JPS5932909B2 - 気体レ−ザ−発振器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、気体レーザー発振器殊に平板状の励起線を包
含する気体レーザー発振器に関する。

平行に積重した平板を包含する気体レーザー発振器は、
第１の金属板、第１の絶縁板および第２の金属板が順次
積重されてこれら板が第１の励起線を形成する積重板と
、第３の金属板、第２の絶縁板および第４の金属板が順
次積重されてこれら板が第２の励起線を形成する積重板
とを包含することは、知られている。第２および第３の
金属板は互いから間隔を置いて配置され、またこれら金
属板の各々はこの金属板をふたつの別個の部分に分離す
るスロツトを包含し、これらスロツトはお互に対面して
配置されている。更に、ふたつの電極が、これらスロツ
トの両側に配置されていると共に、これらスロツトの縁
に沿つて第２および第３の金属板に接続されている。こ
れら電極を囲繞していると共に活性気体媒質を収容して
いるレーザー管は、これらスロツトに沿つて第２および
第３の金属板間に位置した隙間に配置されている。最後
に、この気体レーザー発振器は、ふたつの励起線に同時
に進行電流波を発生させる短い放電を起こすために適当
な火花ギヤツプを包含する。前述したような気体レーザ
ー発振器において、金属板を三角形の形状にするのが好
適である。火花ギヤツプはこの三角形の頂点を占有し、
またレーザー管はこの頂点に対向する側を占有する。三
角形のこの側の寸法は、レーザー管のそれぞれの端に電
流波が到達する瞬間時間差がこの管の一方の端から他方
の端へ行くまでのレーザー光線放射によつてもたらされ
る時間と一致するように、決定されている。しかし、電
流波が円形波であるために、電流波はレーザー管のレー
ザー放射の伝播速度と全時間で等しくない速度で活性気
体を励起し、これによつて特にレーザーのパワーが減少
するという不利益が生ずる。

金属板を放物線の形状に切断しおよび火花ギヤツプをこ
れら放物線の焦点に位置させることによつて、直線状の
進行電流波を生じさせてこれら欠点を除去することがで
きることが、知られている。

しかし、ふたつの励起線を包含する気体レーザー発振器
の場合においては、各励起線に火花ギヤツプを形成する
必要があり、これはふたつの火花ギヤツプの放電を同時
に起こさせることが困難であるため他の不利益を生じさ
せる。本発明の好適な一実施例は、これらの不利益を除
去し、レーザー管に沿う電流波の到来が瞬時レーザー放
射の速度と等しい速度でおこなわれるふたつの平板状励
起線を包含する気体レーザー発振器を作る。

本発明は、活性気体媒質を収容していると共に一対の励
起線間にはさまれている管を包含し、各励起線は、大略
放物線の半分の形状である一方の縁と、放物線の軸線の
近くを進む方向に限定されている他方の縁と、放物線の
軸線に平行な方向の伝播線に沿つて進行する波が気体媒
質内を実質的に光の速度で管に沿つて進行するような放
物線の軸線に対しての角度で放物線を切断しているレ一
ザ一管によつて形成した第３の縁とを具備する第１の部
分を有する平板状伝播線であり、前記管を越えた励起線
の残りの部分の形状は特定なものではなく、また前記励
起線は焦点が一致するよう同一焦点長さおよび管からお
互に向つて同一勾配を有し、これら励起線の導電体の対
応するもの同志は共通焦点で相互接続され、更に短い放
電を点火する装置が共通焦点でこれら導電体間に設けら
れ、これにより、作動において、レーザー管の対応する
両点が両方の励起線によつて同時に励起されることを特
徴とする気体レーザー発振器を提供する。

以下添附図面を参照して、本発明の好適な一実施例につ
いて詳述する。第１図は、ふたつの平板状励起線１およ
び２を包含する気体レーザー発振器を示す。

励起線１はふたつの金属板４および５間に挿入した絶縁
板３を包含し、一方励起線２はふたつの金属板７および
８間に挿入した絶縁板６を包含する。金属板５および７
はお互に対面しあい、かつこれら金属板の各々はそれぞ
れこの金属板をふたつの別個の部分に分離するスロツト
９および１０を包含する。これらスロツトはお互に対面
しあい、金属板５によび７はそれらの表面の少なくとも
一部分にわたつて分離されてこれらスロツト間にギヤツ
プ１１を形成している。ふたつの電極１２および１３は
これらスロツトの両側に配置され、これら電極の各々は
これらスロツトの一方の縁に沿つて金属板５および７に
接続されている。スロツト９および１０に沿つて延びる
管１４は、電極１２および１３間に気体活性媒質を維持
するためにギヤツプ１１内に配置されている。媒質とし
ては、例えば窒素を使用できる。勿論、管１４は、図示
されていないふたつのウインドによる公知の方法によつ
てその両端で閉じられている。励起線１および２はそれ
らの表面の大部分にわたつてお互に平行に配置されてい
るが、しかしこれら励起線は分節部（セグメント）１５
に沿つて電気的に接続されるようにそれらの周囲の一部
分にわたつてお互に向つて曲げられている。

この気体レーザー発振器は、更に、分節部１５の一方の
端２０で短い放電を発生させるための装置を包含する。

この放電は、同時に、励起線１および２に進行電流波を
生じさせる。この目的のために、最初に、金属板４（お
よびその結果としてまた金属板８）は例えばアース電位
にすることができる電位にもたらされ、次に金属板５（
およびその結果としてまた金属板７）はそれと異なる電
位Ｖにもたらされる。外方金属板４−８間および内方金
属板５−７間の点２０での放電は、それから、公知の点
火回路例えば図示されていない火花ギヤツプによつてつ
ながれる。励起線１および２は、複合励起線を曲げるこ
とによつて作ることができる。

第２図は、この複合励起線から作る場合を示しており、
したがつて第１図に示されるレーザー発振器の構造が一
層良く理解できるようにされている。この第２図は、平
面において展開したそれぞれの励起線１および２の金属
板５および７を示している。金属板５の表面は最初に放
電線の弧１６によつて限定され、弧１６はこの放物線の
頂点１７を包含していない。

弧１６は、頂点１７の近くに位置した点１８から、頂点
１７から十分に離れたすなわち第２図の下方の切断線を
越えている点（図示されておらず）まで延びている。金
属板５の表面は、更に、点１８および放物線の焦点２０
に結合する線分１９によつて限定され、そして最後に頂
点１７から離れて焦点２０を越えて延びる線２１によつ
て限定されている。

第２図を見て明らかなように、金属板７の表面は、線分
１９を投影することによつて得た軸線に関して金属板５
の表面と対称である。

金属板７は、したがつて、金属板５と同じ焦点長さを有
する放物線の弧２３によつて部分的に限定されている。
金属板５および７は線分１９に沿つて電気的に接続して
おり、したがつてこれら金属板は一体であつて実際上単
一の金属板から切断される。勿論、前述したと同じこと
は金属板４および８にも適用でき、これら金属板の外形
は金属板５および７の外形と同一である。

絶縁板３および６に関しても同様のことがいえるが金属
板の縁を越えるほどの大きさにされる。

絶縁板３−６をそれぞれ上述したように切断した金属板
５−７と金属板４−８との間に配置した後、これら板の
積層体を対称軸線１９のまわりに１８０れ曲げることに
より第１図に示される励起線１および２が得られる。ま
た、励起線１および２を電気的に接続せしめる分節部１
５（第１図）は実質的に線分１９（第２図）に該当し、
放電が発生される点２０は放物線の焦点に該当する。前
述した曲げは、３励起線１および２がそれらの表面の大
部分にわたつてお互に平行になるようにおこなわれる。
このように曲げた後、スロツト９および１０間のギヤツ
プ１１（第１図）は、活性気体混合物を収容する管１４
を収容するのに十分でなければならない。

ギヤツプ１１の寸法は、線２１と対称軸線１９（第２図
）との間の角度よりも明らかに大きく、同様に絶縁板が
オーバラツプしている理由により点１７と１８との間の
距離よりも明らかに大きい。放物線の焦点を中心とする
円の弧の形であつて前記焦点に関してその頂点と対向す
る側に配置した例えば反射器２３は、金属板５および７
の各々に好都合に配置することができる。

反射器２３は、例えば、金属板５に穴をあけることによ
つて構成することができる。反射器２３の寸法は、線２
１上に位置した点２４と、放物線の弧１６とスロツト９
との交点２６と焦点２０とを結ぶ直線上に位置した点２
５とによつて限定される。点２６は、反射器が火花ギヤ
ツプからの直接放射からレーザー管を隠すように選定さ
れている。点１７および１８間の距離は、点２５が点１
８から導びかれかつ軸線２１に平行な直線２７土に位置
するように、決めることができる。次に、本発明の気体
レーザー発振器の作動について説明する。

所定の瞬間で、点火回路は金属板５と７および金属板４
と８の間の点２０で放電を放す。

この放電は、同時に、励起線１および２の各々に進行電
流波を発生せしめる。これらふたつの電流波は、励起線
１および２が同一であるので、同位相である。第２図を
参照して、線２１と直線２０−２６との間に包含された
放電波の部分は反射器２３によつて反射されて焦点２０
に向つて戻ることが理解されよう。

反射器２３は、したがつて、焦点２０で放出した円形波
が活性気体が置かれているスロツト９に直接到達するの
を防止する。直線波に変換された放電波の反射部分のみ
が、スロツト９に到達することができる。しかしながら
、反射器２３の存在のために、この直線波は放物線の反
射表面の小部分からくるのが防止される。

この小部分は、最初に頂点１７によつて限定され、次に
点２５から導びかれかつ線２１に平行な線と放物線１６
との交点によつて限定される。また、前述したような励
起線の形のために、三角形１７−１８−２０は金属板５
の有効表面の部分でなく、これはまた放物線の反射表面
の頂点近くの部分を無効にすることと等しい。

円の弧２３の限定点２５が直線２７上に位置されている
とき、ふたつの無効部分は同一であり、これは利益を提
供する。各励起線において、進行電流波は放物線の軸線
２１に平行に伝播し、したがつてスロツト９に平行な矢
印２８の方向へ活性気体の原子および微分子が連続的に
到達する。

スロツト９および軸線２１によつて形成した角度２２は
、そのコサインが軸線２１の方向への放電の伝播速度と
方向２８への光放射の伝播速度との割合に等しくなるよ
うに、選定されている。

励起した光放射は、それから、進行波と同一速度で管２
４の一方の端から他方の端へ矢印２８の方向でもたらさ
れる。この状態は、管２４の出力で非常に勢力のあるコ
ヒーレントレーザー放出を得ることを可能にする。第１
および２図を参照して詳述してきた気体レーザー発振器
は、したがつて、ふたつの平行な平板状励起線を包含す
る。

これら励起線の各々は放物線の一部分の形であり、これ
は卓越したエネルギ出力を得ることを可能にする。この
レーザー発振器は、また低いインピーダンスしたがつて
大きなエネルギ頂蔵および励起線の外方金属板をアース
に接続することができるというアークによる従来レーザ
ー発振器の固有な利益を維持する。本発明による装置は
、特に窒素レーザー発振器を製作するのに適用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による気体レーザー発振器の一実施例を
示す一部切断斜視図、第２図は第１図の気体レーザー発
振器を作ることができる複合平板状励起線の形を示す図
である。 １，２・・・・・・励起線、３，４，７，８・・・・・
・金属板、５，６・・・・・・絶縁板、９，１０・・・
・・・スロツト、１１・・・・・・ギヤツプ、１２，１
３・・・・・・電極、１５・・・・・・分節部、１６・
・・・・・弧、１７・・・・・・頂点、１８・・・・・
・第１の点、１９・・・・・線分、２０・・・・・焦点
（第３の点）、２１・・・・・軸線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の金属板、第１の絶縁板および第２の金属板が
   順次積重されてこれら板が第１の励起線を形成する積重
   板と、第３の金属板、第２の絶縁板および第４の金属板
   が順次積重されてこれら板が第２の励起線を形成する積
   重板とを包含し、前記第２の金属板および前記第３の金
   属板は、それぞれ、これら板の各々をふたつの別個の部
   分に分離する第１のスロットおよび第２のスロットを包
   含し、これら第１および第２のスロットはお互に対面し
   て配置され、前記第２の金属板および前記第３の金属板
   は前記スロット間にギャップを提供するようそれらの表
   面の少なくとも一部分にわたつて分離され、前記スロッ
   トの縁に沿つて前記第２および第３の金属板に接続され
   るふたつの電極が前記スロットの両側に配置され、これ
   ら電極間に気体活性媒質を維持する装置が前記ギャップ
   内に配置され、および前記ふたつの励起線に進行電流波
   を同時に発生させる短い放電を点火する装置が配置され
   ている気体レーザ発振器において、前記第１および第２
   の励起線（１および２）の各々の表面が、放物線の頂点
   １７を包含していないと共にこの頂点１７の付近に位置
   した第１の点１８とこの頂点１７から遠く離れた第２の
   点とによつて限定された前記放物線の弧１６、前記放物
   線の焦点２０と前記第１の点１８とを一緒に結ぶ線分１
   ９、および同一の焦点長さを有するふたつの放物線の焦
   点２０を越えて前記頂点１７に関して位置した前記放物
   線の軸線２１の一部によつて限定され、前記第１および
   第２のスリット９および１０はこれら放物線の軸線２１
   と一緒に零よりも大きい角度２２を形成し、前記第１お
   よび第２の励起線１および２は前記線分１９に沿つて電
   気的に連続され、前記放物線の焦点２０は第３の点２０
   を構成し、前記第１の金属板４は前記第４の金属板８に
   接続され、前記第１の絶縁板３は前記第２の絶縁板６に
   接続され、前記第２の金属板５は前記第３の金属板７に
   接続され、および短い放電を点火する前記装置が前記第
   ３の点２０で放電を点火する装置であることを特徴とす
   る気体レーザー発振器。 ２ 前記電極１２、１３間に活性気体媒質を維持する装
   置が前記スロット９、１０に沿つて配置した管１４を包
   含し、前記第１の点１８から前記放物線の頂点１７まで
   の距離が前記管１４を前記放物線の軸線２１と弧１６と
   の間のギャップ１１内に横向きに収容できるほどに十分
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の気
   体レーザー発振器。 ３ 前記第２の金属板５および前記第３の金属板７の各
   々が、更に、前記第３の点２０を中心とした円の弧に沿
   つて延びる波状反射器２３を包含し、この円の弧と前記
   第１の点１８とが前記第３の点２０の両側に位置されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の気体
   レーザー発振器。 ４ 前記円の弧が、この円の弧が前記放物線の軸線２１
   に交わる点で構成した第４の点２４と、この円の弧が第
   ３の点２０及び前記放物線の弧１６と前記スロット９と
   の交点２６を結ぶ線分に交わる点で構成した第５の点２
   ５とによつて限定されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第２項記載の気体レーザー発振器。 ５ 前記放物線の頂点１７に関する前記第１の点１８の
   位置が、この第１の点１８を通過すると共に前記放物線
   の軸線２１に平行な線２７が前記第５の点２５を通過す
   るように、選定されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第４項記載の気体レーザー発振器。 ６ 前記第３の点２０で放電を点火する装置が前記第１
   の金属板４および前記第４の金属板８に第１の電位をも
   たらすと共に前記第２の金属板５および前記第３の金属
   板７に第２の電位をもたらす装置と、前記第３の点２０
   でこれら第１および第２の電位が生じたこれら金属板間
   にアークを点火する装置とを包含することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の気体レーザー発振器。 ７ 前記第１の電位がアース電位であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第６項記載の気体レーザー発振器。 ８ 前記角度２２が、そのコサインが前記放物線の軸線
   ２１に沿う前記進行電流波の伝播速度と前記スロット９
   、１０の方向２８への活性気体媒質のレーザー放出の伝
   播速度との割合に等しくなるように、選定されているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の気体レーザ
   ー発振器。