JPS5929558B2 - 半絶縁性砒化ガリウム結晶 - Google Patents

半絶縁性砒化ガリウム結晶

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JPS5929558B2
JPS5929558B2 JP54135275A JP13527579A JPS5929558B2 JP S5929558 B2 JPS5929558 B2 JP S5929558B2 JP 54135275 A JP54135275 A JP 54135275A JP 13527579 A JP13527579 A JP 13527579A JP S5929558 B2 JPS5929558 B2 JP S5929558B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高比抵抗の砒化ガリウム結晶に関するもので、
従来のクロムをドープした半絶縁性砒化ガリウム、ある
いは酸素をドープした半絶縁性砒化ガリウムよりも熱的
に安定な半絶縁性砒化ガリウムを提供するものである。
半絶縁性砒化ガリウム結晶は主として各種マイクロ波素
子、光学素子等の基板や赤外線の変調材料として使用さ
れ、上記基板上に上記素子に使われる結晶を成長あるい
は加工する際、上記基板の電気特性が熱的に安定である
ことが不可欠の条件となっている。
従来、3000゛にでの比電気抵抗が106Ω・】以上
の砒化ガリウム結晶としては、大別して1 クロムをド
ープした砒化ガリウム2 酸素をドープした砒化ガリウ
ム がある。
この他、フローティング・ゾーン精製した砒化ガリウム
、銅または鉄などをドープした砒化ガリウムがあるが、
これらはいずれも比電気抵抗や結晶欠陥濃度のコントロ
ールの因難性が難点となつている。2の結晶の電気的特
性は1の結晶の特性と非常によく似ているが、熱的な安
定性がよくないという難点がある外、ドーピング制御が
困難な為工業的な量産に向かないと言われている。
特に浅いドナーとしての残留シリコンの濃度の制御が困
難である。アルミナや窒化硼素の容器を用いれば比較的
容易であるが、前者は機械的にもろく、後者は非常に高
価であるという欠点がある。工業的に有利な石英容器を
用いる場合には、残留シリコンの濃度を制御するために
後述のような特殊な技術が必要である。又1の結晶は、
砒化ガリウムに対するクロムの分配係数が約5.7×1
0−4と小さい為にドーピング制御が困難であり、電気
的特性を安定に得るために過剰なクロムをドープすると
、転位密度、析出物等の欠陥が多く発生し、又クロムを
少量ドープした際には、熱的に不安定となる場合が多い
という難点がある。又、分配係数が小さい為にクロムを
大量にドープする必要があるが、そのように大量のクロ
ムをドープした場合には組成的過冷却現象が起こる欠点
があり、そのため小量のクロムを添加すると、そもそも
クロムは浅い不純物濃度以上にドープしなければならな
いものであるため、クロム添加の効果が不充分となる欠
点がある。本発明の目的は、上記1、2両者の欠点であ
る、ドーピング制御の困難性、および結晶の電気的特性
の熱的不安定性を少くし、あるいはなくし、しかも結晶
性の優れた半絶縁性砒化ガリウムを提供せんとするもの
である。
従来の酸素ドープ半絶縁性砒化ガリウムの最大の欠点で
ある熱的不安定性については、文献によれば次の如く述
べられている。
すなわち酸素ドープ半絶縁性砒化ガリウムは、7000
Kで106〜108Ω・?の比電気抵抗を示すが、65
0℃以上の温度で熱処理すると、熱処理温度が低いとき
は約1Ω・礪、高いときは約103〜104Ω・?の比
電気抵抗に変化してしまう。又、酸素ドープ半絶縁性砒
化ガリウムの歩留りは50%程度である事が述べられて
いる。例えはソリツド・ステート・コミユニケーシヨン
(SOlidStateCOmmunicatlOn)
巻4、33〜36頁(1966年)、ジエイ・エム・ウ
ツダール・ジエイ・エフ・ウツズ(J.M.WOOda
llandJ.F.WOOds)著、「酸素中で成長さ
せた結晶の熱処理中アクセプターを析出させることによ
り0.5〜103Ω・儂の砒化ガリウムを製造する方法
」に記載されている。本発明者等は、酸素ドープ半絶縁
性砒化ガリウムの熱的不安定性について調べたところ、
熱的に不安定な半絶縁性砒化ガリウム中には約1015
?−3以上のシリコンが含まれて(・ることが分つた。
その詳細については本発明者らの先の発明、特願昭45
−44265(昭45、5、23付)に記されている。
上記内容の真実性は、ジャーナル・オブ・エレクトロケ
ミカル・ソサイエテイリソリツド・ステー・サイエンス
(J.ElectrOchem.SOc.:SOLID
STATESCIENCE)巻118、301〜306
頁(1971年)、エム・イ一・ワイナ一、デイ一・テ
イ一・ラソタ、ビ・シユワルツ(M.E.Weiner
..D.T.LassOtaandB.Schwart
z)著「液体カプセル法による砒化ガリウムの引上」に
記載されている如く、高純度アルミナるつぼを用いて引
上げた砒化ガリウム結晶は、比電気抵抗が2X107〜
6X107Ω・?で熱的にも安定であるが、同結晶中の
残留シリコン濃度が極めて低いこと、一方石英るつぼで
引上げた砒化ガリウムの比電気抵抗は105Ω・?程度
であり、熱的にも不安定であるが、これは残留シリコン
濃度がかなり高いとしていることからも理解できる。
上記の事実から、従来の酸素ドープ半絶縁性砒化ガリウ
ムの熱的不安定性は次の様に説明することができる。す
なわち、この様な砒化ガリウムは、浅いドナー不純物で
あるシリコンの1015C!il−3以上と、深いドナ
ー不純物を形成する酸素の約1015〜1018cTn
−3と、アクセプター型の格子欠陥の約1015〜10
17CfL−3、並びに少量のドナー型の格子欠陥を含
んでいると考えられるが、熱処理によつてアクセプター
型の格子欠陥の濃度が1015?−3程度以下に減少す
ると、フエルミ準位は酸素レベルから伝導帯に近づき、
その結果、低抵抗のN型半導体に変化してしまうわけで
ある。なお、住友電気電子部品材料特集号(1971年
7月)第9〜16頁にも、酸素ドープ半絶縁性砒化ガリ
ウムの熱的安定性の条件としてシリコンの汚染の除去が
重要であることが述べられている。しかし、このような
半絶縁性砒化ガリウムは浅いドナー型格子欠陥が増えた
り、浅い残留アクセプター型格子欠陥が大きく減少する
ような熱処理条件に対しては安定性を維持できない。又
、クロムと酸素の同時添加の条件や効果についての示唆
はない。上記の酸素ドープ半絶縁性砒化ガリウムの熱的
不安定性に対する説明は、クロムドープ半絶縁性砒化ガ
リウムに対しても、ドナー型不純物または欠陥をアクセ
プター型不純物または欠陥に入れ換えることにより、全
く同様にあてはめることができる。
すなわち、クロムをドープした半絶縁性砒化ガリウムは
多くの場合、比較的浅いアクセプター型の格子欠陥また
は不純物の約1015〜1017礪−3と、深いアクセ
プター不純物を形成するクロムの約1015〜1018
cTfL−3と、浅いドナー不純物または格子欠陥の1
015CfrL−3程度以上を含んでいると考えられる
が、熱処理によつてドナー型格子欠陥が比較的浅いアク
セプター型格子欠陥または不純物の濃度以下になると、
フエルミ準位はクロムレベルから価電子帯側に近づき、
その結果低抵抗のP型半導体に変化してしまうわけであ
る。特公昭42−14964号公報にも、浅いアクセプ
ター不純物が多い場合には、いくらクロムを添加しても
クロムによる補償効果は期待できない旨が記載されてい
る。又、上記住友電気電子部品材料特集号には、シリコ
ン濃度を極力小さくして少量のクロムを添加することを
示唆しているが、やはり浅いドナー型格子欠陥が増えた
り、浅い残留アクセプター型格子欠陥が大きく減少する
ような熱処理条件に対しては安定性を維持することがで
きない。本発明は、上記の欠点を解消するもので、熱的
に安定な新規な半絶縁性砒化カリウム結晶を提供するも
のである。
本発明は、石英ボードまたは石英るつぼを用い、酸素ま
たは金属酸化物の存在下で成長させられた、3000K
における比電気抵抗が106Ω・?以上の酸素ドープ砒
化ガリウム結晶において、深いアクセプター不純物であ
るクロムを深いドナー不純物である酸素と共に含み、電
気的に活性な酸素の濃度とクロムの濃度との総和が電気
的に活性な浅い不純物の濃度の総和よりも大きく、史に
電気的に活性なクロムを含むアクセプター不純物の濃度
の総和がドナー不純物の濃度の総和より大きく、浅いア
クセプター不純物の濃度がドナー不純物の濃度の総和よ
り小さく、かつクロムの濃度が約2,5×1017cT
n−3を越えないことを特徴とする熱的に安定でかつ結
晶欠陥の少ない半絶縁性砒化ガリウム結晶である。
以下、本発明を図面により説明する。
第1図、第2図および第3図はエネルギーバンド図で、
それぞれクロム型、酸素型および本発明による半絶縁性
砒化ガリウムの電子状態を示している。
第1〜3図におい−(1.1(N8O)は浅いドナー不
純物準位の濃度、2(N8A)は浅いアクセプター不純
物準位の濃度、3(NOD)は深いドナー不純物準位の
濃度、4(NDA)は深いアクセプター不純物準位の濃
度、5(Ef)はフエルミ準位、6は伝導帯、7は価電
子帯を示している。第1図のNDAをクロム不純物、第
2図のNDDを酸素不純物の各準位と考えれば、クロム
型、酸素型のいずれの場合もフエルミ準位が深い準位の
近傍にあり高比抵抗となることが理解できる。
しかしながら、第1図において、熱処理によりNSDの
席数が1つ減少するか、NSAの席数が1つ増加すると
、Efは急激にNSAの準位に近づきP型の低抵抗結晶
に変化する。一方、第2図においても、熱処理によりN
SDの席数が1つ増加するか、NSAの席数が1つ減少
すると、Efは急激にNSDの準位に近づきN型の低抵
抗結晶に変化することは、酸素型半絶縁性砒化ガリウム
の熱的不安定について前述した通りである。第3図は本
発明による半絶縁性砒化ガリウムのエネルギー・バンド
図で、上記熱的不安定性の問題を効果的に改善している
。すなわち、第3図において、熱処理中、NSDの席数
が完全に消滅しても、2つ席数が増加しても、あるいは
NSAの席数が完全に消滅しても、3つ席数が増加して
も、Efの位置はNDD.NDAの準位近傍にあり、高
抵抗のままであることが容易に理解できる。上記の説明
は・NSD・NSA・NDD−NDAの席数を仮定した
場合のものであるが、それぞれの席数の違つた個々の場
合についても、上述の説明の通り、本発明による結晶は
N8O.NSAのいずれの変動に対しても熱的に安定で
あることが理解される。第3図において、フエルミ準位
(Ef)が3の準位の近傍にある条件はNDD+NSD
>NDA+NSA>N8O、又Efが4の準位の近傍に
ある条件はNDA+NSA>NDD+N8D>NSAで
あることが上記の説明から明らかである。
そして更にNDD+NDA>NSD+NSAのときに熱
的に安定な半絶縁性砒化ガリウム結晶が得られるわけで
ある。本発明によれば、更に、従来のクロム型半絶縁性
砒化ガリウムの難点の1つであつた結晶性の改善が容易
に行われる。
すなわち、砒化ガリウム中のクロムの分配係数は著しく
小さく、従つて高比抵抗の結晶を得るためには、クロム
を多量にドープする必要があるため転位、析出物等の結
晶欠陥が多く発生する。しかるに本発明に示す如く、深
いドナーおよびアクセプターの両者をドープさせること
により、クロム等の深いアクセプター不純物の溶解度を
高めることができるので、結晶欠陥の少い結晶が得られ
る。第3図のように深いドナー不純物である酸素と深い
アクセプター不純物を同時に含む砒化ガリウムにおいて
、深いアクセプター不純物を多量に添加するとEfが4
の準位の近傍となり、例えば鉄のようなエネルギー準位
がクロムの場合よりも価電子帯に近い場合には鉄の準位
で決まる比電気抵抗に下つてしまう。
しかし、クロムの場合は、クロムの大過剰添加が電気抵
抗の低下をもたらさないことは特公昭42−14964
号公報に記載された通りである。
例えば、最大360ppm(キ504at0micpp
mキ2、2X1019c!RL−3 )のクロムを添加
してもよいことが記載されている。しかしながら、実際
には、クロム濃度が約2.5X1017CWL−3以上
になると析出物や転位等の結晶欠陥が急増することは以
下の実施例に記す通りであり、クロムと酸素を同時に含
ませてクロムの添加量を過大としないことが重要である
。次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例 1第4図は、三つの温度帯をもつ電熱炉内で水
平式ブリツジマン法により、本発明の実施例の半絶縁性
砒化ガリウム結晶を製造する方法を説明する図で、電熱
炉の温度分布曲線とともに、電熱炉の断面図および砒化
ガリウムを収容した石英反応管の断面図を示すものであ
る。
図において、横軸は炉内の位置を、縦軸は温度を表わす
。11は電熱炉の温度分布曲線で、T1=1250〜1
270℃、T2=1100℃〜1200℃、T3一60
5℃〜630℃なる三つの温度帯をもつている。
Tmは砒化ガリウムの融点を示し、Tm=1240℃で
ある。12,13,14はそれぞれT1ゾーン、T2ゾ
ーン、T3ゾーンの電熱炉の断面、15はこれらの炉内
に置かれた透明石英反応管、16は内径約31!lの細
孔(キャピラリ一)20ををもつ透明石英製隔壁、17
は透明石英反応管内に置かれた透明石英ボード、18は
透明石英ボード17内で合成された砒化ガリウム融液、
19は砒素(As)ガスの圧力を制御する透明石英反応
管15内に収容された過剰の砒素である。
先ず、99.9999%のガリウムの100f7と、比
電気抵抗100Ω・儂以上の高純度シリコンの6W9と
、99.999%のクロムの100ηが、透明石英ボー
ド17の中に収容され、99.9999%の砒素の12
0Vが透明石英反応管15の低温室に収容され、AS2
O3粉末の30ηとともに真空封入された。
次いで、石英反応管15を炉内に挿入すると、AS4ガ
スがCa中に溶け込んで、砒化ガリウム融液が形成され
る。添加されたシリコンは、AS2O3とGaから生じ
たCa2Oガスと反応して、SlO2の形で石英ボーカ
7や砒化ガリウム融液18の表面に除去さね結晶中の残
留シリコンは通常1015CT1L−3以下に減少させ
られる。以上の方法で得られた砒化ガリウム結晶(全長
20〜30cTr1)は、転位密度が500〜5000
礪−2であり、殆んどの部分は1000cTrL−2以
下であつた。
この結晶の残留不純物量を質量分析装置で定量したとこ
ろ、シリコンは0.1ppm(+0.26at0mic
ppm)以下、クロムは0.2ppm(+0.28at
0micppm)であつた。又各温度で比抵抗を測定し
たところ第6図に示すような特性が得られた。第6図は
上記の方法で製造された砒化ガリウムをフアン・デル・
パウの方法で比電気抵抗を測定した結果を示しており、
横軸は絶対温度の逆数を、縦軸は比電気抵抗の値を示し
ている。図において、実線で示したものは熱処理前の試
料の特性であり、点線で示したものはH2ガス雰囲気中
で800℃の温度で5時間熱処理して後表面を軽くエツ
チングした後の特性であつて、比電気抵抗、活性化エネ
ルギーがともに殆んど変化しないことがわかる。上記と
全く同じ方法で、クロムの添加量を30ηから3000
ηまで変化させて得られた砒化ガリウム結晶について、
上記と同様の測定を行なつた結果、熱処理前も熱処理後
も第6図に示す特性に近いものが得られた。
しかし、結晶性の点では、クロムを2000r11f以
上添加した結晶中には、析出物と考えられる異組成部が
生じ、転位密度も{111}Ga面で調べたところ、急
激に増加し始めることがわかつた。クロムを2000r
!19以上添加すると、前記分析値0.2ppm(キ0
.28at0micppm)のクロム量の場合(ト)0
0η)の20倍なので、クロム濃度は約4ppm(+5
.6at0micppmキ2.5X1017CTrL−
3)となる。この量を越えると急激に結晶欠陥密度が増
加し始めるわけである。一方、上記と同様な方法でクロ
ムを添加しないで成長させた砒化ガリウム結晶について
、上記と全く同様な測定を行つたところ、大部分第6図
と同様な結果が得られたが、一部熱処理後N型の低抵抗
に変化するものが生じた。
これら結晶について質量分析により残留ゾリコン濃度を
定量したところ、熱処理後低抵抗に転する結晶は残留シ
リコン濃度が0.1ppm(+0.26at0micp
pm)以上存在することがわかつた。
これはシリコン濃度約1×1016cTn−3に相当す
る。このことから、結晶中のアクセプター型格子欠陥の
濃度がほぼ1016cTn−3程度またはそれ以上で熱
処理により1016?−3以下に減少することがわかる
。次に、クロムを添加する代りに純度99.999%の
鉄をドープした場合について同様の測定を行つた先ず、
鉄を100ワドープして成長した砒化ガリウム結晶につ
いて、質量分析により残留不純物を定量したところ、鉄
が0.3ppm(+0.39at0micppm)程度
で、シリコンは0.1ppm(+0.26at0mic
ppm)以下であつた。
また同結晶の比電気抵抗に対する温度依存性を調べたと
ころ、第6図と殆んど同じ結果で、同様の熱処理を行つ
た後も、第6図と殆んど同じ結果が得られた。また転位
密度も大部分1000CTfL−2以下であつた。上記
と同じ方法で鉄の添加量を20W9から2000ワまで
変化させて得られた砒化ガリウム結晶について、上記と
同じ測定を行つたところ、鉄の添加量が20ηから約8
00ヮまでは第6図と殆んど同じ結果であつたが、約8
00ηを超えると比電気抵抗が急速に低下し、3000
Kの比電気抵抗が104Ω・?程度になることが確認さ
れた。
すなわち鉄を約800ワ添加すると酸素濃度に打ち勝つ
てしまうことがわかる。前記分析値0.3ppm(+0
.39at0micppm)の鉄の量の場合(100ヮ
)の8倍なので、鉄の濃度は約2.4ppm(+3.1
2at0micppm)すなわち約1.4×1017?
−3となるが、本実施例における砒化ガリウム中の酸素
濃度も約1.4×1017?−3であつたことがわかる
。以上をまとめると、NDD(酸素)+1.4×101
7(1771−3、NsD(主にシリコン)+1X10
16cTn−3)NSA(残留アクセプター)≧1×1
016cTrL−3、NDA(クロム)≦2.5X10
17?−3となり、NDA+NDD>NSD+NSAお
よびNDD+NSD>NSAを満たしている。
またクロムの準位の近傍にEfが来るようにするには、
NDA(クロム)〉NDD(酸素)とすればよく、この
場合には、NDA+NSA〉NDD+NSD>NSAの
条件を満たすことがわかる。上記クロムを添加しない砒
化ガリウムの熱処理実験からNSAが1016(1−3
に比してそれ程大きくないことも注目すべきである。実
施例 2 第5図は、液体カプセル引上法により、本発明の他の実
施例の半絶縁性砒化ガリウム結晶を製造する方法を説明
する断面図である。
図において、耐圧容器21の中に設置された高純度カー
ボン製のサセプター23の中に高純度石英るつぼ27が
設置され、その中に高純度砒化ガリウム多結晶約1k9
と、Ga2O3粉末の500ηと、99.999%のク
ロムの500ηが収容された。耐圧容器21の中は約2
気圧程度の窒素ガス24が満たされ、砒化ガリウム多結
晶28の表面に置かれた酸化ボロン(B2O3)29と
接している。次に高周波コイル22で砒化ガリウム多結
晶28が室温から徐々に1250℃程度まで加熱させら
れる。しかる後に、予め、引上軸25の先端のチヤツク
26に取り付けられた砒化ガリウム種結晶30がB2O
3融液を通して砒化ガリウム28の融液の表面に接触す
るまで引き下げられた後、毎分10回の回転を加えなが
ら1時間に1CfLの割合で引き上げられた。引き上げ
られた砒化ガリウム結晶は質量分析の結果、シリコンが
0.1ppm(+0.26at0micppm)程度と
クロム0.3ppm(キ0.42at0micppm)
程度を含むことがわかつた。
電気的特性については、実施例1に示すと全く同じ方法
で熱処理前後の比電気抵抗の温度特性を測定した結果、
第6図に示すと殆んど同じ特性であつた。又結晶性につ
いても、全インゴツトにわたつて転位密度が10000
CTfL−2以下であつた。上記と同じ方法でクロムを
添加しない場合について、上記と同様に得られた砒化ガ
リウム結晶の電気的特性を測定した結果、3000Kの
比電気抵抗が1〜105Ω・?程度であつた。
又、るつぼ材として高純度アルミナを用い、上記と同じ
方法で成長させた砒化ガリウム結晶の特性を測定した結
果、クロムの量は0.3ppm(キ0.42at0mi
cppm)程度で上記と同じであつたが、シリコンの量
は検出できないぐらい微量{0.1ppm(キ0.26
at0micppm)以下}で、比電気抵抗の温度特性
は第6図と殆んど同じであつた。
尚、クロムを添加しないものでも、ほぼ同じ特性となつ
たが、結晶が最後に固まつた部分に1部やや抵抗が下が
るものがあつた。
このことから、やはりアクセプター型格子欠陥の濃度が
ほぼ1016?−3程度またはそれ以上であることがわ
かる。
次に、クロムを添加する代りに、純度99.999%の
鉄を500rf19添加した場合について同様の測定を
行つた。
その結果、石英るつぼの場合もアルミナるつぼの場合も
ほぼ同様の特性となつた。又添加する鉄の量を3000
ワ以上にすると比電気抵抗が急速に低下し、300以K
の比電気抵抗が104Ω・?程度となつた。実施例1の
鉄の分析値との比較から酸素濃度が約1×1017cm
−3であることがわかる。クロムを前述のように結晶欠
陥が急増しない範囲でl×1017cm−3程度以上添
加すれば更に熱的に安定な半絶縁性砒化ガリウムが得ら
れることはいうまでもない。
本実施例では、実施例1と異なり、Ga2Oガスの発生
し得る空間がないので、添加したGa2O3は直接分解
して砒化ガリウム融液28中に酸素の形で溶け込む。
以上の実施例で詳述したように、浅いアクセプターが浅
いドナーの濃度と同等又はそれ以上存在しても、深いア
クセプター不純物であるクロムと深いドナー不純物であ
る酸素が同時に存在していることにより、熱的に安定な
半絶縁性砒化ガリウムが得られていることがわかる。
また、クロム添加量を制限することにより析出物、転位
等の結晶欠陥を少くすることができる。上記の説明は本
発明の特定実施例に関連して記述したものであるが、同
様の効果は帯域溶融法、温度傾斜凝固法等により製造さ
れた砒化ガリウム結晶においても得られることはいうま
でもない。
また実施例1、2において、ガリウム約507につきシ
リコンの量0.1〜200η、AS2O3の量0,5〜
200Tf9の範囲で変化させても同様な効果があつた
。しかし、この場合、AS2O3の量はSiをSiO2
として酸化除去するに必要な量(ゾリコン添加量の4.
71倍)よりも多い方が望ましく、又砒素メタルは一般
にわずかに酸化しているので、酸化によるAS2O3の
増加も考慮すべきである。以上述べた如く、本発明は3
00加Kにおける比電気抵抗が106Ω・?以上の熱的
に安定な半絶縁性砒化ガリウムを提供するもので、高品
質かつ再現性よく製造しうるものであり、プレーナ素子
等のマイクロ波素子の発展に貢献することが期待される
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の基本原理を説明するための砒
化ガリウム結晶のエネルギーバンド図で、第1図は従来
のクロム型、第2図は従来の酸素型、第3図は本発明に
よるものを示している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 石英ボードまたは石英るつぼを用い、酸素または金
    属酸化物の存在下で成長させられた、300°Kにおけ
    る比電気抵抗が10^6Ω・cm以上の酸素ドープ砒化
    ガリウム結晶において、深いアクセプター不純物である
    クロムを深いドナー不純物である酸素と共に含み、電気
    的に活性な酸素の濃度とクロムの濃度との総和が電気的
    に活性な浅い不純物の濃度の総和よりも大きく、更に電
    気的に活性なクロムを含むアクセプター不純物の濃度の
    総和がドナー不純物の濃度の総和より大きく、浅いアク
    セプター不純物の濃度がドナー不純物の濃度の総和より
    小さく、かつクロムの濃度が約2.5×10^1^7c
    m^−^3を越えないことを特徴とする、熱的に安定で
    かつ結晶欠陥の少ない半絶縁性砒化ガリウム結晶。
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