電子により、螢光物質を発光させて表示をす
る螢光表示管に関するものである。

螢光表示管は第１図に示すように、陽極基板１の上に螢
光体２を印刷し、その上部に細かい網目の制御格子３を
配設し、この制御格子の上方のタングステン線４は熱電
子放射性物質５をコーティングしたフィラメント陰極１
本または複数本配設し、これらを透明な真空容器Ｔ内に
収納し、その真空容器γ中を真空排気したものである。

この螢光表示管の機能は、陰極タングステン線４に電流
を流して発熱させることにより、熱電子放射性物質５か
ら熱電子６を放出させ、−力制御格子３を正電位に保つ
ことにより、前記放出された熱電子６を加速して一様に
分布させ、その電子６を螢光体２に衝突させて発光表示
するものである。

ところがフィラメント陰極を発熱させると、熱電子放射
性物質５からは熱電子だけではなく、酸化物などの蒸発
物６′も放出される。

該蒸発物６′は真空域内の平均自由行路から考えて直進
して対向面の螢光体２の表面に付着し、長期間の使用に
より次第に螢光体２の発光効率を低下させ、輝度を低下
させている。

前記蒸発物６′を減少させて螢光体の発光効率を長期間
に亘って保持するためには、陰極フィラメントの温度を
下げることも考えられるが、陰極フィラメント温度はす
でに下限に設定しているため、このような方法をとるこ
とは不可能である。

本考案はかかる問題に対し、フィラメント陰極を真空域
内で加熱させた場合、放出された熱電子６は制御格子に
よって加速されるが、その他の蒸発物６′は電荷を持っ
ていないため真空域内においては直進することを利用し
、陽極に対向する陰極の面には熱電子放射性物質を被覆
することなく、他の面上にのみ熱電子放射性物質を被覆
して螢光体の表面に蒸発物６′が付着するのを最小限に
釦さえることができるようにしたものである。

次に本考案の一実施例を第２図について説明する。

第２図に釦いて、１は陽極基板、２は螢光体、３は制御
格子である。

本考案においては、板状のタングステン陰極線４′を使
用し、その螢光体２に対向する平面部４“だけは熱電子
放射性物質５′もコーティングせずに陰極線４′を露出
せしめ、他の部分には放射性物質５′をコーティングし
たものである。

本考案の螢光表示管は、前記の如き構成よりなるので、
陰極８４’に電流を通して発熱させた際、熱電子放射性
物質５′から放出される熱電子６は制御格子３によって
陽極基板１の方向へ引張られて螢光体２を照射するが、
熱電子放射性物質５′から放出される酸化物などの蒸発
物６′は電荷をもっていないため真空容器Ｔ中において
直進し、真空容器γの内壁には付着するが螢光体２の表
面に付着することは殆んどない。

以上述べたように、本考案の螢光表示管は、陰極を加熱
することにより放出される熱電子は螢光体を照射するが
、熱電子と共に放出される蒸発物は螢光体の表面方向に
は殆んど放出されないので、螢光体に蒸発物が付着する
のを防止し、螢光表示管の寿命を長期間に亘って保持す
ることが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の螢光表示管の構造説明図、第２図は本考
案の一実施例を示す説明図である。 １・・・陽極基板、２・・・螢光体、３・・・制御格子
、４・・−陰極タングステン線、４′・・・本考案の陰
極タングステン線、４“・・・陰極の平面部、５，５′
・・・熱電子放射性物質、６・・・熱電子、６′・・−
熱電子と共に放出される蒸発物、７・・・真空容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 螢光体を有する陽極の前面に熱電子放射性物質を被覆し
   た陰極線を配設し、その陰極線に通電させることにより
   放出された熱電子を螢光体に照射して発光せしめる如く
   した螢光表示管において、前記陰極線の前記陽極に対向
   する部分を平面としその平面部には熱電子放射性物質を
   被覆することなく、他の面上にのみ熱電子放射性物質を
   被覆したことを特徴とする螢光表示管。