JPS592583B2 - 高合金特殊アダマイトロ−ルの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高合金特殊アダマイトロールの製造法の改良に
関する。

連続熱間圧延における仕上前段ワークロールは高速バイ
ピッチ圧延において極めて苛酷な条件にさらされ、ロー
ル表面は７００−８００℃まで昇温し、かつ冷却水で１
００℃近暖まで角、冷されることが知られている。

従って１回のロール転勤でロール表面は圧延反力や前記
の急熱急冷の熱サイクルで数１ ｃ）ｋｇ／ｒｒｒＡの
くり返し応力を受け、同時に熱衝撃を受けることになる
。

従来アダマイト系ロールは鋼糸ロールと鋳鉄系ロールの
中間的性質を有し、特殊熱処理によったものはスケール
バンディングなどによる表面肌荒れが少なく、粗圧延及
び仕上圧延前段ロールとして使用されてきた。

この種のアダマイトロールにおいては、Ｃ１，４−２，
２係でほかにＮｉ、Ｃｒ、Ｍ。

などの特殊元素な添加μ組織中に初析セメンタイトを析
出させ、熱処理によってマトリックスの球状化、セメン
タイトの拡散ケ図ったものである。

しかしながら、本発明者らの経験によると、１５０７７
７、／分の高速で圧延間隔２“ 、Ｔ／Ｈ７５０の高速
バイピッチ圧延作業においては、仕上前段のワークロー
ルはロール回転数のアンズ大きな速度加減速、連続圧延
の域に達する圧延ピッチ、王延反力増で上記従来ロール
ではロール表面の欠陥が発生し、コイル表向品質を著し
く悪化させるにいたった。

本発明は上記問題を解決するロールを提起することを目
的とするものであって、Ｃ１，６０−１，６８％ 、
Ｃｒ Ｏ，９−１，４％ 、 Ｎｉ＜１．５ ％ 、
Ｍｏ ＜０．８％とし、かツＰ＜０．０３０ ％ 、
ｓ＜ｏ、ｏ ２０％ 、 ０２ ＜５０ ｐｐｍ、 Ｎ
２＜１０ ｐｐｍ 、 Ｎ２＜１１００ｐｐ とした鋳
鋼の溶湯を金型に注入し、これを５０℃／ｈ以上の冷却
速度で鋳造することを特徴とする高合金特殊アダマイト
ロールの製造方法を要旨とする。

本発明者らの知見によるとロール表面の４肌あれ性に有
効な条件としては、セメンタイトの微細化と初析セメン
タイトの適正分布が肝要であり、Ｎｉ、Ｍｏの添加によ
ってマトリックスを強化することが有効であり、かつミ
クロシュリンケージキャビティな防ぐために非金属介在
物の少い素材の清浄化が必要であ谷 普通アダマイトロールは砂型鋳造されるが、本発明者ら
の知見によると金型鋳造によって５０℃／ｈ以上の急冷
な行うことが、セメンタイトの微細化と初析セメンタイ
トの適正分布に極めて有効である。

金型鋳型への注湯温度は好ましくは１４００℃−１４７
０℃と―鋳込温度からロール表面下１００ｒｒｖｎの点
の凝固までを４００℃／ｈの冷却速度とする。

セメンタイトの析出を減することはロールの熱間耐摩耗
性を低下せしめることになるが急冷金型鋳造によってロ
ールマトリックスをベーナイト化しうる効果が期待し得
て極めて実技に適している。

更に本発明においては素材の清浄化をねらっているが、
以下に成分限定の範囲及びこれの理由を明らかにする。

Ｃは１．６０−１．６８ ％とすることが極めて重要で
ある。

１．６０％未満ではロール鋳型の場合セメンタイト析出
量が過少となり、硬度低下し耐摩耗性の劣化を生ずる。

一方１．６８％を超えると大型セメントを晶出し圧延中
に熱衝撃等でヒートクラックを生じ、大型セメンタイト
の部分が大きく欠は落ちる欠点を生ずる。

Ｃｒは０．９−１．４％とするが、ロール製造において
炭化物の殆んどがＣ−Ｃｒ系であるためＣｒ量が多すぎ
るとマトリックス中のＣとＣｒの固溶バランスがくずれ
残留オーステナイトが残る。

またネット状セメンタイトとなって析出し、熱衝撃によ
ってヒートクラック？生じロール表面傷の原因となる。

しかして０．９係未満ではセメンタイト析出量が過少と
なって硬度低下、耐摩耗性の劣化な生ずる。

又１．４係を超えると延性が低下し残留オーステナイト
が残る。

Ｎｉは増加すると鋼の靭性が向上しねばくなるが、降伏
点や高温の衝撃値が低下する。

本発明においては熱処理効果によるマトリックス強化を
図るためにＣ−Ｃｒ系のマトリックスへの固溶を妨げな
い量とし、１．５係以下とする。

Ｍｏは増加すると炭化物生成能が大きくなり、熱間硬さ
や耐腐蝕性は向上する力跪性で問題を生ずることがある
。

本発明では熱処理効果によるマトリックス強化な図るた
めにＣ−Ｃｒ系のマトリックスへの固溶を妨げない量ま
で添加するが０．８係以下とする。

Ｃ，Ｎｉ、Ｃｒ及びＭｏの成分限定は以上の通りである
が、本発明では好ましくは、Ｃ当量に１．６０−２．１
０％として添加合金による黒皮生成を促進する材質とす
る。

Ｐ、Ｓが増加すると延性が劣化し、またマクロ偏析の原
因となってロール肌荒れ？生じさせるのでＰは０．０３
０％以下、Ｓは０．０２０％以下とする。

０２は多過ぎると延性、靭性が低下し、焼入れ、性を低
下する。

又オーステナイト結晶粒の粗大化を促進して好ましくな
いので５０ｐｐｍ以下とする。

Ｎ２は多過ぎると不連続変形や焼なまし脆性が生ずるし
、衝撃値も低下するので１００ ｐｐｍ以下、極力少な
くする。

Ｎ２は伸び、絞りが低下し毛割れを生ずるので１０ｐｐ
ｍ以下としている。

Ｓｉ、Ｍｎについては公知のアダマイト系ロールの含有
量で差しつかえない。

以下本発明の実施例を詳述する。

以上にみるように本発明によるものはいずれも熱延スケ
ールの発生がなかった。

又ロール肌荒状況評点も良好になった。

なお、肌荒状況評点基準は次によった。

評 点 １．成品が完全に確保されている。

２、成品に軽微な現象が予測さ名、るが問題ではなへ ３、成品に明らかに現象が予測されるが 基準内に入るもの。

４、良否の判断が懸念されるもの。

５、影響大きく充分な検査を要するもの。

６、不良 （以上ロール酌量はいずれも基準に入るものとする。

）

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図及び第４図はいずれもセメンタ
イト析出状況を示す電顕（Ｘ４００）写真である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｉ Ｃ１，，６０−１，６８％、Ｃｒ Ｏ，９−１，
   ４％。 Ｎｉ ＜ １．５ ％ 、 Ｍｏ ＜ ０．８ ％とし
   、かッＰ＜０．０３０％ 、 Ｓ＜ ０．０２０％、
   ０２ ＜ ５０ ｐｐｍ 、 Ｎ２ ＜ １０ｐｐｍ
   、Ｎ２＜１００ｐｐｍ とした鋳鋼の溶湯な金型に
   注入Ｌ これな５０℃／ｈ以上の冷却速度で鋳造するこ
   とを特徴とする高合金特殊アダマイトロールの製造方法
   。