JPS5926345Y2 - 沈胴式カメラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシャッタスピードなどの露出条件を、マグネッ
トを含む電気的露出制御回路によって制御する電気シャ
ッタタイプのレンズシャッタを、そのシャツタフ゛レー
ドとシャツタメカニズとをともにレンズ鏡胴に設け、こ
のレンズ鏡胴を撮影時にはカメラボディイから引き出し
、不使用時にはカメラボディ内に押し込むようにした沈
胴式カメラに関するものである。

従来のこの種のレンズシャッタを用いた沈胴式カメラに
おいては、シャツタフ゛レードなとのみを鏡胴内に納め
、したがってレンズ鏡胴の出し入れに際しては、シャッ
タブレードのみが一体的に作動し、このシャッタブレー
ドを作動せしめるシャッタメカニズムはカメラボディの
方に取り付けられていて、レンズ鏡胴が引き出されてい
るときのみシャッタブレードと関連し、逆にこのレンズ
鏡胴がカメラボテ゛イに押し込まれているときには、こ
の関連が絶たれるように構成されていた。

このような従来の沈胴式カメラにおいては、カメラボテ
゛イに設けられたシャッタメカニズムとの関連部材、た
とえばシャッタチャージ、レリーズ操作部材であるとか
、あるいは露出制御回路からのリード線などを、カメラ
ボテ゛イとシャッタメカニズムとのあいだにおいて関連
せしめることはきわめて容易であった。

両者は固定されていたからである。

しかしながら、シャッタブレードはシャッタメカニズム
に対して移動し、そしてシャッタメカニズムはチャージ
前とチャージ後とでは姿勢がことなるから、この両者の
作動的結合は些か困難である。

すなわち、チャージ状態において離れていた両者が旨く
結合できるようにすると、チャージ前の状態では姿勢が
ことなるために結合できない。

従来の沈胴式のカメラにおいては、以上のごとき理由の
ため、シャッタメカニズムをチャージ状態としなくては
カメラボディにレンズ鏡胴を押し込むことができないよ
うにロック装置を備えていた。

したがって、このようなロック装置を設けること自体が
余計な部品とその収納スペースとを必要とし、構造を徒
らに複雑とするのみならず、シャッタメカニズムの駆動
力源であるバネをチャージ状態とする時間がそうでない
ときに較べて殆んどであり、したがってバネに歪みを生
じさせる可能性も大きくなるなどの不都合を有するもの
であった。

このような不都合に対処すべく、レンズ鏡胴内にシャッ
タブレードとシャッタメカニズムとを組み込むようにす
ると、今度はカメラボテ゛イ側のシャッタ操作関連部材
など、たとえばチャージ、レノーズ操作部材、内装して
いる露出制御回路とシャッタの電気的応動作動部材との
、あるいはシンクロフラッシュ回路などの電気接続のた
めの接点など、多くの結合部分が、撮影のための準備状
態、すなわちレンズ鏡胴を引き出したときに最適の条件
で結合されなくてはならない。

ところで、このようなレンズ鏡胴とともに作動し、した
がって位置が移動するシャッタメカニズムに対し、カメ
ラボディに設けられているチャージ、レリーズなどの操
作部材、あるいは電気的接続接点などのすべてを、最適
の条件を以って結合させるためには、きわめて高度の寸
法精度によって個々の構成部材を加工しなくてはならな
い。

そうでないとそれぞれの部材の加工寸法の誤差が累積し
、シャッタの作動が正常におこなわれなくなるからであ
る。

本考案は以上のごとき諸点にかんがみて、電気シャッタ
によるレンズシャッタを用いる沈胴式カメラにおいて、
レンズ鏡胴内にシャッタブレードとシャッタメカニズム
とをともに組み込むようにし、これによってレンズ鏡胴
の出し入れと、シャッタチャージの有無との前後関係を
自由にし、前述したロック装置等の余計なものをなくす
とともに、一片の素材よりなるシャッタベースプレート
を形成し、これに対してカメラボテ゛イとの関連におい
て作動するすべての部材を取り付け、このようにして単
一の部材に関連部材を取り付けることによって累積の加
工誤差をなくすようにしてなる沈胴式カメラを提供する
。

以下、本考案を図示した実施例によって説明する。

第１図および第２図において、１はスライド部ｌａ、ｌ
ｂ、カバ一部１Ｃを有し、全体のうちの一部分のみを示
すカメラボテ゛イ、２はカメラボテ゛イ１に軸３によっ
て枢着され、図示してないシャッタチャージ、フィルム
奏上の操作部材の作動をこの軸３によって伝えられて作
動するチャージカメラレバー、４は軸５によってカメラ
ボディ１に枢着され、マゲ４ａ、このチャージカメラレ
バー２と保合液するピン４ｂを有するチャージ中間レバ
ー、６はカバ一部ＩＣにスライド作動可能であるように
して取り付けられ、バネ７によって上昇作動習性を与え
られるレリーズボタン、８は軸９によってカメラボディ
１に枢着され、アーム８ａを有し、このアーム８ａがあ
たかも蝶番のごとく長い板状に形成されているその端面
部分が第１図において示されるレリーズ中間レバー、１
０は絶縁プレーＨＯａ、この絶縁プレー）１０ａに基部
を埋設保持されるブラシ１０ｂ〜１０ ｆからなり、カ
メラボディ１にこの絶縁プレート１０ ａを固定される
スライドターミナルである。

以上はカメラボテ゛イ１およびこれに取り付けられる部
材の説明であり、つぎにシャッタハウジング１１および
これに取り付けられる部材の説明をする。

１１はスライド部１１ ａ、 １１ ｂを側壁に形成し
、またこの側壁にキリコミ１１ Ｃ〜１１ ｅを設けて
なるシャッタハウジング、１２はこのシャッタハウジン
グ１１に固定され、マゲ１２ ａ、 １２ ｂ、 １２
Ｃを有するシャッタベースプレート、１３は軸１４に
よってこのマゲ１２ ａに枢着され、図示を省略したシ
ャッタ駆動機構に係接するアーム１３ａ、前述した中間
レバー４のマゲ４ａに係接するアーム１３ｂを有するチ
ャージシャッタレバー、１５はこのシャッタベースプレ
ート１２に軸１６によって枢着され、バネ１７によって
右旋性を与えられ、図示を省略したシャッタ開閉機構あ
るいはシャッタ駆動機構のチャージ状態を解除できるア
ーム１５ａ、レリーズカメラレバー８のアーム８ａに係
接するアーム１５ｂを有するレリーズシャッタレバー、
１８はシャッタベースプレート され、プラスチックスなどの絶縁性材料よりなる絶縁プ
レート１８ ａと、この絶縁プレー）１８ａに一部を埋
設され、一部が露呈して前記したブラシ１０ ｂ〜１０
ｆとスライド接触するスライダー１８ ｂ〜１８ ｆ
とからなるスライドターミナルである。

次に、作動の説明をする。

第１図および第２図は、レンズ鏡胴と一体のシャッタハ
ウジング１１が、カメラボテ゛イ１から引き出され、撮
影準備状態とされた状態を示している。

上記したような図示の状態において、チャージカメラレ
バー２をカメラのフィルム巻き上げ、シャッタチャージ
操作によって作動させると、チャージ中間レバー４のピ
ン４ｂを押してマゲ４ａを動かし、このマゲ４ａがアー
ム１３ｂを押し、軸１４を支点としてチャージシャッタ
レバー１３が作動し、図示してないシャツタ開閉駆動力
源をチャージする。

つぎ゛に、カメラボテ゛イ１に設けられるレリーズボタ
ン６を押し込むと、レリーズ中間レバー８を介してレリ
ーズシャッタレバー１５が左旋され、図示してないシャ
ツタ開閉駆動機構がレリーズされてシャッタが開閉され
る。

撮影しないとき、シャッタハウジング１１をカメラボデ
ィ１の内部に押し込むことにより、すなわち第２図にお
いてシャッタハウジング１１を左へ移動させることによ
って沈胴される。

これによってチャージシャッタレバー１３は、そのアー
ム１３ｂがカメラボディ１に取り付けられているチャー
ジ中間レバー４のマゲ４ａからしりぞ゛き、またレリー
ズシャッタレバー１５は、そのアーム１５ ｂの先端部
をカメラボディ１に取り付けられているレリーズ中間レ
バー８のアーム８ａの板状面をスライドさせながら移動
する。

さらに、カメラボテ゛イ１とシャッタハウジング１１と
のあいだの電気的接続部分であるところのスライドター
ミナル１０、１８間において、スライダー１８ ｂ〜１
８ ｆがブラシ１０ｂ〜１０ ｆからはなれ、接続を断
つ。

本考案によれば、以上のごとき沈胴式カメラのカメラボ
テ゛イ１に対するシャッタハウジング１１の沈胴、すな
わち格納とその引き出しとに際して、両者の機械的、電
気的な係合離脱関係部分が複数個所である場合において
、上記部分がカメラボテ゛イ１、シャッタハウジング１
１０両者ともそれぞれ同一の基盤、すなわちカメラボテ
゛イ１、シャッタベースプレート１２に取り付けられて
いるから、取り付けに際して生じる累積誤差によって、
係合離脱時における位置が狂うなどの不都合がなく、き
わめて安定した正確な作動が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部の正面図、第２図は
第１図の矢印Ａ−Ａ部の断面部分を示す要部の説明図で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 レンズ鏡胴内にレンズシャッタを組み込み、このレンズ
   鏡胴をカメラの不使用時にはカメラボディ内に沈ませて
   格納状態とし、撮影時にはカメラからこのレンズ鏡胴を
   引き出して準備状態とする沈胴式カメラにおいて、 このシャッタに係接するシャッタチャージ、シャツタレ
   リーズ、電気的露出制御回路その他の電気的接続のため
   のスライドターミナルなどの部材を取り付ける部分が同
   一素材によって一体的に形成されてなるカメラボテ゛イ
   と、 前記したシャッタの内部に組み込まれ、同一の素材によ
   って一体的に形成され、上記したカメラボディに取り付
   けられた部材と係合する部材を総て取り付けてなるシャ
   ッタベースプレートと、からなる沈胴式カメラ。