JPS593188Y2 - ディ−ゼル機関の燃料油管装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、Ｃ重油などの低質燃料油をディーゼル機関
の燃料として使用する場合、機関停止直後に、機関付燃
料油主管内に圧縮空気を導入して、燃料油主管内部より
燃料を除去せしめて、次の始動が容易に行なえるように
する燃料油管装置に関するものである。

一般に、低質燃料油使用のテ゛イーゼル機関は、機関を
停止する前に燃料油をＡ重油または軽油に切換えて、し
ばらく運転して停止し、また機関の始動時には、最初Ａ
重油または軽油で運転し、その後低質燃料油に切換えて
運転を行う。

すなわち機関停止時に機関性の燃料油管系統の中の燃料
油をＡ重油または軽油に置換して、低質燃料油の滞留時
の固化を防止している。

従ってこの場合、Ａ重油または軽油との切替えラインが
必要となる。

一方、低質燃料油のみで発停を行うディーゼル機関では
、機関性の燃料配管内を常に加熱して、燃料油を循環さ
せておくか、あるいは、スチームトレースを施し、始動
時に燃料油配管を加熱して管内部の低質燃料油の粘度を
下げてやる必要がある。

この考案は、前記のＡ重油切替配管や、スチームトレー
スを施行しないで、低質燃料油使用機関の、始動、停止
時における前記問題点を解消しようとするものである。

以下この考案の一実施例を図面にもとづいて説明する。

図において１は低質燃料油使用のディーゼル機関、２は
ディーゼル機関１の各シリンダ毎に設けられた燃料噴射
ポンプ、３はシリンダヘッド、４は燃料噴射弁で、通常
の燃料噴射弁冷却用の配管（図示せず）が施されている
。

５ａは機関に取付けられた燃料油入口主管で、枝管６ａ
、６ａ・・・で各燃料噴射ポンプ２，２・・・の入口に
接続されている。

５ｂは同じく燃料油出口主管であり、枝管６ｂ、６ｂ・
・・で各燃料噴射ポンプ２，２・・・の出口に接続され
ている。

７は低部にタンクヒーター８を有する燃料油サービスタ
ンクで、その低部より配管９で燃料供給ポンプ１０の吸
入口に接続され、該燃料供給ポンプ１０の吐出口より配
管１１で、ラインヒーター１２の入口管に接続されてい
る。

前記ラインヒーター１２の出口管に接続された配管１４
は、燃料油フィルタ１５、逆止弁１６、配管１７を介し
て前記機関付燃料油入口主管５ａの入口１Ｂに接続され
ている。

機関付燃料油出口主管５ｂの出口１９は、燃料油主管内
の燃料油の圧力を２〜３ｋｇ／ｃｍ□に調整する圧力調
整弁２０を介して配管２１で燃料油サービスタンク７の
上部よりタンク内に導かれている。

上記燃料油サービスタンク７、燃料供給ポンプ１０、基
管５ａ、 ５ｂ、 ６ａ、 ６ｂ、 ９．１１
．１４゜１７、２１等は全体として燃料油循環回路２Ｂ
を構成しており、該循環回路２８は保温および火傷等の
危険防止のためにラッキングが施されている。

２２はテ゛イーゼル機関１の機側に設けられた圧縮空気
槽で、そのヘッダ２３の吐出口に接続された減圧弁２４
が、電磁弁２７を有する空気吐出管２６により、前記燃
料油循環回路２８の逆止弁１６と、燃料油入口主管５ａ
の入口１８との間の配管１７に接続されている。

上記構成の装置において、機関運転中、燃料油循環回路
２８を循環する低質燃料油は、燃料油サービスタンク７
のタンクヒーター８およびラインヒーター１２の働きに
より８０°〜１００’ Ｃに保温されている。

空気吐出管２６内には減圧弁２４で、約５ｋｇ、／ａｎ
”に減圧された空気が充満しており、電磁弁２７は遮断
されている。

ディーゼル機関を停止する場合は、通常の手段で機関を
停止し、機関停止後燃料供給ポンプ１０を停止し、遠隔
操作盤（図示せず）よりの操作で電磁弁２７を開くと、
空気槽２２より減圧弁２４を通り、約５ ｋｇ／−に減
圧された空気が配管１７を介して燃料油入口主管５ａに
送られ、該入口主管５ａ、および燃料油出口主管５ｂ内
の低質燃料油を、配管２１を介して燃料油サービスタン
ク７内に押し出し、燃料油入口主管５ａ、燃料油出口主
管５ｂおよび枝管６ａ、６ｂの内部は空気で満される。

すなわち機関停止時には機関性の燃料油主管内の燃料は
すべて空気に置換される。

ただし燃料噴射ポンプ２より燃料噴射弁４に至る燃料高
圧管３０内および燃料噴射弁４の内部に、低質燃料油が
滞留するが、これは、始動前燃料噴射弁冷却管内に８０
°〜８５°Ｃの温水または温油を循環させ、上記の滞留
燃料油の粘度を下げる。

ディーゼル機関１を始動する場合は、まず燃料油サービ
スタンク７のタンクヒーター８およびラインヒーター１
２により、燃料油を加熱してがら燃料供給ポンプ１０を
起動して、燃料油を、循環回路２８内を加熱循環させ、
これと同時に前記のように燃料噴射弁冷却管に温水また
は温油を通し８０°〜８５°Ｃに燃料噴射弁系統を温め
る。

その後機関を始動する。自動始動の場合は燃料供給ポン
プ１０の始動後、タイマ等の手段によって適当時間経過
後、機関が始動するようにする。

以上のように、この考案は機関停止直後に、燃料油入口
主管内および燃料油出口主管内に圧縮空気を吹き込んで
、それらの燃料油主管内の燃料油を燃料サービスタンク
内に押し出し、該燃料油主管内を空気で充満させるよう
にしたので、機関停止時に低質燃料油が機関付燃料油主
管内に滞留して固化するというようなことが発生せず、
次の始動が容易に行なえるようにすることができ、従来
のように、機関の始動、停止時にＡ重油運転に切替える
ための配管が必要でなく、また機関付燃料油主管内に燃
料油を常に加熱循環させたり、始動時に燃料油配管を加
熱して内部の低質燃料油の粘度を下げるためのスチーム
トレースを施す必要がなく燃料油配管系統が簡単になる
長所を有する。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示す装置の系統図である。 ５ａ・・・・・・燃料油入口主管、５ｂ・・・・・・燃
料油出口主管、１６・・・・・・逆止弁、１８・・・・
・・主管入口、２７・・・・・・電磁弁、２８・・・・
・・燃料油循環回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ディーゼル機関の燃料噴射ポンプの燃料入口部より上方
   位置に燃料油入口主管と燃料油出口主管が配設され、前
   記燃料油入口主管は、各枝管により各燃料噴射ポンプの
   入口に接続され、燃料油出口主管は、各枝管により各燃
   料噴射ポンプの出口に接続されており、前記燃料油出口
   主管の一端部は盲蓋にて閉塞され、他端部は配管により
   圧力調整弁を介して燃料油サービスタンクの上部よりタ
   ンク内に導かれており、更に前記燃料油サービスタンク
   底部は、配管により燃料供給ポンプ、ラインヒータ、燃
   料油フィルタ、逆止弁を介して前記機関付燃料入口主管
   の端部入口に接続されて構成された燃料油循環回路にお
   いて、前記逆止弁と前記燃料油入口主管端部入口との間
   の配管に弁を介して圧縮空気配管を接続し、機関停止直
   後に空気を送入し、前記燃料油入口主管と、燃料噴射ポ
   ンプの入口、出口枝管及び燃料油出口主管内の燃料油を
   燃料サービスタンク内へ押し出し、前記燃料油入口主管
   、各枝管、及び燃料油出口主管どそれに続くサービスタ
   ンク上部入口までの配管内を空気で充満させるようにし
   たことを特徴とするテ゛イーゼル機関の燃料油管装置。