JPS5933043B2 - 圧延機用ガイド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は圧延機用ガイド装置に関するものである。

圧延機においてそのガイド装置はミルの前後にそれぞれ
設けられる。

Ｈ型鋼などの型鋼材料の圧延は数基のミルを圧延ライン
中に直列に並べ、これらのミルに型鋼材料を往復通過さ
せることにより行なう。

圧延機用ガイド装置は型鋼材料をミル内−＼正確に案内
するためのものであるから、圧延中においては常にその
ガイド面を基準となる圧延ラインに対して平行かつ水平
に保持させておくのが望ましい。

すなわち圧延機用ガイド装置における上下のガイドを互
に平行でかつ水平に保持させておくのが望ましい。

ミル内の上下圧延ロール間隔は圧延の進行に伴なって段
階的に小さくなるように調整され、またその他にも上下
圧延ロール間隔を調整する必要のある場合がある。

このため前記間隔調整時に、圧延ロールの上下動に追従
させてガイドを移動させる形式のガイド装置が提案され
ている。

しかしこれはただ単に上下のガイドを互の平行度及び水
平度を保持させたまま接近離間させるものであり、実操
業上これだけでは解消し得ない問題がある。

圧延機用ガイド装置のガイドはその先端部が圧延ロール
のロール面に常に接触せしめられている。

それは、圧延ロールのガイド先端との間に隙間が生゛じ
ていると圧延中に圧延材料生端がこの隙間にかみ込み、
トラブルを起す原因となるからである。

このため圧延ロールのロール表面あるいはガイド先端が
摩耗するのを避けられない。

かかる摩耗が発生すると、上下ガイドが互の平行度を保
持し得なくなり、それらの先端部同士が上下に拡がった
ようになる。

これは上ガイドが吊り上げられて上方に付勢支持され、
下ガイドが自重あるいはバネ力によって下方に付勢され
ているからである。

このように圧延ロールのロール面あるいはガイド先機が
摩耗してくると、その使用が不可能となるのでこれらを
新しく組替えすることになるが、摩耗したものを廃材に
することは無駄なことであるから、再加工後何回も使用
するのが好ましい。

この点、ガイド装置の上下ガイドを各別に圧延ロールに
対し圧延ラインに沿って遠近動させることができれば前
記再加工後の使用が何回も可能となる。

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、以下そ
の実施例を第１図〜第４図に基づき説明する。

ＩＡ、ＩＢは上下の圧延ロールであって圧延材料の圧延
量を変化させるとき、或いは圧延サイズ替えを行なうと
きに所定量だけ上下方向に互に接近離間される。

この接近離間のための駆動部は図示していない。

圧延ロールＩＡ、１Ｂの前後にはそれぞれウェブガイド
が配置されており、圧延ライン２を通って流れてくる圧
延材料を上下の圧延ロールＩＡ、Ｉ Ｂ間の圧延間隙に
送り込むようになっている。

これらのウェブガイドは圧延ライン２を挾んで上下一対
設けられており、上部ウェブガイド３Ａの一端部側方に
は左右一対の上部回転軸４Ａが立設され、また下部ウェ
ブガイド３Ｂの一端部側方にも左右一対の下部回転軸４
Ｂが立設されている。

そしてこれら上部回転軸４Ａと下部回転軸４Ｂとは同一
軸心上に配置され、上部回転軸４Ａの下端と下部回転軸
４Ｂの上端との間にはクラッチ装置５が介装されている
。

このクラッチ装置５の切換えによって両回転軸４Ａ、４
Ｂを連動回転させることも、また逆に縁切りさせること
も任意に行い得る。

上部回転軸４Ａは機枠６に設けられた軸受７Ａ、８Ａに
よりその上端部及び下端部が軸支されると共に、その上
端部において機枠６の頂部に設置された電動機９と連動
連結されている。

上部回転軸４Ａの中間部にはスクリュー軸部１０Ａが形
成されていて、このスクリュー軸部１０Ａには昇降筒状
体１１Ａが螺嵌されている。

昇降筒状体１１Ａには、昇降フレーム１２Ａの左右端部
がそれぞれ固着されている。

この昇降。フレーム１２Ａは中間部が前方へ張り出して
おり、この張出部１２ａの後面側に左右一対のブラケッ
ト１３Ａが突設され、該ブラケツ）１３Ａ間に、圧延ラ
イン２と直交する方向に水平な支持ピン１４Ａが架設さ
れている。

この支持ピン１４Ａは。前記上部ウェブガイド３Ａの一
端部上端に形成されているフック部１５Ａを係合せしめ
て該上部ウェブガイド３Ａを懸吊支持するものであり、
前記フック部１５Ａをその後方から係合させた状態で、
該フック部１５Ａの両側に位置決め輪１６Ａを嵌。

合し、該位置決め輪１６Ａをピン１７Ａにより支持ピン
１４Ａに固定しである。

また上部ウェブガイド３Ａの中間部は、機枠頂部に設置
された引張装置１８のピストンロッド１８Ａから垂下さ
れた索体１９によって上方へ吊り勝手となっており、該
上部ウェブガイド３Ａの先端部は前記上下圧延ロールＩ
Ａ、ＩＢの圧延間隔近傍で上部圧延ロール１Ａのロール
面に当接されている。

一方下部ウェブガイド３Ｂも上部ウェブガイド３Ａと略
同様な構成により支持されている。

すなわち、下部ウェブガイド３Ｂの基部下端に形成され
た係合凹部１５Ｂが、下部回転軸４Ｂの中間部に形成さ
れているスクリュー軸部１０Ｂに螺嵌された昇降筒状体
１１Ｂに固着された昇降フレーム付の支持ピン１４Ｂに
上下回動可能に係合せしめられている。

そして下部ウェブガイド３Ｂの先端部は前記下部圧延ロ
ール１Ｂのロール面上に載置されている。

さらに下部ウェブガイド３Ｂの下方には前記ピン１４Ｂ
と一体的に構成されたプレート２０を設け、このプレー
ト２０と下部ウェブガイド３Ｂの中間部との間に引張バ
ネ２１を介装している。

７Ｂ、８Ｂは、下部回転軸４Ｂの上下端部及び中間部を
軸支する軸受けであって、これら軸受け７Ｂ、８Ｂは機
枠３４に形成されている。

なお以上の構成においてスクリュー軸部１０Ａ。

１０Ｂは互に逆方向の螺溝を有しており、クラッチ装置
５を入状態で電動機９を回転駆動させると、上部回転軸
４Ａ及び下部回転軸４Ｂが同速で同方向に回転し、各ス
クリュー軸部１０Ａ、１０Ｂに螺嵌されている昇降筒状
体１１Ａ、１１Ｂは互に反対方向に同一量だけ接近離間
昇降する。

以上説明した構成においては、圧延サイズ替え或いは圧
延材料の圧延量変更を電動機９、クラッチ装置５及び引
張装置１８を適宜作動させることにより上部ウェブガイ
ド３Ａと下部ウェブガイド３Ｂとを相互に平行状態を保
持させたまま行なうことができる。

しかし冒頭で説明したガイド先端及びロール面の摩耗の
影響を解消することはできない。

このためこの実施例では支持ピン１４Ａ。１５Ａを圧延
ロールＩＡ、ＩＢに対し圧延ライン２に沿って遠近動可
能としている。

以下その具体的構成を上部支持ピン１４Ａを例にとり説
明する。

なお下部支持ピン１５Ａについても同様である。

支持ピン１４Ａはその両端部に膨径部２２Ａ及び支承部
２３Ａを有し、膨径部２２Ａが前記ブラケット１３Ａに
形成された圧延ライン２に沿う方向の長穴２４Ａに嵌入
されている。

またブラケット１３Ａの外面には長穴２４Ａを囲むよう
にハウジング２５Ａが固着されている。

ハウジング２５Ａは上下一対の平行なガイド部２５ａと
これらの外端部間に配置された垂直部２５ｂとからなり
、上下のガイド部２５ａ間にスライドブロック２６Ａが
嵌合されている。

スライドブロック２６Ａは後方・＼突出する角軸２７Ａ
を有し、該角軸２７Ａは前記垂直部２５ｂの二型溝２５
ｃを貫挿している。

スライドブロック２６Ａはさらに前記支持ピン１４Ａの
支承部２３Ａをキー２８Ａを介して軸支し、かつ外面に
はシリンダ装置２９Ａが設けられている。

シリンダ装置２９Ａのピストンロンド先端は前記昇降フ
レーム１２Ａに枢着されている。

したがってシリンダ装置２９Ａの押引作動により支持ピ
ン１４Ａはスライドブロック２６Ａと共に圧延ライン２
に沿って圧延ロール１Ａに対して接近離間（遠近動）す
る。

シリンダ装置２９Ａのストローク調整、つまり支持ピン
１４Ａの圧延ロール１人に対する遠近量調整は操業前に
次のようにして行なう。

才ずハウジング２５Ａの垂直部２５ｂとスライドブロッ
ク２６Ａとの間に所定厚さのスペーサ３０Ａを挿入して
おき、この状態でシリンダ装置２９Ａを押し出してスラ
イドブロック２６Ａをこのスペーサ３０Ａに押し付け、
次に垂直部２５ｂの外側に所定厚さのスペーサ３０Ｂを
挿入する。

スペーサ３０Ｂを挿入後コツタ３１Ａを角軸２７Ａの孔
に打ち込み、ストローク調整を終える。

この場合スペーサ３０Ａ、３０Ｂの挿入とシリンダ装置
２９Ａの押引作動を交互に繰返しつつ調整する。

こうして調整を終えた後はシリンダ装置２９Ａに対する
作動圧を解除しておく。

なおスペーサ３０Ａ、３０Ｂは角軸２７Ａに側方が挿入
すべく馬蹄状としである。

以上の説明から明らかなように、本発明によると、ガイ
ド基端部を支持している支持ピンの圧延ロールに対する
遠近動を介してガイド先端を圧延ロールのロール面に接
触せしめ得るので、圧延ロールのロール面あるいはガイ
ド先端に摩耗が生じた場合にもそれらを廃材とすること
なく繰り返し再使用が可能となる。

また圧延ロールのロール面とガイド先端に隙間が生じ、
この隙間に材料先端がかみ込むといったような不測のト
ラブルを未然に防止し得る。

更に、支持ピンの両端はそれぞれ別個のシリンダ装置に
より移動させられるので、ガイドの片寄り摩耗に対して
も十分対処し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の実施例を示しており、第１図
は全体縦断側面図、第２図は要部平面図、第３図は一部
を切欠いた要部背面図、第４図は要部側面図である。 ＩＡ、ＩＢ・・・圧延ロール、２・・・圧延ライン、３
Ａ、３Ｂ・・・圧延ガイド、１２Ａ・・・昇降フレーム
、１４Ａ、１４Ｂ・・・支持ピン、２４Ａ・・・長穴、
２５Ａ・・・ハウジング、２６Ａ・・・スライドブロッ
ク、２７Ａ・・・角軸、２９Ａ・・・シリンダ装置、３
０Ａ、３０Ｂ・・・スペーサ、３１Ａ・・・コツタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧延ラインの上下に昇降フレームをそれぞれ設け、
   これら各昇降フレームに、圧延ラインとは直角方向の支
   持ピンを圧延ライン方向で移動可能に支持し、上記支持
   ピンの両端部をそれぞれ別個に移動させる一対のシリン
   ダ装置を設け、且つ上記支持ピンに、上下圧延ロール間
   へ圧延材料を案内するガイドの基端部を係合させたこと
   を特徴とする圧延機用ガイド装置。