JPS593246Y2 - 重ね放電式高エネルギ点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は重ね放電式高エネルギ点火装置に係り特に灯油
やガスなどを燃料とするバーナ点火用等に好適な、小型
高効率のこの種重ね放電式高エネルギ点火装置に関する
。

従来公知の重ね放電式点火装置において点火コイルの二
次巻線を介して主コンデンサの電荷をトリガ放電に重ね
放電させるものでは、二次巻線のインピーダンスが大き
いと主コンデンサの放電が不安定となり、放電の途中で
と切れたり最初から重ね放電が起きなかったりすること
があった。

このため二次巻線に中間タップを出し主コンデンサを高
耐圧ダイオードを介してこの中間タップに接続したり、
倍電圧回路を使用して主コンデンサの充電電圧を高めた
りしていたが、前者では点火コイルニ次巻線に中間タッ
プを引出す手間や高耐圧ダイオード、主コンデンサ電荷
のリークを防ぐための補助間隙または補助コンデンサな
どが必要となり、また後者では、倍電圧回路のためのコ
ンデンサとダイオードがそれぞれ複数個必要となるなど
、製造コストの上昇をもたらす欠点があった。

これらの点に鑑み本考案はさきに第１図に示す重ね放電
式高エネルギ点火装置を提案したが、同図ＡおよびＢに
示すものではトリガコンデンサＴＣに充電される電圧は
電源１の電圧の杆倍にすぎないため点火コイルＩＧの巻
線比を大きくする必要があり、従って二次巻線のインピ
ーダンスをあまり小さくできない。

また同図Ｃに示すものではトリガコンデンサＴＣに充電
される電圧と電源１の逆半波の電圧を直列にして利用す
るので合成電圧は２ＸＪ倍となり、点火コイルＩＧの巻
線比を小さくできるが、トリガコンデンサＴＣの充放電
回路のインピーダンスが小さいため電源１からの電流（
従って電力）が大きく効率が良くない。

本考案はこれら従来例の欠点をなくシ、点火コイルニ次
巻線のインピーダンスを小さくでき、少い構成素子数で
高エネルギの安定な重わ放電を効率良く得ることを目的
としたもので、以下第２図および゛第３図について詳細
に説明する。

第２図において、商用交流等適当な電源１は充電用変圧
器２の一次巻線２ａに入力され、二次巻線２ｂの一端２
ｂ工は点火コイル３の二次巻線３ｂの一端３ｂ２に、他
端３ｂ、は火花間隙４の一方の電極４ａに接続され、ま
た、他方の電極４ｂは主コンデンサ５の一端５ｂに、他
端５ａは前記充電用変圧器２の二次巻線２ｂの他端２ｂ
２に接続されて、直列回路を形成している。

トリガコンテ゛ンサ６は抵抗７を介して前記主コンテ゛
ンサ５に並列接続され、前記点火コイル３の一次巻線３
ａとサイリスタ８のアノードカソード接合との直列回路
が前記トリガコンテ゛ンサ６に並列接続される。

さらに、前記充電用変圧器２の二次巻線２ｂの一端２ｂ
１と前記点火コイル３の二次巻線３ｂの一端３ｂ２との
接続点から、トリガ用抵抗９が前記サイリスタ８のゲー
トに、また、充電用ダイオード１０が主コンデンサ５の
一端５ｂと火花間隙４の電極４ｂとの接続点にそれぞれ
接続されている。

そして、サイリスタ８のゲートカソード間にはゲート抵
抗１１および保護ダイオード１２が、主コンテ゛ンサ５
にはブリーダ抵抗１３が、点火コイル３の一次巻線３ａ
にはフライホイールダイオード１４がそれぞれ並列に接
続されている。

また、第３図においては、サイリスタ８のアノードカソ
ード接合が抵抗７を介して主コンデンサ５に並列接続さ
れ、点火コイル３の一次巻線３ａとトリガコンデンサ６
との直列回路が前記サイリスタ８のアノードカソード接
合に並列接続される。

この場合、点火コイル３の一次巻線３ａとトリガコンデ
ンサ６との相対位置は入れ替ってもよい。

すなわち、第２図と第３図におけるトリガコンテ゛ンサ
６とサイリスタ８とは相互に入れ替った位置にあり、そ
の接続関係に従って点火イル３の一次巻線３ａと二次巻
線３ｂとの巻方向およびフライホイールダイオード１４
の導通方向が決められる。

上記構成の本考案実施例の動作は、電源１が通電されそ
の電圧位相が図中（→、（＝）で示す半波の時充電用変
圧器２の二次巻線２ｂには（→、（−）の極性の電圧が
現われ、充電用ダイオード１０を通して主コンテ゛ンサ
５および斗すガコンデンサ６を（ト）、（−）の極性に
充電する。

続く逆手波の時、充電用変圧器２の二次巻線２ｂに発生
する＋、−の極性の電圧は主コンデンサ５の充電電圧（
１）、Ｈと直列となり点火コイル３の二次巻線３ｂに掛
る。

またこの電圧はトリガ用抵抗９とゲート抵抗１１とで分
圧され、サイリスタ８のゲートを駆動しサイリスタ８を
導通させるから、トリガコンデンサ６の蓄積電荷が点火
コイル３の一次巻線３ａに放出され二次巻線３ｂに高電
圧が発生し火花間隙４に火花放電を起す。

この時の点火コイル３の各巻線の電圧位相は図中子、−
で示す極性となり、前記の充電用変圧器２の二次巻線２
ｂの電圧極性と主コンデンサ５の充電電圧極性との三者
とも同一極性となって火花間隙４に掛り、重ね放電によ
る高エネルギの火花を発生するのである。

保護ダイオード１２は火花発生時にゲートに混入するサ
ージ電圧を短絡してサイリスタ８の誤動作や破壊を防止
し、ブリーダ抵抗１３は火花電流の直流分の通路となり
、また点火装置が休止中には主コンデンサ５の残留電荷
を消費して電撃などの危険を防ぐ。

そしてフライホイールダイオード１４はトリガコンテ゛
ンサ６の放電による点火コイル３の一次巻線３ａの発生
電圧が、そのインダクタンスとトリガコンデンサ６のキ
ャパシタンスとによる共振の結果逆転した時に、この逆
電圧を吸収消去して二次側高電圧の交番振動をなくシ、
重ね放電を確実にする効果をもつ。

上述の通り本考案実施例は点火コイル３の一次巻線３ａ
とサイリスタ８またはトリガコンデンサ６との直列回路
を主コンデンサ５に並列接続して充電用変圧器２の出力
で電源周波数の一サイクル中の半波で主コンデンサ５と
トリガコンデンサ６を同電位に充電し、続く逆手数で点
火コイル３にサイリスタ８を通してトリガコンデンサ６
の充電電荷を放出することにより、点火コイル３の二次
巻線３ｂに発生する高電圧の極性と、主コンデンサ５の
充電極性と、充電用変圧器２の二次巻線２ｂの電圧極性
とをすべて同一極性とすることにより、火花間隙４に高
エネルギの重ね放電を生せしめるもので、従来例の如く
高耐圧ダイオードや補助間隙または補助コンデンサ、点
火コイル二次巻線の中間タップは不要となり、点火コイ
ルの巻線比を小さくできるから二次巻線のインピーダン
スも小さくなり、倍電圧回路とするための複数個のコン
デンサとダイオードはそれぞれ各１個ですみ充電用変圧
器の入力インピーダンスも適切にできるから電源からの
入力電流（電力）も小さくてすみ効率の良い安定な高エ
ネルギの重ね放電を少い構酸素子で得ることができるも
のである。

尚、本考案実施例において火花間隙４の放電電極４ｂ側
を接地する如く図示したが、これは放電電極４ａ側を接
地してもよく、また各発生電圧極性、ダイオード極性な
どを反転させて火花電流の極性を変更することは自由で
ある。

また、電源１も商用交流に限らず発動発電機出力や、直
流−交流変換器出力などを用いることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ、Ｂ、Ｃはそれぞれ従来例の重ね放電式点火装
置の回路図、第２図および第３図はそれぞれ本考案実施
例の重ね放電式点火装置の回路図である。 １・・・・・・電源、２・・・・・・充電用変圧器、２
ｂ・・・・・・二次巻線、３・・・・・・点火コイル、
３ａ・・・・・・一次巻線、３ｂ・・・・・・二次巻線
、４・・・・・・火花間隙、４ａ・・・・・・電極、４
ｂ・・・・・・電極、５・・・・・・主コンデンサ、６
・・・・・・トリガコンデンサ、７・・・・・・抵抗、
８・・・・・・サイリスタ、９・・・・・・トリガ用抵
抗、１０・・・・・・充電用ダイオード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 点火コイルの二次巻線と充電用変圧器の二次巻線と主コ
   ンデンサとを火花間隙の両極間に直列接続したものにお
   いて、トリガコンデンサまたはサイリスタを抵抗を介し
   て前記主コンデンサに並列接続し、前記点火コイルの一
   次巻線とサイリスタまたはトリガコンデンサとの直列回
   路を前記トリガコンデンサまたはサイリスタに並列接続
   し、さらに、前記点火コイルの二次巻線と前記充電用変
   圧器の二次巻線との接続点からトリガ用抵抗を前記サイ
   リスタのゲートに、また、充電用ダイオードを前記主コ
   ンデンサと火花間隙の電極との接続点にそれぞれ接続し
   て電源周波数の一サイクル中の半波で主コンデンサおよ
   びトリガコンデンサを充電し、続く逆半波で点火コイル
   をトリガして二次巻線に発生する高電圧の極性と、主コ
   ンデンサの充電極性と充電用変圧器の二次巻線の電圧極
   性とをすべて同一極性とすることにより、火花間隙に高
   エネルギの重ね放電を生せしめることを特徴とする重ね
   放電式高エネルギ点火装置。