JPS5932349Y2 - カウンタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は銀行等の金融機関その他の事業所等に於て、来
客等の受付或は来客等と面談や取引をする際などに使用
する業務用のカウンターに関するものである。

従来より、銀行等に於て用いられている業務用のカウン
ターは、カウンターの内側に職員が立姿勢のまま又は椅
子に掛けて着席し、来客はカウンターの外側に立姿勢の
ままで、両者がカウンターの天板を挾み対峙して書類等
のやりとりをするようになっている関係上、カウンター
の内側は天板の下方に棚等による収納部を設けたり、或
は事務机等の机を付設したりする構造が採られている。

第１図は前記従来のカウンターの一例を示す側断面図で
、天板Ｃ０の下方に棚板Ｃ２や引戸Ｃ３による収納部を
形成してカウンターＣを構成しており、内側に着く職員
は業務に必要な書類や事務用具等を前記棚板Ｃ２の上に
載置したり、引戸Ｃ３による収納部に収納して業務を行
うようになっている。

第２図は従来のカウンターの他の例を示す側断面図で、
この例では前記第１図のカウンターＣに事務机りを付設
して利用するようになっている。

尚、図中Ｈは椅子である。

上記２例からも判るように、カウンターは来訪者が立っ
たままで職員に接するようになっているので、前記カウ
ンターＣの天板Ｃ１が来訪者の立姿勢に合う高さに形成
されているが、カウンター内側で収納部を形成する棚板
Ｃ２の高さは職員が椅子に掛けた際の姿勢に合わせて形
成されているのが一般的であり、また、そのために、事
務机りを付設した場合、鉄杭りの天板Ｄ１がカウンター
Ｃの棚板Ｃ２の高さにほぼ一致し、更に、机りを付設す
ると、引戸Ｃ３による収納部は利用できなくなるのであ
る。

このように従来のカウンターは、その収納部を形成する
ため天板の下に配設した棚板が事務机等の机を付設した
場合、机の天板と面位置が合うように形成されている関
係上、特に、机をカウンターの内側に付設して使用する
ものでは実用上不都合なことが多い。

例えば、カウンターの収納部は付設した机の天板の面位
置より上方にしか位置し得ない（第２図参照）ので、カ
ウンター内側の机の天板より下方に位置する部分（第２
図の棚板Ｃ２の下方）は収納部として利用できないのみ
ならず、利用可能な収納部（第２図の天板Ｃ１と棚板Ｃ
２に挾まれた空間）は上下間口が狭小であると同時に机
りの天板Ｄ１と同面に位置するから、該収納部に収納さ
れた書類等を机りの椅子に掛けたままの姿勢では取扱い
難いという難点がある。

これは、カウンターの天板の高さが来客に合せられ、ま
た、机の天板の高さはカウンターの内側に椅子に掛けた
まま着く者の姿勢に合せである関係上、カウンターの天
板と机の天板との比較的上下幅の少ない空間に形成され
る収納部の高さが大きく取れないからである。

また、収納部が机の天板の面位置より上方にしか位置し
ない（第２図参照）ことは、来訪者側から見れば該収納
部は手が充分に届く範囲内にあることになるので、特に
銀行等の金融機関に於けるカウンターとしては安全上好
ましくない。

本考案は上述のような従来のカウンターの難点に鑑み、
カウンターの天板とその下に位置する棚板等によって形
成される収納部の使い勝手を向上させると共に、安全上
の観点からも好ましい形態を採ることのできるカウンタ
ーを提供することを目的として考えられたもので、その
構成は、椅子に掛は使用する通常の机の天板より高い位
置に設けた適宜奥行の立姿勢で使用するカウンター天板
と、該天板の下方に設けた棚板とを有するカウンターに
於て、前記棚板を、前記通常の机の天板の高さより低く
位置付け、且つ該棚板の後端側を前記カウンター天板の
後端側と略同程度後方へ突出させると共に、前端側のカ
ウンター天板の略中程に位置する部位に立壁を設けて収
納部に形威したカウンタ一本体に、前記通常の机をその
前側を前記棚板の後端に当接させて組合せると共に、前
記収納部の棚板上面に、前記机の前面側に当接させられ
る側の深さが前記机の天板上面と略同程度に形成された
トレーなどによる適宜収納器を着脱自在に収装するよう
にしたことを特徴とするものである３次に本考案の実施
例を図に拠り説明する。

第３図は本考案カウンターの最も基本的形態の一例を示
す側断面図で、１は側面路り字状のカラター脚で、稍短
か目の上部横部材１ａとそれより長い下部横部材１ｂ及
び前記両部材１ａ、ｌｂを繋ぐ縦部材１Ｃによって形成
されている。

２は、適宜離隔して平行に配設した２本の脚１，１に於
て、２本の縦部材１Ｃ間に張設した前面幕板、３は前記
２本の脚１，１の上部横部材１ａ、１ａ間に架設したカ
ウンター天板で、ここではカウンターの外側に位置する
前端３ａを曲面に形成すると共に、後端３ｂ側が前記横
部材１ａからカウンターの内側へ充分突出する奥行きを
持つように形成した板材が用いである。

而して、この天板３は、通常その高さが立姿勢のままで
その天板３上で書類等を取扱うに足る程度、具体的には
約９５〜１００ ｃｍに位置づけられるが、ここでは、
この高さが前記脚１の有効高さと天板３の厚みによって
形成される。

４は、前記２本の脚１の間に於て、前面幕板２と天板３
とが形成する上部空間を塞ぐように天板３の裏面と前面
幕板２に取付けた側断面路」状の後面上部幕板で、その
垂直面４ａが後述する収納部空間の前面板になる。

５は前記２本の脚１の横部材１ａ、ｌｂが形成する面に
それぞれ立設した脚側板で、ここではその幅を脚１の上
部横部材１ａの長さと略等しく、また、高さを上端が前
記後面上部幕板４の水平面４ｂの下面に当接する程度に
形威しである。

６は前記２枚の脚側板５の内側辺５ａ側に後方へ向は突
設したブラケットで、該ブラケット６はその突出端６ａ
が前記脚１の上部横部材１ａと垂直方向はぼ同面に位置
するようにその突出量を調整すると共に、その高さ方向
の取付位置を後述する机の天板の高さより低くなるよう
にしである。

７は前記ブラケット６の上面で、前記の後面上部幕板４
の垂直面４ａの後端側に架設した棚板で、この実施例で
は、棚板７の上面、前記垂直面４ａの後面及び天板３の
後端側３ｂの裏面によって囲まれる部分、即ち、前記天
板３の後半側裏面部に、本考案カウンターにおける収納
部空間Ｓを形成するのである。

８は前記２枚の脚側板５の内側辺５ａ側に於て、前記棚
板７より下方の部分に張設した後面下部幕板であり、以
上１乃至８により本考案カウンターに於けるカウンタ一
本体の一例を構成する。

９は前記カウンタ一本体の内側に付設した机で、この机
９はいかなる形状、構造のものであってもよいが、少な
くとも天板１０の高さは椅子に掛けて使用するのに適し
た高さで、且つ、前記カウンタ一本体の収納部空間Ｓに
於ける棚板７の高さより大きく形威しである。

尚、この机９は椅子に掛けた姿勢で使用するものである
から、その天板１０の高さは前記使用条件に合う高さで
あるが、ここは、天板１０の高さを約７５ ｃｍに形成
してあり、従って、この板１０より低い位置に設けられ
る前記棚板７は、ここでは、約６５ ｃｍの高さに位置
付けである。

また、上記の付設する机は前記カウンタ一本体に固着し
て配設してもよい。

而して、上記机９をその前端側９ａが前記カウンタ一本
体に於ける棚板７の後端側に当接又はほぼ当接するよう
にしてカウンタ一本体の内側に付設すると、鉄杭９の天
板１０の前方で、且つ、机９の天板１０の面位置より下
方に、棚板７による底部が位置する収納部空間Ｓが形成
されるので、この部Ｓに、手前（机１０の側）の高さが
鉄杭１０の天板９の上面に略同面に位置するように形成
した第４図に示すトレーＴ或は箱状の容器Ｐなどによる
収納器を収装することにより本考案カウンターの一例が
構成されるのである。

以上の構成による本考案カウンターは、机９の天板１０
の前方下方にトレー等を収装する収納部空間Ｓが形成さ
れているので、従来の机９の天板１０の面位置と同面に
棚板を設けて構成されているカウンターに比べ、カウン
ター天板の直下に位置する収納部の容積を単に大きくす
ることができるのみならず、前記収納部空間Ｓ内に収装
したトレー等はその取出口が高くても机９の天板１０と
略同面で、机９の直前に位置するから、このトレー等に
収容した書類等を机９の側から視認し易いと同時に出入
れが容易になり、更に、トレーＴ等の前方に位置する幕
板４の垂直面４ａによって収容物が向う側へ落ち込むよ
うなことがない。

一方、この収納部を前、記トレーＴ等をカウンターの外
側（前面側）から見れば、前記収納部空間Ｓがカウンタ
ー天板３にその上方から全面的に覆われ、しかも遠のく
コトニするので、収納物がカウンターの外側から盗まれ
たりするのを効果的に防止することができる。

特に、本考案カウンターを銀行等の金融機関に於ける接
客、取引用のカウンターに使用する場合には、第４図に
示すように、収納部Ｓに出入金伝票等の書類や現金等の
収納物を区分けして収納することができるように形成し
たトレーＴや容器Ｐを載置すれば、前記本考案カウンタ
ーの効果をより具体的に得ることができる。

以上のような本考案カウンターの効果は、第５図以降に
示す実施例によって更に具体的に得ることができる。

第５図は、収納部Ｓの底部を形成する棚板７を手前側に
傾斜させて設けた例の側断面図で、このようにするとカ
ウンター内側からの収納物の視認性や取扱い易さが一段
と向上する。

第６図は、第３図に示す実施例の収容部空間Ｓを中棚板
７ａによって上下２段に分けた場合の側断面図で、収納
部の収納効率の向上を図ることができる。

第７図は第３図に示す実施例に於ける天板３の下面にト
レー状の容器７ｂを設けた場合の側断面図で、収納部の
収納効率と共に収納物の取・扱い易さの向上を図ること
ができる。

第８図は天板３の下面に照明装置１１を設けた例を示す
側断面図で、この照明装置１１は前記いずれの実施例の
場合にも設けることができ、収納物の視認或は取扱いに
際して有用である。

第９図、第１０図は、カウンタ一本体に付設した机９の
天板１０より低位置に収納部空間Ｓを形成する別例を示
す側断面図で、これらの実施例では、カウンタ一本体の
天板３及び前面幕板２の上部が収納部空間Ｓを覆うよう
にしである。

尚、上記第５図乃至第１０図に示す実施例においても、
図示していないが、棚板７の上面にはトレーや箱状容器
などによる収納器が収装される。

本考案は以上の通りであって、カウンタ一本体の手前側
に椅子に掛けて使用する机を付設した構造のカウンター
に於ける収納部を、カウンタ一本体の天板の下方で付設
する机の天板より下位に位置するように威したから、従
来のこの種構造のカウンターに比べ収納物の視認、取扱
いが容易になるのみならず、カウンタ一本体の外側がら
は前記収納物に手が届き難いので、特に銀行等の金融機
関に於て使用するカウンターとして極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来カウンターの例を示す側断面図
、第３図は本考案カウンターの一例を示す拡大側断面図
、第４図は同じく斜視図、第５図乃至第１０図はそれぞ
れ本考案カウンターの他の例を示す側断面図である。 １・・・・・・脚、２・・・・・・前面幕板、３・・・
・・・天板、３ｂ・・・・・・天板３の後端、４・・・
・・・後面上部幕板、４ａ・・・・・・幕板４の垂直面
、５・・・・・・脚側板、６・・・・・・ブラケット、
７・・・・・・棚板、８・・・・・・後面下部幕板、Ｓ
・・・・・・収納部空間、９・・・・・・机、１０・・
・・・・机の天板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 椅子に掛けて使用する通常の机の天板より高い位置に設
   けた適宜奥行の立姿勢で使用するカウンター天板と、該
   天板の下方に設けた棚板とを有するカウンターに於て、
   前記棚板を、前記通常の机の天板の高さより低く位置付
   け、且つ該棚板の後端側を前記カウンター天板の後端側
   と略同程度後方へ突出させると共に、前端側のカウンタ
   ー天板の略中程に位置する部位に立壁を設けて収納部に
   形成したカウンタ一本体に、前記通常の机をその前側を
   前記棚板の後端に当接させて組合せると共に、前記収納
   部の棚板上面に、前記机の前面側に当接させられる側の
   深さが前記机の天板上面と略同程度に形成されたトレー
   などによる適宜収納器を着脱自在に収装するようにした
   ことを特徴とするカウンター。