JPS5928543Y2 - カセツトケ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばＶＴＲ用テープカセットを収納する化粧
箱の如きカセットケースに係わり、考案の主たる目的は
、その収納されたカセットのテープリールをケース側に
より廻止めすると共に揺動を防止し、カセットの持運び
などを含む取扱いに際して生じ易いテープのたるみ及び
テープの捩れ、折損等を防止せんとすることにある。

以下本考案の実施例を図面について説明する。

第１図は本考案を施したカセットケースの一例及びこれ
に収納されたー型式のＶＴＲ用テープカセットについて
の外観斜視図である。

図において１はケース全体、２はカセットを示す。

本例のケース１は合成樹脂又はレザー等による芯板入の
板状体により底部３、蓋部４及びその間の展開部５を形
威し、底部３の上面にはカセット２の輪郭に見合う内側
形状を有する有底状の枠体６が固着され、蓋部４の内面
には枠体６の両側面及び外側面の三方面を覆う側縁片７
が固着されている。

又例示のテープカセット２は所謂リール並列型のカセッ
トで、これは略矩形輪郭の匣体内に繰出しリール及び巻
取りリールが並置内蔵されており、匣体は上ハーフ８ａ
と下ハーフ８ｂとより構成され、上ハーフ８ａと下ハー
フ８ｂの前面に亘って開口部９が設けられてその開口部
９を覆う開閉蓋１０がヒンジ１１を介して上ハーフ８ａ
に閉口方向に偏倚して取付けられている。

この開閉蓋１０はカセット２をＶＴＲ本体に装置した場
合ヒンジ１１を中上・とじて上方へ開かれ、開口部９に
架張されているテープを露呈せしめる。

但し、斯るテープカセットそのものは周知である。

第２図は第１図におけるＡ−Ａ線上の断面図で、上述の
如き１はケース、２はカセットを示し、ケース１は蓋部
４を閉じた状態で側縁片７は底部３上の枠体６の周側面
に重合されている。

１２及び１３は上下ハーフ８ａ、８ｂにより構成される
カセット匣体内に、所定の軸間距離を隔てて並置内蔵さ
れた繰出しリール及び巻取リールを示し、これらリール
１２及び１３は夫々ハブ１４、ハブ１４と一体成型の下
フランジ１５及びハブ１４の上端に接合された上フラン
ジ１６より成る同一の構造で、夫々のハブ孔１７の奥端
面には天板１８を有し、これらの天板１８にはＶＴＲ本
体のリール軸に設けられた駆動ピンが挿入係合されるた
めの係合孔１９が例えば１２００分角の同心円上に３個
宛形成され、又夫々の上フランジ１６の中心部には透孔
２０を有して、夫々の透孔２０に対し上ハーフ８ａの内
面に突設された突子２１を遊合せしめ、カセット２の不
使用時において両リール１２．１３の軸間距離をその設
定寸法に略準じて保持するようになされている。

図において一点鎖線で示すＴはハブ１４の周りに巻装さ
れたテープ、２２は各ハブ孔１７に対応して下ハーフ８
ｂに形成された逃げ孔を示す。

なお、本例のカセット２は図示より明らかな如く、繰出
しリール１２と巻取りリール１３とは軸線方向に少許段
差を有するも、両リール１２゜１３は同一面上に位置さ
せてもよい。

本考案においては、例えば斯るテープカセット２を収納
するケース１の底部３、即ち枠体６の底面６ａに上述の
各ハブ孔１７に夫々嵌合される嵌合体を配設して、これ
らの嵌合体の上面にはハブ孔１７の奥端面の係合孔１９
に挿入させる複数の突子を突設し、かつ嵌合体は回動が
阻止され、上方向の偏倚力を有して上下方向のみ摺動さ
れるように構成し、ケース１へのカセット２の収納に際
し係合孔１９と嵌合体側の突子との係合状態を現出せし
め、繰出しリール１２及び巻取りリール１３の廻り止め
と揺動を防止し得るようにしたものである。

即ち、上述の嵌合体２３の一例としては第２図乃至第４
図に示す如き、ハブ孔１７に嵌合される嵌合部材２４、
嵌合部材２４の下部が嵌挿されるベース部材２５、嵌合
部材２４とベース部材２５の間に介在されるコイルバネ
２６及び枠体６の底面６ａに一体的に形成され、ベース
部材２５の上面周縁部から局面にかけて覆うフランジ部
２７から構成される。

嵌合部材２４は合成樹脂により逆タップ状に成形され、
上面には上述のハブ孔１７の係合孔１９と対応する３個
の突子２８が突設され、下面中央部にはコイルバネ２６
の一端の受は部２９が設けられ、局面の下縁外周には、
三方向に突片３０が突設されると共に局面の内側面には
軸方向に三本の突条３１が形成されている。

又ベース部材２５は上面の周縁部に嵌合部材２４の突片
３０を含む局面下部が嵌挿される溝３２が設けられ、そ
の溝３２の内側壁面に上述の突条３１が摺動自在に嵌挿
される凹部３３が形成され、上面中央部にはコイルバネ
２６の他端の受は部３４が設けられ、更に外側局面には
軸方向に凹部３５が設けられている。

一方フランジ部２７の内周面にはベース部材２５の外側
局面の凹部３５に係合される凸部３６が形成されている
。

このように構成される嵌合部材２４とベース部材２５と
の間にコイルバネ２６を、夫々の受は部２９と３４にお
いて支持して介在させると共に嵌合部材２４の周面下部
をベース部材２５の溝３２に、突条３１を凹部３３と対
応させて嵌挿し、この状態でベース部材２５を、フラン
ジ部２７に凹部２５と凸部３６とを係合させて嵌着する
ことにより嵌合部材２４の突片３０はベース部材２５の
溝３２の底面とフランジ部２７の上面縁部２７ａとの間
に位置され、その間において嵌合部材２４は上下方向へ
のみ摺動自在となり、コイルバネ２６の弾性力により、
上方へ偏倚される。

以上のように構成される嵌合体２３を配設して成るケー
ス１にカセット２を収納すれば夫々のリール１２及び１
３の各ハブ孔１７に対し、両側の嵌合体２３の嵌合部材
２４が合致嵌合されるが、この時点では両側ハブ孔１７
の天板１８の各係合孔１９に対し嵌合部材２４の突子２
８が即座に係合されることは稀であり、双方の対応位置
が合致した際第２図において実線で示すような係合状態
を呈して双方リール１１及び１２が廻り止めされる。

要するに本例においては各ハブ孔１７への嵌合体２３を
例えば図示の如き嵌合部材２４を弾性的に上下方向に摺
動するようにしたので、係合孔１９と突子２８との位置
が合致するまでは、嵌合部材２４はコイルバネ２６の弾
性力に抗して下圧降下状態にあり、リール１２及び１３
の僅かな回動とコイルバネ２６の復元力による嵌合部材
２４の上昇動作により、各突子２８が対応する係合孔１
９に夫々挿入される。

このようにして各突子２８が係合孔１９に挿入されると
嵌合部材２４の上面はハブ孔１７の天板１８に当接され
、リール１２．１３をコイルバネ２６の弾性力により押
上げて上フランジ１６を上ハーフ８ａの内面に押当て、
リール１２．１３を上ハーフ８ａと嵌合部材２４とによ
り挟圧すると共に、嵌合部材２４はベース部材２５に対
し、又ベース部材２５はフランジ部２７に対して夫々回
転方向に対して係合され、各部材２４，２５は回動が阻
止されて繰出しり−ル１２及び巻取リリール１３はいず
れも係止されるので両リール１２，１３は揺動したり、
回転することなく、従って巻装テープＴの弛み、捩れ折
曲を防止し、上述したカセット２の開口部９における架
張テープを所要状態で保持する。

又第５図及び第６図は嵌合体２３の他の実施例を示し、
３６は合成樹脂により逆タップ状に成形された嵌合部材
で上面には上例と同様に３個の突子２８が突設され、下
面中央にはコイルバネ受は部３７が形成され、又局面下
縁には外側面に突片３８を有する脚片３９が一体的に設
けられている。

４０は嵌合部材３６と同様に合成樹脂により逆タップ状
に成形されたベース部材で、上面中央部を嵌合部材３６
の内周に略合致して嵌入される嵌入部４１を設け、その
中央にコイルバネ受は部４２が形成され、又嵌入部４１
の外周には段面部４３が形成されその段面部４３に嵌合
部材３６の脚片３９が挿入される挿入孔４４が設けられ
ている。

この嵌合部材３６とベース部材４０との間にコイルバネ
２６を、両コイルバネ受は部３７，４２に嵌合して介在
させると共に嵌合部材３６の脚片３９をベース部材４０
の挿入孔４４に挿入した状態でベース部材４０をケース
１の枠体６の底面６ａに形成されたフランジ部２７′に
段面部４３が覆われるように圧入することにより、嵌合
部材３６の脚片３９の突片３８がベース部材４０の段面
部４３内においてフランジ部２７′の上面縁部２７ａ′
と底面部２７ｂ′との間に位置され、その間において嵌
合部材３６は脚片３９がベース部材４０の挿入孔４４の
側縁に係合されて回転が阻止され、又内周部が嵌入部４
１に嵌挿されることにより上下方向へのみ摺動自在とな
り、コイルバネ２６の弾性力により上方へ偏倚される。

この嵌合部材３６の上面に有する３個の突子２８がリー
ル１２．１３のハブ孔の係合孔１９へ上例の如く夫夫挿
入されると共にリール１２．１３は押上げられて上ハー
フ８ａの内面に押当られるように構成されている。

なお第５図においては第２図との対応部分には同一符号
が附されている。

以上は本考案をリール並列型テープカセットの収納用ケ
ースに施した場合の具体例であるが、本考案はその他リ
ール重合型、エンドレス型等ツカセット用ケースにも適
用できる。

以上のように本考案によればカセットケース内に配設さ
れ、テープカセットのテープリールのハブ孔に嵌合され
る嵌合体は全体がテープリールのハブ孔の軸方向に摺動
可能とされ、常時ハブ孔方向へ偏倚されているので、テ
ープカセットをカセットケース内に収納する際、テープ
カセットが押当てられるとケー内方へ押圧摺動されるこ
とになり、従来種々提案されているカセットケースの如
き、嵌合体をケースに対して固定し、その上面側に配さ
れ、テープリールのハブ孔の駆動ピン係合孔に係合され
る突子のみを上方へ偏倚される構成のものに比してカセ
ットケースに対するテープカセットの挿入、特にテープ
カセットをカセットケースに対して斜め方向から挿入す
る場合でも極めて円滑に行うことができる。

またテープカセットがカセットケースに収納された状態
では嵌合体がリールハブ孔に、その偏倚力により無理な
力が作用することなく、円滑に嵌合されると共に、突子
がリールハブ孔の駆動ピン係合孔に確実に係合されてテ
ープリールの回転を阻止し、その巻装テープの弛みを防
止できてカセット使用に際してのローディング動作に迅
速に移行し得、またテープの損傷も回避できる。

しかも嵌合体の組立作業も一方向から順次連続的に行え
るので作業性が良くカセットケースの量産性を伺等阻害
せず且つコスト的にも低置である等実用上の効果は頗る
犬である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を施したカセットケースの一例及びその
収納カセットの概略を示す斜視図、第２図は第１図の蓋
を閉じた状態のＡ−Ａ線拡大断面図、第３図は第１図よ
り収納カセットを取り除いたカセットケースの一例を示
す斜視図、第４図は一例の嵌合体の一部截断した分解斜
視図、第５図は本考案を施した他側のカセットケースに
カセットを収納した状態の一部分の断面図、第６図は他
例の嵌合体の一部截断した分解斜視図である。 図中１はカセットケース、２はテープカセット、３はケ
ース底部、４はケース蓋部、６は枠体、７は側縁片、８
ａは上ハーフ、８ｂは下ハーフ、１２は繰出しリール、
１３は巻取リリール、１４はハブ、１７はハブ孔、１８
は天板、１９は係合孔、２３は嵌合体、２４．３６は嵌
合部材、２５４０はベース部材、２６はコイルバネ、２
７゜２７′はフランジ部、２８は突子、３０は突片、３
１は突条、３３，３５は凹部、３６は凸部、３８は突片
、３９は脚片、４４は挿入孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内装されたテープリールのハブ孔内端面に、リール軸側
   の駆動ピンが係合される複数の係合孔を有するカセット
   を収納するカセットケースにおいて、上記ハブ孔に嵌合
   される嵌合体を少なくとも嵌合部材とベース部材とで構
   成し、上記嵌合体を上記カセットケースの底部に設ける
   と共に、上記嵌合部材には上記係合孔に係合する複数の
   突子と上記嵌合体の摺動軸を中心とした回動を係止する
   突条又は突片状の係止部材とを一体に設け、上記ベース
   部材には上記係止部材に対応した凹又は切欠き状の被係
   止部材を設は更に上記嵌合部材とベース部材との間に、
   上記嵌合部材の頂部を上記ハブ孔の内端面方向へ摺動偏
   倚する偏倚手段を介在せしめ、もって上記嵌合体により
   上記カセット内に収納されたリールを廻止めすると共に
   カセット内において挟圧保持する様にして成るカセット
   ケース。