JPS5927227Y2 - 蒸器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、蒸物を蒸成する蒸器に関するものである。

従来、この種の蒸器は、貯水槽に供給された水金体をバ
ーナーやボイラー等で下方から加熱して水蒸気を発生さ
せていたので、水蒸気の発生効率が悪いばかりでなく、
蒸成箱体が観音開き式になっていたので、扉を開放した
際に内部の水蒸気が多量に外部に逃げる虞れがあり、ま
た水蒸気が蒸成箱体内を均一に循環されず、蒸物を迅速
且つ確実に蒸成できない等の欠点を有していた。

この考案は、前述のような諸欠点を除去することを目的
とし、その要旨とするところは、適所に給水管が取付け
られた貯水槽の略中央部に、底部の相対向する一方を給
水弁にて連通し、他方をその先端の口部が貯水槽の上部
に位置されるような通気管にて連通した蒸気発生釜を設
け、この蒸気発生釜の下方には、貯水槽の給水弁側から
自動的に供給された一定量の水を加熱して水蒸気を発生
させる発熱体を設けて成る蒸気発生装置と、断熱材が内
設された壁体で上後左右の周囲を被覆し、その内部に適
数の網棚付き引出しを、レールを介して前方から挿脱自
在に挿入してなる蒸成箱体とを形成し、この蒸成俵体の
前記蒸気発生装置の上に着脱自在に連結したことに存す
るものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基いて説明する。

図において、Ａは蒸気発生装置であって、この蒸気発生
装置Ａは、枠体１内の上半分に貯水槽２を設け、この貯
水槽２の底部の右側部には、先端の給水栓３が枠体１か
ら外方へ突出されて枠体１の上部付近に位置されるよう
なガラス製の給水管４を取付ける。

また、貯水槽２の左右方向中央部には、底部の相対向す
る一方（給水管４側）を給水弁５にて連通し、他方をそ
の先端の口部６が貯水槽２の上部に位置されるような通
気管７にて連通した蒸気発生釜８を設ける。

この蒸気発生釜８の底部には貯水槽２の底面より若干低
い水溜部９を設け、蒸気発生釜８０前後左右の周囲と貯
水槽２の上部とは、断熱材１０が内設された壁体１１で
被覆する。

更に、蒸気発生釜８の水溜部９下方には、３００〜５０
０Ｗ程度のヒーター１２とこのヒーター１２を支持する
陶器製の架台１３とからなる発熱体１４を、周縁部が貯
水槽２の底面に固定された断熱材１５で被覆するように
形成されている。

尚、１６は水蒸気の温度が４０度になるとスイッチが入
り、１００度になるとスイッチが切れるサーモスタット
付きタイマーである。

Ｂは蒸成箱体であって、この蒸成箱体Ｂは、断熱材１７
が内設された壁体１８で上後右右の周囲を被覆し、この
壁体１８の内面上下部には左右一対のレール１９を夫々
ネジ止めし、そして壁体１８の内部に、網棚２０が付設
された２個の引出し２１を、引出側板２２の外面に設け
られたレール受け２３が前記レール１９に遊嵌されるよ
う前方から挿脱自在に挿入するように形成されている。

このように形成された蒸気箱体Ｂを前記蒸気発生装置Ａ
の上に載置してＬ字形状の連結板２４で着脱自在に連結
したものである。

Ｃは前記蒸成箱体Ｂ内で蒸成された蒸物の商品を陳列す
る商品見本ケースであって、蒸成箱体Ｂの上に載置され
るものであるが、これは必ずしも必要としない。

この考案は、前述のように構成したから、使用時におい
ては蒸気発生装置Ａの給水弁５を閉鎖した後、給水管４
の給水栓３を開放して貯水槽２内に水を供給すると、貯
水槽２内に水が溜るに従って貯水槽２内の空気が通気管
７を通って蒸気発生釜８から蒸成箱体Ｂへ逃げる。

次に、貯水槽２内の水が略一杯になってから給水栓３を
閉鎖した後、給水弁５を開放すると、貯水槽２内の水が
蒸気発生釜８内に流れ、蒸気発生釜８内の水が通気管７
０元部を閉鎖するところまで溜ると止まる。

つまり、蒸気発生釜８内に水が入ってない場合には、空
気が蒸気発生釜８から通気管７を通って貯水槽２に入る
ため、大気圧によって貯水槽２内の水に蒸気発生釜８内
と同水位になろうとする圧力が加わって貯水槽２内の水
は蒸気発生釜８内に流れるが、通気管７の元部が閉鎖さ
れてしまうと、空気が貯水槽２内に入らなくなるため、
貯水槽２内の水に大気圧が加わらず、蒸気発生釜８内へ
の水の流れが止まることになる。

そして、蒸気発生釜８内に溜った水を発熱体１４のヒー
ター１２で加熱すると、水蒸気が発生して蒸成箱体Ｂへ
上昇し、蒸気発生釜８内の水が少なくなって通気管７０
元部が開放されると、また貯水槽２内の水が給水弁５側
から自動的に供給されてきて通気管７０元部を閉鎖する
と同時に止まる。

これの繰り返しである。

すなわち、貯水槽２内に水を一旦供給すると、貯水槽２
内の水がなくなるまで、蒸気発生釜８内に常時一定量の
水が給水弁５側から自動的に供給されることと、蒸気発
生釜８内の底部に溜った一定量の僅かな水を発熱体１４
のヒーター１２で加熱すればよいので、水蒸気を短時間
で発生させることができることとによって、水蒸気の発
生効率が極めて良好である。

また、蒸気箱体Ｂ内の中央部分は各引出し２１の網棚２
０のみしかないため、蒸気発生釜８から発生した水蒸気
が蒸成箱体Ｂ内を均一に循環することと、蒸成箱体Ｂ周
囲の断熱材１７や、蒸気発生釜８周囲及び貯水槽２上部
の断熱材１０等で、水蒸気の熱を外部に逃さないように
したことと、蒸成箱体Ｂを引出式にして、引出し２１を
引き出した際に水蒸気の逃げを必要最小限におさえるよ
うにしたこととによって、水蒸気を頗る有効的に利用で
きて、各引出し２１の網棚２０上に配列された蒸物を迅
速且つ確実に蒸成することができる。

しかも、蒸気箱体Ｂを蒸気発生装置Ａの上に連結板２４
等で着脱自在に連結したことにより、蒸成箱体Ｂ及び蒸
気発生装置Ａの内部が汚れた際に、分解して容易に掃除
することができる。

更に、蒸成箱体Ｂの上に商品見本ケースＣを載置すれば
、蒸成箱体８内で蒸成された蒸物の商品を陳列できるの
で、販売促進に著しく役に立って売上げを増大させるこ
とができる。

以上説明したように、この考案の蒸器によれば、水蒸気
の発生効率が極めて良好であるばかりでなく、引出しの
網棚上に配列された蒸物を迅速且つ確実に蒸成でき、し
かも蒸成箱体及び蒸気発生装置の内部の掃除も容易にで
きる等の諸効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は一部
切欠き正面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ矢視線断面図で
ある。 Ａ・・・・・・蒸気発生装置、Ｂ・・・・・・蒸成箱体
、Ｃ・・・・・・商品見本ケース、１・・・・・・枠体
、２・・・・・・貯水槽、３・・・・・・給水栓、４・
・・・・・給水管、５・・・・・・給水弁、６・・・・
・・口部、７・・・・・・通気管、８・・・・・・蒸気
発生釜、９・・・・・・水溜部、１０，１５．１７・・
・・・・断熱材、１１ 。 １８・・・・・−壁体、１２・・・・・・ヒーター １
３・・・・・・架台、１４・・・・・・発熱体、１６・
・・・・・タイマー、１９・・・・・・レール、２０・
・・・・・網棚、２１・・・・・・引出し、２２・・・
・・・引出側板、 ２３・・・・・・レール受け、 ２４・・・・・・連結板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適所に給水管が取付けられた貯水槽の略中央部に、底部
   の相対向する一方を給水弁にて連通し、他方をその先端
   の口部が貯水槽の上部に位置されるような通気管にて連
   通した蒸気発生釜を設け、この蒸気発生釜の下方には、
   貯水槽の給水弁側から自動的に供給された一定量の水を
   加熱して水蒸気を発生させる発熱体を設けてなる蒸気発
   生装置と、断熱材が内設された壁体で上後左右の周囲を
   被覆し、その内部に適数の網棚付き引出しを、レールを
   介して前方から挿脱自在に挿入して成る蒸成箱体とを形
   成し、この蒸成箱体を前記蒸気発生装置の上に着脱自在
   に連結したことを特徴とする蒸器。