JPS592914Y2 - 吹込造型鋳型用のマツチプレ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は吹込成型により鋳型を造型する鋳型造型装置
に使用される吹込造型鋳型用のマツチプレート （プレ
ートの上下面に模型部を形成した模型板）に関する。

従来、マツチプレートの両端に型合わせした鋳枠に鋳物
砂を吹込み、スクイーズを行なって鋳型を造型する吹込
鋳型造型において、鋳物の寸法精度を向上させ鋳肌を滑
かにするために砂の充填密度をあげて鋳型硬度を高くし
ている。

しかし、このように鋳型硬度をあげた場合、鋳型全体の
硬度の上昇と共に模型板の凹部内の鋳物砂が必要以上に
充填されてしまうことから、型抜きの際に、凹部内の摩
擦や負圧現象により凹部の基部において鋳型が折れる型
落ち現象が生ずる欠点があった。

従って、これを防止するために凹部に中子を使用するか
、或いは機械加工を余儀無くされ、鋳型の生産能率を低
下させる原因となっていた。

この考案は上記の欠点を解消するためになされたもので
、鋳型の造型時に凹部内の鋳型硬度を他の部分に比べ低
くして、鋳型を破損させることなく凹部内の型抜きを確
実に行い得る吹込造型鋳型用のマツチプレートを提供す
ることを目的とする。

この目的を達成するために本考案は、プレートの上下面
に、少なくとも一方の面に凹部をもつ模型部を形成し、
該凹部の底面に該プレートを貫通する連通孔を穿設する
と共に、該連通孔の両端部にベントプラグを嵌着してマ
ツチプレートを構成したものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

先ず、鋳型造型装置の概要について説明すると、１はス
クイーズヘッドを兼ねる上部ブローヘッドであり、その
底部には鋳物砂１９の吹込孔３が穿設され、上端部は鋳
物砂と圧縮空気が搬入される構造をもち、当該上部ブロ
ーヘッド１は上方に位置する基台フレーム２に固定され
ている。

上部ブローヘッド１の下部に開口部を嵌入可能な補助鋳
枠４が、基台フレーム２に固定されたシリンダ２０のピ
ストンロッドに吊設されている。

５は補助鋳枠４の下側に位置する上鋳枠であり、その両
端のフランジ部６を中抜ローラコンベヤ２１により支持
されて水平方向に移動可能となっている。

さらに上鋳枠５の下側にはマツチプレート１１が両端を
支持部材２２の上に浮動可能に支持されている。

マツチプレート１１は、プレート７の上面と下面に凹部
８を形成した模型部を設けて構成され、凹部８の底面に
は段付の連通孔９が穿設されると共に、その両端の段付
部分にベントプラグ１０が嵌着されている。

マツチプレート１１の下側には、下鏡枠１２が配設され
、中抜ローラコンベヤ２３によりその両端のフランジ部
１３を支持され、水平方向に移動可能となつがいる。

一方、鋳型造型装置の下方には、下部ブローヘッド１４
が支持フレーム上に載置されていて、さらに下部ブロー
ヘッド１４の直下には、ピストンロッドの先端に下部ブ
ローヘッド１４の開口面積より大きいテーブル２４を固
着したスクイーズシリンダ１５が設けられている。

下部ブローヘッド１４の上板には鋳物砂１９等を吹込む
吹込孔１６が穿設され、下部に鋳物砂と圧縮空気を搬入
するための管体が連結されている。

１１は下鏡枠１２の下側に配設された補助鋳枠であり、
その両端は、テーブル２４上に固定されたシリンダ２５
のピストンロッドの先端に固定され、この補助鋳枠の内
部に前記下部ブローヘッド１４の先端部が嵌入可能な構
造となっている。

次に、上記の鋳型造型装置の動作を説明すると共にマツ
チプレートの作用について詳説する。

鋳型の造型に際し、スクイーズシリンダ１５を作動して
テーブル２４を上昇させることにより下部ブローヘッド
１４と共に補助鋳枠１７を上昇させて、中抜ローラコン
ベヤ２３により造型位置に進入した下鏡枠１２と枠合わ
せを行う。

さらにテーブル２４を上昇させると下鏡枠１２はマツチ
プレート１１と当接し、マツチプレート１１は中抜ロー
ラコンベヤ２１により鋳型位置まで進入した上鋳枠５に
当接し、そして上鋳枠５を補助鋳枠４に当接させて枠合
わせを完了する。

次に、上部ブローヘッド１と下部ブローヘッドから圧縮
空気と共に鋳物砂１９がマツチプレート１１に型合せさ
れた上鋳枠５と下鏡枠１２内に吹き込まれる。

このとき、上下の鋳枠５，１２内に進入した圧縮空気は
連通孔９とベントプラグ１０を通って互に反対側の模型
部に形成された凹部８に達し、凹部８内において鋳物砂
の充填を阻止する様に作用する。

この様に凹部８に吹込まれた鋳物砂の充填密度は反対側
から進入した圧縮空気に干渉されて他の箇所の充填密度
より低くなる。

続いて、補助鋳枠４，１７に連結するシリンダ２０゜２
５の圧力状態をフリーにしておき、スクイーズシリンダ
１５を再び上昇させると、下部ブローヘッド１４は補助
鋳枠１７内を上昇すると共に、上鋳枠５と補助鋳枠４が
持ち上げられて、上鋳枠５と下鏡枠１２内の鋳物砂は上
下のブローヘッド１，１４の間で挟圧され、圧縮造型が
行なわれる。

圧縮造型により、鋳型全体の硬度は吹込みの際の充填密
度に比例して硬度が増すことになるので、吹込みの際に
他の箇所より低い充填密度となった凹部８内はスクイー
ズを加えた圧縮造型によって他の箇所より若干低い充填
密度に圧縮造型される。

圧縮造型の後、スクイーズシリンダ１５により下部ブロ
ーヘッド１４と補助鋳枠１７を下降させる。

すると、上鋳型５は中抜ローラコンベヤ２１の上に、マ
ツチプレート１１は支持部材２２の上に、また下鏡枠１
２は中抜ローラコンベヤ２３の上にそれぞれ残置されて
分離し、型抜きが行なわれる。

この時、マツチプレート１１の凹部８内に充填された造
型鋳型の突出部分は、過度に堅く押し込められていない
ことから、型抜きの際、マツチプレート面との摺動摩擦
抵抗を減少させ、さらに、ベントプラグ１０及び連通孔
２９内に押し込められていた圧縮空気が型抜きの際に凹
部８内に流出してこの凹部８内に負圧現象を発生させな
いように作用して、凹部８内の造型鋳型は折損せずに確
実に型抜きされる。

そして、下部ブローヘッド１４と補助鋳枠１７がさらに
下降した後、鋳枠の搬出が行なわれる。

第２図はマツチプレートの他の実施例を示すものであり
、マツチプレート２６は、プレート２８の下面に凹部２
７をもつ模型部を形成し、上面には凹部２７に対応した
位置に凸部１８を形成している。

さらに凹部２７の底面には連通孔２９が穿設され、連通
孔２９の両端にはベントプラグ１０が嵌着されている。

このような一面に凹部を設は他面に凸部を設けたマツチ
プレートを使用して上記の様な鋳型造型が行なわれると
、前述の第１図の実施例と同様に、鋳物砂と共に吹き込
まれた圧縮空気は連通孔２９からベントプラグ１０を通
って互に反対側の模型部に達し、凹部２７内の鋳物砂が
過度に充填されることを阻止する。

したがって、型抜きの際、過度に押し込められていない
凹部２７の突出造型部分は、上記と同様にベントプラグ
１０及び連通孔２９内に押し込められていた圧縮空気の
流出によって凹部２７内に負圧現象を発生させないこと
も手伝い、折損などせずに確実に型抜きされる。

以上のように、この考案に係る吹込造型鋳型用のマツチ
プレートによれば、マツチプレートの上下面に設けた模
型部において少なくとも一方の模型部に凹部を形成する
と共に、凹部の底面に連通孔を穿設してマツチプレート
を構成したことから、凹部内の鋳型硬度を他の箇所に比
べて低くして、鋳型造型が行なわれ、さらに、型抜きの
際、ベントプラグや連通孔内の圧縮空気が凹部内に流出
してここでの負圧現象の発生を阻止することから、マツ
チプレート面との摩擦抵抗も小さい状態で型抜きが行な
われ、鋳型を破損することなく凹部の型抜きを容易に且
つ確実に行い得る。

従って、凹部の深い鋳型を造型する際にも中子を使用し
たり機械加工を行う必要がないことから生産能率を向上
させることができる等の効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示し、第１図は鋳型造型装
置の断面説明図、第２図はマツチプレートの断面図であ
る。 ８．２７・・・・・・凹部、９，２９・・・・・・連通
孔、１０・・・・・・ベントプラグ、７，２８・・・・
・・プレート、１１．２６・・・・・・マツチプレート
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレートの上下面のうち、少なくとも一方の面に凹部を
   もつ模型部を形成し、該凹部の底面に該プレートを貫通
   する連通孔を穿設すると共に、該連通孔の両端部にベン
   トプラグを嵌着したことを特徴とする吹込造型鋳型用の
   マツチプレート。