JPS5929954Y2 - 隔膜室内の洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、隔膜室内の洗浄装置、特にカチオン型電着
塗装において隔膜室内の極板を洗浄する装置に関するも
のである。

一般に、被塗物と隔膜室内の極板とを直流電源に接続し
て電着塗装を行うものにおいては、電着槽内の塗料成分
が被塗物に電着されるのに伴って中和剤が隔膜室内に持
ち込まれる等の理由により、隔膜水が汚れ電導度が悪下
する。

したがって、電着槽外に隔膜水貯槽を配設し、この隔膜
水貯槽と隔膜室とを、循環管路で接続して、隔膜水を循
環させるとともに隔膜水貯槽に純水を供給することによ
って、隔膜水の電導度を所定の範囲の値に管理すること
が提案されている。

この方法によって隔膜水の電導度は管理可能であるが、
近時自動車ボデー等の電着塗装方法として採用されつつ
あるカチオン型電着塗装では、隔膜室内の極板が陽極に
接続されるので、極板表面で酸素が発生するとともに極
板が酸化腐食するという不具合が新らたに発生している
。

この考案は、この不具合に鑑みてなされたものであり、
隔膜室に対して隔膜水を給排水して隔膜室内の隔膜水の
電導度を管理するとともに、適時隔膜水を洗浄液と入れ
換えて極板表面を洗浄して酸化腐食による極板の消耗速
度を遅らせようとするものである。

また、極板表面に析出する固型分を洗浄して除去し、極
板表面の電気抵抗を小さくして、正常な電着塗装を維持
せんとするものである。

すなわち、電着槽外に設けた隔膜水貯槽と隔膜室とを循
環管路で接続し、電着稼動時に隔膜水を循環して電導度
を管理するようにし、洗浄液貯槽を隔膜水貯槽と並列で
循環管路に接続し、休日等の非稼動時には隔膜水のかわ
りに洗浄液を循環して極板表面を洗浄するようにしたも
のである。

以下、この考案を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。

電着槽１内でその両側壁１ａ、１ａに沿って隔膜室２を
並べて配置し、隔膜室２の内部に直流電源の陽極と接続
した極板３を取り付ける一方、電着槽１内の電着液中に
浸漬する被塗物４には上記直流電源の陰極を接続し、該
被塗物４にカチオン型電着塗装を施すようにしている。

隔膜室２内には、電着槽１の上方より底部近傍まで伸長
した供給管５の供給口５ａから給水し、隔膜室側力より
電着槽１の側壁を貫通させた排出管６より電着槽１の系
外へ排水している。

上記電着槽１の外部には、隔膜水貯槽９を設け、該隔膜
水貯槽９を、電着槽１内の各隔膜室２の排出管６と主排
出管８を介して連通し、各隔膜室２から排出される隔膜
水を隔膜水貯槽９に貯めるようにし、かつ、該隔膜水貯
槽９を主供給管７を介して各隔膜室２と連通ずる供給管
５に連通し、隔膜水貯槽９内の隔膜水がポンプ１０によ
り主供給管７、各供給管５を経て各隔膜室２へ還流され
るようにしている。

上記隔膜水貯槽９には純水供給管１１より適時純水を供
給するようにし、隔膜室２内に電着槽１から中和剤が持
ち込まれる等の理由によって隔膜水の電導塵が所定範囲
より上昇した時に純水を供給して電導塵を下げ、隔膜水
の電導塵が塗装条件等に合った所定の範囲内に常時なる
ように調整している。

また、該隔膜水貯槽９の液面が低下した場合も供給管１
１より純水を供給するようにしている。

以上のように、主供給管７、供給管５、排出管６および
主排出管８により、隔膜室２と隔膜水貯槽９とを接続す
る循環管路１２を形成し、電着塗装中には隔膜水を循環
して電導塵を管理している。

それとともに、電着槽１の外部に溶剤を５重量多以上含
む洗浄液貯槽１３を設け、該洗浄液貯槽１３を隔膜水貯
槽９と並列で循環管路１２に洗浄液管路１４によって接
続している。

すなわち、洗浄液管路１４の洗浄液送り管１５をポンプ
１０の上流側で主供給管７に、洗浄液管路１４の洗浄液
戻り管１６を主排出管８の途中に接続している。

上記洗浄液貯槽１３には純水導入管１７、溶剤導入管１
８よりそれぞれ純水、溶剤が供給される。

１９は洗浄液貯槽の排出管である。

主供給管７、主排出管８、洗浄液送り管１５、洗浄液戻
り管１６にそれぞれ切換弁２０，２１．２２，２３が設
けられている。

電着塗装中には、切換弁２０．２１を開き、切換弁２２
．２３を閉じて隔膜水を循環し、電導塵を所定の範囲内
に調整する。

そして、休日等の非稼動時には、切換弁２０を閉じて切
換弁２２を開き隔膜水を洗浄液と入れかえ、その後切換
弁２１を閉じて切換弁２３を開き洗浄液を循環する。

したがって、この洗浄液で極板３の表面が洗浄され、極
板表面がきれいにされるので、極板の酸化腐食による消
耗が著しく改善される。

また、極板表面に析出する固型分を洗浄して除去し、極
板表面の電気抵抗を小さくして、正常な電着塗装を維持
することができる。

なお、洗浄液は、酸化腐食した極板表面を洗浄できるも
のであればよいが、電着液に含まれる溶剤を使うことが
好ましい。

というのは、電着液に含まれる溶剤は必然的に隔膜室内
にも存在するので、洗浄液として使用した溶剤がきれい
に隔膜水と入れかわらなくても問題ないからである。

また切換弁の数、位置はこの実施例に限られるものでは
なく、循環管路と洗浄液管路との接続部に設けるように
してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す概略図、第２図は、
電着槽の拡大断面図である。 １・・・・・・電着槽、２・・・・・・隔膜室、３・・
・・・・極板、４・・・・・・被塗物、９・・・・・・
隔膜水貯槽、１０・・・・・・ポンプ、１２・・・・・
・循環管路、１３・・・・・・洗浄液貯槽、１４・・・
・・・洗浄液管路、２０．２１．２２．２３・・・・・
・切換弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被塗物を陰極に、隔膜室内の極板を陽極に接続してカチ
   オン型電着塗装を行うものにおいて、電着槽外に設けた
   隔膜水貯槽および洗浄液貯槽と、隔膜室に対し隔膜水を
   給排水すべく隔膜室と隔膜水貯槽とを供給ポンプを介し
   て接続する循環管路と、隔膜室を洗浄すべく洗浄液貯槽
   を隔膜水貯槽と並列で循環管路に切換弁を介して接続す
   る洗浄液管路とからなり、隔膜水を洗浄液と入れかえて
   隔膜室を洗浄するようにしたことを特徴とする隔膜室内
   の洗浄装置。