JPS5921674B2 - 都市ゴミ焼却炉ｅｐ灰の固化処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰（ＥＰ灰とは電気集塵灰
をいう）の固化処理方法に関する。

都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰は、亜鉛、鉛、銅等の重金属有害
物質を多量に含み、そのまま投棄することは公害防止の
観点から許可されない。

この処理対策としてセメントによる固化処理が試みられ
ているが、これらの重金属及びその酸化物がセメントの
水和反応を抑制するので、充分な固化はできず、成型体
は一日以内に完全に崩壊し、水中に浸した場合は有害物
質を溶出する。

すなわち、都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に含有される亜鉛、鉛
等の重金属及びその酸化物がセメントの初期水和の際に
生ずる遊離石灰分と反応して、例えばヒドロキシアクオ
亜鉛酸カルシウム （Ｃａ （Ｚｎ （ＯＨ）ｓ−ｎ２ｏ）２）等の錯化合
物を形成し、水利反応を阻害するので充分な固化はでき
ず、成形体は一日以内に崩壊してしまう。

一方、地下鉄工事や地下街建設工事等の土木工事では、
多量の吐出上があり、この土壌は一般に軟弱である。

処理対策としては各種の固化材と混合しつつ埋め戻すと
いう方法が試みられているが、埋め戻しが可能な土量は
少なく大部分は余剰土として外部に搬出する必要に迫ら
れている。

その際にも自然状態のままで投棄すれば、降雨等によっ
て流出するので何らかの形での固化が必要となる。

本発明の目的は、重金属有害物質を含有する都市ゴミ焼
却炉ＥＰ灰をセメントによって固化するにあたり、反応
性に富む粘土鉱物を含む粘土、特に該粘土を含む土木工
事の際の軟弱な吐出上を混合することによって固化を可
能ならしめ、しかも結果的には都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰と
余剰な軟弱吐出土という２種の廃棄物を同時に安定な形
に同化するというまさに一石二らの処理方法を提供する
ものである。

本発明によれば都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰をセメントにて固
化するにあたり、反能性に富む粘土鉱物を含む粘土を混
合して都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に含有されている重金属及
びその酸化物がセメントの水和反応を抑制するのを防止
することを特徴とする都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰の固化処理
方法が提供される。

前記反応性に富む粘土鉱物を含む粘土は、イライト、ア
ロフェン、加水ハロイサイト、カオリナイト、ナクライ
ト、モンモリロナイト、クロライドのうちの少なくとも
一つを含有する海成土、ローム、頁岩、粘板岩、陶土及
び白土からなる群の粘土のうち少なくとも一つから選択
するのが望ましい。

これらの粘土を都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に混入すると、セ
メントの初期水和の際に生ずる遊離石灰分は粘土粒子に
吸着されるので、都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰中の亜鉛、鉛等
の重金属と反応して前述したような錯化合物は形成しな
い。

従ってセメントの水和は以後も何ら阻害されることなく
進行し、充分な固化が可能となる。

さらに長期的にみた場合、粘土中の粘土鉱物は活性なア
ルミナ及びシリカ源として作用し、吸着した遊離石灰分
との間にカルシウムアルミネート及びシリケート水和物
を生成しセメントの水和と相俟って大きな強度を発現し
、この硬化体をいっそう安定なものとする。

混入割合は前記都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に対し、１０乃至
５０重量％のセメントと５０乃至１００重量％の前記反
応性に富む粘土鉱物を含む粘土を混入するのが望ましい
。

この場合粘土の混入量が少いと効果が少なく、多いと固
化物の強度が低下する。

この処理において、粘土中に水分が含まれている場合に
は、混練後加圧すれば成型性に富み即時脱型が可能であ
る。

また水を加えての流し込み成型が可能なことは言うまで
もない。

この際も充分な強度を発現し、硬化体は安定なものとな
る。

以上の如く、本発明の固化処理方法は都市ゴミ焼却炉Ｅ
Ｐ灰にセメントと粘土とを適量配合し、加圧するかある
いは水を加えて流し込み成型するといった簡単な方法で
、従来困難視されていた都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰の固化処
理が可能となり、併せて土木工事の際の余剰な軟弱吐出
土の処理もできる。

余剰な吐出上を用いることから、処理費用も極めて少な
（、経済的であると同時に、２種の廃棄物を同時に安定
な形に固化処理できるところから社会的にも極めて有意
義なものである。

実施例 １ 都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に対して２５重量％のセメントと
１００重量％のイライト、モンモリロナイト及びクロラ
イドを含む海成土とを配合し、均一になるまで充分に混
練した。

この際に用いた海成土の自然含水比は１０５％であった
。

混練後面圧で１００ｋｇ／ｃｒＡの圧力を加えて成型し
た。

加圧時間は５秒とした。加圧後の成型体は即時脱型し１
日月は湿空養生、２白目以後は水中養生した。

表−１に圧縮強度を示す。

セメントのみによる処理では１口径崩壊したので強度の
測定は不能であった。

表−２は材令２８日の成型体についての重金属の溶出試
験結果である。

この試験は昭和４８年環境庁告示１３号に定められた方
法に依って行った。

なお表−２中の成型体は表−１中の５２試料を相称する
。

実施例 ２ 都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に対して２５重量％のセメントと
１００重量％の加水ハロイサイト及びアロフェンを含む
ロームと５０重量％の水とを配合し、均一になるまで充
分に混合した。

この際に用いたロームの自然含水比は８０％であった。

混練後適当な型枠に流し込んで成型し１日後に脱型、２
日目以後は水中養生した。

表−３に圧縮強度を示す。

セメントのみによる処理では脱型時に崩壊したので強度
の測定は不能であった。

材令２８日の成型体について実施例１と同様の溶出試験
を行ったが、重金属は検出されなかった。

表−４に結果を示す。なお、表−４中の成型体は表−３
中の屋４試料を相称する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰をセメントにて固化するにあ
   たり、イライト、アロフェン、加水ノ・ロイサイト、カ
   オリナイト、ナクライト、モンモリロナイト、クロライ
   ドのうちの少なくとも一つを含有する海成土、ローム、
   頁岩、粘板岩、陶土及び白土からなる群の粘土のうち少
   なくとも一つから選択した反応性に富む粘土鉱物を含む
   粘土を混合して、都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に含有されてい
   る重金属及びその酸化物がセメントの水和反応を抑制す
   るのを防止することを特徴とする都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰
   の固化処理方法。 ２ 前記都市ゴミ焼却炉ＥＰ灰に対し １０乃至５０重
   量％のセメントと５０乃至１００重量％の前記反応性に
   富む粘土鉱物を含む粘土を混入することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の固化処理方法。