JPS5929497B2 - 箱状物の仕切り及びそれを嵌插したコンテナ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カートンなどボール箱類、その他の箱類およ
びそれらの類似物等の箱状物内に通常自由に嵌挿される
型の、収納物の分離および保護を含む多目的に用いられ
る、仕切りおよびそれを嵌挿したコンテナ−に関するも
のであり、更に詳しくは本発明は、特に組合わされたボ
ール箱等箱状物からの仕切りの不注意による脱落を防止
でき、また一方その仕切りを意図的にとりはずすことが
可能な手段を含む係止離脱自在な仕切りおよびそれを嵌
挿したコンテナ−に関するものである。

従来、仕切り、例えば繊維から成る硬質仕切りは、ボー
ル箱で運送される如何なる製品をも保護できるようにす
るため、しばしばボール箱内にセル状仕様で嵌挿される
分離板または内部パッキングとして使われている。かか
る仕切りは、通常、空のまたは充填されたガラス容器の
破損または摩損に対する保護のために使われる。空のガ
ラス容器については、充填作業を行なう者は、通常段ボ
ール箱にパックされかつセル構造の内部仕切りで保護さ
れた空のガラス容器を含む全体として未充填のパッケー
ジを購入する。ガラス容器は、その充填者の自動解荷作
業をみこして、ガラス容器製造者によつて予めさかさま
にパックされる。

ここでの解荷作業は、充填作業を進める上でのガラス容
器をボール箱からとり出す工程を含んでいる。このガラ
ス容器のとり出し作業は、ボール箱を機械的にピックア
ップしそれを逆にして、充填作業の準備のため、容器の
上部を上にして容器をコンベア上に置くという自動化さ
れた公知の作業でなされる。このような解荷工程では、
嵌挿された仕切りがしばしばボール箱から容器と共にコ
ンベア上に脱落して、充填進路上に於ける空の容器の供
給工程を阻害する。このような仕切りの脱落は、通常ボ
ール箱の内面と仕切りの外側の垂直ヘリ部との摩擦が充
分でないことに起因する。

そのような仕切り自体は、基本的には縦及び横に係止さ
れた複数の細長片またはパネルで構成されていて、それ
らの長さ及び幅は、例えば±１，インチ（約０．８ｍ０
のように、相対的に細かい許容誤差範囲内にあるように
規制されている。段ボール箱の内部寸法では、通常、士
％インチ（約３．２ｍ０に規制されているが、これは士
乞，インチ〜±ｚインチ（約４．７６７！Ｌｍ〜約６．
３５ｍ０の範囲にまで変化しうる。これらの許容誤差の
組合わせが、ボール箱をさかさにしたとき仕切りのボー
ル箱からの脱落を許容する因となる。具体例として、仕
切りがわずかに大きめに作られていて、規定の寸法より
縦及び横に細長片が長いと、圧接されてその仕切りとボ
ール箱の内面間での強固な適合性が増加する。

しかし、もしボール箱の内部寸法が規定通りかまたは若
干小さいならば、ボール箱内への仕切りの挿入が困難と
なるか、または仮に挿入できたとしても、仕切りがボー
ル箱内に挿入されると惹起される長さ方向または横方向
の細長片の必然的な湾曲によつて、セルがゆがんでしま
う。このようなセルのゆがみは、ひいては自動梱包ライ
ンの防害を惹起せしめる。すなわち、容器製造装置でボ
ール箱に荷がつめ込まれているとき、大きめの仕切りの
使用でゆがめられたボール箱のセル内に、自動落下する
容器がうまく収納されない。このことは必然的に作業の
進路防害と容器破損等の問題としてあられれる。本発明
の基本的な目的は、好ましくは、ボール箱等箱状物から
の不注意による仕切りの脱落を防止せしめ同時に必要な
ときに意図的にとりはずしできるに充分な、仕切リヘリ
部と箱状物内表面間の係合を提供しうる適当な物質の適
用によつて、仕切りの外側垂直ヘリ部を改良した仕切り
及びそれを箱状物内に嵌挿したコンテナ一を提供するこ
とにある。本発明は上記目的を達成せんとするものであ
つて、本発明の箱状物の仕切りは、外側ヘリ部を有する
少なくとも一つの細長片またはパネルで構成された仕切
りであつて、そのヘリ部分は箱状物内壁表面に係合せら
れるものであり、かつ、そのヘリ部分の少なくとも一部
が、弾性物質を介して箱状物内壁表面に離脱自在に係合
されるように、構成されていることを特徴とするもので
ある。

また、本発明のかかる仕切りを嵌挿したコンテナ一は、
箱状物とその箱状物内に摺動可能に嵌挿された仕切りと
で構成されていて、その箱状物は内壁表面を有し、その
仕切りは箱状物の内壁表面に係合された垂直ヘリ部分を
有し、更に移動防止物質が主として仕切りの垂直ヘリ部
分に粘着付与せられていると共にその内壁表面と仕切り
の垂直ヘリ部を元の状態に保持したままその内壁表面か
らの離脱を可能ならしめるように内壁表面に粘着せられ
ていることを特徴とするものである。本発明のかかる目
的に特に合致するものとして見い出された物質の例とし
ては、スチレン−ブタジエン ラテツクスから成るもの
と理解されているゞグツドーライト（ＧＯＯｄ−Ｒｉｔ
ｅ）Ｂ一０１３７２５７０Ｘ１気グツドリツチケミカル
社製）がある。この物質は仕切りの一またはそれ以上の
ヘリ部に塗布され、弾性のある状態で、しかも乾燥され
た後でも、粘着性を保ち、かつ、箱状物内壁へ離脱可能
に粘着または、接着し得ると共に箱状物からの仕切りの
滑動による自然落下を防止するに充分な剪断抵抗を与え
るものである。また、この物質による主な粘着性が仕切
りの一またはそれ以上のヘリ部に付与されるから、仕切
りは容易に物理的に箱状物から離脱せしめられ、箱状物
の再使用に影響する損傷は与えられない。次に本発明を
図面について説明する。第１図は本発明の仕切りを例示
する斜視図で、ここには仕切りを嵌挿するボール箱等の
箱状物も仮想線で描かれている。

ここでの仕切り１の構造自体は基本的には従来と同じで
あつて、仕切り１を嵌挿する箱状物２内でセル４の境界
を決める、交錯係止された複数の細長片またはパネル３
で構成されている。

もし状況によつて是認されるなら、仕切り１は一枚のパ
ネル３で構成され得る。例示としては、１枚または２枚
以上の仕切りパネル３はその基本構造に於ては平面状を
有していて、その側部、上部および底部のヘリ部分も同
様に面を有している。第２図は、本発明の仕切り１を箱
状物２に嵌挿したコンテナ−５を例示しそれを逆さにし
たときの斜視図である。

第２図については、収納物、例えばガラス容器を充填操
作前に直ちにそこからとり出すために、しばしば箱状物
２を逆さにすることがある。これに伴つてまたはこのた
めに、個々のセル４内から収納物をとり出す前またはそ
れにひき続いて、仕切り１もまた逆さにされた箱状物２
から部分的にまたは完全に滑動してしまう可能性が極め
て大きい。箱状物２からの仕切り１のかかる滑動は、基
本的には、箱状物２の平滑な内壁表面６と仕切りパネル
３の平滑な外側の垂直なヘリ部７の間に作用する摩擦が
不充分なために起るのである。解荷作業中またはその他
の作業中に仕切り１が箱状物２から滑動しひいては離脱
する傾向は、箱状物２と仕切り１が嵌挿により組立てら
れるときの製造許容誤差や、大きめの寸法の仕切り１が
作られたことによる箱状物２またはその中のセル４のゆ
がみをどこまで避ける必要があるか、などそのときの置
かれた状況で変わるであろうが、仕切り１が自由に簡単
に脱落してしまうのは重要な問題である。ここでまた注
目しておきたいことは、コンテナ一を例示した横断面図
である第３図に示されるように、仮に仕切り１が箱状物
２内で傾いたとしても、その平滑な係合している表面で
は、普通には仕切り１の箱状物２外部への滑動を防止す
るにはなお充分ではないことである。またある梱包業界
でしばしば行なわれる例として、各仕切りピネル３の垂
直ヘリ部７に沿つて直角方向に端部を形成したり、また
は箱状物２の内壁表面６に仕切りパネル３のヘリ部７を
直接接着したりして、箱状物２内に仕切り１を永久的に
固定するものもあるが、これらの場合には、箱状物２の
破壊なしにかかる仕切り１を箱状物２からとり出すこと
はできない。このように、かかる箱状物２の場合には当
初意図した目的に合う用途以外の用途には使用できない
。例えば船での輸送目的には、分離や仕切り１および箱
状物２のそれぞれの倒潰はさほど問題にならない。本発
明は、所望により仕切り１のとり出しを可能ならしめる
と共に箱状物２から偶然に仕切り１が脱落するという懸
案の問題をユニークな方法で解決する手段を提供するも
のである。

この解決手段は、仕切りパネル３の箱状物２に相対する
垂直ヘリ部７の少なくとも一部に塗布等によつて、粘着
性のある弾性物質８を施し、仕切りパネル３と箱状物２
の内壁表面または面６間の剪断抵抗を充分ならしめて箱
状物２からの偶発的な仕切り１の滑落を防止しようとす
るものである。また、同時に仕切りヘリ部７と箱状物２
の内壁表面６との間のかかる係合は、箱状物２の再使用
に影響するような箱状物２への損傷を与えることなしに
、箱状物２から所望のときにその仕切り１をとり出すこ
とができるようなものである。換言すれば、板紙（Ｐａ
ｐｅｒｂＯａｒｄ）を使つたときなど、弾性物質８の性
状にもよるが、一部の繊維が抜けてしまうことはあるも
のの、層剥離や表面破損は起らず、また箱状物２の内壁
表面６や仕切りヘリ部７は傷つかずそのままの状態が保
たれる。前述した例の［グツドライト Ｂ−０１３７２
５７０Ｘ１］（グツドリツチ ケミカル社製）が、箱状
物２の内側に塗布された仕切りヘリ部７の一部のみが接
しているときでも、箱状物２内に仕切り１を担持し得る
ために、移動防止物質として、有効であるとして見い出
されたのである。例えば、箱状物２が、第３図に示され
るように、大きめに作られているとき、箱状物２から仕
切り１が移動しはじめる解荷作業中には、実質的にはど
んな場合でも起るであろう仕切り１のある程度の傾斜に
よつて、仕切り１の少なくとも一方向の外側の垂直ヘリ
部７の少なくとも一部が箱状物２の内壁表面６と接触す
ることになる。その接触点で、仕切り１の外部への継続
した移動が防止されるように、仮粘着性による粘着また
は充分な摩擦が与えられる。附言ながらこれはヘリ部７
を処理しない、またはヘリ部７に塗布しない場合につい
てのことではない。このような弾性物質８は、普通には
仕切り１の２つの反対側の側部もしくは４側部すべての
側部の垂直ヘリ部７に施されるが、縦方向側の一つと横
方向側の２つのヘリ部７に弾性物質８を塗布すれば充分
な結果が得られる。また仕切り１の一方側のみに塗布す
ることも可能で、この場合にもなお有効な結果が得られ
る。更に、どのヘリ部７に沿つた塗布も必要に応じ連続
にも非連続にもできる。加えて、滑落抵抗摩擦表面の改
善よりむしろ仕切り１の底側ヘリ部７に塗布して実際の
粘着性接着が要求される場合もあり、仕切り１底側ヘリ
部７への塗布も可能である。適用される弾性物質８が使
用されるときには、それは通常液状であつて、種々の方
法または手段のいずれかで適用される。

長さ方向および横方向の細長片またはパネル３が巻かれ
た薄切り板から切断されたもので構成される仕切り１の
ときには、弾性物質８としてのラテツクス材料は、ペイ
ントブラシ、ペイントローラまたは種々の型のスプレー
装置のいずれかを使用して巻かれた薄切り板の外側ヘリ
部に施される。これは、巻かれた薄切り板が細長片３に
切断されるより先に材料が乾燥される前１０〜１５分に
通常行なわれる。弾性物質８が、予め細長片のヘリ部に
塗布されなかつたときには、組立てられ完成された仕切
り１に適用されることでも良い。板紙から繊維仕切りを
自動組立てする設備の場合には、まかれた板紙が巻き戻
されるときであつて、そして自動組立てされる前に装置
のダイーカツテイングおよび細長片製造工程に供給され
るときに、かかる弾性物質８が紙板片のヘリ部に完全な
乾燥手段を伴つた上述のいずれかの手段で適用される。
更にヘリ部に適用される弾性物質は、既存の未処理のも
のと区別できるように色づけされていても良い。

このようにすると、準備された仕切りが未処理のままの
ものか、または上述目的のため仕切りに弾性物質が適用
されたものかの識別が容易にできるのである。以上の説
明は、本発明の基本的原理を例示したものと理解すべき
である。

当技術分野での本発明の修正や変更は容易になされるも
のであり、上記記載および例示された直接の構造および
操作によつて本発明は制限されない。したがつて、適当
な修正や同等にかかるものは本発明の範囲に含まれ排除
されない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の仕切りを例示する斜視図、第２図は
、本発明の仕切りを箱状物嵌挿したコンテナ一を例示し
それを逆さにしたときの斜視図、第３図は仕切りを箱状
物に嵌挿したコンテナ一の横断面図、をそれぞれ示す。 １・・・・・・仕切り、２・・・・・・箱状物、３・・
・・・・細長片（又はパネル）、４・・・・・・セル、
５・・・・・・コンテナ一６・・・・・・内壁表面、７
・・・・・・ヘリ部、８・・・・・・弾性物質。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外側ヘリ部を有する少なくとも一つの細長片または
   パネルで構成された仕切りであつて、そのヘリ部分は箱
   状物内壁表面に係合せられるものであり、かつ、そのヘ
   リ部分の少なくとも一部が、弾性物質を介して箱状物内
   壁表面に離脱自在に係合されることを特徴とする箱状物
   の仕切り。 ２ 仕切りが複数の交又した細長片またはパネルで構成
   され、その外側ヘリ部は側部、上部および底部の垂直ヘ
   リ部を有し、かつ、弾性物質が側部の垂直ヘリ部に施さ
   れている特許請求の範囲第１項記載の仕切り。 ３ 箱状物とその箱状物内に摺動可能に嵌挿された仕切
   りとで構成されていて、その箱状物は内壁表面を有し、
   その仕切りは箱状物の内壁表面に係合された垂直ヘリ部
   を有し、更に移動防止物質が主として仕切りの垂直ヘリ
   部分に粘着付与せられていると共にその内壁表面と仕切
   りの垂直ヘリ部を元の状態に保持したままその内壁表面
   からの離脱を可能ならしめるように内壁表面に粘着せら
   れていることを特徴とするコンテナー。