JP2518712Y2 - 中箱飛出式箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主としてコンパクト等の化粧品や、宝石
類、アクセサリー、服飾用細貨等の生活用品や、メダ
ル、記念品等の文化用品等の小物商品を収納するのに好
適な中箱飛出式箱に関するものである。

（従来の技術） 従来は、箱体の後板に蓋体の後板が前後方向へ開閉自
在に連設された箱本体を形成し、一方、前板、底板、支
持板等からなる中箱を形成し、前記箱本体の箱体前板の
上端と前記中箱の前板の上端とを連設すると共に、前記
箱本体の蓋体内面に前記中箱の支持板を、開蓋時にその
中箱の底板の後部が前記箱体の後板の上端と同一高さに
押上げられ且つ閉蓋時に中箱の底板の後部が押下げられ
るように支持したもの（例えば、実開昭52−168727号公
報、実公昭43−4532号公報、実公昭39−20545号公報）
が開示されている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、いずれも、開蓋時に、中箱の底板の後部が
箱体の後板の上端と同一高さまでしか押上げられないた
め、中箱の底板に収納された商品が前方から見にくく、
商品の陳列効果が小さい問題があった。

そこで、本考案は、上述のような課題を解決するため
に案出されたもので、開蓋時に、極めて容易な操作で、
中箱の後部を箱体の後板の上端より高く押上げて、商品
を前方から見易くして、商品の陳列効果を大ならしめる
ような中箱飛出式箱を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上述のような目的を達成するために、箱体
の後板に蓋体の後板が前後方向へ開閉自在に連設された
箱本体を形成し、一方、中心部に商品収納孔を有する商
品収納板の周側縁に前記箱体の前板、後板、左側板、右
側板等の高さより若干高い前記箱体固定用の前下垂板、
後下垂板、左下垂板、右下垂板が下方へ垂設され、且つ
内部に前記商品収納板の高さより若干低い商品載置板が
設けられた商品収納体の前記後下垂板の下端縁に、開蓋
時にこの商品収納体の後部を押上げる押上板と、前記蓋
体に支持する支持板とを連設してなる中箱を形成し、前
記箱本体の箱体内に前記中箱の商品収納体を嵌込んで前
板の内面に前下垂板の外面を固定すると共に、前記箱本
体の蓋体内面に前記中箱の支持板を、開蓋時に前記商品
収納体の後部が押上板を介して前記箱体の後板の上端よ
り高く押上げられ且つ閉蓋時に前記商品収納体の後部が
押上板を介して押下げられるように支持したものであ
る。

（作用） そして、上述のような技術的手段により、開蓋時に、
箱本体の蓋体を、箱体の後板と蓋体の後板との連設部を
中心にして後方へ揺動するのみの極めて容易な操作で、
中箱の押上板の商品収納体側端が上方へ揺動され、中箱
の商品収納体の後部が箱体の後板の上端より高く押上げ
られ、且つ中箱の商品収納体内の商品収納板の高さより
若干低い商品載置板に商品が載置されて更に高く押上げ
られて、中箱の商品収納体の後部側が見易い高さに飛び
出すようにする。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

本考案の中箱飛出式箱は、第１図乃至第４図に示すよ
うに、箱本体Ａと中箱Ｂとから構成されている。

前記箱本体Ａは、第１図乃至第３図に示すように、正
方形状の底板１の周側縁に前板２、後板３、左側板４、
右側板５が立設された箱体６と、同様に正方形状の天板
７の周側縁に前板８、後板９、左側板10、右側板11が垂
設された蓋体12とからなり、この同形状に成形された箱
体６と蓋体12との開口面を対向させて、箱体６の後板３
に蓋体12の後板９を、連結板13を介して前後方向へ開閉
自在に連結するように形成されている。この場合、箱体
６及び蓋体12の前板2,8、後板3,9、左側板4,10、右側板
5,11は図示例のように強度及び外観上の体裁を考慮して
二重構造になっているが、箱体６の底板１及び蓋体12の
天板７のように一重構造でも良い。

前記中箱Ｂは、第１図乃至第４図に示すように、先
ず、中心部に商品収納孔14を有する正方形状の商品収納
板15の周側縁に前記箱体６の前板２、後板３、左側板
４、右側板５等の高さより若干高い前記箱体６固定用の
前下垂板16、後下垂板17、左下垂板18、右下垂板19を、
各折目20,21,22,23を介して下方へ垂設し、この左下垂
板18又は右下垂板19の下端縁にこの左下垂板18又は右下
垂板19の内側に糊付けする糊付片24と、商品Ｍを載置す
る商品載置板25と、右下垂板19又は左下垂板18の内側に
糊付けする糊付片26とを、商品載置板25が前記商品収納
板15の高さより若干低くなるように各折目27,28,29を介
して上方、右側方又は左側方、下方へ順次折曲自在に連
設するようにした商品収納体30を形成する。更に、この
商品収納体30の後下垂板17の下端縁に、開蓋時に商品収
納体30を押上げる押上板31と、前記蓋体12に支持する支
持板32を、各折目33,34を介して上方、前方へ順次折曲
自在に連設するように形成されている。

そして、前記箱本体Ａの箱体６の内部に前記中箱Ｂの
商品収納体30を嵌込んで前板２の内面に前下垂板16の外
面を糊付手段、接着手段、係止手段等の適宜手段で固定
すると共に、前記箱本体Ａの蓋体12の天板７内面に前記
中箱Ｂの支持板32を、開蓋時に前記商品収納体30の後部
が押上板31を介して前記箱体６の後板３の上端より高く
押上げられ且つ閉蓋時に前記商品収納体30の後部が押上
板31を介して押下げられるように係止手段、糊付手段、
接着手段等の適宜手段で支持したものである。

また、前記箱本体Ａの箱体６の底板１、蓋体12の天板
７、前記中箱Ｂの商品収納板15は、正方形状に成形する
ように説明及び図示されているが、これに何等限定され
ることなく、長方形状、その他の多角形状、半円形状等
に成形するようにしても良い。

尚、前記箱本体Ａは、閉蓋時に箱体６の前板２と蓋体
12の前板８とを単なる合わせるように図示されている
が、これに限らず、箱体６の前板２と蓋体12の前板８と
に両方で一対の適宜な止め具を設けて、閉蓋時に箱体６
の前板２に蓋体12の前板８を止めるようにしても良い。

（考案の効果） 本考案は、上述のように、箱体６の後板３に蓋体12の
後板９が前後方向へ開閉自在に連設された箱本体Ａを形
成し、一方、中心部に商品収納孔14を有する商品収納板
15の周側縁に前記箱体６の前板２、後板３、左側板４、
右側板５等の高さより若干高い前記箱体６固定用の前下
垂板16、後下垂板17、左下垂板18、右下垂板19が下方へ
垂設され、且つ内部に前記商品収納板15の高さより若干
低い商品載置板25が設けられた商品収納体30の前記後下
垂板17の下端縁に、開蓋時にこの商品収納体30の後部を
押上げる押上板31と、前記蓋体12に支持する支持板32と
を連設してなる中箱Ｂを形成し、前記箱本体Ａの箱体６
内に前記中箱Ｂの商品収納体30を嵌込んで前板２の内面
に前下垂板16の外面を固定すると共に、前記箱本体Ａの
蓋体12内面に前記中箱Ｂの支持板32を、開蓋時に前記商
品収納体30の後部が押上板31を介して前記箱体６の後板
３の上端より高く押上げられ且つ閉蓋時に前記商品収納
体30の後部が押上板31を介して押下げられるように支持
したから、使用時において、閉蓋時には、第２図に示す
ように中箱Ｂの商品収納体30の商品収納孔14に各種の小
物商品Ｍを商品載置板25上に載置されるように収納し
て、箱本体Ａの蓋体12を、箱体６の後板３と蓋体12の後
板９との連設部を中心にして前方へ揺動することによっ
て、中箱Ｂの押上板31の商品収納体30側端が下方へ若干
揺動した後、商品Ｍの重みによって、商品収納体30の後
端側が押下げられるため、中箱Ｂの商品収納体30が箱本
体Ａの箱体６内に嵌入し、箱本体Ａの箱体６に蓋体12が
閉じられる。そして、開蓋時には、第３図に示すように
箱本体Ａの蓋体12を、箱体６の後板３と蓋体12の後板９
との連設部を中心にして後方へ揺動するのみの極めて容
易な操作で、中箱Ｂの押上板31の商品収納体30側端が上
方へ揺動され、中箱Ｂの商品収納体30の後部が箱体６の
後板３の上端より高く押上げられることと、中箱Ｂの商
品収納体30内の商品収納板15の高さより若干低い商品載
置板25に商品Ｍが載置されて更に高くなっていることと
が相俟って、中箱Ｂの商品収納体30の後部側が見易い高
さに飛び出して商品Ｍが前方から見易くなり、商品Ｍの
陳列効果が大である。

また、箱本体Ａの箱体６内に中箱Ｂの商品収納体30を
嵌込んで箱体６の前側に商品収納体30の前側を固定し、
箱本体Ａの蓋体12内に中箱Ｂの支持板32を、開蓋時及び
閉蓋時に押上板31を介して商品収納体30が押上げ及び押
下げられるように支持したことによって、開閉蓋時に箱
本体Ａの蓋体12を、箱体６の後板３と蓋体12の後板９と
の連設部を中心にして後方及び前方へ揺動した際に、中
箱Ｂの押上板31の商品収納体30側端が上方及び下方へ揺
動され、商品収納体30の後端側が頗る円滑に押上げ及び
押下げられるため、中箱Ｂの商品収納体30を上方へ確実
に飛び出させ、及び中箱Ｂの商品収納体30を箱本体Ａの
箱体６内に確実に嵌入することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は開蓋状
態の斜視図、第２図は閉蓋状態の縦断側面図、第３図は
開蓋状態の縦断側面図、第４図は中箱の展開図である。 Ａ…箱本体、Ｂ…中箱、Ｍ…商品、１……底板、２…前
板、３…後板、４…左側板、５…右側板、６…箱体、７
…天板、８…前板、９…後板、10…左側板、11…右側
板、12…蓋体、13…連結板、14…商品収納孔、15…商品
収納板、16…前下垂板、17…後下垂板、18…左下垂板、
19…右下垂板、20,21,22,23,27,28,29,33,34…折目、24
…糊付片、25…商品載置板、26…糊付片、30…商品収納
体、31…押上板、32…支持板。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】箱体の後板に蓋体の後板が前後方向へ開閉
   自在に連設された箱本体を形成し、一方、中心部に商品
   収納孔を有する商品収納板の周側縁に前記箱体の前板、
   後板、左側板、右側板等の高さより若干高い前記箱体固
   定用の前下垂板、後下垂板、左下垂板、右下垂板が下方
   へ垂設され、且つ内部に前記商品収納板の高さより若干
   低い商品載置板が設けられた商品収納体の前記後下垂板
   の下端縁に、開蓋時にこの商品収納体の後部を押上げる
   押上板と、前記蓋体に支持する支持板とを連設してなる
   中箱を形成し、前記箱本体の箱体内に前記中箱の商品収
   納体を嵌込んで前板の内面に前下垂板の外面を固定する
   と共に、前記箱本体の蓋体内面に前記中箱の支持板を、
   開蓋時に前記商品収納体の後部が押上板を介して前記箱
   体の後板の上端より高く押上げられ且つ閉蓋時に前記商
   品収納体の後部が押上板を介して押下げられるように支
   持したことを特徴とする中箱飛出式箱。