JPS5926873B2 - 粉粒体の冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロータリキルンなどで焼成されるセメントクリ
ンカなどの粉粒体を冷却するための装置に関し、特に移
動グレートと固定グレートとから成るグレート床の下刃
から冷却用空気を吹込んで冷却する粉粒体の冷却装置に
関する。

従来から、ロータリキルンからのクリンカ落下点ではク
リンカがグレート床上に山形に堆積し、そのためグレー
ト床の両側部において冷却空気が吹抜けやすくなる。

このことは特にタリンカの粒径が広い分布にわたる場合
に著しい。典型的な先行技術はクリンカの落下地点にお
いてグレード床の両側部に通気性のないいわゆる盲グレ
ードを配夕１ル、移送方向に向けて末広がりに通気性の
あるグレードを配列している。このような構造によれば
、冷却面積が実質的に小さくなり、装置が大容量化した
場合には充分な冷却効果カペ得られない。本発明の主な
目的は冷却効率の向土された粉粒体の冷却装置を提供す
ることである。第１図は本発明の一実施例の粉粒体の冷
却装置の縦断面図である。

冷却装置本体１の一端に、バーナ３を有するロータリキ
ルン２のクリンカ排出口を連結し、ロータリキルン２内
でバーナ３によつて焼成された高温のクリンカは、本発
明に従うグレード床４の−ＹＪ（第１図左方）の端部に
堆積し、グレード床４によつて第１図の右方に向けて移
送されつつ、送風機５から、グレード床４の下刃に分割
して設けられた複数の送風室６を経てグレード床４に吹
込まれる冷却空気によつて冷却され、他力（第１図右方
）の端部から排出口７に搬送さオ！る。冷却用空気は高
温度のクリンカと装交換したのち、一部はバーナ３の燃
焼用空気として回収され、残りの空気は排気口８から排
出される。第２図は本発明の一実施例のグレード床４の
クリンカ落下点付近の平面図である。このグレード床４
は後述のように固定グレードと移動グレードとの組合せ
から成る。グレード床４のクリンカ落下点およびその落
下点から移送方向に予め定めた長さにわたつてグレード
床４の途中まで延びる部分は、幅力向（すなわち移送方
向に直角な力向、第２図の十下刃向）に、３つの部分４
ａ，４ｂ，４ｃに分けられ、斜破線で示した両側部４ａ
，４ｂは、中央部４ｃおよび他のグレード床部分４ｄに
比べて、矢符１０で示されたクリンカの移送力向に沿う
速度が相対的に小さくなるように、移動グレードが構成
される。ロータリキルン２から落下したクリンカはグレ
ード床４の中央部４ｃにおいて高く、両側部４ａ，４ｂ
において低くなるように山形に堆積する。大量に堆積さ
れている中央部４ｃのクリンカは両測部４ａ，４ｂに比
べて大きな速度で移送方向１，０に移送される。この実
施側によれは移送力向１０に沿つて従来よりも短い距離
でクリンカが幅力向に均一な層厚となる。両側部４ａ，
４ｂの移送方向１０に沿う配列長さは、均一な層厚な達
成される位置まで延びるように定められる。符２０はグ
レード床４の中実軸線である。第３図は前述のグレード
床４に用いられる固定グレード１１の斜視図である。

固定グレード１１は、移送方向に向けて上向きに傾斜し
ている乗載面１１ａと、その乗載面１１ａと垂直に連接
し移送力向に下向きに傾斜する押出し面１１ｂとから成
り、各面１１ａ，１１ｂには多数の通気孔１３が穿設さ
れている。第４図は本発明の一実施例の移動グレード１
２の斜視図であり、この移動グレード１２は第２図の斜
破線で示された両側部４ａ，４ｂに配列されている。

移動グレード１２は移送方向の下手に向けて上向きに傾
斜した乗載面１２ａと、乗載面１２ａに連接し移送力向
の下手に向けて下刃に傾斜した第１押出し面１２ｂと、
第１押出し面１２ｂに連接し前記乗載面１２ａに垂直な
第２押出し面１２ｃとから成り、各面１２ａ，１２ｂ，
１２ｃには多数の通気孔１４が穿設されている。第５図
には第２図の両側部４ａ，４ｂの一部の縦断面図が示さ
れる。

幅力向に複数列設けられた多数の固定クレー口１と、幅
方向に複数列設けられた多数の移動グレード１２とを、
移送方向１０に沿つて交互に配列してグレード床部分４
の両イ！１１１部４ａ，４ｂが構成される。その他のグ
レード床部分４ｃ，４ｄには、第３図示の固定グレード
１１と、その固定グレード１１と同一形状の移動グレー
ドとが移送方向１０に沿つて交互に配列される。グレー
ド床４の両側部４ａ，４ｂにおいて、固定グレード１１
の乗載面１１ａど移動クレー口２の乗載面１２ａとを平
行にかつ移送力向に向けて上向きに傾斜して配列し、移
動グレード１２は、在来の駆動手段によつて、中央部４
ａおよび他のグレード床部分４ｄに設けられている移動
グレードとともに、一斉に前記乗載面１１ａ７，１２ａ
と平行な力向にほぼ移送方向１０に沿つて往復動される
。移動グレード１２が矢符１５の方向に押出し力Ｆで移
動されるとき、グレード床４の両側部４ａ，４ｂ上のク
リンカには第１押出し面１２ｂに垂直な上向きの力Ｆ１
が作用し、そのＦ１の水平力向の分力Ｆ２によつてクリ
ンカが移送方向に移送され、鉛直力向の分力Ｆ３によつ
てクリンカが上下に変動される。このような移動グレー
ド１２によれば、水平力向の分力Ｆ２は、固定グレード
１１と同一形状を有しグレード床４の部分４ｃ，４ｄに
設けられている移動グレードの水平力向の押出し力に比
べて相対的に小さい。したがつて両側部４ａ，４ｂ上の
クリンカの移送方向１０に沿う移送速度が他のグレード
床部分４ｃ４ｄに比べて低下されることになる。換言す
ると、移動グレード１２は第１押出し面１２ｂを有して
いるので、第５図示の配列状態における移動グレード１
２の第１押し出し面１２ｂおよび第２押出し面１２ｃの
移送力向１０の鉛直面への射影面積の和は、固定グレー
ド１１の押出し面１１ｂ（７）移送力向１０の鉛直面へ
の射影面積よりも小さい。したがつて移送方向１０への
移送グレードによるクリンカ移送量が、グレード床４の
部分４ｃ，４ｄに設けられた固定グレード１１と同一形
状の移動グレードに比べて、相対的に小さくなる。鉛直
方向の分力Ｆ３は、第３図示の固定グレード１１と同一
構造を有する移動グレードがクリンカに与える鉛直力向
の力に比べて犬きい。したがつて移動グレード１２によ
つてクリンカが比較的激しく上下運動され、このことに
よつてクリンカ層の厚さの均一化が促進される。第６図
は本発明の他の実施例の移動グレードの斜視図である。

この移動グレーカ７，１８，１９はグレード床４の中実
軸線２０の移送力向に向つて右例の側部４ｂに配列され
ている。移動グレード１７，１８，１９は、乗載面１７
ａ，１８ａ，１９ａと、押出し面１７ｂ，１８ｂ，１９
ｂと、これらの面１７ａ，１８ａ，１９ａ；１７ｂ，１
８ｂ，１９ｂに接する拡散傾斜面１７ｃ，１８ｃ，１９
ｃとを有し、全面には多数の通気孔２１が穿設されてい
る。この移動グレード１７，１８，１９によれば、グレ
ード床４の中実軸線２０より外側力向になるにつれて押
出し面１７ｂ〜１９ｂ力｛減少している。また、クリン
カをグレード床４の中実軸線２０より外側方向に拡散す
る傾斜面１７ｃ，１８ｃ，１９ｃが大きくなる。したが
つてグレード床４の側部４ｂ上におけるクリンカは、移
送力向１０に沿う速度が中実軸線２０より外側方向に相
対的に小さくなるとともに、グレード床４の中実軸線２
０より外側方向に向けて拡げられるので、速やかにクリ
ンカの層厚が均一となる。グレード床４の他力の側部４
ａにおける移動グレードは、第６図示の移動グレード１
７乃至１９が前記中実軸線２０に関して線対称に形成さ
れており、クリンカはグレード床４の左外側力に拡げら
れる。第７図は本発明の他の実施例の移動グレード２２
，２３の斜視図であり、第８図は第７図の移動グレード
２２，２３の移送力向１０の下手から上手に向つて見た
正面図である。

第７図の移動グレード２２，２３は、グレード床４の中
実軸線２０の移送力向に向つて右側の側部４ｂに配列さ
れており、移送力向１０に沿つて前後に往復動する。移
動グレード２２は乗載面２２ａと、押出し面２２ｂと、
傾斜面２２ｃと、拡散傾斜面２２ｄとから成る。移動グ
レード２２の右外側方に隣接する移動グレード２３は、
移動グレード２２の傾斜面２２ｃに連接する傾斜面２３
ｃと、乗載面２２ａに連接する乗載面２３ａと、押出し
面２２ｂに連接する押出し面２３ｂとから成る。移動グ
レード２２，２３の全面には多数の通気孔２４が穿設さ
れる。また、グレード床４の側部４ａにおける移動グレ
ードは、第７図示の移動グレード２２，２３と中実軸線
２０に関して線対称に形成される。このような移動グレ
ード２２，２３によつてもまた、クリンカの移送力向１
０に沿う速度が低減されるとともに、グレード床４の中
実軸線２０より外側力向へのクリンカの拡散が前記拡散
傾斜面２２ｄによつて行われて、層厚の均一化が促進さ
れる。また傾斜面２２ｃと拡散傾斜面２２ｄに相当する
面を複数枚のグレードで構成してもよい。第９図は本発
明の他の実施例のグレード床４の両側部４ａ，４ｂにお
ける移送方向１０に沿う縦断面図を示す。この実施例で
は第４図示の移動グレード１２と、突起２５を有する固
定グレード２７とが移送方向１０に沿つて交互に配列さ
れる。移動グレード１２は移送力向１０に沿つて前後に
移動する。突起２５は上刃に突出しかつ幅方向に延びて
おり、したがつて移動グレード１２によつて移送方向１
０に押出されるクリンカの移送をさまたげて、グレード
床４の両側部４ａ，４ｂにおけるクリンカの移送力向１
０に沿う速度をさらに低下させる。移動グレード１２と
固定グレード２７との全面には通気孔１４，２６が穿設
されている。第１０図は本発明のさらに他の実施例のグ
レード床４の両側部４ａ，４ｂにおける移送方向１０に
沿う縦断面図である。

移送方同１０に沿つて前後に移動する移動グレード２８
は、乗載面２８ａと、乗載図２８ａよりも移送力向に上
向きに傾斜した乗載面２８ｂと、押出し面２８ｃ，２８
ｄとから成る。乗載面２８ｂは移動グレード２８が矢符
２９の如く斜め下方に後退移動するときに、第３図示と
同一構造を有する固定グレード１１の押出し面１１ｂと
の間にあるクリンカを上刃に押出す。固定グレード１１
と移動グレード２８との全面には通気孔１３，３０が穿
設されている。上述の実施例において、移動グレード１
２，１７〜１９，２２，２３，２８を定位置に固定して
固定グレードとして用い、固定グレード１１，２７を駆
動手段によつて移送力向に沿つて移動させて移動グレー
ドとして用いてもよい。第３図示と同一構造で移動グレ
ードを形成し、第４図示と同一構造で固定グレードを形
成した場合には、クリンカは押出し面１１ｂによつて第
４図示の固定グレード上を移送力向１０に沿つて比較的
円滑に移動する。した力｛つてクリンカの移送方向１０
に沿う速度が大きくなる。このような移動グレードと固
定グレードとの組合せはプレート床４の中央部４ｃおよ
び後続のグレード床部分４ｄに配列され、グレード床４
の両側部４ａ，４ｂには第３図示と同一構造の固定グレ
ードおよび移動グレードが配列される。同様にして、第
６図ないし第８図示の構造を有する固定グレードを形成
し、かつ第３図示の構造を有する移動グレードを形成し
て、グレード床部分４ｃ，４ｄに配列してもよい。第９
図において、突起２５を有する固定グレード２７を移動
グレードとして用い、移動グレード１２を固定グレード
として用いた場合には、突起２５によつてクリンカの移
送方向１０への速度が大きくなる。第１１図は本発明の
さらに他の実施例のグレード床４のクリンカ落下点付近
の平面図である。

斜破線で示す中央部４ｃおよび後続のグレード床部分４
ｄは、たとえは第３図〜第８図示の移動グレード１２，
１７〜１９，２２，２３と固定グレード１１との組合せ
、第９図示の移動グレード１２と固定グレード２５との
組合せ、または第１０図示の移動グレード２８と固定ク
レー口１との組合せから成る。グレード床４の両側部４
ａ，４ｂは、第３図示の固定グレードおよび移動グレー
ドが配列される。そのため中央部４ｃと後続のグレード
床部分４ｄとの上にあるクリンカの移送力向１０に沿う
速度は両側部４ａ，４ｂに比べて小さい。中央部４ｃ上
に山形に堆積したクリンカの裾は、両側部４ａ，４ｂに
おいて相対的に高速度で移送される。したがつて中央部
４ｃのクリンカは裾のカへ崩れて流れ、それによつてク
リンカの幅力向の層厚が均一になる。上述の如く本発明
によれぱ、グレード床の中央部と両側部との粉粒体の移
送力向の速度を異ならせることにより、粉粒体をグレー
ド床の両側方向への拡散を速やかに行なうことができる
。

したがつてグレード床はその全面が有効な冷却面となり
、従来のものに比べて冷却効率が向上する。それによつ
てグレード床を短くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の冷却装置の縦断面図、第２
図は本発明の一実施例のグレード床のクリンカ落下点付
近の平面図、第３図は固定グレード１１の斜視図、第４
図は移動クレー口２の斜視図、第５図は移動グレード１
２と固定グレード１１とで構成されたグレード床の縦断
面図、第６図は本発明の他の実施例の移動グレード１７
，１８，１９の斜視図、第７図は本発明のさらに他の実
施例の移動グレード２２，２３の斜視図、第８図は第７
図示の移動グレード２２，２３の移送力向下手から上手
に向つて見た正面図、第９図および第１０図は本発明の
さらに他の各実施例のグレード床をそれぞれ示す縦断面
図、第１１図は本発明のさらに他の実施例のグレード床
のクリンカ落下点付近の平面図である。 １・・・・・・冷却装置本体、４・・・・・・グレード
床、６・−・・・・送風室、１１，２７・・・・・・固
定グレード、１１Ａ，ｌ２ａ，ｌ７ａ，ｌ８ａ，ｌ９ａ
，２２ａ，２３ａ，２８ａ，２８ｂ・・・・・・乗載面
、１１ｂ，１７ｂ，１８ｂ，１９ｂ，２２ｂ，２３ｂ，
２８ｃ，２８ｄ・・・・・・押出し面、１２ｂ・・・・
・・第１押出し面、１２ｃ・・・・・・第２押出し面、
１２，１７，１８，１９，２２，２３，２８・・・・・
・移動グレード、１３，１４，２１，２４，２６，３０
・・・・・・通気孔、２５・・・・・・突起、２０・・
・・・・グレード床４の中実軸線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移送方向に往復動しかつ幅方向に複数列設けられた
   多数の移動グレートと前記幅方向に複数列設けられた多
   数の固定グレートとを前記移送方向に沿つて交互に配列
   してグレート床を構成し、そのグレート床の下方に送風
   室を設けた粉粒体の冷却装置において、前記移動グレー
   トまたは前記固定グレートのいずれか一方は、移送方向
   の前方に向けて上向きに傾斜した乗載面と、その乗載面
   に連接して移送方向の前方に向けて下向きに傾斜した押
   出し面とを含み、前記グレート床の移送方向に沿う中央
   部と両側部とにおける前記グレートの前記押出し面に鉛
   直面への射影面積を異なつて形成し、それによつて前記
   中央部と前記両側部とにおける粉粒体の前記移送方向の
   速度を異ならせたことを特徴とする粉粒体の冷却装置。 ２ 粉粒体移送速度の相対的に小さい移動グレートは、
   粉粒体移送速度の相対的に大きい移動グレートに比べて
   、水平面に対して相対的に緩やかに傾斜した前記押出し
   面を有することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の粉粒体の冷却装置。 ３ 粉粒体移送速度の相対的に大きい固定グレートは、
   粉粒体移送速度の相対的に小さい固定グレートに比べて
   、水平面に対して相対的に緩やかに傾斜した前記押出し
   面を有することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の粉粒体の冷却装置。 ４ 前記グレート床の前記両側部における前記移動グレ
   ートは、前記乗載面と前記押出し面とに連接しかつ前記
   グレート床の外側方に向けて下方に傾斜した拡散傾斜面
   を有することを特徴とする特許請求の範囲第１項、第２
   項または第３項記載の粉粒体の冷却装置。 ５ 前記グレート床の前記両側部における前記固定グレ
   ートは、粉粒体の移送を妨げるための上方に突出して幅
   方向に延びる突起を有することを特徴とする特許請求範
   囲の第１項、第２項または第３項記載の粉粒体の冷却装
   置。 ６ 前記グレート床の前記両側部における前記移動グレ
   ートは、粉粒体の移送を促進するための上方に突出して
   幅方向に延びる突起を有することを特徴とする特許請求
   範囲の第１項、第２項、第３項、または第４項記載の粉
   粒体の冷却装置。