JPH0659202U - 生花包装材用の包装スタンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装材への生花の挿入作業をスムーズに行え
るようにし、かつ包装作業において作業者が疲れないよ
うにすること。 【構成】 高さ調節可能な支柱の上端側に、前記包装材
の生花挿入口端縁に沿う凹面を有する包装材積層部を傾
斜可能に形成し、包装材積層部上の包装材の生花挿入口
端縁に沿って包装材を押圧する生花載置部を包装材積層
部に一連に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、生花を出荷する園芸農家において使用される生花の包袋材を取り 付けて生花を挿入するための生花包装材用の包装スタンドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、園芸農家で生産される生花は、特にその商品価値ある花の部分を輸送中 あるいは取扱において損なわないように、数十本づつ束ねられて束とされてスリ ーブと呼ばれる先細りの筒状に形成された包装材３０に挿入して、この束を複数 まとめて箱にいれて出荷されている。

【０００３】 このように、出荷の際に、生花を包装材３０に挿入して包装することにより、 花の部分は摩擦やエチレンガスによる害を受けることなく鮮度が保持され、商品 価値は高められる。しかしながら、生花の包装材３０への挿入作業は、大変に時 間がかかるとともに、生花を挿入する開口部を両手で開口させて、生花を挿入す るため、一人ではスムーズな作業が困難であった。 そこで、複数枚の包装材３０を積層した状態で、その上端側をまとめて取りつ けて、ぶら下げた状態として包装材３０の片側を片手で引っ張ることにより包装 材３０を開口させて、もう一方の手で生花を挿入できる包装スタンド３１がある （図６参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような包装スタンド３１においては、包装材３０の上端の みが固定され、筒状の部分はなんら固定されていない。このため、生花を挿入す る端縁のみは充分に開口したとしても、包装材３０の奥は充分に開口されず、一 方の手で生花がスムーズに入っていくように、片手を挿入口から奥に差し込む必 要があった。

【０００５】 したがって、一束の生花を挿入するにも時間を要し、次々と手早く作業を行う ことが困難であった。さらに、包装作業後に生花の下端を下方に引っ張って包装 材スタンド３１から取り外す際には、ぶら下がった包装材３０の下端側を持って 下方に引かなければならず、腰を曲げる場合もあった。この包装材３０の分離作 業に連続して行われる生花の箱への収納工程に移動させるための作業者の無駄な 動きを必要とし腕や腰が疲れる作業であった。

【０００６】 以上のことから、大量の生花を短時間でかつ生花を傷めることなく包装材３０ で包装するのは容易でなく、従来の包装スタンド３１では不十分であった。 そこで、本考案では、包装材への生花の挿入作業をスムーズに行えるようにし 、かつ包装作業において作業者が疲れない生花包装材用の包装スタンドを提供す ること目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記した技術的課題を解決するために、筒状に形成された生花包 装材の生花挿入口から生花を挿入するための包装スタンドであって、高さ調節可 能な支柱の上端側に、前記包装材の生花挿入口端縁に沿う凹面を有する包装材積 層部を傾斜可能に形成し、包装材積層部上の包装材の生花挿入口端縁に沿って包 装材を押圧する生花載置部を包装材積層部に一連に設ける構成とした生花包装材 用の包装スタンドを手段とする。

【０００８】

【作用】

上記構成としたことにより、包装材は包装材積層部にその生花挿入口の端縁に 沿って凹状でかつその生花挿入方向に傾斜して積層され、前記端縁を持ち上げる ことより容易に、包装材の奥まで充分に開口される。また、生花はこの包装材の 生花の挿入方向の延長線に沿って、包装材積層部の凹状に沿って樋状に形成され た生花載置部上に斜めに載置されているため、生花を生花載置部に沿って下方に 滑り込ませるように動かせば、包装材の生花挿入口から容易に奥までスムーズに 挿入される。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の具現化した一実施例を図１ないし図５に従って説明する。 図１には本実施例の包装スタンド１の側面図が示されている。この包装スタン ド１は図５に示すような生花包装材２に生花を挿入するためのものである。

【００１０】 この種の包装材２は、従来と同様、先細り状の筒状に形成され、生花を挿入す る広口側の半周側は、ミシン目４を介して切離し端部３が延出されている。この 切離し端部３は包装スタンド１に固定するための部分となっている。 さらに、この切離し端部３の所定の位置には包装材２の位置決めをするための 位置決め孔３ａが貫設されている。 このような包装材２はその切離し端部３が下側に、生花挿入口端縁５が表面に 来るように積層されている。

【００１１】 包装スタンド１は、図１に示すように、略Ｈ型の基部６から上方に延びた支持 部材７の上端に包装材積層部（以下、積層部と略す）１３と生花載置部（以下、 生花部と略す）１６とを有して形成されている。 基部６は、生花の包装作業に充分な安定性を有して形成されていればよい。ま た、支持部材７は、基部６のＨ状部材の一部からやや斜め状に上方に延出された 支持軸８と、この支持軸８を嵌装するパイプ状の長さ調節部材９とから形成され ている。長さ調節部材９は、その中空部９ａに上下スライド可能に支持軸８を嵌 装して、調節部材９の側部の一箇所からねじ込み状に設けられた調節ネジ１０に より調節部材９内の支持軸８を固定可能に形成されている。

【００１２】 この調節部材９の上端は、生花包装部１５の下側に枢着されている。 また、この調節部材９の上端と下端の中間の側面には複数の歯１１がその長さ 方向に沿って、所定の間隔をおいて複数個形成されている。 この複数個の歯１１を覆うようにその歯１１の形成方向に沿って枠１１ａが設 けられている。この歯１１は、調節部材９の上方に形成された生花包装部１５の 下側に形成された傾動部材２２の先端を係合するものである。

【００１３】 支持部材７の上端には生花を包装材２で包装するための生花包装部１５が形成 されている。生花包装部１５は積層部１３、生花部１６及び取り付け基部１２と から形成されている。

【００１４】 取り付け基部１２は、調節部材９の上端に枢着されて、図１の左右方向に形成 されている。取り付け基部１２は、上方に開口する断面略コの字状であり、取り 付け基部１２のほぼ中央側が調節部材９に枢着１２ａされている。 この枢着部１２ａの図１左寄りには、傾動部材２２が枢着されている。傾動部 材２２は、取り付け基部１２から下方に垂れる所定の長さの棒状に形成され、そ の先端が屈曲して調節部材９に形成された歯１１に係合可能に形成されている。 複数個設けられた歯１１に係合させることにより、取り付け基部１２は傾斜可能 となっている。 このように形成された枢着部１２ａと傾動部材２２の側は他の取り付け基部１ ２よりも高く形成されて、その上縁には積層部１３が取り付けられている。

【００１５】 図２に示すように、積層部１３は、包装材２を載置できる大きさで、かつ包装 材２の形状に沿ってやや先細り状の縦長状の板に形成されるとともに、取り付け 基部１２の中央寄りに幅広側が位置されるように取り付けられている。そして、 その左右側が上方に立ち上がり状になって全体として上方に向かって凹状に形成 されている。本例においては凹面１３ａの形状は、湾曲してほぼ断面略円弧状と なっている。 凹面１３ａの形状は、包装材２が安定よく載置されるとともに、その生花挿入 口端縁５を持ち上げた際に、包装材２が容易に開口される形状であればよい。

【００１６】 そして、この積層部１３の幅広の生花挿入側１４（包装材２の生花挿入口側） には、包装材２の切り離し端部３の包装材位置決め孔３ａに対応するピン１４ａ が上方に突出されている。 このように形成された積層部１３の生花挿入側１４の上面に重なるようにして 生花部１６が取り付け基部１２に取り付けられている。

【００１７】 生花部１６は、ほぼ、生花の束を載置可能な長さの縦長状の板が、全体として その左右方向に積層部１３の凹面１３ａの形状にほぼ沿った凹形状に形成されて いる。また、この長さ方向に沿って積層部１３の生花挿入側１４から反対側に徐 々に幅広状に形成されて、幅広側１７に生花の花の部分を載置されるようになっ ている。 そして、積層部１３側に近い幅狭側１８は、生花の下端側が載置されるととも に、積層部１３の生花挿入側１４の幅及び凹形状に沿って形成され、生花挿入側 １４の上に沿って重ねて載置可能に形成されている。 このため、生花部１６と積層部１３とがほぼ同様の凹形状で連続され、全体と して樋のようになっている。また、それぞれの左右側も連続状に生花部１６の幅 広側１７に向かって徐々に幅広になっている。

【００１８】 このように形成された生花部１６は、取り付け基部１２の枢着部１２ａの図１ 右側に左右各２本計４本のアーム１９によって平行移動可能に取り付けられてい る。 すなわち、取り付け基部１２の内側に枢着された左右各２本の同じ長さのアー ム１９が生花部１６の下面に形成された取り付け板２０の左右側面に平行に枢着 されている。 この結果、アーム１９を回動させることにより、生花部１６は平行移動され、 生花部１６の幅狭側１８が積層部１３の前方端部１４上に重なることができると ともに、生花部１６を幅広側１７方向に移動させて積層部１３と分離することも できる。 なお、左右アーム１９の回動に伴って伸縮するようにスプリング等の弾性部材 ２１を取り付け基部１２と生花載置部１６との間に設けることによって、生花載 置部１６が積層部１３に重複する場合には、弾性部材２１の作用により積層部１ ３上の包装材２の切離し端部３を押圧可能となっている。

【００１９】 次に、上記の構成とした包装スタンド１を用いて行う生花の包装作業について 説明する。 まず、調節部材９の側部に形成された調節ネジ１０を操作して、作業者に適し た高さに生花包装部１５を調整する。そして、図３に示すように、アーム１９を 回動させて生花部１６を積層部１３と分離した状態として、包装材２の積層体の 切離し端部３の所定の位置に貫設された位置決め孔３ａを積層部１３の生花挿入 側１４に形成された凸部１４ａに嵌めることにより、包装材２を積層部１３の凹 面１３ａにセットされる。

【００２０】 次に、図４に示すように、アーム１９を回動させて生花部１６を積層部１３と 重複させる。この結果、位置決め凸部１４ａが生花部１６の幅狭側１８に貫設さ れた孔１８ａに挿入される。同時に、弾性部材２１によって強く生花部１６の幅 狭側１８が積層体の切り離し端部３を押圧し、積層体を保持する。 なお、ミシン目４には生花部１６が重複されない。 また、弾性部材２１により弾性的に包装材２の端部３を挟むものであるため、 積層された包装材２の枚数が少なくても常に、確実に保持可能である。

【００２１】 このように、積層部１３と生花部１６との重複部分に包装材２の切離し端部３ を介在させることにより、包装材２の全体が生花挿入方向にわたって生花挿入口 端縁５方向に沿って凹状にセットされる。この結果、その表面側になる挿入口端 縁５をつまみ上げることにより、容易に包装材２を開口され、また包装材２の奥 側も充分に開口される。

【００２２】 以上のように包装材２がセットされたならば、生花包装部１５は、傾動部材２ ２を操作して、その先端２２ａを作業の容易な傾斜角度に調整される。

【００２３】 さて、積層部１３とともに適当な角度に傾斜状に位置された生花部１６には、 生花が、その下端側が幅狭側１８（積層部の生花挿入口端縁５）を指向して載置 される。生花の載置に際しては、従来と異なり、生花部１６に生花を載せるだけ でよく、また生花部１６の高さや斜度が調節されているため、連続的に作業が行 われる。 そして、包装材２の生花挿入口端縁５をつまんで持ち上げて、包装材２を開口 させる。この際、先に述べたように、包装材２全体が凹面状に載置されているた め、包装材２の奥まで充分に開口される。この開口部から生花部１６に載置され た生花を、上方から軽く支持するだけで、生花部１６の凹面に沿って斜め下方に 滑らすように移動させることにより、そのまま大きく開口された包装材２内に挿 入される。

【００２４】 包装材２内に生花が挿入されていく際には、包装材２が凹面１３ａに載置され ているため、生花はその凹面１３ａに沿うようにスムーズに包装材２の奥に移動 され、特に手を包装材２に奥に差し込む必要もない。 また、生花は凹面１３ａ上に載置状態で移動されるため、挿入しやすくするた めに生花を動かす必要もなく、特に花の部分は傷がつきにくくなっている。

【００２５】 さらに、包装材２で生花の包装を完了したならば、包装材２下端とともに生花 の下端側を持って、凹面１３ａに沿って下方に引けば、ミシン目４により包装材 ２が切離し端部３より分離され、包装された生花を分離することができる。 このようにして、つぎつぎに生花を包装材２に挿入して包装することができる 。

【００２６】 このように、この包装スタンド１は、生花包装部として積層部１３と生花部１ ６とを連続した樋状に設けて、かつ作業者の作業しやすい高さ及び斜度に調整可 能に構成されている。すなわち、従来縦方向であった包装材２への挿入動作を斜 め状にしかつ生花をその挿入方向の延長上に斜めに載置するように形成されて包 装作業が連続的に行えるようになっている。したがって、従来に較べて、作業が 迅速に行われ、疲れも少なくなっている。 また、包装材２内に包装された生花は、従来に較べ、作業者の手で掴まれるこ とがなく、包装材２内への挿入もスムーズに行われたため、商品価値のある花の 部分に損傷が少なく、包装材での包装効果をより一層高めることとなっている。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、生花を包装材で包装する一連の作業に おいて、包装材の開口、生花の保持、挿入、分離を連続的にかつ無駄なく行うこ とができる。したがって、生花を不必要に掴んだりすることもなく、また作業に おいて無駄な動きもなくすることができるため、作業が速くかつ疲れることなく 行うことができる。この結果、大量の生花をその商品価値を低減させることなく 迅速に包装することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の包装スタンド全体の側面図と基部の上
面図とを組み合わせた図である。

【図２】生花包装部の斜視図である。

【図３】生花包装部の断面図である。

【図４】包装材積層部に包装材を積層した状態の断面図
である。

【図５】生花包装材の斜視図である。

【図６】従来の生花包装材用の包装スタンドの斜視図で
ある。

【符号の説明】

１…包装スタンド ２…包装材 ７…支柱 ５…生花挿入口端縁 １３…包装材積層部 １６…生花載置部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状に形成された生花包装材の生花挿入
   口から生花を挿入するための包装スタンドであって、 高さ調節可能な支柱の上端側に、前記包装材の生花挿入
   口端縁に沿う凹面を有する包装材積層部を傾斜可能に形
   成し、包装材積層部上の包装材の生花挿入口端縁に沿っ
   て包装材を押圧する生花載置部を包装材積層部に一連に
   設ける構成とした生花包装材用の包装スタンド。