JPS59228012A - 湿式紡糸方法 - Google Patents

湿式紡糸方法

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JPS59228012A
JPS59228012A JP10277283A JP10277283A JPS59228012A JP S59228012 A JPS59228012 A JP S59228012A JP 10277283 A JP10277283 A JP 10277283A JP 10277283 A JP10277283 A JP 10277283A JP S59228012 A JPS59228012 A JP S59228012A
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liquid
wet
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Takahisa Mizoguchi
溝口 隆久
Kanji Kyoya
京屋 幹治
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、湿式紡糸方法Vこ関する。更に詳しくは紡糸
原液を一旦空気中に吐出し1次いで凝固、再生浴に導く
いわゆるエアギャツゾ(air gap)紡糸方法とい
われる湿式紡糸方法を改良し、高速紡糸性を高めた新規
な湿式紡糸方法に関するものである。
従来のエアイヤツゾ紡糸方法は第1図(a)及び(l)
)に示すように、紡口より空気中へ紡糸原液を細流とし
て吐出し、次いで実質的には静止した凝固、再生浴へ導
くようにした紡糸方法である。これに対し本発明は、凝
固、再生浴から、凝固、再生液がロートの内側に或いは
斜板上に流動する薄い層、すなわち濡れ壁状態になって
おり、その部分へ紡糸原液細流を導くようにした紡糸方
法である。
第1図は従来のエアギャップ紡糸方法を示す略図的側面
図であり、第1図(alはロート管を用いない場合を示
し、第1図(b)はロート管を用いる場合を示している
。図においてlは紡糸口金(以後紡口と称する)、2は
紡口1より吐出される紡糸原液細流、3は凝固、再生液
を満した凝固、再生浴である。4 ij:ロート管を示
す。
従来の工゛アギャップ紡糸方法は、紡糸原液と接触する
時点での凝固、再生液は実質的に静止し7ているか、又
は流動していてもその液速度は極めて遅いという欠点を
有している。第1図(11)に示すような流動エアギャ
ップ紡糸方法でも、紡糸原11に細流が凝固、再生液と
まさに接醜し始める時点での液速は早くできない、とい
うのは、この凝固、再生液の表面に流速を持たせようと
すると、液の乱れや渦が発生したりするからである。ま
た、方位によつ゛C液連の差ができたりし、て、定常状
曲で紡糸ができなかったりする。
第1図(b)に示すような凝固再生液を流動させている
紡糸方法でも、凝固再生液と紡糸原液細流とが最初に接
する時点、すなわち、凝固再生浴30表面においては凝
固再生液の糸条走行方向への移動速度はゼロに近い状態
になっている。このことは物理的に考えると容易に理解
できる。ロート管4の出口の流速は、凝固再生浴30表
面からロート管4の出口までの高低差(ヘラP)hによ
ってほぼ決まるといってよい。すなわちロート管出口の
流速Veは〆丁ghで与えられることになる。この時ロ
ート出口の断面積をSlとし、ロート管4の入口部(上
端部)での断面積をS雪とすると、ロート入口部での液
速veoはs−!fTiで与えられる。
Sl 一般的にはロート入口部の径は数10mであり、ロート
出口径は敷部であるから、その断面積比s1: 8.は
1 : 25〜1 : 100程度となpVeoはかな
シ小さな値でしかなくなる。更にその上方である凝固再
生浴表面では、殆んど糸条走行方向への液速かない状態
である。
このように凝固再生浴の表面または凝固再生の初期の部
分で液速か小さいと紡糸抵抗が生じ、物性が悪化したシ
、高速で糸条を引取ることができない、、また、エアギ
ャップ部分における紡糸原液細流への引張り力が小キく
、原液を引き伸ばす効果が減少してしまうことになる。
すなわちエアギャップ部分での原液細流のドラフトが余
りかからず、空気中で引伸ばそうというこの紡糸方法本
来の効果を充分に活かせずに終ってしまうのである。
本発明はこれらの問題点を一挙に解決し、また非常に安
定した紡糸状態を実現した新規な湿式紡糸方法である。
本発明の目的は、湿式紡糸方法における高速紡糸化と、
得られる糸条の物性の向上を可能とする紡糸方法を提供
するにある。
このような本発明の目的を達成するための本発明の要旨
は、紡糸原液を一且空気中に複数本の細流として吐出し
、次いで、凝固、再生浴へ導く紡糸方法において、紡口
よシ吐出された紡糸原液細流を濡れ壁状態で流動してい
る凝固再生液へ導入し、該凝固再生液と共に移動略せな
がら凝固再生を行い、その後、該凝固再生液と分離して
、糸条を引き取ることを特徴とする湿式紡糸方法である
本発明の構成の本質は、濡れ壁状態で流動する凝固、再
生液が、複数本の原液細流を引っ張りながら凝固、再生
を行って行くことにある。
本発明でいう濡れ壁とは、円筒やロート及び平面を液体
が連続的に覆いながら流下している状態を示しており、
その形状に特別制約はない。湿式紡糸で用いられる凝固
、再生液を連続的に且つ適量だけ千面又社曲面に供給し
、一様に流れ落ちる薄層状の流れにしたものを濡れ壁流
助層と表現することにした。
ロートの内面に濡れ壁を形成させようとする時は、特に
流量に注意しなければならない。というのは、下へ行く
程、径が小さくなってゆくため流量が太きいと、ロート
の下部で液留りができてしまい望ましい濡れ壁流助層が
できなくなる。また、円筒の様なものの内面に濡れ壁を
つくろ9とすると円筒の長さに太きく影響される。円筒
の長袋を余り長くすると、流量が少ないと下の方で濡れ
壁流助層に割れ目が出来たり、逆に流量を増やすと入口
近くで均一な層の形成ができなかったシする。
従って、藺れ壁を均一に且つ定常的につくるには形状に
台状した流量と面の勾配及び材質を考えなければならな
い。濡れ壁をっくろ9とする面の粗度%4]γ■と流す
/ik体との適性もあ2)ようである。
テフljンのよう71i:1峠水性のものは、水溶液系
のものを流しても余り均一な薄層状態の流れを形成しな
いという傾向がある。水溶液系ではガラスが比較的良好
で、金属面も余り好オしい状態ではない。
いずれにしても、本発明方法では、いかに定常的fz 
61r、 !II!I 薄層を形成するかが紡糸を安定
させる基本となる。
本発明の構成は極めて単純であり、空気中に吐出しメヒ
湿式紡糸原液を薔れ壁状に流動する凝固、再生液に導入
することから成り立っている。もちろん、エアギャップ
長、原液の吐出fE度、凝固・再生液の減速など種々の
条件は取り扱う紡糸原液の組成、種類などにより異なる
が、本質的にエアギャップ紡糸が可能な紡糸原液である
ならば、本発明方法はいずれの場合においても有効であ
る。
本発明のエアギャップ方法を仮に濡れ壁エアギャップ紡
糸方法(以下濡れ壁AG法と略する。、)と呼ぶことに
すると、本発明濡れ壁AG法は従来のAG法に比べて3
つの点で極めて優位である。すなわち、第1K−1架気
中に吐出された紡糸原液を舗れ壁流助層が引っ張り空気
中での原液の細化が行われること、第2に、濡れ壁流助
層は、紡糸原液と接触する時点で、すてVCかなりの流
速を持っており、紡糸抵抗が低いということであり、第
3に、濡れ壁状態で流動する凝固・再生液量は、従来の
エアギャップ紡糸のそれに比べ、極端に少なくて済むと
いうことである。これらの3点は、高速紡糸を行うKあ
たっては、極めて爪袂である。すなわち、高速紡糸を行
うには、原液又は糸条物の延伸が高いa、また紡糸抵抗
が低い程有利であるが、本発明方法は将にこの様な条件
をみごとに満足している。更に、これらの延伸と抵抗の
低減を行いながら、凝固・再生液の減量をも同時に果た
すという点も兼ね備えており、経済的、工業的にも有利
である。
湿式紡糸原液の空気中へのマルチフィラメント七しての
吐出は、特別、難しいということはないが、粘度の高い
原液の場合は吐出圧が太きくなるという点から紡口のI
、/D(L:紡口の長−J、D:紡口の径)を小さくす
ることが必要であり、逆に粘度の低い場合は紡口間から
の原液の離れと曳糸長とが問題になる。まだ、マルチフ
ィラメントといっても、中糸同志のおqいの紡口間隔が
余り密であると、単糸密着が起ってしまう、ともあれ、
f(4式紡糸原液を空気中に吐出するには原液の粘度に
応じた紡口で、適当な吐出速度と適当な紡口間隔を設定
し、一定の圧ツバ吐出量で紡口より押出せばよい。この
時、粘度が2000ボイズ以上のものなら、一般的に0
.3日以上の紡口径を選び、粘度が200ボイノ以下な
ら、紡口近傍が紡口間よシ、若干打出されている様な紡
口や、細管又は注射針を埋め込んだ様な針状突起紡口を
用いると安定した原液細流としで空気中に吐出すること
ができる。
空気中に複数本の原液X(■流とし、て吐出された紡糸
原液は、紡口から解放でれた瞬間に、いわゆるAラス効
果により一1径を増大されるが、空気中を落下する間に
、自重及び引取ル張力などにより引き伸ばこれ、その径
を減じてゆく。この空気中で、いかに引き伸ばしておく
かというのは重9な問題である。それは、6方速はもち
ろんのこと、物性にも大きな影響を与える。すなわち、
空気中で引き伸ばされても、それは単に原液を引き伸ば
すだけで、引き伸ばした事による物性の変化tまそれ#
1ど生じない。(但し、液晶を形成する場合には、物性
変化も起り得る。)紡口径が変った位の事で、さほどの
影響はない。ところが、凝固・再生液と接触した後に引
き伸ばすと、凝固、再生されながら引き伸ばされるため
、配向や結茜化の状態が太いに変化し、多大な物性変化
が引き起こをれる。
高速紡糸の最大の障害は抵抗であり、且つ、抵抗に依存
する凝固・再生時の弓1き伸ばしである。従って凝固・
再生液と接触芒ぜる以前にできるだけ引き伸ばしておい
て、そして凝固・再生液と接触したときからは、できる
7とVy糸東と凝固・再生液の減速度差を小孕〈保って
余分な引き伸しをかけないことが、高紡速で高物性を持
った糸条を得る方法である。
本発明I′i1 このような考え方に忠実な紡糸方法で
ある。′1′なわち、紡糸原液細流は、流動する濡れ壁
状態の凝固・再生液により引き伸ばされることになシ、
一旦、その凝固・再生液と接触した後は速度差を小さく
する形で併走し、又は自由落下し、その抵抗のかかり具
合は最小となる。これに対して、従来のエアギャップ紡
糸方法は、どうしても極めて低速の凝固・再生浴にかな
りの速度で落下する原液細流が突入し、その突入部分で
引き伸ばこれるという形となる。その引き伸ばされ方の
違いを第2図の説明図1a)及びfblに示す。fat
は従来のAG法の場合を示し、(b)は本発明の4Mれ
壁AG法の場合を示している。
図においてlは紡口、2は紡糸原液細流、3は凝固、再
生浴、5は流動する凝固、再生液、6はロートでありこ
の場合その一部を示している。7は個れ壁流助層を示す
従来のAG法の場合、第2図(atに示す様に凝固・再
生液の供給方向が水平方向になり、紡糸原液細流と接触
してから方向を曳糸方向に向けることになる。このため
、空気中に吐出された紡糸原液に対しては、ゾレーキと
して働き、空気浴中での引伸し効果は全くなく、AG法
のメリットを減じてしまっている。これに対し、本発明
の濡れ壁AG法では、第2図(blに示す様に、紡糸原
液が凝固・再生液と接触するときには、すてに絞液は斜
面又は立面壁を流れており、曳糸方向への速度を持って
いる。このことによシ、空気中に吐出された紡糸原液は
引き伸ばされることになり、凝固・再生を受けるまでに
延伸を受け、相対的に浴内での延伸が少くて済む形にな
るのである。
第2図(b)で、空気中に吐出された紡糸原液は、凝固
・再生液の流れの方向とは反対の方向(斜面の上方側)
に若干振れる。
この様になる理由は明確ではないが、恐らく表面張力の
影響であろう。すなわち、空気中に吐出された紡糸原液
は鉛直方向に落下してゆくが、凝固・再生液は斜面に治
って、ある傾きを持って流れ落ちてゆく。両者が接する
とき、その接触角は垂直でなく、斜面の上方側が鋭角に
、下方側が鈍角になる。一般に表面張力の有効な効き方
は鋭角側に存在するから、紡糸原液は該恢カバランスに
より上方に引き上げられる様な形になるのではないかと
考えられる。
もらろん、この持ち上り方は、凝固・]与主液の流下量
・流下速度などで異なり、表面張力だけのバランスで成
り立っているものではなく、種々の力で決ってくるもの
と思われる。しかし、この紡糸原液が上方に少し持ち上
った形になることは、紡糸そのものには不利にはならず
、むしろ、空気中の原液細流同志の密着を防ぐかたちに
なっており、紡糸安定性に寄与しているようである。
第3図は本発明の濡れ壁AG法の一実施態様を示す略図
的断面図である。図において、1,2,3゜4.5,6
.7は前記第1図、第2図の説明に従9゜この実施例で
は凝固、再生浴3の中にロート6を設定して、ロート6
の内側に凝固、再生液5による濡れ壁流助層7全形成し
、紡口lよシ空気中に吐出した複数本の紡糸液細流2を
前記濡れ壁流助層7に導入し、流速を持つ凝固・再生液
の作用により引つ張シ、ロート細管部8を流下させ凝固
、再生を行い、さらに空間を自由落下でせ、糸道ガイ)
′9の位置で糸条10より凝固、出生液を分離し、糸条
lOを引き取っている。
また、第4図、第5区及び第6図は他の実施態様を示す
図である。この実施例では矩形の紡口を用いている。第
4図は矩形の紡口を示す図であシ、第4図(a)は紡口
面図、第4図(1))は側面図、第4図(c)は前記f
at図におけるA−A’線の断面拡大図である。図にお
いてIIVi矩形紡(」全体を示し、12は吐出口を示
す。第5図は斜板上に濡れ壁流助層を形成し、矩形紡口
を用いて紡糸する実施態様を示す斜視図であり、一部を
切欠いて示している。
図において、矩形紡[J 11より空気中へ吐出はれた
紡糸原液細流2は斜板13上に凝固、再生液14により
形成でれた濡れ壁流助層15に導入でれ、流動層の流れ
に従い流下して凝固、再生でれ、糸条16となシ糸道ガ
イド17に至り走行方向を変向して、かつ凝固、再生液
を分離し回転するロール18及び19に導かれる。、2
0は凝固、再生浴である。
第6図は第5図の実施態様に従い多フィラメントからな
るトウ状物を紡糸する場合の実施態様を示す略図的側面
図である。図において、2,11゜L6,18.20の
説明は第5図に従う、紡糸された糸416けロール18
以下の多段延伸ロール21に導かれ、さらに乾燥ドラム
22の設置された乾燥ドラム室23に導かれ乾燥されて
、その後、スタッファボックス24を通り捲縮トウ25
ときれる。
第3図及び第5図に紡糸部の実施態様が示されているが
、これらは−例であって、本発明方法はこのような形す
Uに限られるものではない。
また第1図にl)及び(1))に示す従来のAG法は種
々のm類の糸条に適用されていることは衆知の事実であ
るが、本発明方法も原理的には従来のAG法が適用でき
る部分には充分に用いることが可能である。し7かし本
発明方法d、いままで非常にAG紡糸が雌かしいとされ
ていだ糸条素材にも適用することができる。特に凝固再
生液の比重が紡糸原液の比重より大きい場合や、紡糸原
液が凝固再生液と接触した時、表面だけが非常に早く凝
固再生し内部の凝固再生が進行しにくい場合などに有効
である。
本発明方法により紡糸される素材には、ビスコースレー
ヨン、鋼アンモニアレーヨン、ポリアクリロニトリル、
ポリ()ξラフェニレン テレフタルアミド)などの湿
式紡糸によって製造されるものがある。
本発明方法が従来の方法に比べ、高速で紡糸可能であり
、且つ得られた糸条の物性が%gでいるという点はすで
に述べたが、更に本発明が従来のAG法に比べ有利なの
は、紡糸原液の比重が凝固再生液の比重より軽い場合や
、紡糸原液が紡口面から離れにくい場合にも安定性良く
紡糸できるという点にもある。
すなわち、濡れ壁流前層が紡糸原液を引っ張る力を持っ
ているので、紡糸原液の紡口面での吐出状轢が非常に安
定する。粘度の低いビスコースレーヨンの場合などは、
この効果が顕著である。ビスコースレーヨンの場合、ビ
スコース原液の比重に対しM:1ller浴の比重が太
きぐ辿常のA O法では糸立てがヅ・Iトシ<、また粘
度が低いために紡口より吐出された原液が紡l」面にく
っつきやすい。これは、凝固再生液が静止しているため
に、捲取り張力が紡III tで及ぼ一層、空気中に吐
出されている紡糸原液が自己7に量による引き伸ばしだ
けに近い形になるからと考えられる。本発すJ方法では
、紡糸原液が凝固il)生浴Vこ入ると同時に、濡れ壁
流前層に紡糸原液が引っ張られることにより、糸立て時
の糸浮さがなく、幼口面へ曳糸力が働くため、紡口面へ
の原液のくつつきも起らiい。糸立て操作が極めて芥易
VCなるという効果も往わせ持っている、 また、ポリ()ξラフエニレンテレンタルアミド)の場
合には1績った意味での効果が認められる。ポリ()ξ
ラフエニレンテレフタルアミド)の濃硫酸溶液の紡糸は
、液晶状態を利用した特殊な条件での紡糸である。
液晶状態は、紡糸原液の組成により決定されるのである
が、紡糸条件も、その液晶状態を充分に活かした形にな
っていることが望ましい。すなわち、ポリ(/eラフエ
ニレンテレフタルアミr)紡糸原液は剪断力を与えられ
ると液晶状態が強調され、分子鎖が剪断力方向に、1転
らひ、強力発現に大きな効果をもたらすと考えられてい
る。
紡糸過程における最大の剪断力の働く場所は、紡孔通過
時であり、この紡孔通過時に液晶状態が発現され、その
状態で凝固させると強力の大きな糸条が得られることに
なる。このポリ(ノソラフエニレンテレフタルアミF)
濃硫酸溶液の紡糸には、本発明で説明しているような従
来AG法が用いられている。しかし、従来方法では紡孔
を出た直後、いわゆるノ々ラス効果が起シ、紡孔内で発
現した液晶状態が弱まってしまうととKなる。すなわち
、紡孔を出たとたんに、剪断力が解放されるために分子
鎖方向が若干ランダマイズされるのである。
これに対し、本発明方法では定常的に濡れ壁流前層が空
気中に吐出されている紡糸原液細流を引つ張っているの
で、この液晶状態の保持がなされたまま凝固されること
になる。従って従来方法よシも強力があシ、しかも紡糸
抵抗も少ないことによる伸度の保持の効果も合いまって
、高速紡糸しても物性の低下を起さず良好な物性の糸条
を得ることができる。
また、銅アンモニアレーヨン、ポリアクリロニトリルの
場合も、濡れ壁流助層による空気中の紡糸原液細流の引
つ張シ細化によシ凝固再生液中での伸長が軽減される。
この事によシ物性の低下が起らず良い物性の糸条が得ら
れる。銅アンモニアレーヨンの場合、紡速を上げてゆく
と糸が屈曲に対して弱くなってくるという性質があるが
、本発明紡糸方法では、その傾向がかなり改善される。
またポリアクリロニトリルの場合には、従来のAG法で
得られる糸条は、しごきやコスレに表面が弱く糸道ガイ
ドなどに白粉が発生したシするといった現象が見られる
。これに対し本発明方法ではこの白粉の発生が極めて小
なくなり、加工性能が大幅に向上する。
仁の様に1本発明方法は物性を維持しつつ紡速を高速化
するのに適したものである。本発明方法の有効性を具体
的な実施例で更に詳り、 <説明する。
実施例1 落球粘度からの換算粘度が73ボイズのビスコースレー
ヨン原液(セルロース濃1i8.4wt%、平均重合度
270.1価55、Na011濃度6.5wt%)を内
径0.2mφの突起状吐出孔を有する紡口よシ、空気中
に一旦吐出し、次いで濡れ壁状に流下する凝固再生液(
55℃、硫酸濃度15(1//、硫酸ソーダ24(1/
/、硫酸亜鉛18f//の水溶液)に導ひき、浴液と一
緒に1500m+自由落下させ糸道ガイドにて糸走方向
を変えて、浴液と糸条とを分離して300m/分の速度
で糸条を巻取った。糸条はロールに巻付けたまま3分間
放置して、充分凝固再生を進行させた後、総状に巻き返
し精練水洗を行い油剤処理を行って85℃で乾燥した。
得られた糸条の物性は乾強度1.fl/7.乾伸度x6
56を示し、若干通常の100m/分位で紡糸した糸条
に比べ劣るものの、3oom7分という高紡速で得られ
る糸条としてeま丹〈はど良好なものであった。また工
業スケールで一般的に用いられているビスコース原液と
Mηl1er浴とを使用して300m/分という高紡速
を実現したという意味でも画期的であった。
向、諸れ壁状に流下する凝固再生液の形成には第3図の
装置を用い、ロートの形状はロート上端の径が75醋φ
で、開口角が90°細管部の径が6wsのものを用い/
ζD凝固再生液の流量は13(10ml/分としf:、
、。
比較例1 実施例1と同様のロート及び紡糸装置を用いて第1図1
hl VC示す従来のAG法で紡糸を行った。その結果
、まず先立てが難しく正常に糸条を走らせることができ
なかった。すなわち、ビスコースが凝固再生浴の表面に
浮き、タンゴ状にかたまってしまい先立てができない。
そこで実施例1のように凝固再生液を一旦鏑れ壁状yg
にすると容易に糸条がロートの中へすいこまれてゆき、
糸条が走行した。その後、徐々に凝固再生液の供給飲を
増してゆき第1図(blに示す様な紡糸状況にした。こ
の時、凝固再生液の流量は2300me1分であり、ロ
ートの細管部での平均流速は約81tn1分となる。
しかし、ロート開口部上端での流速は約0.5m/分で
あり、凝固再生液よシ比重の軽いビスコース原液をロー
ト内へ引き込む程の力がないのはどく当然である。とも
あれ糸条を立てられたので、実施例1と同様に3oom
 7分でロールに巻こうとしたがどうしても250m/
分位までしか巻取ることができなかった。また2 50
 m 7分で巻取った糸条を精練乾燥して物性を測定し
、たが、乾強度1.4f/d、乾伸度8%と本発明に比
べ極めて劣った値を示した。
実施例2 24601の99.8zの濃硫酸eこ、5402の固有
粘1i 4.18のポ17 (、eラフエニレンテレフ
タル”rミド)を溶かし、ポリアミド含有−&t18w
t%の紡糸原液を常法に従い調整し、た。この紡糸原液
を75〜80℃に加温して、0.07m+φの吐出孔を
有する紡口(0,07隔φ、40ホール)から吐出し、
10畷の空気中を落下させた後、5℃の冷水による濡れ
壁流助層へ紡糸原液を導き入れ、その後ロートの細管部
を経て500m+自由落下させ糸道ガイドにて糸走方向
を変え冷紡水と糸条とを分離させ一対の羽根a−ラーを
用いてネット上に400m/分で(緩り落した。ネット
上で充分水洗し、トンネルドライヤーで乾燥して398
m/分で捲取った。この紡糸において用いた濡れ壁流助
層の形態は円錐台形の筒の内部面を利用したもので上部
の径は50mmφで出口となっている下部の口径は5W
rIRである。上端面から下端面の高さは釣35鵡でこ
の円錐台の開口角は60°であった。冷水の流量は12
00d/分とした。
この時、得られた糸条の物性は乾強度23.sy/d、
乾伸度4.2%の1直を示し、4oom/分という高速
で紡糸した糸条としては非常に優れた物性を示した。こ
の実施例では凝固再生液として冷水を用いたが他に希硫
酸を用いることもできる。
比較例2 実施例2で調整したポリ(パラフェニレンテレフタルア
ミr)紡糸原液を用い、紡糸装置を第1図(blに示す
ような形式にして紡糸した。すなわち従来AG法による
紡糸を行ったのであるが、ロートの形状は、細管部の下
端が2msφに絞っであることを除けば実施例1で使用
したロートと同じ形状である。冷水量は1250m/分
であり、従って2目φの出口部での流通は約400 m
 7分と計算され、これに対しロート上端での流速はo
、a m 7分と極めて遅い形になっている。この状態
で糸条を引きとり実施例2と同様に4oom 7分でネ
ットに振り込み、水洗乾燥を行って糸条を4oom 7
分で捲取った。得られた糸条は、乾強度16.5 r/
d、乾伸度2.7%と本発明方法の実施例2で得られた
糸条に比べ極めて物性が低いものであつfc、また実施
例2で用いた紡糸装置、ロートをそのまま使用して従来
A(J法で紡糸しようとすると、冷水流量が4500−
7分と非常に犬きくなり、円錐台形のロート内部で渦が
発生し、定常状態で糸条を引きとることができなかった
実施例3 アクリロニトリル/アクリル酸メチルのモル比が90 
: 10で、数平均重合度が1600±50である共重
合ポリアクリロニトリルを65%の硝酸に溶解した紡糸
原液(共重合ポリアクリロニトリル濃度12%、0℃に
おける落球粘度ηG= 490)を0.35+nyiφ
×24ホールの0.5簡の打出し紡口を用いて、空気中
に細流として吐出した。空気塔長lO調を経て、30w
t%、 0℃の希硝酸水溶液からなる凝固液が濡れ壁流
助層を杉成して流動している酸1^1液にt咳原液細流
を導びき、次いで300鵡自由落下埒1J−だ後、15
0m/分で第10−ルに2回巻きつけシャワー水洗を行
った。続いてl kq/cm”のスチーム処理ii+)
 (内温125℃)を通し、第20−ルとの間で5倍に
姑伸し、乾燥して?5 d/24 fのポリアクリロニ
トリル長繊維を得た。第20−ルの周速は7507F+
/分であり、チーズワイングーの巻取り速度は7oom
 7分として、約7九の乾燥収縮f: H’fす状態で
捲取った。得られた糸条の物性は乾強度4.3f/d、
伸度12.5%と通常の150m/分捲取りの糸条物性
、すなわち、乾強度4.3f/d。
乾伸度15%に対し、遜色のないものであった。
凝固液の滴れ壁流助層は、実施例1で用いたロートを用
い、凝固W #f、量を1200m11分にして屋常状
態で流動する様にしている。この実施例では凝固液とし
て希硝酸水溶液を用いたが、他に水を用いることもでき
る。また、アクリロニトリルの他の溶剤としてDMF 
(ジメナルホルムアミド)、DMAc (ジメチルアセ
トアミド)を用いることができる。その場合、凝固再生
液は、I)MF 、 DMAcの希薄水溶液を用いる。
実施例4 粘度1800ポイズの銅アンモニアレーヨン紡糸原液(
セルロース濃度9%(以下%は重置G分率を示す)、平
均重合度600%(Ju/ce目比o、5゜N1−13
/cell比0.95 )を勇整し1、第3図に示す様
な本発明方法で紡糸した。
すなわち、紡ロロ径0.5mmX48ホールー重配列の
紡口を用い、462/分の吐出喰で紡糸原液を空気中に
吐出した。その時、紡糸原液al流が空気中を落下する
距離は15111111とした。次いでロートを用いて
形成した温度48℃の温水による藺れ壁流前層へ該紡糸
原液細流を導き入れ、その後、ロート細管部を経て10
00m自由、・&下させて糸道ガイドにて糸走行方向を
変更し、温水と糸条とを分離した。次いで該糸条を10
%硫酸水溶液で再生し、更に一対の羽根ローラーでネッ
トコン4ア上に県り落し、5分間保持した後、5%硫酸
水溶液で残銅を洗浄した。更に水洗、乾燥して75d/
48fil 、のキュシラアンモニウムレーヨン糸を得
た。
この紡糸において使用【7たロートは上部のラッパ部の
開口度90°、ラツ・上部の上端の径は7〇−であり、
濡れ壁の形成される斜面の長場は約50簡である。核う
ツ/e部に続いて、内径81m、長さ50鰭の細宥部が
連らなっている。このロートの上端面を水平に保ち、シ
ッフ8部の上端面の全方向よシ凝固能を有する48℃の
温水をオーツマーフローaせて均一な濡れ壁流前層を形
成させる。流動層の厚きはロートが円錐形をしているた
めに位置によって変化するが、上端から5鮨位の所では
厚さは0.5咽位になっている。この時、温水の流量は
800m//分であったから、その位置での流速は約3
 m 7分である。紡糸原液の吐出線速度は4.9m/
分であるので、この濡れ壁流前層は吐出紡糸原液を空気
中で1.6倍に引張っている。
このようにして得られたキュシラアンモニウムレーヨン
糸の物性は、乾強度2.3 y/d、乾伸度14%であ
り、通常の紡糸方法で得られる糸条物性に比べて極めて
良好な値を示すものであった。
実施例5 実施例3で用いた共重合ポリアクリロニトリル紡糸原液
を、第4図に示す様な矩形打出し紡口を用いて空気中に
吐出した。用いた矩形紡口は0.4■φX1200ホー
ル、紡ロビツチ3咽に形成したものであった。後の工程
は第5図、第6図に示す実施順に従った。吐出した紡糸
原液細流は空気浴lO閣を経た後、凝固、再生液として
の希硝酸水溶液により斜機上に形成きれた藺れ壁流前層
に導き、凝1、再生液と共に併走させた後、糸ガイドで
糸条から凝固、再生液を分離し、第10−ルへ引き取シ
、その後は1200フイラメントを束ねて温水中(80
℃)でロールを用いた多段延伸を行い、次いで乾燥し、
スタッファボックスで捲縮をかけて、5000デニール
、1200フイラメントのトウを捲取速度320m/分
で得た。得られたトウは通常の紡糸方法で得られたもの
と特別食ったところはなく、物性的にも、またスライバ
ー化する工程におりる特性も従来のトウと同等と評価さ
れた。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のエアギャップ紡糸方法を示す略図的側面
図であり、第1図(alはロート細管を用いない場合を
示し、第1図(I))はロート細管を用いる」シ、1介
4・示12ている。第2図V1紡口から吐出された1r
ノ11′Jf;(液細1111r、が従来の凝ト1、再
生浴に導かれる場自と、本発明の紡糸方法Vこおける濡
れ壁流前層に導かれる場合の紡糸原液細流の引き仲ばを
れ方の違いを示す説明図である。 第:(+gil ld:本発明の一実施態様を示す略図
的断面図である。 第4図は矩形の紡1コを示す図であり、第4図(a)は
紡目面トイ1、第4図(1〕)は側面図、第4図(cl
は前記(a)図におけるA−A’線の断面拡大図である
。 第5図は斜板上に濡れ壁流前層を形成し、矩形紡口を用
いて紡糸する実施態様を示す斜視図であり、一部を切欠
いて示している。 第6図は第5図の実施態様に従いポリアクリロニトリル
を紡糸する場合の実施態様を示す略図的側面図である。 1・・・紡口、2・・・紡糸原液細流、3・・・凝固、
再生浴、4・・・ロート細管、5・・・凝固、再生液、
6・・・ロート、7・・・濡れ璧流助層、8・−・ロー
ト細゛H部、9・・・糸道ガイド、io・・・糸条、1
1・・・矩形紡口、12・・・矩形紡口の吐出口、13
・・・斜板、14・・・凝固再生液、15・・・斜板上
に形成された儒れ壁流前層、16・・・糸条、17・・
・糸道ガイド、18及び19・・・ロール、20・・・
凝固、再生浴、21・・・多段延伸ロール、22・・・
乾燥ドラム、23・・・乾燥ドラム室、24・・・スタ
ッファボックス、25・・・捲縮トウ特許出願人 旭化
成工業株式会社 第1図 (a)        (b) 第2図 第3図 1 第4図 (b)  T=======ハピテ 1

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、 紡糸原液を一旦空気中に複数本の細流として吐出
    し、次いで、凝固、再生浴へ導く紡糸方法において、紡
    口よシ吐出された紡糸原液細流を濡れ壁状態で流動して
    いる凝固再生液へ導入し、該凝固再生液と共に移動させ
    ながら凝固・再生を行い、その後、該凝固再生液と分離
    して、糸条を引き取ることを特徴とする湿式紡糸方法2
     凝固再生液が濡れ壁状態の流動層を形成した後、自由
    落下して糸条と併走落下することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の湿式紡糸方法 1 紡口が核数本のキャピラリーを有する突起紡1」で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の湿
    式紡糸方法 本 濡れ壁流助層が、円錐台形又はロート開口部の内面
    形成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の湿式紡糸方法 5、 濡れ壁流助層が鉛直方向に対し傾きを持った平面
    上に形成され、紡糸原液の吐出紡孔が横一列に配置され
    た紡口を使用することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の湿式紡糸方法
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