JPS5929498B2 - 密封金属缶 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、防湿包装用に好適な密封金属缶に関するもの
である。

本発明の目的は、容易に切断して開封することのできる
気体不透過性の薄膜を用い、これを均一に張設してシー
ルし、開封後必要なら再び密閉することのできる金属缶
を提供することにある。

本発明の実施例を図面について説明すると、缶本体１の
開口部内側に、気体不透過性の薄膜２の周縁を巻き込ん
で下方をシールした短筒状部材３を嵌合し、該部材３の
上方を外側に折り返し巻締めして密封したことを特徴と
するものである。図中、５は中蓋、６は外装蓋を示すも
のである。本発明の構成上、缶本体１の開口部は、その
胴部よりも小径とすることがよく、それは前記短筒状部
材３の上方４と巻締めした場合に、該部分が胴部よりも
外側に突出するのを避け、外装蓋６の嵌着を容易にする
ことができるからである。また、薄膜２については、ア
ルミニウムホイルやポリエチレン、塩化ビニル等の合成
樹脂フィルム、合成樹脂の被膜を施こした紙等の気体不
透過性の素材を用いるものとし、下面全体には、あらか
じめ感熱接着剤（図示せず）を設けてあるが、少くとも
下面周縁部に設ければよい。なお、前記素材の上面に、
必要により、ニスのごとき被膜を設けることも好ましい
ことである。

この薄膜２の周縁部分を巻き込んで、前記短筒状部材３
の下方をシールするには、次のとおり行うものである。
それは、短筒状部材３の内側に形成した環状の突縁部Ｔ
に、平皿状の薄膜２の周縁を短筒状部材３の内側に沿わ
せながら載せ、短筒状部材３の下端縁をカールさせ突縁
部Ｔの下方で巻き込むものであり、その後に加熱するこ
とによつて薄膜２に設けた感熱接着剤で強固にヒートシ
ールされることとなるものである。

上記した構成は、以下のごとき製造工程に従つた場合、
効果的であり、不良品の派生を極力防止することのでき
るものであつて、規格化した良品が得られるものである
。

すなわち、短筒状部材３について、それのみを、まず、
第３図示例の状態とは逆に倒立させた状態に設定する。

次に、アルミニウムホイルのごとき薄膜２について、そ
の径を短筒状部材３のそれよりやや大きい平皿状に形成
し、周縁部を短筒状部材の内側に沿わせて前記突縁部７
上に載せ、短筒状部材３の下端縁を内側に巻回して、薄
膜２を余裕をもたせて巻き込み張設するものである。

このようにして、突縁部７の下方に巻込部８が連設され
ることとなる。

上記の工程を経て来た薄膜２を張設せる短筒状部材３を
、缶本体１に巻締めすればよいものである。

その場合、開口部をやや小径となした缶本体１の内側に
、薄膜２が下方となるように、短筒状部材３を嵌合し、
その上方４を外側に折り返して缶本体１と共に巻締めす
る。なお、缶本体１のサイドシームには、感熱接着剤の
塗着層を介在させることが最も好ましい。

かくしてから、短筒状部材３を巻締めした缶本体１につ
いて、加熱炉の中に通過せしめるのである。この炉内の
通過に伴い、金属製の短筒状部材３が熱膨張しその径が
大きくなつて、薄膜の緊張を来たし、かつ薄膜２の接着
剤は熱により溶けて短筒状部材３の巻込部８内で薄膜の
周縁がスリツプを生ずることとなる。

そのため、薄膜２が緊張しても、引きつれ又は引き裂き
を確実に防がれるものである。

薄膜２自体は冷えるに従い弛緩し、いわばたるみを生じ
るので、その防止のため、加熱中に薄膜に当て板（図示
せず）を当接すればよく、かくすることによつて、爾３
図のごとき薄膜が巻込部８の内方環状外周面に沿つて落
ち込んでいる形状のもとに薄膜を均一に張設せしめるこ
とができるのである。

本発明の構成上、短筒状部材３の上方４を外側に折り返
して巻締めする場合、缶本体１の開口部との間に、合成
樹脂またはゴム等の軟弾性物質９を介在させることによ
り、缶本体１にサイドシームがあつても、気密にシール
することができる。

以上のとおり、本発明は、缶本体１の口部内側に、気体
不透過性の薄膜２周縁を巻き込んで下方をシールせる短
筒状部材３を嵌合し、該部材３の上方４を外側に折り返
して巻締めしたので、簡易に密封性が得られると共に、
缶切り等の用具を使用しなくとも、容易に薄膜２を破つ
て開封することができるものである。また、本発明によ
れば、上方４を巻締めした短筒状部材３の内側に中蓋５
を嵌挿する場合、該中蓋が突縁部７の存在により、薄膜
開封前においては、直接薄膜に当接して亀裂を生じさせ
ることもなく、更に開封後、薄膜の残余により密封を妨
げられることもない。

しかも、本発明は、薄膜２の周縁が短筒状部材３の下方
で巻き込まれてシールされているので、単に接着剤で貼
り合せた場合と異なり、強固にシールされることとなる
ものである。

従来からの技術思想として、缶本体の開口部と短筒状部
材との間に、前記した薄膜を挟んで巻締めすることが知
られているが、それは巻締めのときの衝撃により薄膜が
損傷し、特に、缶本体のサイドシームの突出部分におい
てその傷みがひどくなりがちであつた。

しかるに、本発明によると、上記在来技術が有していた
欠点は全く発生しないこと、薄膜を均一に張設できるこ
と、ヒートシールによる気密性が向上したこと、薄膜を
切除して開封する時に手指を損傷するおそれが全くない
ものである。

また、在来品の場合、それらの多数本を、例えばダンボ
ールケースとか、通い箱に収納して搬送するような場合
において、往々にして、何等かの外部的衝撃を受けると
、缶自体にわずかながらでも歪みや変形が起り、その結
果、緊張状態にある張設した薄膜に引き裂き等が生じて
しまうという欠点があつた。

ところが本発明によれば、前述したように、薄膜２が巻
込部８の内方環状外周面に沿つて落ちこんでいて、ゆと
りのある段落（凹陥）状態を呈しているので、前記缶自
体の歪みや変形等があつても、それに頃応し、引き裂け
等を未然に防止するというすぐれた効果を発揮するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る密封金属缶の実施例を示し第１図は
斜視図、第２図は分解説明図、第３図は要部拡大説明図
、第４図は構造の設明図である。 １・・・・・・缶本体、２・・・・・・薄膜、３・・・
・・・短筒状部材、４・・・・・・短筒状部材の上方、
５・・・・・・中蓋、６・・・・・・外装蓋、７・・・
・・・突縁部、８・・・・・・巻込部、９・・・・・・
軟弾性物質。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下方に気体不透過性薄膜を張設せる短筒状部材を嵌
   合巻締めた缶本体を含む密封金属缶において；少なくと
   も周縁下面部に予め感熱性接着剤を設けた平皿状の気体
   不透過性薄膜を、該短筒状部材の内側に形成した環状の
   突縁部上に載せた後、該短筒状部材の下端縁を内方に巻
   回し余裕をもたせて巻込みシールして張設した巻込部を
   該突縁部の下方に連設し、この巻込部を下にした短筒状
   部材を缶本体の開口部内側に嵌合し、その上方を外側に
   折り返して巻締めた後、該巻込部の内方環状外周面に沿
   つて落ちこませ均一に張設せる薄膜となしたことを特徴
   とする密封金属缶。