JPS5924083Y2 - 電力用単心鉛被水底ケ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電力用単心鉛被水底ケーブルの改良に関するも
のである。

一般に電力用の水底ケーブルは第１図に示すように、ケ
ーブルコア１の外周に鉛皮２及びポリエチレンの如きプ
ラスチック保護層３を有し、さらにその上にシュート、
プラスチック紐等による座床４を介して複数本の鉄線に
よる外装５が設けられており、外装５の上にはジュート
、プラスチック紐等による押え巻層６及び塗料層（図示
せず）が施されている。

しかしケーブルが単心の場合には外装鉄線がケーブル導
体を流れる電流による誘導作用によって発熱し、ケーブ
ルの電流容量が低減する。

このような鉄線外装による単心鉛被水底ケーブルの欠点
を除去するため外装鉄線に代えて銅あるいはアルミニウ
ムの如き大型の電気用導体を外装線として用い、この外
装線を誘導電流に対する帰路導体として用いた水底ケー
ブルが提案された。

このようなケーブルは電流容量の低減を防止できるが、
長期使用中に外装の電気用導体が海水により腐蝕され実
質的断面積が減少して帰路導体として充分な作用をせず
、その結果ケーブルの電流容量を低下させることになる
。

上記の既知あるいは既提案の水底ケーブルの欠点を解消
し、ケーブルの電流容量の低下を防止した改良された単
心鉛被水底ケーブルがさきに本願出願人によって新たに
提案された。

その構造は第２図に示す通りで、ケーブルコア１上の鉛
被２の上にジュートあるいはプラスチック紐等の座床４
を介して、平型電気用導体による帰路導体７を設け、そ
の上にプラスチック保護層３、さらにその上に座床４′
を介して鉄線外装５を設け、鉄線外装５上に既知のケー
ブルと同様に押え巻層６及び塗料層（図示せず）を施し
たものである。

このように改良された水底ケーブルは帰路導体を有する
ため電流容量の低下を防止できるのは上述の通りである
が、さらに帰路導体がプラスチック保護層の内側に位置
するため腐蝕のおそれがなく、又外装鉄線との間に異種
金属腐蝕をおこすことがない等の利点を有するものであ
る。

しかしこのケーブルの欠点は生産性にある。

即ち、このケーブルでは帰路導体の巻回、プラスチック
保護層の押出、さらに外装鉄線の巻回の３工程を必要と
することである。

その理由を以下に詳述する。

電カケープルの製造設備としては、テープ類あるいは帯
状のものあるいは鉄鋼等の線条のものを巻回する設備Ａ
と、プラスチック類を押出し被覆する設備Ｂとは各々異
なっており、且つ用地上の問題および各々の設備稼動率
を良くする等の理由により云わるタンテ゛ム配置とはし
ていないのが一般的である。

従って、平型電気用導体による帰路導体７＋プラスチッ
ク保護層３＋鉄線外装５から構成された上記ケーブル部
分は、当該帰路導体７は上記設備Ａにより、当該保護層
３は上記設備Ｂにより、鉄線外装５は設備Ａにより製造
される。

即ちサプライ−ティクアップが３回くり返され、３工程
を必要とすることになる。

また、たとえば、プラスチツク保護層３千当該帰路導体
７＋鉄線外装５から構成されたケーブル部分は、当該保
護層３は上記設備Ｂにより製造され、当該帰路導体７と
鉄線外装５とは上記設備Ａにより同時に製造される。

即ちサプライ−ティクアップは２回のくり返しで良く、
２工程で製造されることになり、上記３工程を要するケ
ーブル構成よりもはかるに生産性が向上すると云える。

本考案は上述の既提案の単心鉛被水底ケーブルの欠点を
解消するものであり、特に本願出願人が新たに出願した
水底ケーブルと同等の電気特性を有し、かつ生産性の面
で改良を加えた単心鉛被水底ケーブルを提供するもので
、ケーブル鉛被上にプラスチック保護層を有し、その外
周に複数本の平型電気用導体による帰路導体、さらにそ
の外周に複数本の大型電気用導体による外装を有して成
るものである。

第３図は本考案に係る単心鉛被水底ケーブルの実施例の
横断面図で、第１図及び第２図と同一記号はこれらと同
一部位をあられしている。

ケーブル鉛被２上のポリエチレン等のプラスチック保護
層３の上にはジュート、プラスチック紐等の座床２４を
介して平型電気用導体の複数条を巻囲して構成した帰路
導体２７が設けられている。

帰路導体２７上には座床２４′を介して複数本の大型電
気導体を巻囲して設けた外装２５があり、さらにその上
には押え巻層６、塗料層（図示せず）を有している。

上記の如き本考案の電力用単心鉛被水底ケーブルは次の
利点を有するものである。

（１）帰路導体を有するため電流容量の低下を防止でき
るのは上述の通りであるが、この帰路導体は外装の内側
に存在するため海水による腐蝕のおそれが少なく、長期
的に帰路導体としての効果を発揮する。

（２）帰路導体と外装の間に、前述の新提案のように保
護層が存在しないため、両者は同一工程で実施できるの
で、作業工程が簡単となる。

（３）帰路導体と外装とも電気用導体を用いているため
異種金属腐蝕（パイメタリックコロ−ジョン）がおこら
ない。

（４）帰路導体そして平型の電気用導体を使用するため
、１型に比して外径の増大が小さくてすむ。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の単心鉛被水底ケーブルの一例を示す横断
面図、第２図は新たに提案された単心鉛被水底ケーブル
の横断面図、第３図は本考案に係る単心鉛被水底ケーブ
ルの実施例の横断面図である。 １・・・・・・ケーブルコア、２・・・・・・ケーブル
鉛被、３・・・・・・プラスチック保護層、２４．２４
’・・・・・・座床、２５・・・・・・外装、２７・・
・・・・帰路導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル鉛被上にプラスチック保護層を有し、その外周
   に複数本の平型電気用導体による帰路導体、その上に座
   床層を設けさらにその外周に複数本の大型電気用導体に
   よる外装を有して戊る電力用単心鉛被水底ケーブル。