JPS5921854Y2 - 廃液の連続処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は下水処理場の汚水や、各工場の廃液を連続処理
する装置に関するものである。

上記汚水や廃液を未処理のまま河川に放流することによ
り、へ泥等で各種公害問題が発生するので、従来沈降池
に沈降させたり、濾過器により濾過させたりする方式が
採用されている。

前者の沈澱処理の場合にあっては、汚水の流入停止から
沈澱にともなう澄水となる迄の日時、澄水の放流後の沈
澱物の取り除きに多くの日時と手間がかかるばかりでは
なく、広大な敷地面積を必要とする欠点があった。

後者の濾過処理の場合にあっては、濾布の目すまりによ
り濾過効率が低下するので、連続作業を行なうことがで
きない欠点があった。

上記の点に鑑み連続処理する方法として、特開昭５２−
３４４６３号公報に記載されたドラムスクリーンがある
。

上記公知のドラムスクリーンは、外輪スクリーンを回転
させたドラムスクリーンの高所側開口より廃水を流速さ
せると、液分は内輪と外輪の間隙を流れて下方に流出し
、又ろ滓はドラムスクリーンの傾斜作用と外輪スクリー
ンの回転作用によって低所側へと送られ、下方位置の他
端の開口から排出される。

廃水の濾過作用中において、内輪と外輪との間隙にろ滓
が詰まると、この挾雑物によって内輪と外輪との摩擦抵
抗が大きくなるため、内輪は外輪と共に回転して上方に
移動する。

上部に移動した内輪は、自重によって下方に移動するた
め、内輪と外輪との間隙は大きくなり、このため内輪と
外輪の挾雑物はドラムスクリーンの内周面に落下させる
ようにしたものである。

しかしながら、廃液の流入流れによって間隙に挾雑物が
強く喰込んだ場合、自重により移動する内輪により喰込
んだ挾雑物を押し出すことができず、内輪の移動を阻害
し、確実な自浄効果を発揮することができない不都合が
発生する。

本考案は目詰りした挾雑物を確実に押し出して自浄効果
を高め、上述の欠点を解消することを目的とした廃液の
連続処理装置を提供する。

次に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

図において、ＡはタンクＢに組込まれた廃液処理ドラム
で、このドラムＡは、駆動軸１と、この駆動軸１の中央
から放射状に伸びるアーム２と、この各アーム２の端末
の両側から側方に伸びる突出部材３と、この突出部材３
の端に周縁を固着した環状の端板４と、上記突出部材３
の外側に嵌り込んで両端板４間に櫛歯状に並設支持した
固定リング５と、上記固定リング５間に対向面間に微細
な間隙を存して嵌り込み、かつ周囲方向にスライドする
可動リング６と、タンクＢの側壁に端板４の周縁を可回
動できるようにシールするシール部材７と、タンクＢの
側壁に上記固定リング５と可動リング６との間を通過し
た濾過水が排水されるように設けた排水口８とによって
構成されている。

上記固定リング５の支持は、端板４間に横架した軸材９
と、固定リング５の内縁に上記軸材９に貫通するように
設けた突片１０とによって行なわれ、かつ突片１０間に
間隔ピース１１を介在して、上記固定リング５の間隔を
一定に保つ。

又可動リング６のスライドは、可動リング６の内縁の等
間隔位置から突設して杆材１２により相互に一体化した
カム片１３と、ドラムＡの回転途中に一列の上記カム片
１３が常に乗り込むようにタンクＢの側壁に支持させた
転子１４とによって構成されている。

図中１５はタンクＢの底部に設けた廃液の流入口、１６
はタンクＢの上部に設けた排出口で、この排出口１６よ
り流出する汚水を、上記流入口１５に向う廃水の供給路
に還流させるとよい。

以上の構成から成る本考案に係る装置によれば、駆動軸
１によりドラムＡを一方向に駆動し、かつ流入口１５よ
りタンクＢに廃液を連続供給する。

上記タンクＢに供給された廃液は、固定リング５と可動
リング６との間隙を通過して濾過され、濾過水は、ドラ
ムＡの端から排水口８をへて排水される。

又可動リング６のカム片１３の一つが、常にドラムＡの
回動途中、回転子１４に乗り込むので、外周方向に上記
可動リング６をスライドさせる。

このため、固定リング５と可動リング６との間隙につま
ったへ泥等を押し出すので、上記固定リング５と可動リ
ング６との間隙を常に自浄することができる。

従って濾過効率が低下することなく連続的に濾過を行な
う。

本考案の装置によれば、可動リングのカム片の一つが常
にドラムの回動途中回転子に乗り込むようにしであるの
で、ドラムの外周方向に可動リングを強制的にスライド
させながら、固定環状板の外周縁に可動環状板の外周縁
を到達させ、しかも上記の到達位置を逐次変位させる。

このため、ドラムの間隙にへ泥が詰っても確実に押し出
して自浄効淀を発揮し、かつドラムの全周を均一に自浄
して、連続運転を可能にすると共に、連続運転時の濾過
効率を低下させることがない。

又ドラムの固定環状板間に流入流れにより強く挾雑物が
喰込んでも、可動リングの強制スライドにより確実に押
し出す効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一部切欠平面図、第２図は側面図
、第３図は同上の縦断側面図である。 Ａ・・・・・・ドラム、Ｂ・・・・・・タンク、１・・
・・・・駆動軸、２・・・・・・アーム、３・・・・・
・突出部材、４・・・・・・端板、５・・・・・・固定
リング、６・・・・・・可動リング、７・・・・・・シ
ール部材、８・・・・・・排水口、９・・・・・・軸材
、１０・・・・・・突片、１１・・・・・・間隔ピース
、１２・・・・・・杆材、１３・・・・・・カム片、１
４・・・・・・転子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸と、この駆動軸の中央から放射状に伸びるアーム
   と、この各アームの端末の両側から側方に伸びる突出部
   材と、この突出部材の端に周縁を固着した環状の端板と
   、上記突出部材の外側に嵌り込んで両端板間に櫛歯状に
   並列支持した固定リングと、この固定リング間に対向面
   間に微細な間隙を存して嵌り込み、かつ周囲方向にスラ
   イドするリングとで構成したドラムと、可動リングの内
   周縁等間隔位置から突設して杆材により相互に一体化し
   たカム片と、突出部材に衝突しないようドラムの両端か
   ら内方に嵌入すると共に、常に一つのカム片が乗り込む
   よう静止状態に設けた複数の転子とから戊る廃液の連続
   処理装置。