JPS5929178B2 - 2−アルキル−6−アシルナフタリンの製法 - Google Patents

2−アルキル−6−アシルナフタリンの製法

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JPS5929178B2
JPS5929178B2 JP53041643A JP4164378A JPS5929178B2 JP S5929178 B2 JPS5929178 B2 JP S5929178B2 JP 53041643 A JP53041643 A JP 53041643A JP 4164378 A JP4164378 A JP 4164378A JP S5929178 B2 JPS5929178 B2 JP S5929178B2
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acid
fluoride
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moles
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久二 安井
毅 松本
尚道 竹村
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Maruzen Oil Co Ltd
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はモノアルキルナフタリンから2−アルキルー6
−アシルナフタリンを製造する方法に係るものである。
本発明の最も主要な特徴は、モノアルキルナフタリンに
BF3またはHFとBF3の存在下、酸ハロゲン化物、
酸無水物、カルボン酸およびカルボン酸エステルから成
る群から選ばれたアシル化剤を反応させることにより、
2−アルキルー6ーアシルナフタリンを極めて容易にか
つ極めて高い選択率で得ることができる点にある。
本発明でば゛■1とBF3’’または″HFとBF3と
の混合物’’という表現は、■’とBF3の錯体、上記
錯体が■’中に溶解している場合を含む意味で用いられ
ている。
2−アルキルー6−アシルナフタリンは酸化することに
より容易に2・6−ナフタリンジカルボン酸に変化させ
ることができる。
2・6−ナフタリンジカルボン酸は有用な高分子合成原
料であり、例えばこれから導かれるポリエステルはテレ
フタル酸を原料とするポリエステルに較べ、特に機械的
強度、耐熱性、寸法安定性など種々の点で優れたフイル
ムや各種成型物を与えることが知られており、2・6−
ナフタリンジカルボン酸の安価な工業的製法の開発が強
く望まれていた。
従来、2・6−ナフタリンジカルボン酸はジメチルナフ
タリンあるいはジイソプロピルナフタリンの酸化により
得られている。
2・6−ジメチルナフタリンは容易に2・6−ナフタリ
ンジカルボン酸に酸化することが出来るが、ナフタリン
をメチル化しジメチルナフタリンを収率よく得ることは
困難なうえ、2・6一体と2・7ー体は沸点、融点等物
理的、化学的性質が近似しているため、2・6一体と2
・7ー体を含む混合物から2・6一体を得ることは非常
に困難であつた。
更にナフタリンとプロピレンから製造されるジイソプロ
ピルナフタリンは比較的容易に2・6一体が分離出来る
が、これを分子状酸素によつて公知の触媒の存在下酸化
しジカルボン酸を良好な収率で製造することは非常に困
難である。また単環芳香族炭化水素とジエン系炭化水素
とからアルケニル芳香族炭化水素を合成し、これの環化
脱水素などによりジアルキルナフタリンを製造する方法
も提案されているが、この方法は多数の反応工程を必要
とし製造コストが高く、工業的製法としては適当でない
上記とは別に、また従来から、2−アルキルナフタリン
をAlCl3を触媒としニトロベンゼン中で酸塩化物、
酸無水物などでアシル化することにより2−アルキル−
6−アシルナフタリンが得られることも知られている。
米国特許3234286によれば、AlCl3またはF
eCl3等の金属ハロゲン化物を触媒としニトロプロパ
ンを溶媒として用い、2−メチルナフタリンのアシル化
を行うことにより最高89%の選択率で2−メチル−6
−アシルナフタリンを得た旨報告されている。
このように従来法でのアシル化による2−アルキル−6
−アシルナフタリンの選択的製法においては一般的に溶
媒としてニト口系炭化水素の存在が必須要件とされて来
た。しかし、ニトロベンゼンは毒性が強く且つ生成物を
水洗し触媒の分離を行う際にニトロベンゼンは水と極め
て分離しがたいエマルジヨンを形成し排水による公害を
もたらす危険が大きく、ニトロメタンは米国で大きな災
害をもたらした例がある通りばく発性がありまたニトロ
系炭化水素はAlCl3、FeCl3等と混合した場合
に急速に極めて多量の熱を発生するので安全のために必
要以上の冷却を要するなどという欠点がある。更に、触
媒としてAlCl3やFeCl3等の金属・・ロゲン化
物を用いた場合には一般に触媒は生成物1モルに対し1
モルを用いる必要があり、且つこれらの触媒は回収が困
難であり、大量の触媒を使い捨てることになり経済的で
はない。
またニトロメタン、ニトロプロパンを用いた場合でも、
ニトロベンゼンにくらべて改善されているとは言うもの
の水洗したときにやはりエマルジヨンを生成し分離が困
難となる。本発明者等は上記の従来法における欠点を克
服した2−アルキル−6−アシルナフタリンの製法につ
いて鋭意研究を続けた結果、2−アルキル−6−アシル
ナフタリンを容易に高い選択率で製造し得る工業的に有
効な方法を見出し本発明を完成したものである。
そして更に上記の2−アルキル−6−アシルナフタリン
が容易に2・6−ナフタリンジカルボン酸に酸化され得
ることも確認した。本発明者等は最初に2−アルキルナ
フタリンとして2−イソプロピルナフタリンを用い、叩
とBF3を触媒として一酸化炭素と反応せしめ2ーアル
キルナフト−6−アルデヒドを製造することを試みたが
、予期に反しアルキルナフトアルデヒド(主として4種
の異性体化合物)の収率が低く、しかも目的物である2
−アルキルナフト−6−アルデヒドは僅かに数%の収率
でしか得られなかつた。このことはトルエンと一酸化炭
素との反応でパラトルアルデヒドが高収率且つ高選択率
で得られることと顕著に相違した結果である。本発明者
等は上記の2−アルキルナフタリンと一酸化炭素との反
応生成物を蒸留してアルキルナフトアルデヒドより沸点
の低い軽質分を除去した蒸留残渣を酸化し且つエステル
化したところ全く予想外にも2・6−ナフタリンカルボ
ン酸ジメチルが高収率で得られた。
この原因として、酸化反応中にアルキルナフトアルデヒ
ドの他の異性体が2−アルキルナフト6−アルデヒドに
変化するのではないかと発明者等はまず考え、これらの
異性体間の異性化が起るか否か検討した結果、上記の考
えは否定された。
次に上記の2−アルキルナフタリンと一酸化炭素との反
応生成物全体の組成を詳細に検討したところ、2−イソ
プロピル−6−イソブチリルナフタリンがかなりの量生
じていることが判つた。2−イソプロピルナフタリンと
一酸化炭素との反応で2−イソプロピル−6−イソブチ
リルナフタリンが生じた理由は詳らかでないが脱アルキ
ル生成物であるナフトアルデヒドが若干含まれているこ
とからここで脱離生成したプロピル基と一酸化炭素が2
−イソプロピルナフタリンと反応したものと考えられる
ここで注目されることは、アノレキルナフトアノレデヒ
ドには主に4種の異性体の生成が認められるにも拘らず
イソプロピルイソブチリルナフタリンとしては2−イソ
プロピル−6−イソブチリルナフタリン以外の異性体が
実質的に認められなかつたことである。
したがつて、2・6−ナフタリンカルボン酸の合成には
アルデヒドの合成ではなくケトンの合成の方がはるかに
優れていることが考えられる。
この研究の過程で1−イソプロピルナフタリンはアシル
化反応中に容易に2−イソプロピルナフタリンに異性化
することも判つた。上記の知見に従い、2−アルキルナ
フタリンまたは1−イソプロピルナフタリンをBF3ま
たは゛とBF3の存在下にアシル化剤と反応させたとこ
ろ、2−アルキル−6−アシルナフタリンが容易に高収
率で且つ従来可能であつたよりもはるかに高い選択率で
得られた。
即ち、2−イソプロピルナフタリンを゛とBF3中でイ
ソブチリルフロリドを用いてアシル化した場合、後記実
施例に示す通りイソプロピルイソブチリルナフタリン留
分中の2−イソプロピル−6−イソブチリルナフタリン
含有率は95%であつた。2−アルキル−6−アシルナ
フタリンは2・6−ナフタリンジカルボン酸に酸化され
ることも確認した。
したがつて、本発明の目的は2−アルキルナフタリンま
たは1−イソプロピルナフタリンから2−アルキル−6
−アシルナフタリンを製造する方法を与えることである
′ 本発明の方法における出発物質であるアルキルナフタリ
ンとしては、2−メチルナフタリン、2−エチルナフタ
リン、2−イソプロピルナフタリン、2−Sec−ブチ
ルナフタリンなどおよび1−イソプロピルナフタリンが
用いられる。
反応目的物が2・6−ナフタリンジカルボン酸製造用の
酸化原料であるとすれば分子量が小さく、かつ酸化の容
易な2−メチルナフタリンが好ましいが、一方イソプロ
ピルナフタリンの場合は即とBF3の存在下で1−イソ
プロピルナフタリンから2−イソプロピルナフタリンに
容易に異性化されることがこの発明の過程で見出されて
いるのでβ一体のみならずβ一体とα一体との混合物を
用いても目的物の2−アルキル−6−アシルナフタリン
を高い収率で得ることが出来ることを考えるとイソプロ
ピルナフタリンの方が有利なこともあり、用いる工程全
般からその得失は考慮されるべきである。第3級炭素原
子で直接ナフタリン核とアルキル基が結合しているアル
キルナフタリンはそのアルキル基が極めて酸化されにく
いので、2・6−ナフタリンジカルボン酸製造を目的と
する2−アルキル−6−アシルナフタリンの製造原料と
しては不適である。またこの明細書で2−アルキルナフ
タリン、2ーアルキル−6−アシルナフタリンあるいは
2・6−ナフタリンジカルボン酸という用語は必らずし
も純品のみを意味するものではなく、若干の不純物を含
みうることは勿論である。
アシル化剤としてはアセチルフロリド、プロピオニルフ
ロリド、ブチリルフロリド、フエニルプロピオニルフロ
リド、トリルプロピオニルフロリド等のアシルフロリド
、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリル
クロリド、フエニルプロパオニルクロリド等のアシルク
ロリド、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の酸
無水物、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸及び
そのエステルをあげることができる。
通常公知のアシル化剤はそれぞれ適用出来る。これらの
アシル化剤のうち、酸塩化物はアシル化反応に際してH
Clが発生し反応系中に含まれること、カルボン酸の使
用は反応に際して水を生じ反応系中に含まれるために叩
の回収、再使用にあたつて若干問題があること、そして
酸無水物の使用はその半分のみが直接作用し、残りの半
分は反応したとしても上記のカルボン酸の使用と同じこ
とになる点で酸フツ化物の使用が一般には好ましい。酸
フツ化物の製法を一例をあげて説明すれば、叩の存在下
にオレフインに一酸化炭素を反応させることにより行う
ことが出来る。
この場合、オレフインとしてはエチレン、プロピレン、
プチレンなどの脂肪族オレフインを出発原料として用い
ることが出来る。この場合は、次のアシル化工程での触
媒と同じであるためその回収使用が可能であるので経済
性が高まること等の利点がある。反応目的物が主として
2・6−ナフタリンジカルボン酸合成用の酸化原料であ
ることを考えると前記したと同様に分子量の小さいもの
が好ましいが、一方酸化による副生物が工業的に有用で
、価値の高いものであればブチレン等の比較的に分子量
の大きいオレフインを用いるのが有利なこともある。ア
シル化の際の2・6一体生成の選択率ならびに酸化工程
での副生物の観点から通常はプロピレンあるいはブチレ
ンの使用が好ましい。匪の使用量は用いるオレフインに
対して1〜40倍モル、好ましくは10〜30倍モル、
更に好ましくは15〜25倍モルである。
使用量が多い方がCOの吸収がすみやかであり、反応圧
力を低くすることができる点で有利であるが、一方反応
系の容積が大きくなり且つ回収の際の損失量ならびに回
収費が増大する欠点がある。ただし、このHFはアシル
化反応の際にも用いられるので、アシル化反応を含めて
その最適使用量は総合的な観点から決定するのが望まし
い。オレフインに対するCOの張込量は、オレフインに
対し1〜5倍モル程度であればよいが、一般には反応時
間を短かくするためおよび酸フツ化物の収率を高めるた
めに過剰量のCOの張込む方が好ましい。
ただし、CO張込量が過大になりすぎて反応系の圧力が
60〜70kg/Crli以上になると目的とする酸フ
ツ化物の収率がかえつて低下して副生物の生成が増大す
るので、反応系の圧力は20〜501<9/Cd程度と
するのが好ましい。酸フツ化物の製造工程での反応温度
は通常一50〜+100℃、好ましくは−30〜+30
℃程度であり原料張込後、徐々に昇温することにより支
障なく反応速度を高め、反応時間の短縮をはかることが
出来る。
反応温度が低くすぎると反応に要する時間が長くなり、
一方反応温度が高すぎると目的とする酸フツ化物の収率
が低下してしまう。得られた酸フツ化物は叩を除去およ
び精製、分離することなく過剰に存在するCOを抜き出
すだけで次のアシル化反応に使用出来る。
尚、ここで用いる゛の代りに藺とBF3の混合物を使用
することも出来るが、酸フツ化物の製造工程と次段のア
シル化工程とを併存させることは出来ず、酸フツ化物の
製造工程にアルキルナフタリンを導入すること及び過剰
のCOを含んだまま酸フツ化物製造工程の反応生成物を
そのまX次のアシル化工程に供給することも適当でない
酸フツ化物製造工程の生成物から必要に応じて叩の1部
あるいは全部を除去、回収してからアシル化工程に供給
し得ることは勿論である。アシル化工程での触媒はBF
3あるいは叩とBF3の混合物であり、その使用量はB
F3だけの場合あるいは叩とBF3の混合物の場合でも
原料のアルキルナフタリン1モル当り匪は通常0〜40
倍モル量、好ましくはO〜30倍モル量そして更に好ま
しくは0〜25倍モル量であり、BF3は0.5〜10
倍モル量、好ましくは1〜6倍モル量である。とくにカ
ルボン酸、カルボン酸エステルをアシル化剤とする場合
は2倍モル以上、酸無水物をアシル化剤とする場合は3
倍モル以上である。BF3の使用量は多い方が一般に反
応時間を短かくでき、目的物の収率が向上するが、反応
終了後行う回収損失量が多くなるなどの不利な点もある
。アルキルナフタリンの使用量は酸フツ化物等のアシル
化剤1モル当り1モル以下とするのが適当であり、アシ
ル化剤1モル当りアルキルナフタリンを1モル以上添加
すると未反応のアルキルナフタリンが増大するのは勿論
のこと、ジアルキルナフタリンなどの副生物が生成する
場合が多い。
アシル化剤の使用量は原料アルキルナフタリン1モル当
り1〜2モル、好ましくは1〜1.5モルの範囲が適当
である。一般に叩量は多い方が反応が速かに行われかつ
副生物の生成が減少するが、しかし反応系の容積が増大
し且つHF及びBF3の回収コスト及び損失も増大する
ので余り過剰量の使用は不利である。本発明方法にあつ
てはHFとBF3が触媒として作用するとともに、とく
に征は溶媒としても作用するので一般に他の溶媒を添加
する必要はないが、必要に応じて一般の溶媒を添加する
ことが出来る。
反応温度は通常−50〜+100℃、好ましくは−40
〜+50℃そして更に好ましくは−20〜+30℃であ
る。
アシル化はオートクレーブなどにより回分式方法、反応
管などによる連続式方法及び希望によつてはセミバツチ
式方法も採用され得る。その後、得られた反応生成物か
ら叩とBF3の回収を行う。
回収は、例えば減圧下に20〜40℃に加温して叩およ
びBF3をガス状で留出させて回収し、次にベンゼン等
の共沸溶媒を加えて共沸蒸留することによつて叩及びB
F3を留出させる。または、アンモニア、モノメチルア
ミン、ピペリジン、アセトニトリル、ニトロアニリン、
クロルアニリン等の窒素化合物を添加して分子化合物を
作つて分離し、これを加熱あるいは硫酸などを作用させ
て、BF3あるいは叩とBF3を回収する。これら回収
された叩とBF3は反応系に戻して再使用できる。HF
とBF3の回収のすんだアシル化反応生成物は必要に応
じて水洗後、例えば蒸留、析出などにより目的とするア
ルキルアシルナフタリン留分を分取する。ここで2−ア
ルキル−6−アシルナフタリンを単独に分取することも
、必要があれば行われるが、本発明のアシル化反応は高
い選択率で進行し2・6一体の含有率が95%程度に達
するので特に2・6一体を分取することなくそのまま工
業用原料として用いることも可能である。本発明方法で
得られた2−アルキル−6−アシルナフタリンからナフ
タリンジカルボン酸への酸化は硝酸で酸化する方法、重
クロム酸アルカリ塩で酸化する方法、重金属化合物ある
いは重金属化合物と臭素化合物とを触媒として分子状酸
素で酸化する方法など種々の方法が用いられ得る。
上記の如き酸化工程によつて得られたナフタリンジカル
ボン酸中の2・6一体の含有率は通常95%以上であり
、ナフタリンジカルボン酸以外の不純物を殆んど含まず
、そのままで高分子合成材料として用いることも出来る
が、必要に応じてエステル化して晶析するなどの方法に
より精製し、99.9%程度に純度を高めることができ
る。エステル化、晶析等の手段は当業者には周知であり
、例えばエステル化はハロゲン化メチル等による方法あ
るいは無機酸を触媒としメタノールでエステル化する方
法等の慣用手段が困難なく適用され得る。次に本発明の
方法を実施例、参考例および比較例を示して更に具体的
に説明するが、これらは単に例示の目的で記載するもの
であつて本発明をこれらに制限するものと解されるべき
ではない。
なお以下の例において、2−アルキル−6−アシルナフ
タリンの含有率、2・6−ナフタリンジカルボン酸およ
びそのエステルの純度はいずれもガスクロマトグラフ分
析〔カラムMS−Q4Omガラスキヤピラリーカラム(
信和化工製)、カラム温度160〜185℃、キヤリヤ
ーガスHel入口圧力2,0〜28kg/Cri.FI
D検出〕により求めた。実施例 1 ナツクドライブ式0.31ステンレス製オートクレーブ
を減圧にして−20℃に冷却し、叩1.25モル、次い
でBF3を0.25モル張込んだ。
次に耐圧容器に塩化イソブチリル0.125モルをとり
、これを攪拌下にオートクレーブ中に徐々に添加した。
次に塩化イソブチリルの場合と同様にして、2−イソプ
ロピルナフタリン0.125モルを添加し、添加後オー
トクレーブ浴を−10℃まで加温した。2−イソプロピ
ルナフタリン添加後、2時間、−10℃で攪拌下に反応
させた。
反応生成物をガスクロマトグラフイ一で分析したところ
、反応生成物中にイソプロピルイソブチリルナフタリン
が94.7wt%あり、この中の2・6一体含有率は8
7,0%であることがわかつた。実施例 2 塩化イソブチリルの代りに塩化プロピオニル、無水イソ
酪酸、イソ酪酸、イソ酪酸エチル、吉草酸クロライド、
n−カプリルクロライド各0.125モルを用いて実施
例1と同じ方法でアシル化した。
但し、イソ酪酸エチルの場合には、更に40℃で30分
反応させた。結果を表−1にまとめて示す。実施例 3
BF3の張込量を0.125モルとした以外は、実施例
1と同じ方法により、反応温度を10℃および50℃の
二種の条件でアシル化試験を行つた。
表−2にその結果を示す。実施例 4 ナツクドライブ式0.31のステンレス製オートクレー
ブを減圧にして−20℃に冷却し、2.36モルの四を
張込み、次にCOを10kg/Cdまで圧入した。
次いで耐圧容器中に採取したプロピレン0.12モルを
攪拌下に徐々にオートクレーブに加え゛吸収せしめた。
この吸収には約15分間要した。プロピレンを添加後、
COを追加し、全圧を40kg/Crliとし、次にオ
ートクレーブ浴をO℃まで昇温し、0℃で1時間、10
00rpmで攪拌しながら反応させた。その後、−20
℃まで冷却し、未反応のCOを抜き出した。COの反応
量はオートクレーブの圧力の減少量から計算すると0.
12モルであつた。次にBF3を徐々に加えた。BF3
の添加量はBF3容器の圧力の減少量より計算すると0
.3モルであつた。BF3添加後、耐圧容器中の2−イ
ソプロピルナフタリン0.12モルを窒素加圧下に約1
0分間かけて徐々にオートクレーブに圧入した。2−イ
ソプロピルナフタリン添加後、オートクレーブ浴を−1
0℃にし、3時間撹拌下に反応せしめた。
その後、オートクレーブ浴を加温し、30〜35℃、3
0〜40m1LHgの圧力下で約1時間、次にトルエン
約200m1を加えた後、オートクレーブ浴を更に加温
し、常圧下でトルエンを留出せしめるとともに叩とBF
3を除去した。その後オートクレーブ中の反応生成物を
水洗後、減圧蒸留してそれぞれの留分をガスクロマトグ
ラフで分析した結果、反応生成物中のイソプロピルイソ
ブチリルナフタリンの含有率は83.3%、イソプロピ
ルイソブチリルナフタリン中の目的とする2−イソプロ
ピル−6−イソブチリルナフタリンの含有率は95.0
wt%であつた。
また上記反応生成物の水洗液を分析した結果、反応生成
物に残留していた゛とBF3はそれらの張込量のそれぞ
れ0.3モル%、3.4モル%であつた。
参考例 1 実施例4で得た2−イソプロピル−6−イソフチリルナ
フタリン留分(2・6一体の含有率95%)2.05y
1重クロム酸ナトリウム26.2fおよび水175m1
をナツクドライブ式1.01のステンレス製オートクレ
ーブに張込み、CO2で10k9/Cdに加圧して、2
50℃で4時間、攪拌下で酸化し、得られた反応生成物
をろ過後、塩酸にて酸性にし得られた沈澱をろ別し、再
度苛性ソーダ水溶液に溶解し、塩酸で再沈澱し、ろ過、
乾燥したところ1.57の2・6−ナフタリンジカルボ
ン酸が得られた。
このジカルボン酸の赤外吸収スペクトルは2・6−ナフ
タリンジカルボン酸の赤外吸収スペクトルと一致した。
かくして得られたジカルボン酸1.0f1メタノール2
35m11硫酸1.57をナツクドライブ式0.31の
ステンレス製オートクレーブに張込み、撹拌下115℃
で5時間反応させ、その後、メタノールを留去し、ベン
ゼン一水混合物で水洗、抽出し、ベンゼンを留去したと
ころ、ジカルボン酸メチルエステルが0.97y得られ
た。
このジカルホン酸メチルエステルをガスクロマトグラフ
で分析したところ、2・6−体の含有率は96.3%で
あつた。酸化収率は83.7%、そしてエステル化率は
81.5%であつた。実施例 5 HF2.5モル、プロピレン0.14モル、BF3O.
2lモル、2−メチルナフタリン0.12モルをn−ヘ
プタン23.5m1に溶解させた溶液を原料としアシル
化反応を−20℃で1時間、20℃で1時間行つた以外
は実施例4と同一の方法で反応せしめた。
COの吸収量は0.13モルであつた。n−ヘプタンを
留去後の反応生成物中のメチルイソブチリルナフタリン
の含有率は86.5%であり、この中の2・6−体含有
率は93.2%であつた。実施例 6 ナツクドライブ式0.31のステンレス製オートクレー
ブを−20℃に冷却し、無水イソ酪酸0.19モルを張
込み、次にBF3l.O8モルを攪拌下で徐々に加えた
次に2−イソプロピルナフタリン0.16モルを加えた
後、オートクレーブ浴を−10℃に昇温した。撹拌下、
−10℃で2時間反応させた。反応生成物中のイソプロ
ピルイソブチリルナフタリン含有率は95.6%、この
中の2・6−体含有率は67.7%であつた。実施例
7 HF0.75モル、BF3O.36モル、塩化イソブチ
リル0.38モル、2−イソプロピルナフタリン0.3
8モルを実施例1と同じ方法で、o℃で60分反応させ
た。
イソプロピルイソブチリルナフタリン含有率86.7%
、2・6−体含有率77.2%であつた。実施例 8 ナツクドライブ式0.31のステンレス製オートクレー
ブを減圧にして−40℃に冷却した。
これにHFl.5モル、BF3O.lモルを張込み、次
にプロピルナフタリン(β= 26.5%、α= 72
.7%)0.07モルを加え、約10分間で−15℃に
昇温し、−15℃に到達した時、その一部をとり出した
。そして塩化イソブチリル0.06モルを添加し、−1
0℃で60分、その後20℃で60分反応させた。−1
5℃でとり出したイソプロピルナフタリン中のα一体は
2.9%、β一体は93.5%であつた。
またアシル化反応生成物中のイソプロピルイソブチリル
ナフタリン含有率は91.4%そして2・6−体含有率
は90.8%であつた。
比較例 BF3を用いなかつた点を除いては実施例4と同様にし
てプロピレンとCOとの反応生成物をアシル化剤として
反応を行つた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2−アルキルナフタリンおよび1−イソプロピルナ
    フタリンから選ばれたアルキルナフタリンにBF_3ま
    たはHFとBF_3の存在下、酸ハロゲン化物、酸無水
    物、カルボン酸およびカルボン酸エステルから成る群か
    ら選ばれたアシル化剤を反応させることからなる2−ア
    ルキル−6−アシルナフタリンの製法。 2 アシル化が該アルキルナフタリン、1モル当たりア
    シル化剤1〜2モル、HF0〜40モル、BF_30.
    5〜10モル、反応温度が−50〜+100℃で行なわ
    れる特許請求の範囲第1項に記載の製法。 3 アシル化剤が酸ハロゲン化物である特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の製法。 4 アシル化剤が酸フッ化物である特許請求の範囲第3
    項に記載の製法。 5 アシル化剤がブチリルフロリドである特許請求の範
    囲第4項に記載の製法。 6 HFまたはHFとBF_3の存在下、プロピレンC
    Oとを反応せしめてイソブチリルフロリドを製し、未反
    応のCOを除去し2−アルキルナフタリンから選ばれた
    アルキルナフタリンおよび必要に応じてBF_3を加え
    該イソブチリルフロリドと該アルキルナフタリンをBF
    _3またはHFとBF_3の存在下に反応せしめること
    から成る2−アルキル−6−イソブチリルナフタリンの
    製法。 7 使用するHFおよびBF_3が反応系から回収され
    た回収HFおよびBF_3である特許請求の範囲第6項
    に記載の製法。 8 該イソプチリルフロリド製造工程がプロピレン1モ
    ル当たりHF1〜40モル用い、圧力が70kg/cm
    ^2以下でありかつ温度が−50〜+100℃で行われ
    、該アシル化工程が該アルキルナフタリン1モル当たり
    該イソブチリルフロリド1〜2モル、HF0〜40モル
    そしてBF_30.5〜10モル用い、反応温度が−5
    0〜+100℃で行われる特許請求の範囲第6項または
    第7項に記載の製法。
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