JPS5928086B2 - 同相成分阻止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビデオテープレコーダ（以下はＶＴＲと略称す
る）やビデオゲームなどを家庭用テレビジョン受像機に
接続する場合などに生ずる信号の同相成分を阻止して、
外部への不要放射を除去するようにした同相成分阻止装
置に関するものである。

第１図にＶＴＲまたはビデオゲームをテレビジョン受像
機に接続した状態を例示している。

第１図において、１はＶＴＲまたはビデオゲームであわ
、テレビジョン放送波の１つのチャンネルの周波数で信
号を送出する。この高周波信号を同軸ケーブル２を介し
て、テレビジョン受像機３のアンテナ入力端子に接続さ
れ、テレビジョン画像として再現する。このようにして
使用されるＶＴＲやビデオゲームは、テレビジョン放送
帯域の高周波を使用するため、電波のもれにともなう不
要輻射が生じる。

したがつて、商品化するためには電波法で規定されてい
る規定値以下に不要輻射を抑圧する必要がある。この不
要輻射は、高周波発振器からもれた電波が、周辺の部品
やプリント板のアースなどを介して同軸ケーブルの外導
体に導かれ、同軸ケーブルの外導体がアンテナとなつて
外部に放射されるものが最も大きい。すなわち同相成分
による放射が生ずる。そのような不要輻射を抑圧する最
も良い方法は、ＶＴＲまたはビデオゲーム全体をシール
ドケース内に入れて完全に電磁シールドし、そのシール
ドケースに同軸形のコネクタをつけてケーブルを接続す
ることであるが、しかし、これは非常に高価となる欠点
がある。また高周波発振部のみをシールドする方法もあ
るが、これは直流電源の印加端子、ビデオ信号入力端子
などには無関係となるため、完全にシールドするには非
常に難しい。このため、第２図に示すように、高周波出
力端子４と同軸ケーブル２の間に同相成分阻止装置５を
挿入する方法が良く用いられている。この同相成分阻止
装置の構成例を第３図に示す。第３図において、同相成
分阻止装置５は相互に絶縁された２本の導線６と７を一
括してコイル状に巻いたものである。このような構成の
同相成分阻止装置５を使用すると、導線６と７を逆方向
に流れる電流すなわち逆相成分は磁力線が打消されるた
め、高周波出力端子４の信号は阻止されることなく同軸
ケーブル２に伝送される。これに対して、導線６と７を
同方向に流れる電流すなわち同相成分に対しては通常の
コイルとなり、大きなインダクタンス値を示すので同相
成分は阻止され、同軸ケーブル２には伝達されない。こ
のような同相成分阻止装置５はインダクタンス値を大き
くとるために、リング状フエライトコア一やメガネ状フ
エライトコア一に巻かれることが多いが、使用する周波
数によつては棒状フエライトコア一や空芯の場合もある
。第４図にリング状フエライトコア一を用いた従来の同
相成分阻止装置を示す。

同図において、５がリング状フエライトコア８に、絶縁
した２本の導体６（実線で示す）と導体（点線で示す）
７を一括してコイル状に巻回してなる同相成分阻止装置
であり、これは、片面の両側に銅箔９ａ，９ｂおよび９
ｃ，９ｄが設けられたプリント基板１０上に装着されて
いる。なお、上記銅箔９ｃおよび９ｄは、それぞれホツ
ト側端子を形成するもので、これらは銅箔９ａ，９ｂに
よつて囲まれるように絶縁して配され、かつ、上記２本
の導線６，７の一方の端部６ａ，７ａは上記一方の銅箔
９ｃ，９ａにそれぞれ接続され、また、上記導体６，７
の他方の端部６ｂ，７ｂは上記他方の銅箔９ｄ，９ｂに
それぞれ接続されている。不要輻射の原因となる同相成
分は不完全シールドによるもれの他に、伝送モードの変
換によつても生ずる。

たとえば、第３図において、高周波出力端子４は構造的
に不平衡であるが、これに接続される導線６と７は構造
的に平衡である。したがつて、伝送モードの変換が行な
われ、同相成分が発生する。しかし、先にも述べたよう
に同相成分阻止装置５で同相成分が阻止され、出力側す
なわち同軸ケーブルには到達しない。しかし、出力側で
も構造的に平衡な導線６と７が構造的に不平衡な同軸ケ
ーブルに接続されるので、ここでも伝送モードの変換が
行なわれて同相成分が発生する。ここで発生した同相成
分は阻止の方法が無く、同軸ケーブルの外導体に導かれ
て不要輻射の原因となる。本発明は、そのような出力側
で発生する同相成分を有効に減少させ得る同相成分阻止
装置を提供するものである。

以下に本発明を第５図乃至第７図を参照して説明するが
、第４図で説明したものと同様の作用をなすものについ
ては同一の符号を付して表わしている。この第５図卦よ
び第６図に示す本発明の実施例に｝いて、第４図の従来
例と異なる点は、プリント基板１０の他方の側の面に、
銅箔９ｂと同形状の銅箔１１を、その銅箔９ｂと対向さ
せて設け、かつ、その銅箔９ｂと銅箔１１とを所要個数
の導電ピン１２またはスルーホールめつきなどで電気的
に接続したことである。な卦、第５図、第６図の実施例
ではプリント基板１０の他方の面に、銅箔９ｂと対向す
る銅箔１１のみを設けるようにした場合であるが、第６
図に破線で示すように他方の銅箔９ａと対向する、もう
一つの銅箔１３を設けるようにしても良い。この場合に
も、その銅箔１３を銅箔９ａと電気的に接続する必要が
あることはいうまでもない。第７図および第８図は、出
力端子である銅箔９ｄ，９ｂに同軸ケーブル２の内導体
および外導体を接続する接続の仕方を例示した要部斜視
図である。以上のような構造にすると、出力側での同軸
モードへの変換がスムーズに行なわれ、同相成分の発生
が少なくなることが実験的に確められた。

次表に、その実１験結果を示す。上記実験値は３ｍの同
軸ケーブルを付けたときの、１ｍはなれたときの不要輻
射電界で表わしている。

この結果より、本発明の同相成分阻止装置が有効である
ことがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はＶＴＲまたはビデオゲームとテレ
ビジヨン受像機の接続を示す図、第３図は同相成分阻止
装置の説明図、第４図は従来の同相成分阻止装置の一色
１の斜視図、第５図は本発明の一実施例の斜視図、第６
図は第５図の正面図、第７図および第８図は同軸ケーブ
ルとの接続の仕方の例を示す要部斜視図である。 ５・・・同相成分阻止装置、６，７・・・導線、８・・
・リング状フエライトコア、９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄ，
１１，１３・・・銅箔、１０・・・プリント基板、１２
・・・導電ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁された第１および第２の導線をコイル状に巻回
   し、かつ、上記第１の導線の両端は、絶縁基板面にそれ
   ぞれ設けた第１および第２のホット側端子にそれぞれ接
   続し、上記第２の導線の両端は、上記絶縁基板面に上記
   第１および第２のホット側端子を電気的絶縁を保つて囲
   むごとく設けられた第１および第２の導電体にそれぞれ
   接続するごとくし、かつ上記絶縁基板の上記ホット側端
   子や導電体が設けられた面と反対側の面には、上記第１
   および第２の導電体の少なくとも一方に対して上記絶縁
   基板を介して対向する導体を設け、該導体を、上記第１
   および第２の導電体のうち、上記導体と対向する導電体
   と電気的に接続したことを特徴とする同相成分阻止装置
   。 ２ 特許請求の範囲第１項の記載において、前記第１お
   よび第２の導線は磁性体に一括して巻回されていること
   を特徴とする同相成分阻止装置。