JPS5928390B2 - 連続式真空冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は連続式真空冷却装置に関し、特に食品の香気を
損うことなくその中心部までを急速かつ効果的に冷却す
る連続式真空冷却装置に関する。

食品、例えば連続自動パン焼機により２００℃〜２８０
℃で焼成された食パン（表面温度約９７℃、中心温度約
７７℃）やケーキ類を自然放冷すると澱粉のβ化が進行
して香気と味が著しく低下する。

これを避けるために、焼成した食パンやケーキに極低温
の液体窒素ガスを吹きつけて急速に冷却し次いで約−２
０℃の冷凍庫に入れて保存する試みがなされている。

しかし、食パンやケーキはその組織のゆえに熱伝導率が
悪いため液体窒素や冷凍庫による冷却ではその中心部が
すみやかに冷却され得ない。

しかも、この冷却手段では冷却エネルギーと冷却時間を
多く要するため、コスト高にもなる。

本発明の目的は、食品の香気を損うことなくその中心部
までを急速かつ効果的に冷却し得る連続式真空冷却装置
を提供することにある。

以下に本発明を実施例に基づき図面を参照しつつ詳述す
る。

本発明の装置は、予備冷却手段１と、第１予備室２と、
真空冷却手段３と、第２予備室４とを有する。

第１予備室２は気密入口扉２１を介して予備冷却手段１
に連通している。

真空冷却手段３は、第１予備室２に予備室２の気密出口
扉２２を介して連通している。

第２予備室４は気密入口扉４１を介して真空冷却手段３
に連通し気密出口扉４２を介して系外に連通している。

上記予備冷却手段１は予備冷却室１３でなる。

予備冷却室１３は、コンベア手段１１と送風手段１２と
を有する。

コンベア手段１１は載置皿１４に載置された食品を系外
からこの第１予備室２の入口まで所定速度で移動させる
。

送風手段１２は、食品が予備冷却室１３内を移動する間
に食品に冷風を送るものであり、例えば食品の移動工程
に沿つて設けられた複数の噴射ノズル１２０と、さらに
羽根１２１を回転させつつ冷風をこの予備冷却室１３内
に送り込む送風機１２２を備えている。

冷風は冷風発生装置１５からこの冷却室１３内に配管１
５１を介して送風手段１２に送り込まれる。

上記第１予備室２は、バルブ２３を介して大気に連通ず
る大気用配管２４とバルブ２５を介して真空タンク２６
に連通ずる真空用配管２７とを有する。

この予備室２は、さらに、上記予備冷却室１３の食品を
この第１予備室２内へ搬入するための搬入手段２８、例
えばエアシリンダーを有する。

この第１予備室２は、その出入口扉２１，２２、搬入手
段２８、大気用バルブ２３および真空用バルブ２５の連
携動作によりその内部圧が上記真空冷却手段３の内部圧
に等しくなるよう構成されている。

上記真空冷却手段３は、真空タンク３１に連結する真空
冷却室３０でなり、食品を本冷却するものである。

この真空冷却室３０は、上記第１予備室２の食品をこの
真空冷却室に供給する供給手段３２例えばエアシリンダ
ーと、食品を上記第２予備室４の入口まで所定速度で移
動させるコンベア手段３３を有する。

上記第２予備室４は、バルブ４３を介して大気に連通す
る大気用配管４４とバルブ４５を介して真空タンク３１
に連通ずる真空用配管４６とを有する。

この予備室４は、さらに、上記真空冷却室３０の食品を
この第２予備室４へ搬出する搬出手段４７例えばエアシ
リンダーと、食品を系外へ取出すための取出手段４８例
えばコンベアベルトとを有する。

この第２予備室４も、出入口扉４１゜４２、搬出手段４
７、大気用バルブ４３、真空用バルブ４５および取出手
段４８の連携動作によりその内部圧が大気圧に等しくな
るよう構成されている。

冷却されるべき食品は食品載置用器１４に載置され予備
冷却手段１の開口部１０に通じるコンベア６により予備
冷却室１３内に運び込まれる。

この食品がコンベア手段１１により予備冷却室１３内を
第１予備室２の入口まで所定速度で移動される間に冷風
装置１５から送風手段１２を介して冷風が吹きつけられ
予備冷却される。

第１予備室２の入口にくると第１予備室入口扉２１が開
きエアシリンダー２８が作動してこの食品を第１予備室
内へ搬入する。

食品が搬入するや入口扉２１は閉じ第１予備室２は密封
状態となる。

バルブ２５の操作によりこの予備室２は徐々に減圧され
る。

予備室２内の圧力が真空冷却室３０の内部圧に等しくな
ると予備室出口扉２２が開かれエアシリンダー３２が作
動して予備室２内の食品は真空冷却室３０に供給される
。

この食品は真空冷却室３０内のコンベア手段３３により
第２予備室４の入口まで所定速度で移動される。

この間に食品は早急に冷却される。

第１予備室２の出口扉２２は閉ざされバルブ２３の操作
により第１予備室２の内圧は大気圧に等しく設定され次
の食品の搬入に備える。

真空冷却室３０内をコンベア手段３３により移動する食
品が第２予備室４の入口に達するとあらかじめこの真空
冷却室３０の内圧に等しく設定された第２予備室４の入
口扉が開かれる。

次いで、エアシリンダー４７が作動して食品をこの第２
予備室４内へ送りだす。

入口扉４１は閉ざされ、バルブ４３の操作によりこの第
２予備室４内の圧力が大気圧に等しくなるよう設定され
る。

その間に食品はベルトコンベア４８により予備室出口ま
で移動している。

次いで出口扉４２が開かれ冷却食品は系外に取出される
。

上記予備冷却手段１は送風により食品をおだやかに冷却
するため、食パンやケーキのような香気を特に問題にす
る食品の予備冷却に特に有用である。

この予備冷却手段１により例えば食パンの表層部が９７
℃であったものを６０℃程度まで冷却され得る。

香気を保持しつつ冷却せねばならない食品は真空による
本冷却の前にその表面を約６０℃以下に下げておくこと
が必要である。

送風空気はあらかじめ冷却されている必要はなく例えば
常温空気を使用することもできる。

又、少量の液体窒素を利用することもできる。

サラダのような香気をあまり問題にしない食品や熱伝導
率の著しく悪い食品の処理には、微生物の繁殖を防ぐ上
でも、この予備冷却手段１を省略することができる。

この場合には予備冷却手段１は送風を供給することなく
、単に系外の食品を上記第１予備室２の入口まで運びこ
む手段としてのみ機能させることができる。

第１予備室２のバルブ２３や２５を適宜調整することに
よりこの第１予備室２に予備冷却室としての機能を持た
せることもできる。

コンベア手段１１はコンベア軸１４と歯車８１を介して
、コンベア手段３３はコンベア軸３４と歯車８２を介し
てそれぞれ減速モーター８により駆動する。

配電盤７によって、本発明装置は全て自動的に操作され
得る。

本発明の装置はこのような構造と機能を有するため食品
をその中心部までも急速かつ効果的に冷却し得る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明装置の一実施例を示す正面断面図である。 １・・・・・・予備冷却手段、２・・・・・・第−予備
室、３・・・・・・真空冷却手段、４・・・・・・第２
予備室、１１，３３・・・・・・コンベア手段、１４・
・・・・・食品載置皿、２６゜３１・・・・・・真空タ
ンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １（１）系外の食品を気密入口扉を介して収容する第１
   予備室と、該第１予備室に気密出口扉を介して連通ずる
   真空冷却手段と、該真空冷却手段に気密入口扉を介して
   連通し気密出口扉を介して系外に連通ずる第２予備室と
   を有し、（２）該第］予備室は、バルブを介して大気に
   連通ずる大気用配管とバルブを介して真空タンクに連通
   ずる真空用配管と、系外の食品を該予備室内へ搬入する
   搬入手段とを有し、 （３）該真空冷却手段は、真空タンクに連結する真空冷
   却室でなり、該真空冷却室は該第１予備室の食品を該真
   空冷却室に供給する供給手段と食品を該第２予備室の入
   口まで所定速度で移動させるコンベア手段とを有し、 （４）該第２予備室は、バルブを介して大気に連通ずる
   大気用配管とバルブを介して真空タンクに連通ずる真空
   用配管と、真空冷却室の食品を該第２予備室へ搬出する
   搬出手段と、食品を系外へ取出す取出手段とを有してな
   る、 連続式真空冷却装置。 ２ 前記第１予備室用真空タンク、真空冷却室用および
   第２予備室用真空タンクが配管を介して真空装置に連結
   する前記特許請求の範囲第１項に記載の装置。 。３ 前記第１予備室は、その出入口扉、搬入手段、大
   気用バルブおよび真空用バルブの連携動作によりその内
   部圧が前記真空冷却室の内部圧に等しくなるよう構成し
   た前記特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ４ 前記第２予備室は、その出入口扉、搬入手段、大気
   用バルブおよび真空用バルブの連携動作によりその内部
   圧が大気圧に等しくなるよう構成した前記特許請求の範
   囲第１項に記載の装置。 ５ 前記第２予備室の取出手段がベルトコンベアである
   前記特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ６ け）系外の食品を開口部を介して収容しつつ予備冷
   却する冷却手段と、該予備冷却手段に気密入口扉を介し
   て連通ずる第１予備室と、該第１予備室にその気密出口
   扉を介して連通し食品を本冷却する真空冷却手段と、該
   真空冷却手段に気密入口扉を介して連通し気密出口扉を
   介して系外に連通ずる第２予備室きを有し、 （２）該予備冷却手段は系外からの食品を該第１予備室
   入口まで所定速度で移動させるコンベア手段と、食品が
   移動する間に食品に冷風を送る送風手段とを有する予備
   冷却室でなり、 （３）該第１予備室は、バルブを介して大気に連通ずる
   大気用配管と、バルブを介して真空タンクに連通ずる真
   空用配管と、該予備冷却室の食品を該予備室内へ搬入す
   る搬入手段とを有し、（４）該真空冷却手段は、真空タ
   ンクに連結する真空冷却室でなり、該真空冷却室は該第
   １予備室の食品を該真空冷却室に供給する供給手段と食
   品を該第２予備室の入口まで所定速度で移動させるコン
   ベア手段とを有し、 （５）該第２予備室は、バルブを介して大気に連通ずる
   大気用配管とバルブを介して真空タンクに連通ずる真空
   用配管と、真空冷却室の食品を該第２予備室へ搬出する
   搬出手段と、食品を系外へ取出す取出手段とを有してな
   る、 連続式真空冷却装置。 ７ 前記送風手段が、食品の移動工程にそって設けられ
   た複数の噴射ノズルである前記特許請求の範囲第６項に
   記載の装置。 ８ 前記送風手段がさらに羽根を回転させつつ冷風を室
   内に送る送風機を有する特許請求の範囲第７項に記載の
   装置。