JPS5930913B2 - 圧力抵抗に打ち勝って作動しうるピストン−シリンダ−装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特にろ過装置の圧力抵抗に打ち勝って作動しう
るピストン−シリンダー装置に関するもので、これはピ
ストンロッドによってシリンダー内を運動できるように
配置されたピストンを備え、ピストンの引上げによって
特に液状媒体がシリンダー内に注入され、ピストンロッ
ドの押下げによって媒体がシリンダーから取出されるも
のである。

このようなピストン−シリンダー装置は、たとえば直列
に重ね合わされたフィルターを備えた注入器に応用され
る。

この場合フィルタ一群は注入器の出口に置かれたフィル
ター支持具申にある。

このような装置は、たとえば少量の液体の純化または滅
菌ろ過に使用される。

たとえば１〜５０７７１１の液体を、注入器に接続され
たフィルター中を通過させるためには、比較的高い圧力
を要する。

注大器用の公知のピストン−シリンダー装置では、ろ過
すべき液体またはろ過される媒体はピストンロッドの押
下げ圧とそれによるシリンダー内にあるピストンの押下
げ圧によってフィルタ一群を通過する。

この場合手による比較的強い力が前費される。

非常に目のつんだろ過材料または幾重にも連続して重ね
合わされたろ過材料、特に多重膜ろ過の場合は、ろ過が
不可能である。

本発明の目的は、ろ過手段によって発生するような圧力
抵抗に打ち勝つことができる注出器を提供することにあ
る。

この目的は、第１のシリンダー内の第１のピストンの内
部に、その第１のシリンダーの断面の太きさより小さい
断面を有する圧力室を提供することで達成される。

ピストンロッドの内方への作動で圧力室にろ過がつくら
れ、過圧になると圧力室は放出されるべき媒体が充てん
されたシリンダー室と連通ずる。

閉鎖手段を有する連結具によって連通が形成されると、
その過圧によって圧力抵抗に抗して注出器から媒体が押
出される。

圧力室はピストン内部に設けられ、その室内にあるガス
媒体は空気であってもよい。

簡単な構造のものでは、圧力室がピストンロッドの行程
方向に走る管として作られ、その中でピストンロッドが
案内される。

さらに、第１のピストン内部にあるピストンロッドの端
部に、管中を運動でき、圧力室の一方の端部を形成する
第２のピストンが取り付けられて、閉そく手段をもった
連通孔が圧力室の他の端部に形成されている。

この連通閉そく手段は、圧力室内の過圧によって開かれ
る弁である。

それゆえ、ピストンロッドの押し下げ圧で圧力室内に作
られろ過圧が第１のピストンの前側のシリンダー室内の
排出され処理さるべき媒体に作用する。

さらに、第１のピストン内部で移動する第２のピストン
も弁を備えている。

そのピストンロッドは、第１のピストン内に形成された
第２のシリンダー押込んだり引上げたり交互に動かしう
るものであり、放出されるべき媒体にポンプ作用が働き
、そのポンプ作用のために、媒体は各種の圧力抵抗に打
ち勝ってフィルターを通過することができる。

弁の開閉を機能的に保証するため、弁の閉そく要素は調
整可能なばねの力によって作動される。

この場合ピストン内で移動するピストンに設けられた弁
のばねの力は、この弁が圧力媒体の入口に達するまで閉
じたま５となり、入口における圧力とピストンの引上げ
で生じる減圧との差によって開かれるように調整される
。

本発明の重要な利点は、特に僅かな力で、たとえばフィ
ルター内の高い圧力差に打ち勝つことができる点にある
。

それゆえ、非常にち密なろ過材料または重ね合わされた
多層ろ過材料、特に隔膜ろ柑類の場合には、従来の注出
器では不可能であったろ過を本発明の装置によって行う
ことができる。

圧力抵抗が大きい場合には、ピストンロッドの多数回の
往復運動と除去すべき媒体上に実施されるポンプ作用に
よって、ろ過すべき液体はすべてシリンダ内部から構成
される装置を通って押し出される。

さらに、本発明によれば調整された量がシリンダ内部か
ら取り出される。

本発明のピストン−シリンダー装置の応用は、非常に多
方面にわたっている。

たとえば、目薬、腸管外溶液のような薬学的液体の滅菌
などに用いられる。

水、特に飲料水の選択、殺菌の場合にも本発明は有利に
使用せられる。

さらに、本発明はあらゆる種類の液体、特にトランジス
タ一部品、フォトラック（Ｆｏｔｏｌａｃｋｅｎ）など
の洗浄液から不純微粒子をろ過するのに用いられる。

臨床用にも、特に注射の場合にも本発明が応用できる。

さらに、本発明によるピストン−シリンダー装置は全く
普通の注入射出装置としても使用できる。

すなわち、ピストンを引上げることによってシリンダー
内に液状媒体が充満されピストンロッドをピストンとそ
の中にある弁装置と共に押下げることによってろ過され
る液体がシリンダーから取り出される。

この応用は従来の注入射出装置の場合と同じである。

これからしても本発明のピストン−シリンダー装置は、
通常の吸入注出器と同様に使用することができる。

つぎに図面にもとずいて本発明の有利な実施例を詳しく
説明する。

第１図は、本発明の装置の例の長さ方向の縦断面図であ
り、第２図のＡ図、Ｂ図およびＣ図は、本発明の装置の
操作の間の協働部材のいくつかの位置関係を図解的に説
明するための断面図である。

図示されたピストン−シリンダー装置は、第１のシリン
ダー１を有しており、その中に第１のピストン２が運動
できるように配置されている。

ピストンの運動のためにピストンロッド３がはたらく。

ピストン２の内部にはさらにピストンロッド３により運
動できるようにされた別の第２のピストン４が配置され
ている。

ピストン２とピストン４には、その端部にシリンダー出
口に向いた弁５と６が設けられる。

ピストン４はピストン２の内部の縦孔７中を移動できる
ように設けられる。

ピストン４の弁５が配置された側には、圧力室８がある
。

この圧力室８は二つの弁５と６の間にある。

シリンダー１の壁に対してピストン２を密着させるため
圧縮リング９が設けられ、縦孔７の壁に対してピストン
４を密着させるため圧縮リング１０が設けられている。

ピストンロッドには、これを動かすためバンドル１１が
取付けられている。

シリンダーはその端末にシリンダーキャップ１２が設け
られ、このキャップにはピストン２が貫通する孔１７が
ある。

ピストン２−の縦孔７には、その開口を閉じるように第
２のシリンダーの端部にピストンキャップ１３が取り付
けられている。

第１のピストン２の長さ方向の縦孔７には、その開口を
閉じるように、第２のシリンダーの端部にピストンキャ
ップ１３が取り付けられている。

そのピストン２は、さらに肩のように形成されたストッ
プ（Ａｎｓｃｈｌａｇ ） １４を備えている。

シリンダー出口管１５を設けたシリンダー出口とピスト
ン２の間のシリンダー空間には、たとえばろ過される、
またはシリンダー１内の圧縮方向の抑圧作用によって除
去される溶媒あるいは液体が存在する。

シリンダー出口管１５には、たとえば図示していないが
、フィルター支持具の形のろ過装置が固定される。

弁６は閉そく部材１８とばね１９からなっており、この
弁はピストン２の孔２６中に置かれている。

弁５は同様に閉そく部材２１とばね２０からなっている
。

弁５はピストン４の孔２７中に置かれている。

ばね１９，２０は閉そく部材１８゜２１をその閉そく位
置へ押圧する役をする。

圧力室８の圧力媒体として空気が使用され、これは開か
れた弁によって通気小孔をもった送入管２２を通って圧
力室８へ導入される。

図に示した本発明の装置の作用機構は次のとおりである
。

第２−Ａ図に示される正常状態の装置のピストンロッド
３を矢印Ａの方向へ引くことによって、ピストン２も弁
５，６が閉じられているときシリンダー１内を矢印Ａの
方向へ移動する。

この移動はピストンのストップ１４がシリンダーキャッ
プ１２に衝突するまで行われる。

この場合、シリンダー出口管１５の開口を通ってたとえ
ばろ過されるべき液体がシリンダー空間１６内へ吸入さ
れる第２−Ｂ図。

ピストン２はシリンダーキャップ１２の開口１７を通っ
て移動される。

シリンダー空間１６の液体を除去する場合には縦孔７内
を移動するピストンによって作られるポンプ作用が利用
される。

このポンプ作用はピストンロッド３とそれによるピスト
ン４の往復運動の際に生じる。

ピストンロッド３が矢印Ａの方向に引かれると圧力室８
の内部は減圧となるが、ばね１９の力によって弁６は閉
ざされたまメであるため液体はシリンダー空間１６から
圧力室８へ流入することはない。

弁５の閉そく部材２１の両側に得られる圧力差、主とし
て大気圧と圧力室８内の減圧との間の圧力差によって、
閉そく部材２１がばね２０の力に抗して移動するのでバ
ルブ５が開かれる。

そこで、外の空気はピストンロッド口２５の間隙を通っ
て、縦孔７、放射状の孔（図示せず）、送入孔２２を通
って圧力室８が大気圧になるまで流入する。

ピストンロッド３の矢印Ｂ方向への押下げによって圧力
室８内に過圧が生じ、これによって、閉そく部材１８が
ばね１９の力に対抗して開放位置へ移行しピストン２内
の弁６が開かれる。

そこで圧力室８はピストン２の前の除去すべき液体が存
在しているシリンダー空間１６と結合する。

さらにピストンロッド３を押下げることによって、シリ
ンダ空間１６内にある液体がシリンダ出口管１５の開口
を通り、たとえば詳しく図示していないろ過装置に生じ
る圧力抵抗を打破する。

この圧力抵抗またはバックプレッシャに抗して、シリン
ダのアタッチメント１５の孔を連通する（第２−Ｃ図）
。

放出されるべき液体に圧力室８の過圧が作用する結果と
して、この圧力抵抗は克服される。

図示する装置によって容易に大気圧よりも１５気圧高い
過圧を得ることができる。

縦孔７内のピストン４が完全に下方へ押圧された後、ピ
ストン４はピストンロッド３の運動によって再び矢印Ａ
の方向へ引上げられ、それによって前述の工程が繰り返
される。

このポンプ運動の何回もの繰返しによつテシリンダー空
間を完全に空にすることができる。

ポンプ運動の間、ｆ確に配量をすることも可能である。

弁５ど６の二つの弁室内のばね１９と２０の力は調整ね
じ２３と２４で調整される。

このばねの力の調整は、シリンダー空間１６から、液体
を除去する際に作用させる所要圧に応じて選ばれる。

したがって、もちろん１５気圧より小さい過圧にも調整
でき、ろ過液体を除去する際はいつも同じ力が必要であ
る。

シリンダー１とピストン２は、合成樹脂材料で作ること
ができる。

もしピストン−シリンダー装置が用いられる適用の種類
によって要求されるならば、それらを生理学的に安全な
材料で作ることができる。

図示されたピストン−シリンダー装置は、シリンダー空
間１６内にある液体がピストン２の内方への押圧運動に
よって排出されるような極めて通常の注出器として使用
することもできる。

本発明の多くの変形や変更態様が、本発明の技術思想を
逸脱することなく、前記詳細な記載に照らしてなされう
ろことは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のピストン−シリンダー装置の縦断面図
である。 第２図のＡ図、Ｂ図およびＣ図は、本発明の装置の操作
の間の変化状態を図解的に説明する断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の中空ピストンロッドをもった第１のピストン
   ２と協働するとともに第１の圧力室１６を構成するシリ
   ンダーであって、第２のシリンダー７を構成する上記中
   空ピストンロッドの中空部は上記第１のシリンダーより
   小さい断面を有し、かつ第２のピストンロッド３を有す
   る第２のピストン４と協働すっとともに上記第２のシリ
   ンダーγ内に第２の圧力室８を構成してなる第１のシリ
   ンダー１： 上記第１の圧力室１６と第２の圧力室８とに連通ずる上
   記第１のピストン内に形成された孔２６弁閉そく部材１
   ８と該閉そく部材を上記第２の圧力室８の過圧で開くよ
   うに片寄らせる手段とを有する上記孔内の弁６； 上記第１の圧力室に連通ずるえ液状媒体人出用のアタッ
   チメント１５； 上記第２のピストン４内に形成された上記第２の圧力室
   ８に通ずる空気導入孔２２ 、２５ ；上記第２のピス
   トン４の空気媒体吸入動作の間は、上記第２の圧力室８
   内の減圧で開き、上記第２のピストン４を押し込んで空
   気媒体をカロ圧する動作の間は、上記第２の圧力室の空
   気媒体の過圧で閉じる弁であって、上記空気導入孔と連
   通している第２の弁５； 上記第１のシリンダーのカバニ１２；及び第１のピスト
   ン２をいっばいに引張った位置で上記カバーと接触しう
   る上記第１のピストンのストップ１４； から成り、第１のピストン２の吸引動作によって、上記
   第１の圧力室１６に充てんされた上記液状媒体が、上記
   第２のピストンのポンプ作用により上記第１の圧力室１
   ６内の液状媒体に与えられる空気媒体過圧によって排出
   される圧力抵抗に打ちかつて作動しうるピストン−シリ
   ンダー装置。