JPS5932364B2 - 一方向にのみ屈曲可能なチェ−ン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一方向にのみ屈曲可能なチェーン、即ち、チェ
ーンのリンクを相互に連結している複数のピンを含む平
面に関して片側の方向へのみ屈曲できるようになってい
るチェーン、に関する。

かようなチェーンが２藺のスプロケット間に水平に掛け
わたされた場合、これらのスプロケット間のチェーンに
関し上から力（荷重）がかけられても、このチェーンは
２個のスプロケット間で下方に撓むことがなく、しかも
、スプロケットの周面に沿って屈曲しながらスプロケッ
ト上を通過することができる。

このような単一屈曲方向を有するチェーンは既に知られ
ており、一例として、物品運搬のだめのコンベヤとして
使用しており、その一例を第１図に示す。

第１図に示す従来のチェーンは特別の形をした左右１対
の側板１を備えた複数個のリンクから作られている。

各リンクの側板１は、ピン２によって隣接するリンクの
側板１に連結されている。

各側板１はピン２の軸線に対して平行な面３（以下、こ
の面を便宜上「下面」と呼ぶ）と、下面３とは反対の向
きになっている面４（Ｉ！下、便宜上「上面」と呼ぶ）
とを有する。

１つの側板１の下面３は隣りの側板１の上面４と衝接す
ることによって、チェーンは一方向にのみ屈曲可能で反
対方向には屈曲し得ないようになっている。

チェーンを反対方向に屈曲させないようにする役目は、
前記した下面３と上面４との衝接によるばかりでなく、
１つの側板１の下面３と直交する垂直面と、隣りの側板
１の上面４と直交する垂直面とが互いに衝接することに
よっても果たされる。

従って、ピン２を中心とする各側板１の回転角度が規制
され、チェーン全体としては単一方向にのみ屈曲する。

かような構成によって、このチェーンはスプロケット５
の周面に沿って屈曲してスプロケット５上を通過するこ
とはできるが、反対方向には屈曲し得ないから、２つの
スプロケット間に位置するチェーン上に物品を載せても
、チェーンは２つのスプロケット間で下方に垂れ下がる
ように屈曲することはない。

ところで、この種のチェーンを用いたコンベヤにおいて
はスプロケットを配設する空間の大きさに制限がめるこ
とが多々あり、空間が狭い場合には直径の小さなスプロ
ケットを用いなければならない。

この場合に、空間の大きさは、スプロケットの直径のみ
でなく、スプロケットの下側にもチェーンがスプロケッ
トの上側とは反対の方向に走行する（すなわち、戻り走
行する）ための空間をも見込んで決めなければならない
。

ところが、直径の小さなスプロケットを用いる場合には
チェーンを構成するリンクの長さを小さくしなければな
らないという問題がある。

その理由は、リンクの相互干渉等の問題に起因して、チ
ェーンの最小曲げ半径がチェーンのリンクの長さくピッ
チ）により制限され、リンクが長い場合にはチェーンの
最小曲げ半径も必然的に犬とならざるを得す、従って、
スプロケットの直径を小さくするには短いリンクを多数
連結したチェーンを用いなければならないからである。

一方、チェーンは、２つのスプロケット間でチェーンに
対して垂直方向に加わる力を十分に支持することができ
なくてはならないから、第１図に示したごとき形の側板
１を正確な寸法と大なる強度をもって作らなければなら
ず、また、リンクを短いものとすればする程、使用され
る側板１の数は増大するわけであるから、結局、製造費
用が嵩み、第１図で示したごときチェーンは有利なもの
ではない。

かくて、第１図に示したごとき従来のチェーンは、チェ
ーンの戻り走行のために大きな空間を占めても良い場合
、すなわち、スプロケット５の径を大きなものとしても
設置空間に問題がない場合には、使用し得るものではあ
るが、チェーンの戻り走行のために大きな空間をとれな
い場合、すなわちスプロケット５の径を然るべく小さく
しなければならないような場合においては、適切なもの
ではない。

本発明は上述の問題を解消せんとするものである。

本願の第１番目の発明に係る一方向にのみ屈曲可能なチ
ェーンは、ピンによって相互に連結された複数のリンク
と、これらのリンクのうち所定の間隔を置いて選択され
たリンクにそれぞれ固定された複数のブロックとを有し
、各該ブロックは両隣りのブロックに向かってチェーン
の長手方向にそれぞれ延びている突出部分を有し、各突
出部分は、前記ピンに接する平面を有し、前記平面は２
つの隣り合う前記選択されたリンク間の距離にほぼ等し
い距離に亘って延びていることを特徴とする。

本願の第２番目の発明に係るチェーンは、第１番目の発
明の要件に加えて、各ブロックに設けられた調節装置を
備え、調節装置は、隣のブロックの前記ピンに接する平
面に対して直角な面に当接するようになっている。

本願の第１番目の発明のチェーンにおいては、選択され
たリンク以外のリンクは在来すなわち従来周知のチェー
ンリンクとすることが出来るので、かかる在来のチェー
ンリンクを多数匁含する本願チェーン全体としては、第
１図に示す特殊なリンクのみから成っている従来例に比
して簡単に且つ安価に製造出来、しかも、リンクの１つ
１つを小型で強いものとすることが出来るので、小径の
スプロケットと共に使用出来るという利点がめる。

本願の第２番目の発明は上記調節装置を備えているので
、第１番目の発明の利点に加えて、更に、ピンと接する
ブロックの平面を高い精度で加工する必要がなく、また
、該平面及びピンが摩耗した時に上記調節装置を調節す
ることによって、２つのスプロケット間のチェーン部分
に片側から荷重がかかつてもこのチェーン部分が反対側
には撓わまずにほぼ真直ぐな状態を保ち得るように出来
るという利点がある。

次に、第２図〜第６図を参照して本発明の実施例を順次
説明する。

第２図は本発明の一実施例であるチェーン１１の一部分
を示す、第３図の■−■線に沿う部分断面図であり、第
３図はこのチェーン１１の一部分の上面図である。

第２図に示すチェーンにおいてはその１部に在来形のリ
ンクが用いられており、従ってそのピッチがきわめて小
さく、このチェーンと共に使用されるスプロケット１２
の径も小さくてよい。

かくて、リンクの数は多くなるが、それらの大部分は在
来形の簡単な形状でアリ、安価に製作され得るものであ
る。

より詳しく説明すると、第２図のチェーン１１において
は在来形のチェーンリンクの側板１２が３個（片側で見
た場合）連結されるごとに特別なリンクの側板１４，１
４ａ、１４ｂが１個介在される構成になっている。

すなわち、第２図において１つの特別なリンクの側板１
４ａと次の特別なリンクの側板１４ｂとの間では在来の
リンクの側板１０が３個互にピン１９を介して連結され
て介在しており、特別のリンク側板１４ａと隣りの特別
なリンク側板１４ｂとに対し、在来のリンク側板１０が
それぞれピン１９ａ、１９ｂを介して連結されている。

これら特別なリンク側板１４゜１４ａ、１４ｂにはブロ
ック１３，１３ａ、１３ｂが固定されている。

各ブロックは１対の特別なリンク側板間に挾持されてい
る。

各ブロック（例えば１３ｂ）は両隣りのブロック１３．
１３ａに向かってチェーン１１の長手方向にそれぞれ延
びている突出部分１５．１６を含んでいる。

突出部分１６はチェーン１１の幅方向に隔って２凹設け
られ、これら２＠の突出部分間に他のブロックの突出部
分１５が入る。

これら突出部分１５．１６はチェーン１１が屈曲してい
ない時、ピン１９． １９ ａ、 １９ ｂに接する
平面１７．１８を有している。

これら平面１７．１８はそれぞれ隣り合う特別のリンク
側板１４ａ。

１４ｂ間の距離（すなわち、在来のリンク３個分）にほ
ぼ等しい距離に亘って延びている。

突出部分１５．１６の先端部が接触するピンは隣りのブ
ロックに固定されたリンク側板すなわち特別なリンク側
板に連結されたピンである。

かくて、第２図に示された実施例において、ブロック１
３ａの突出部分１５の平面１７は、隣りのブロック１３
ｂに固定された特別なリンク側板１４ｂと１つの在来の
リンク側板１０とを連結するピン１９ｂと接触し、さら
に在来のリンク側板１０同志を連結する２本のピン１９
．１９と接触し、そしてさらに、ブロック１３ａのリン
ク側板１４ａを在来のリンク側板１０に連結しているピ
ン１９ａとも接触する。

突出部分１６の平面１８についても同様であるが、ただ
突出部分１６は突出部分１５とは反対方向に、即ち反対
側の隣りのブロック１３へ向かって延びており、平面１
８も４個のピンと接触し得るようになっている。

その結果として、チェーン１１の２個の隣り合う特別の
リンク側板１４ａ、１４ｂの間では、１つのブロック１
３ａの突出部分１５が隣りのブロック１３ｂの平行な２
本の突出部分１６間に位置することになる。

単一屈曲方向を有する前記したチェーン１１の作用は以
下の通りである。

すなわち、ブロック１３ａの突出部分１５，１６の平面
１７，１Ｂは、ブロック１３ａの両側面に固着されたリ
ンク側板１４ａに連結されたピン１９ａに常時接触して
いる。

このブロック１３ａに隣接する在来のリンクのピン１９
が前記平面１７．１８から遠ざかる方向にのみ運動し得
る結果として、在来のリンク１０は前記平面１７．１８
から遠ざかる方向にのみ屈曲できるが、反対方向には各
リンクのピンが前記平面１７，１８に当接してし寸って
屈曲することができない。

従ってチェーン１１は単一屈曲方向を有するのである。

この理由により、第２図に示されているように、チェー
ン１１は小径のスプロケット１２に沿って回動され得る
が、２つのスプロケット１２間でチェーン１１に対して
垂直方向に荷重が加わってもチェーン１１は下方に垂れ
下がるように撓むことがない。

すなわチ、チェーン１１は２［固のスプロケット１２に
支承されているから、たとえば第２図に示された一番右
側のブロック１３に前記した垂直方向の荷重が加わった
とすると、このブロック１３から左方に突出している突
出部分１６が隣りのブロック１３ｂに固定されているリ
ンク側板１４ｂに連結されているピン１９ｂに当接する
と共に、ブロック１３ｂの右側突出部分１５がブロック
１３のリンク側板１４に連結されているピンに当接して
、この荷重を支持し、この支持力は、ブロック１３ｂか
ら左方に突出している突出部分１６がその隣りのブロッ
ク１３ａに固定されているリンク側板１４ａに連結され
ているピン１９ａに当接して支障される、といった具合
にして、最終的には第２図の左側に図示されたスプロケ
ット１２によって荷重（正確には荷重の半分）が支承さ
４る。

また、第２図の一番右側のブロック１３から右側の方向
にも同様に力の支承が伝達されて最終的には図示されて
いない右側のスプロケットによって荷重（荷重の半分）
が支承されることになる。

スプロケット１２のところにおいては、第２図において
、ブロック１３ａの突出部分１６は、スプロケット１２
と噛合している一番右側のピン（特別のリンク側板に連
結されているピンである場合もあり、また在来のリンク
側板１０同士を連結しているピン１２である場合もある
）に乗っているから、ブロック１３ａにかかつている荷
重はこのピンを介してスプロケット１２に支承されるこ
とになる。

特別のリンク側板１４，１４ａ、１４ｂを有するリンク
がスプロケット１２と係合している間はブロック１３は
スプロケット１２の軸線周りで動き、この時には、ブロ
ック１３の突出部分１５゜１６の平面１７，１８はチェ
ーン１１の在来のリンク側板１０同士を連結しているピ
ン１９．１９と接触していない（第２図の左側を参照）
。

ブロック１３がスプロケット１２上を反時計方向に越え
て、チェーン１１が再ｄ直線状になったときには、ブロ
ック１３の平面１７，１８は在来のリンク同士を連結し
ているピン１９．１９に再び接触する。

第２図及び第３図を参照して説明したチェーン１１の撓
み度をゼロにするためには、ピン１９の外面に接する平
面１７．１８が正確に加工されていなくてはならない。

然し機械加工に起因する不完全性と、使用中の摩耗とに
よって、チェーンが反対方向に多少撓んでしまうことが
ある。

この問題を解決する手段として、第２図及び第３図に示
されたチェーンに、第４図及び第５図に示す調節装置２
０を備えることができる。

この調節装置２０は、各ブロック１３の一つの端面に取
付けられたねじ又はその他の調節自在のストッパによっ
て構成され、この調節装置２０は隣接するブロック１３
の対向した端面に当接するヘッドを有する。

かくして、調節装置２０はブロックとブロックとの間の
間隙をせばめる作用をする力に対抗することによって、
２個のスプロケット間に位置するチェーン１１の、所定
方向とは反対方向への屈曲を阻止する。

一方、第４図の上方の一番左に示されたブロックに備え
られた調節装置２０を参照すると分るように、スプロケ
ット１２に近い区域において、調節装置のヘッドは隣り
のブロックの端面に完全には接触しない。

従って、もしブロック１３に突出部分１５．１６が全く
無いものでめったとすると、第４図の上方の一番左に示
されたブロックに備えられた調節装置２０が隣りのブロ
ック１３に完全に当接していない時、ここでチェーンの
撓みが生じてしまうことになる。

かくて、調節装置２０はあくまで補助的な撓み防止手段
であって、撓み防止の主役としては突出部分１５゜１６
が不可欠である（第４図の上方の左から二番目のブロッ
ク１３から左側へ突出している突出部分１６の先端部は
、スプロケット１２に係合しているピンに当接している
ので、この左から二番目のブロック１３が調節装置２０
で完全に支持されていなくても、チェーンは撓むことは
ない）。

本発明によるチェーン１１は多くの用途に使用され得る
。

例えば、商品又は荷物運搬用コンベヤとして使用するこ
ともできるし、人を運搬する装置として使用することも
できる。

人を運搬する装置として使用するためには、前記ブロッ
ク１３は、人を運搬するために危険がないような連続し
た平面を形成するための継ぎ板（即ち、カバー）を支持
するように構成される。

第６図に示された実施例は、フランス特許第２２７４５
２３号明細書に開示されている可変速度式の手すりを構
成するチェーンとして、本発明のチェーン１１が用いら
れた例である。

より詳しく述べると、このフランス特許明細書には、単
一屈曲方向を有するチェーンを複数飼用いて可変速度式
の手すりを構成する技術が開示されているが、本願の第
６図は、その手すりのチェーンとして本発明のチェーン
１１を用いた場合を示すものである。

チェーン１１のブロック（図示せず）はそれぞれカバー
２３に覆われており、スプロケットとスプロケットとの
間の直線部分においては、カバー２３は互いに接して連
続表面を形成していて、人の手がはさまれたりする危険
がないようになっている。

隣り合う２本のチェーン１１を接続するために、人が手
で握るグリップ部２１が備えられており、このグリップ
部２１が前方のチェーンを支持する１１固のスプロケッ
ト１２と後方のチェーンを支持する１個のスプロケット
２とを備えている。

全てのスプロケット１２は走行路２４に沿って第６図の
矢印の方向に動力によって移動する。

走行路２４の下方にはこの走行路に対して傾斜している
傾斜路２５があり、この傾斜路に沿って移動する従動体
２６に対して１つのチェーン１１の一端と隣りのチェー
ン１１の隣接端とが連結されている。

この構成により、各チェーン１１がスプロケット１２及
び従動体２６と共に第６図で見て右方に移動するにつれ
てスプロケット１２と従動体２６との間の間隔が次第に
開くので、各１本のチェーン１１における２つのスプロ
ケット１２゜１２間の距離がせばまることになり、その
分だけ後続するチェーンの右方への移動速度が増す。

このように、手すりは全体として見ると１本の連続した
もので−あるが、それの各部分はそれぞれ傾斜路２５の
傾斜度によって決まる速度で動く。

！第６図は本発明のチェーン１１の用途の一例（可変速
度子すり）を示したにすぎないので、その手すりそのも
のの詳細構造については前記フランス特許第２２７４５
２３号明細書を参照されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は一方向にのみ屈曲可能な従来技術のチェーンの
一部分を示す側面図、第２図は本発明の一実施例のチェ
ーンの一部分を示すものであって第３図の■−■線に沿
った一部断面側面図、第３図は第２図のチェーンの一部
分の上面図、第４図は調節装置を備えた実施例のチェー
ンの一部分を示すものであって、第５図のＩＶ−ＩＶＩ
に沿った一部断面側面図、第５図は第４図のチェーンの
一部分の上面図、第６図は、可変速度式の手すりとして
本発明のチェーンが用いられた場合を示す概略側面図で
ある。 １０・・・在来のチェーンリンクの側板、１１・・・本
発明のチェーン、１２・・・スプロケッ）、１３゜１３
ａ、１３ｂ−・・ブロック、１４，１４ａ、１４ｂ・・
・特別のリンク側板、１５．１６・・・突出部分、１７
、 １８−・・平面、１９，１９ａ、１９ｂ、１９ｃ・
・・ピン、２０・・・調節装置、２１・・・グリップ部
、２３・・・カバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一方向にのみ屈曲可能なチェーンであって、ピンに
   よって相互に連結された複数のリンクと、これらのリン
   クのうち所定の間隔を置いて選択されたリンクにそれぞ
   れ固定された複数のブロック１３とを有し、各該ブロッ
   クは両隣りのブロックに向かってチェーンの長手方向に
   それぞれ延びている突出部分１５．１６を有し、各突出
   部分は。 前記ピンに正接する平面１７，１Ｂを有し、前記の各平
   面１７．１８は２つの隣り合う前記選択されたリンク間
   の距離にほぼ等しい距離に亘って延びていることを特徴
   とするチェーン。 ２ 一方向にのみ屈曲可能なチェーンでろって、ピンに
   よって相互に連結された複数のリンクと、これらのリン
   クの５ち所定の間隔を置いて選択されたリンクにそれぞ
   れ固定された複数のブロック１３とを有し、各該ブロッ
   クは両隣りのブロックに向かってチェーンの長手方向に
   それぞれ延びている突出部分１５．１６を有し、各突出
   部分は、前記ピンに正接する平面１７．１８を有し、前
   記の各平面１７．１８は２つの隣り合う前記選択された
   リンク間の距離にほぼ等しい距離に亘って延びており、
   また、各該ブロック１３は調節装置２０を備え、該調節
   装置２０は、隣のブロック１３の前記ピンに正接する平
   面１７，１Ｂに対して直角な面に当接するようになって
   いることを特徴とするチェーン。