JPS5929937Y2 - 熱分解炉のごみ層高調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱分解炉のごみ層高調節装置に関するものであ
り、その目的は、熱分解炉を連続運転する場合において
、ごみ質に応じた運転制御を容易かつ確実ならしめると
同時に、炉内に生じるブリッジあるいはチャンネリング
等の各現象の発生を効果的に防止することにある。

従来の熱分解炉は、第１図、第２図に示されるように、
炉壁ＩＡ、ＩＢ内の中央上部にごみ投入ホッパ２Ａ、２
Ｂを固定し、このホッパ２Ａ、２Ｂのごみ通路３Ａ、３
Ｂをダンパ４Ａ、４Ｂあるいはホッパ２Ｂの投入口を蓋
５Ｂで開閉することができるようになっている。

このようなものにおいては、ごみａは、炉内状態を均一
にするために、炉内中央上部より炉内へ投入される。

図示したようなシャフト形熱分解炉の運転制御因子とし
ては、こみ質と処理量に応じて炉内へ吹込む燃焼用空気
量、燃焼帯温度制御用水蒸気量、循環ガス量、炉内ごみ
層高、炉内灰層高等がある。

そこで前記諸因子のうち炉内ごみ層高を制御するのは、
ごみ質が変化するとき、炉内でのブリッジあるいはチャ
ンネリングの発生時等である。

第１図に示されたごみシール形連続投入式ホッパ２Ａを
有するシャット形熱分解炉にあっては、ごみ自体が運転
中のガスシール材として作用するので、炉内が正圧に保
持されている場合に熱分解反応の安定性が確保される。

しかしごみ質の変化に追従させて炉内ごみ層高を変動さ
せたり、ブリッジあるいはチャンネリングの発生時やご
み層立上げ時、運転失敗による熱分解不持続時に必要と
されるごみ層高の変動を起こさせることは、ホッパ２Ａ
が炉壁１Ａに固定されている関係上、困難である。

一方、第２図に示されたダンパシール形間欠投入式ホッ
パ２Ｂを有するシャット形熱分解炉にあっては、ごみ投
入が間欠的に行なわれるのでごみ質に応じて炉内ごみ層
高を設定するのは容易であるが、ブリッジあるいはチャ
ンネリング防止のために炉内ごみ層高を変動させること
が困難である。

本考案は連続運転が可能であるにもかかわらず、ごみ質
の変動の際、あるいはブリッジ、チャンネリング発生時
において随時炉内ごみ層高を変動させることのできるも
のを提供するのであり、以下その実施例を第３図〜第５
図に基づき説明する。

６は炉壁であり、炉壁６の頂部にごみ投入ホッパ７が設
けられる。

ごみ投入ホッパＩはその投入口部７Ａに開閉蓋８を有し
、かつその出口壁７Ｂが炉内上部において下向きに突設
される。

こみ出口壁７Ｂは角筒状をなし、その各面部に昇降板９
が配置される。

すなわち昇降板９は、その裏面上端部にカイトローラ１
０を有し、このローラ１０が前記出口壁７Ｂの各面上に
倣わされ、筐た昇降板９の側端縁が前記出口壁７Ｂに固
定されたガイド枠１１のガイド溝１１Ａに内嵌される。

各昇降板９には各別に昇降駆動装置１２か連動連結され
る。

昇降駆動装置１２は、一端が昇降板９の上端に連結され
かつ炉外へ導設されたワイヤ１３と、このワイヤ１３の
巻込繰出モータ１４と、ワイヤ１３の中間部が巻掛けら
れた滑車１５を有する。

このように、昇降駆動装置１２をワイヤ１３、モータ１
４、滑車１５で構成すれば昇降板９の上下動を遠隔制御
することができる。

１６は計深装置１７は熱分解ガス導出ダクト、１８は攪
拌翼である。

以上においてごみ投入ホッパＴには常時ごみａを貯留し
ておき、炉内に一定層高のごみ層ａ１を形成させ、熱分
解反応を行なわせる。

ごみ層高は計深装置１６により計測する。

ごみ質に応じてごみ層高を変動させる場合には、昇降駆
動装置１２を正又は逆作動させて、昇降板９をガイド枠
１１内部とその下部との間〔ホッパＴのごみ出ロアｃと
上位と下位との間〕で昇降させ、定位置に設定する。

この場合、第３図仮想線で示されるように、昇降板９が
下降限にあるときはごみ層高りが最小となり、同図実線
で示されるように、昇降板９がガイド枠１１内の上昇限
にあるときはごみ層高Ｈが最大となる。

なお最大ごみ層高Ｈを形成させる場合、その層高Ｈはホ
ッパ出口壁７Ｂの下端レベルにより決定される。

最大ごみ層高Ｈと最小ごみ層高りとの中間レベルのごみ
層高を形成させることも勿論できることである。

筐た、炉内でチャンネリングが生じた場合には、チャン
ネリングが生じた側の昇降板９のみを上昇させ、その部
分のみのごみ層高を大きくしてこれを防止する。

ブリッジが生じた場合は、複数の昇降板９の全部又は一
部を上昇させ、全体的あるいは局部的にごみ層高を大き
くする。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、熱分
解炉の連続運転中におけるごみ質の変動に追従して炉内
ごみ層高を調節することができる上）炉内でのブリッジ
あるいはチャンネリングの発生をも同時に防止し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例の断面図、第３図〜第５図は本
考案実施例を示しており、第３図は断面図、第４図は要
部拡大断面図、第５図は第４図におけるＸ−Ｘ断面矢視
図である。 ６・・・・・・炉壁、１・・・・・・ごみ投入ホッパ、
７Ｂ・・・・・・ごみ投入ホッパ出口壁、ＴＣ・・・・
・・ごみ出口、９・・・・・・昇降板、１０・・・・・
・ガイドローラ、１１・・・・・・ガイド枠、１２・・
−・・昇降駆動装置、１３・・・・・・ワイヤ、１４・
・・・・・モータ、１５・・−・・滑車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉内上部にごみ投入ホッパのとみ出口壁が下向きに突出
   せしめられた熱分解炉において、前記出口壁の周囲を囲
   むように、前記ホッパのとみ出口の上位と下位との間で
   上下動可能に複数の昇降板を設け、これらの昇降板を各
   別の昇降駆動装置に連動連結したことを特徴とする熱分
   解炉のごみ層高調節装置。