JPS5927511Y2 - 引戸用ストツプ金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スイングドアのドアチェンと同様に引戸の
開放位置を制限できるようにした引戸用ストップ金具に
関する。

ドアの把手側に横に長孔を設けた金具を取り付けて、壁
側に一端を固定したチェノの他端を上記長孔に係脱自在
に嵌めるようにしたドアチェンを引戸に転用すると、戸
の引き違いに支障を来たしたり、特にアルミサツシ戸の
場合には戸の縦框が外側ヘチェンによって引っ張られて
彎曲を生じ、形状が損なわれたりする。

また、引戸用のストップ金具としては、例えば昭和１１
年実用新案公告第２３５６号のように、長孔を具えたス
トップ杆を一方の引戸に水平方向に固定し、他方の引戸
の縦框の側面にストップピンを摺動自在に取り付けたも
のもあるが、アルミサツシ戸の場合には水平方向に上記
ストップ杆を固定するための横框が取付けに適した位置
にない場合があり、また、取付は高さにある横框のみに
若しストップ杆が固定された場合には、その横框の他端
からストップ時の衝撃が縦框に伝わり、該縦框を外側へ
彎曲させるおそれが生ずる。

すなわち、アルミサツシ戸は戸の面に沿った圧縮荷重に
は強いが引っ張り方向に働らく衝撃に弱い欠点があり、
上記先願のものも使用に適しているとはいい難い。

なお他の先願としては昭和２７年特許公告第５０号のス
トップ金具もあるが、これはスイングドア用のもので゛
、引戸用には使用できず、またそのようにすることも示
唆されていない。

そのために、アルミサツシの引き違い戸が有する上記弱
点を考慮して、その使用に適するストップ金具の開発が
またれていたのが現状である。

そこで本考案は、戸の閉鎖時に互いに表裏に重なり合う
一方の引戸の縦框に取り付けられる取付は座板に、長さ
方向に沿って長孔を具えた適宜長さのストップ杆の基端
を枢着し、他方の引戸の縦框を貫通して取り付けられる
表裏一対の取付は金具間に、上記長孔の始端で係脱する
頭部を具えたストップピンを、上記ストップ杆と直交方
向に摺動自在に嵌装することによって、前記従来の欠点
を除去し、特にアルミサツシ戸への使用に適した引戸用
ストップ金具を提供したものである。

以下に本考案の実施例を図面について説明する。

図において、１は第２，４図に示すように閉鎖時・に互
い表裏に重なり合う一方の引戸Ａの縦框Ａ′に、上下の
わじ孔１′を挿通する図示省略の止めねじによって取り
付けられる取付は座板、２はこの座板１にヒンジピン３
を介して基端を枢着され、該ピン３を支点として揺動の
自在な金属板製のストップ杆、４はストップ杆２の長さ
方向に沿って設けた長孔、４′はその始端、４″はその
終端である。

５ａは同じく第２，４図に示すように、他方の引戸Ｂの
縦框Ｂ′の表側所定位置に取り付けられる表側の取付は
金具、５ｂはそれと対向する裏側で同縦框Ｂ′に取り付
けられる裏側の取付は金具、６は、内端に前記長孔４の
始端４′と係脱する大径の頭部６′を具えて、上記表裏
一対の取付は金具５ ａ 、５ ｂ間に前記ストップ杆
４と直交する方向に摺動自在に嵌装したストップピン、
７はこのストップピン６に突設したノックピン６″を嵌
合して、ストップピン６の前進後退を案内する溝カム、
８は上記溝カム７の作動にストップピン６の移動を追従
させる押圧ばねである。

第１図乃至第４図に示す実施例Ｉにおいて、上記ストッ
プピン６は、取付は金具５ａ、５ｂを貫通して回転可能
に嵌装されており、縦框Ｂ′の裏面に突出する外端に操
作摘み９を固定している。

また、表側取付は金具５ａは、上下のねし孔５′ａを挿
通する図示省略の止めねじによって縦框Ｂ′に固定され
る一方、裏面に形成した筒１０の周面に前記溝カム７を
Ｌ字形に形成している。

上記のように構成した実施例■は、第４図に示すように
、双方の縦框Ａ’、Ｂ’が一致する引戸Ａ、Ｂの閉鎖状
態から、その一方Ｂを第２図に示すように開くと、引戸
Ｂと一体に移動するストップピン６の移動とともに、ス
トップ杆６が水平方向に揺動し、同ピン６が長孔４の終
端４″に達することにより、その開放が一定の位置に制
限される。

また、引戸Ａ、Ｂをそのストップ金具から開放する場合
には、前記閉鎖位置で、操作摘み９を第３図の反時計回
りに９０°回転したのち手を放すことによって開放でき
る。

すなわち、上記回転によってストップピン６と共にその
頭部６′は垂直に向きを変え、ノックピン６″はＬ字形
の溝カム７の角部に移動する。

そして摘み９の開放によって押圧ばね８が作用してノッ
クピン６″が溝カム７に沿って移動し、ストップピン６
が後退し、頭部６′は、引戸Ａ、Ｂを閉鎖位置におくこ
とによって、第３図に示すように垂直に変わるストップ
杆２の長孔４の始端４′から脱出し、表側取付は金具５
ａの表面内に後退して、引戸Ａ、Ｂの開放が可能になる
。

次に、第５，６図に示す実施例ＩＩは、ストップピン６
の前後摺動を操作摘み９の昇降操作によって行なうよう
にしたもので、同ピン６を嵌装する表裏の取付は金具５
ａ 、５ ｂは、上下の連結ねじ１１によって実施例
■と同様に縦框を挾んで固定される。

また表側の取付は金具５ａから挿入したストップピン６
のノックピン６“は、裏側の取付は金具５ｂの裏面に一
体形成した箱１２の両側面に設けた横長孔１６と、同相
１２に昇降自在に嵌装したカム板１３に形成した溝カム
７とに嵌合し、同ピン６″に一端を掛止した押圧ばね８
の押し付けによって、所定位置に保持される。

また前記操作摘み９は、上記カム板１３の一端に固定さ
れ、裏側取付は金具５ｂに縦に設けたスリット１４の外
に位置している。

一方、ストップ杆２に設けた長孔４の始端４′は、大径
の円形に形成されており同じく円形頭部６′に形成した
ストップピン６の該始端４′における前後摺動によって
互いに係脱する。

上記のように構成したこの実施例ＩＩは、実施例■と同
様に図示省略の引戸の表裏で重なり合う縦框にそれぞれ
取り付けられ、第５図に示すように長孔４とストップピ
ン６との保合によって、引戸の開放を制限する。

またその開放は、側引戸を閉鎖位置におき、操作摘み９
を第６図の位置から下降させることによって行なわれる
。

すなわち、引戸を閉鎖位置におくことにより、第５図中
に虚線で示すようにストップ杆２が垂直になり、長孔４
の始端４′とストップピン６の頭部６′とが一致する。

そして上記摘み９を下すと、カム板１３の下降と共に溝
カム７に誘導されてストップピン６が後退し、頭部６′
が表側取付は金具５ａの表面内に後退して、引戸の自由
な開閉が可能となる。

なお図中１５１．１５ ｂはストップ杆２の基端２′と
取付は座板１との摺擦面に形成した凹凸部で、ストップ
杆２の垂直状態を互いの嵌合によって保持するようにし
たものである。

以上のように構成した本考案によれば、引戸の引き違い
に支障なく、ドアチェンの場合と同様に引戸の開放位置
を制限できる。

そして、制限開放の際に生ずる長孔４の終端とストップ
ピン６との衝突時の荷重は、閉鎖時に重なり合う表裏の
引戸Ａ。

Ｂのそれぞれの縦框Ａ’、Ｂ’を介して戸の面に沿った
圧縮荷重として働らくので、逆方向に衝撃荷重が作用す
る従来品に比べて耐用性に優れており、特に引っ張り荷
重に対して弱点を有するアルミサツシ製引戸への採用に
好適する。

またストップ杆２の枢着により、取付は位置に横框のな
し弓１戸の場合にも取り付けが可能であるという利点も
ある。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は実施例Ｉ
の立面図、第２図は同上の取付は状態を示す平面図、第
３図は引戸の閉鎖位置における立面図、第４図は同上の
一部切欠平面図、第５図は実施例ＩＩの立面図、第６図
は第５図の取付は金具部分の一部切欠側面図である。 Ａ、Ｂ・・・・・・引戸、Ａ’、Ｂ’・・・・・・縦框
、１・・・・・・取付は座板、１′・・・・・・ねじ孔
、２・・・・・・ストップ杆、２′・・・・・・基端、
３・・・・・・ヒンジピン、４・・・・・・長孔、４′
・・・・・・始端、４″・・・・・・終端、５ ａ 、
５ ｂ・・・・・・取付は金具、５’ａ・・・・・・ね
じ孔、６・・・・・・ストップピン、６′・・・・・・
頭部、６″・・・・・・ノックピン、７・・・・・・溝
カム、８・・・・・・押圧ねし、９・・・・・・操作摘
み、１０・・・・・・筒、１１・・・・・・連結ねし、
１２・・・・・・箱、１３・・・・・・カム板、１４・
・・・・・スリブ）、１５ａ、１５ｂ・・・・・・凹凸
部、１６・・・・・・横長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 戸の閉鎖時に互いに表裏に重なり合う一方の引戸Ａの縦
   框Ａ′に取り付けられる取付は座板１に、長さ方向に沿
   って長孔４を具えた適宜の長さのストップ杆２の基端２
   ′を枢着し、他方の引戸Ｂの縦框Ｂ′を貫通して取り付
   けられる表裏一対の取付は金具５ａ、５ｂ間に、上記長
   孔４の始端４′で係脱する頭部６′を具えたストップピ
   ン６を、上記ストップ杆２と直交方向に摺動自在に嵌装
   してなる引戸用ストップ金具。