JPS5928272Y2 - 瞬間湯沸器の熱交換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内部を燃焼ガスが通る縦形の熱交換筒の外
周面と密接する熱交換パイプを有し、このパイプの下端
部から上部に向って被加熱水を通すようにした瞬間湯沸
器の熱交換器に関するものである。

前記のような熱交換器では、気温と空気の湿度および加
熱前の被加熱水の温度との関係で、この水が流れる熱交
換パイプの下端部外周面に結露を生じ、これが滴下する
という問題があり、また、瞬間湯沸器の始動時に熱交換
筒の下端部内周面に結露が生じるという問題もあり、と
くに電装品が多い気化式液体燃料燃焼装置によって被加
熱水を加熱する湯沸器の場合に電装品に水分による悪影
響を与えるなど問題が多く、例えば熱交換筒の下端部外
周を取り巻くように結露が落下する位置に受は皿を設け
、熱交換筒の内周面、外周面からの水滴を貯留させ、バ
ーナの燃焼熱の伝熱作用によって蒸発させることが行な
われていた。

しかし熱交換器の使用条件によっては水滴が多量に生じ
て受は皿からあふれたり、落下する水滴が炎を一部消火
して不完全燃焼を生じたりして多くの解決すべき問題点
が残されていた。

この考案は、熱交換筒の下端部外周を取巻いてドレン受
樋を設けることにより、前述した問題を解決して、熱交
換パイプの下端部外周面に結露を生じ、これが滴下して
も前記受樋に受けて容易に処理できるようにすると共に
、液体燃料燃焼装置の２次空気の一部を利用して、瞬間
湯沸器の始動時に熱交換器の下端部内周面に結露が生じ
るのを防止できるようにした熱交換器を提供しようとす
るものである。

以下この考案の一実施例を図面に基いて説明する。

第１図において、１は熱交換器で、この熱交換器１は縦
形の熱交換筒２の外周面にこれと密接して熱換パイプ３
がコイル状に巻回、固定され、このパイプ３の下端から
水道水などが供給されるようになっており、上端部には
フィン４を設けた熱交換バイブロが接続され、このバイ
ブロが熱交換筒２の上端部内に設置され、フィン４を設
けた熱交換バイブロに接続された送出パイプ７が熱交換
筒２外に設けられ、下方に曲がって、図示しない給湯パ
イプに接続されている。

前記熱交換筒２の上端部には排気筒５が接続され、この
排気筒５は建物外に延びて大気に開放されている。

熱交換筒２の下方には後述する気化式液体燃料燃焼装置
の本体８が設置されている。

熱交換筒２の下端と前記燃焼装置の本体８との間にはド
レン受樋９が介在されている。

この受樋９は平面環状をなし、段部９ａの外周面が熱交
換筒２の下端部内周面に嵌着され、前記段部９ａより外
周側の溝部９ｂが熱交換筒７の下端を迂回しその外周を
取巻いて外側に突出し、溝部９ｂの外周にフランジ部９
Ｃが一体に形成されている。

また、第２図、第３図にも示すように溝部９ｂの一部に
外周側に膨らむ連結部が形成され、この部分の底に形成
した孔９ｄの周縁部にゴムなどの弾性材料からなる排水
パイプ１０が嵌着され、このパイプ１０は下方に延びて
いる。

ドレン受樋９の段９ａより内周側の部分は支持部材１１
を介して燃焼装置の本体８側に固定されている。

第４図に示すように燃焼装置の本体８には気化室１２が
設けられ、その周壁１３の内周面に設けた段１３ａにバ
ーナ１４のバーナヘッド１５が支持されている。

気化室１２の周壁１３に設けた１次空気供給口１６に挿
通され、かつ図示しない定油面器と連通された燃料ノズ
ル１７の先端部が気化室１２内に臨まされ、図示しない
送風機によって強制送風される燃焼用空気の送風路１８
が周壁１３とその外周側を囲む送風路カバー１９との間
に形成され、前記供給口１６を経て燃料ノズル１７の周
囲から１次空気が気化室１２内に吹込まれ、これによっ
て前記ノズル１７から灯油のような液体燃料が気化室１
２内に噴霧されるようになっている。

前記気化室１２の周壁１３がこれに埋設された予熱ヒー
タ２０で予熱されていることにより気化室１２内に噴霧
された液体燃料がその周壁１３に衝突して気化され、１
次空気と混合した混合気となってバーナヘッド１５に送
られ、その外周から噴出される。

前記送風路１８から、周壁１３の底と一体に形成されて
気化室１を上方に貫通する中心筒２１内および、バーナ
ヘッド１５の上端とその上方に設置した整流板２２との
間を経て、バーナヘッド１５の内周側がらその外周方向
に向って２次空気が供給されると共に、送風路１８の上
端部から周壁１３上端とその上方に設置した分配板２３
との間を経て、バーナヘッド１５の外周側からその中心
側に向って２次空気の一部を吹出す空気通路が形成され
ている。

そして、バーナヘッド１５の外周から噴出される混合気
に、バーナヘッド１５と対向して前記周壁１３に装着さ
れた点火手段２４によって点火され、前記２次空気を用
いて、バーナヘッド１５と周壁１３との間で混合気が燃
焼されるようになっている。

前述した混合気の燃焼ガスは熱交換器１の熱交換筒２に
送られ、排気筒５を経て大気に放出される。

熱交換パイプ３には下端部から水道水などの水が圧送さ
れ、フィン４を有する熱交換バイブロに導かれ、前記同
熱交換パイプ３，６を通る間に熱交換筒２を通る燃焼ガ
スによって加熱され、湯となって送出パイプ７を通り、
給湯パイプから適所に給湯される。

また、熱交換パイプ３を通る被加熱水が冷たく、気温お
よび湿度が高い場合などに、このパイプ３の下端部外周
面などに結露が生じ、これが滴下してもドレン受樋９に
受けられ、排水パイプ１０によって瞬間湯沸器外の適所
に排出することができる。

さらに、前記送風路１８の上端から２次空気の一部が気
化室１２の周壁１３とその上方に設置した分配板２３の
間の空気通路を経て吹出され、吹出された空気は熱交換
筒２の下部内周面に沿って上方に導かれ、このため始動
時などにおける熱交換筒２の下端部内周面への結露が防
止される。

以上説明したようにこの考案によれば、熱交換筒２の下
端部外周面を取巻いてドレン受樋９を外周側に突出させ
たので、熱交換パイプ３の外周面に結露を生じても、こ
の水を前記受樋９で受けて排水パイプ１０で排水でき、
結露による電装品などへの悪影響を防止できる。

また、この考案によれば、気化式液体燃料燃焼装置の本
体８に設けた気化室１２の周壁１３とその外周側を囲む
送風路カバー１９との間に形成しかつ送風機によって強
制送風される送風路１８の上端と連通し、前記周壁１３
とその上方に設置した分配板２３の間を経てバーナヘッ
ド１５外周側から２次空気の一部を吹出す空気道を形成
し、この空気通路から吹出す空気が熱交換筒２の下部内
周面に沿って上昇することにより、瞬間湯沸器の始動時
などにおける熱交換筒２の下端部内周面への結露を防止
することもてきるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案の一実施例を示す一部を切欠いた正面
図、第２図はドレン受樋の一部の平面図、第３図は同垂
直断面図、第４図は燃焼装置の縦断面図である。 １・・・・・・熱交換器、２・・・・・・熱交換筒、３
・・・・・・熱交換パイプ、９・・・・・・ドレン受樋
、１０・・・・・・排水パイプ。 なお、図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化式液体燃料燃焼装置の本体８上に内部に燃焼ガスが
   通る縦形の熱交換筒２を設装置し、この熱交換筒２の外
   周面に密接させて熱交換パイプ３を巻回、固定し、この
   パイプ３の下端部から上部に向って被加熱水を通すよう
   にした瞬間湯沸器において、前記熱交換パイプ３および
   熱交換筒２外周面の結露を受けるドレン受樋９を熱交換
   筒２の下端部外周を取巻いてその外側に突出させ、前記
   受樋９の底に排出パイプ１０を接続すると共に、前記燃
   焼装置の本体８に設けた気化室１２の周壁１３とその外
   周側を囲む送風路カバー１９との間に形成しかつ送風機
   によって強制送風される燃焼用空気の送風路１８の上端
   と連通し、前記周壁１３とその上方に設置した分配板２
   ３の間を経てバーナヘッド１５外周側から２次空気の一
   部を吹出す空気通路を形成したことを特徴とする瞬間湯
   沸器の熱交換器。