JPS5921661Y2 - 定置用土俵 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は定置網を固定係止させるための土俵に関するも
ので、更に詳しくは土俵の底部に把持部を形威させてな
るものに係る。

定置網の固定係止具としては既に多種多様なものが考案
されているが、このうち土俵においては砂質、泥質、岩
盤等あらゆる海底条件においても比較的安定した固定性
能が発揮されること並びに海底への投下敷設作業も簡便
に行えること等から、現状においては最も広範に且多量
に使用されているものである。

そして現状の土俵はその取扱い面から１俵当す５０〜６
０ ｋｇの土砂、岩石等が充填されてなるものであるた
め、所要の固定力を具備させるためには可成り多量の土
俵を投下敷設する必要があり、現状では小型定置網でも
３〜５千俵、中型定置網では１〜３万俵、大型定置網に
至っては５〜１０万俵以上もの土俵が使用されている。

然るにかかる土俵は第４図或いは第５図に示す如く、主
としてポリエチレン、ポリプロピレン等ボッオレフィン
系テープヤーンを筒状に製織してなる織物素地Ａを所要
の長さに裁断したろうえ、底部Ｂを折返し縫合するとと
もに上端開口部Ｃの織物素地Ａを内側に折返して補強縁
りを形成するとともに、任意数個の挿通孔Ｅを穿孔し該
挿通孔Ｅ内に閉塞兼連結ロープＦを挿通させたもの、若
しくは上端開口部Ｃ′に閉塞兼連結ロープＦ′を包被縫
合させたものであって、該土俵に土砂、岩石等充填物を
５０〜６０ ｋｇ充填すると、土俵全体が丸味を帯び且
その外表面は織物素地特有の平滑性を有するため、充填
後の保管に併う移動作業や投下敷設に際して所定海域ま
での運搬作業或いは船より海底投下作業等における該土
俵の引き上げ、引き落しに際して把持する部分が特段な
く、度々滑り落して破袋事故を招来したり負傷したりす
る事故が多く、且通常閉塞兼連結ロープＦ或いはＦ′が
巻回結着されてなる上端開口部Ｃ或いはＣ′の近傍を掴
んで引き上げ、引き落しを行っているが、１俵当り５０
〜６０ ｋｇの重量では両手で掴んでの作業となるため
作業能率が極めて悪い等その取扱性の面については全く
配慮がなされておらず、これがため極めて多量の土俵を
充填し且敷設するに要する作業は非常に困難を極め而も
その作業労力は莫大なものである。

本考案はかかる問題を解決するためになされたものであ
って、土俵の底部に把持部を形威し上端開口部と該把持
部とを両手で把持できるようにし、以って作業の簡便且
能率化を可能ならしめることを目的とするもので゛ある
。

以下本考案実施例を図に基づき詳述すれば、第１図は本
業面の見取図、第２図は充填された本業面の見取図、第
３図は本業面の他の例示図であって、本考案に用いる織
物素地１は土俵の使用特性上からの強靭性や嵩高性とと
もに溶着性を具備する必要上から、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等ポリオレフィン系テープヤーンを製織して
なる織物素地が選ばれ、且縫製加工に便利なように筒状
に製織されてなるものである。

かくしてなる織物素地１を所要の長さに裁断し、底部を
縫合して底部縫合部２となすとともに該底部縫合部２の
下端には、該織物素地１よりなり且その長さが少なくと
も３ｃｍ以上好ましくは５〜１０ｃｍの底縁部３が形成
されている。

そして該底縁部３のそれぞれ縦及び横方向の略中央部に
は、該底縁部３と水平に且その長さが５〜１０ｃｍのス
リット状に溶断されてなる把持部４が、表裏の織物素地
１を貫通するように形成されてなるものである。

他方上端開口部５は従来の定置用土俵と略同様な構成を
有するもので、該織物素地１を内側に折返して補強縁６
を形成し且該補強縁６に任意数個の挿通孔７を穿孔し、
該挿通孔７内に閉塞兼連結ロープ８を挿通させてなるも
の、或いは第３図の如く上端開口部５に閉塞兼連結ロー
プ８を包被縫合９させてなるものである。

本考案は上述の如き構成よりなるものであって、底部縫
合部２の下端に、織物素地１よりなり且その長さが３〜
１０ｃｍの底縁部３が形成されてなるとともに、該底縁
部３のそれぞれ縦及び横方向の略中央部には、該底縁部
３と水平に且その長さが５〜１０ｃｍのスリット状に溶
断されてなる把持部４が、表裏の織物素地１を貫通する
よう形成されてなるため、土砂、岩石等の充填後の保管
に伴う移動作業、投下敷設に際しての所定海域までの運
搬作業或いは船よりの海底投下作業時等でも、片手側で
閉塞されている上端開口部５の近傍を、他方手で該把持
部４を掴んで作業ができるため引き上げ引き落し作業が
無理なく行え、且把持部４は強固に掴むことができるか
ら荷重し事故もなくなり安全に作業ができる。

而も閉塞された上等開口部５と把持部４は充填された土
俵の縦方向の略中央位置に形成されるから、引き上げ時
或いは取扱時の荷重は偏りなく略均等に上端開口部５側
と把持部４側とに分散されるため安定した取扱作業が行
える等その作業性は極めて簡便に而も能率的に行うこと
が可能となる。

更に把持部４は電熱鏝等で単にスリット状に溶断するの
みで形成されるためその加工性は極めて良く且極めて安
価に形成できるばかりか、該スリット状に溶断されたス
リット状縁部はその織物素地１を構成する縦糸及び横糸
が相互に溶着し固化するため強固となり、はつれの防止
ばかりでなく取扱いに際しての荷重に十分対抗できる。

このように本考案は多くの利点を有する定置用土俵であ
る。

【図面の簡単な説明】

第「図は本業面の見取図、第２図は充填された本業面の
見取図、第３図は本業面の他の例示図、第４図及第５図
は従来品の見取図である。 符号の説明 １・・・・・・織物素地、２・・・・・・
底部縫合部、３・・・・・・底縁部、４・・・・・・把
持部、５．、、、、、上端開口部、６・・・・・・補強
縁、７・・・・・・挿通孔、８・・・・・・閉塞兼連結
ロープ、９・・・・・・″包被縫合。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポリエチレン、ポリプロピレン等ポリオレフィン系テー
   プヤーンを筒状に製織してなる織物素地を用いて所要の
   長さに裁断し、底部を縫合するとともに上端開口部には
   該織物素地を内側に折返して補強縁を形成するとともに
   任意数個の挿通孔を穿孔し、該挿通孔に閉塞兼連結ロー
   プを挿通させてなるもの、若しくは上端開口部に閉塞兼
   連結ロープを包被縫合させてなる定置用土俵において、
   底部縫合部の下端に該織物素地よりなり且その長さが３
   〜１０ｃｍの底縁部が形威されてなり、而も該底縁部の
   それぞれ縦及び横方向の略中央部に、該底縁部と水平に
   且その長さが５〜１０ ｃｒｎのスリット状に溶断され
   てなる把持部が、表裏の織物素地を貫通するよう形威さ
   れてなることを特徴とする定置用土俵。