JPS5923060Y2 - 水路の除塵機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は下水道等水路のバースクリーンに流着する塵芥
を除去するレーキの駆動に油圧シリンダーを用いた除塵
機に関するもので、故障が少なく衛生的なこの種除塵機
の提供を目的としている。

水路特に大きな下水道の要所には、流水につれて浮遊す
る種々の塵芥をせき止めるためのバースクリーンが設け
られ、これらのバースクリーンに流着する塵芥を掻き上
げ、除去する除塵機が設備されている。

従来この種除塵機の掻き上げ装置には、チェーンを用い
た自動除塵機、あるいはピンラック方式等があるが、前
者はチェン、スプロケット、軸受等が下水中に浸漬して
いるため腐食による故障頻度が大きく、後者は前者の欠
点は排除されてはいるが設備費が高価となる難点があっ
た。

本考案は、水が浸入しないようにシールされていると共
に、底部が水路の床面に固着されて上端が水面外となる
ように自立させた外筒内に、主動油圧シリンダーを収納
して、塵芥を掻き上げるレーキの上下運動を駆動し、さ
らに補助油圧シリンダーを用いて、塵芥の排棄作用を行
なうレーキの揺動と回動運転とを駆動するようにしたこ
とを特色とする油圧駆動式の除塵機に関するものである
。

以下、下水道に設けられた本考案の実施例を図面と共に
説明する。

第１図、第２図は下水が侵入しないようにシールされた
外筒１の中に主動油圧シリンダー２を自立させて収納し
、シリンダ２のピストン３の先端部に設けられたレーキ
吊４には連杆５，５′がレーキ吊４を軸に回動自在に下
垂して取付けられ、さらに連杆５，５′にはその下垂端
６，６′を軸受とする如くレーキ７が回動自在に取付け
られている本考案除塵機の１例図で、第１図は下水道の
岸壁Ａに沿って矢印方向に流れる水流Ｂ中の浮遊物をせ
き止めるべく、断面で示した下水道の道床Ｃと掩蓋りと
の間に傾斜して固着されたバースクリーンＥに平行する
斜立状態の１例を示す装置の側面図であり、第２図は掩
蓋りを含む下水道を断面にして下流から上流を見た場合
の装置の裏面図で、主油圧シリンダ一部を中心として左
右対称である構造の一部の図示を省略した図である。

なお前記対称構造に関する以降の説明では、主として図
示の側でのみ説明するものとする。

以上は主として、道床Ｃに底部を固着された外筒１に収
納されて自立する主動油圧シリンダ２に係わる除塵機の
構造の大要と、除塵機が置かれている環境例の説明であ
るが、つぎに補助油圧シリンダーの使用例について述べ
ると、本例では、第１の補助油圧シリンダ−８を、主動
油圧シリンダー２に対して直角の向きに、掩蓋りの上方
に位置する如く、外筒１の上端部に突設し、該シリンダ
ー８のピストン９にはその外端部に駆動腕１０が締結さ
れており、駆動腕１０の分岐した２端１０′はそれぞれ
連杆５，５′が緩かに貫通係合する如く形成されている
。

また第２の補助油圧シリンダ−１１は主動油圧シリンダ
ー２のピストン３の頂部に直立して固着され、そのピス
トン１２の外端部にはレーキ７に対向する如き丁字形腕
金１３が嵌設されていて、腕金１３とレーキ７との間に
は、シリンダ１１の油圧作動時、レーキ７を塵芥掻上げ
の角度に保持する鋼線１４が展張されている。

第３図乃至第５図は上記除塵機の動作を説明する側図略
示図で、除塵開始時には第１図の側面図に示す如く、第
２補助シリンダー１１の油圧作動開始によってピストン
１２が上方に伸び出し、腕金１３の上方への移動に伴っ
て鋼線１４を介してレーキ７が塵芥掻上の角度に保持さ
れる。

つぎに第３図に示すように、主動油圧シリンダー２の油
圧作用によってピストン３が外部上方に伸び出し、レー
キ７がバースクリーンＥの先端を越えた位置で停止する
。

よって今度は第１補助油圧シリンダー８を油圧作動させ
ると、ピストン９が外部前方に伸出して駆動腕１０を介
する連杆５，５′の掩蓋り側への回動に伴ないレーキ７
が揺動し、このときすでに用意されている篩渣搬出コン
ベヤＦのホッパーＧの中央上部で停止する。

そこでつぎに第２補助油圧シリンダ１１を減圧してピス
トン１２をシリンダ内に復帰させると、第４図に示すよ
うにレーキ７は下方に向けて回動し、掻き上げられてき
た塵芥をホッパーＧ内に投入する。

塵芥の投入が終ると第１補助油圧シリンダー８を減圧し
てそのピストン９をシリンダ内に復旧させ、第５図に示
す如くレーキ７の下方への回動姿勢はそのままで、主油
圧シリンダー２の減圧に伴なうピストン３の復旧と共に
元位置に復帰させる。

この際レーキ７の歯は、図示を省略したがバースクリー
ンＥの先端に取付けられたワイパーと交叉して清掃され
、バースクリーンＥから外れたまま下降する。

上記実施例は主軸油圧シリンダーを中央にしてその両翼
に対称的にレーキおよびその動作機構を設けた場合の１
例について述べたが、除塵機の規模の如何によっては、
その両側に補強用ガイドを設けるとか、または両側にそ
れぞれ主油圧シリンダーを設けて１個のレーキの上下運
動を同期駆動するなどの構造にしてもよい。

また上水道に付設し得ることは勿論である。

本考案の利点は、駆動部分が油圧シリンダのみでチェン
機構のような回転部がないので故障する個所が極めて少
ないこと、篩渣を確実に搬出コンベヤホッパー内に投入
できること、除塵時以外の常時はレーキが水中にあるの
で従来のように汚物の付着したレーキ類に悪臭を生じた
り、蝿がたかるなどの不衛生の面が全くないこと等で、
従来のこの種除塵機に比して格段の効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案なる水路の除塵機の実施例を示すもので、
第１図は下水道に設置の１例を示す同除塵機の側面図、
第２図は下水道を断面にして下流から見た同上機の一部
裏面図、第３図、第４図および第５図は同上機の動作順
序を示す側面略示図である。 １・・・・・・外筒、２・・・油圧シリンダー、３・・
・・・・ピストン、４・・・・・・レーキ吊、５・・・
・・・連杆、７・・・・・・レーキ、８・・・・・・補
助油圧シリンダ−，９・・・・・・ピストン、１０・・
・・・・駆動腕、１１・・・・・・補助油圧シリンダ−
，１２・・・・・・ピストン、１３・・・・・・腕金、
１４・・・・・・鋼線、Ｅ・・・・・・バースクリーン
、Ｃ−・・・・道床。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水路のバースクリーンに流着する塵芥を掻き上げ排除す
   る除塵機のレーキ駆動装置において、レーキの昇降駆動
   に、浸水をシールされかつ底部を道床に固着された外筒
   内に収納されて水中から自立する油圧シリンダを用いる
   と共に、レーキの塵芥排棄動作の揺動駆動と回動駆動に
   補助油圧シリンダーを用いたことを特徴とする水路の除
   塵機。