JPS5921527A - ソフトフエライト用酸化鉄及びその製造方法 - Google Patents

ソフトフエライト用酸化鉄及びその製造方法

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JPS5921527A
JPS5921527A JP57129045A JP12904582A JPS5921527A JP S5921527 A JPS5921527 A JP S5921527A JP 57129045 A JP57129045 A JP 57129045A JP 12904582 A JP12904582 A JP 12904582A JP S5921527 A JPS5921527 A JP S5921527A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ソフトフエライト用酸化鉄粉末及びその製造
方法に関するものであり、特には改善されたヘマタイト
法によつて粒度分布の狭いそして平均粒径の小さな高純
度酸化鉄粉末を製造する技術に関係する。
従来より、フエライト用原料としての熱化鉄粉末の製造
方法の一つとしてヘマタイト法と呼ばれる方法が知られ
ている。このヘマタイト法は、湿式亜鉛製錬の残査等を
還元性雰囲気で浸出した後、脱銅、中和処理等の処理を
経て得られる亜鉛及び鉄を含む溶液を出発物質とするも
のである。この出発物質は、硫酸鉄及び硫酸亜鉛を主成
分とする溶液若しくは硫酸鉄、硫酸亜鉛及び硫酸カルシ
ウムを主成分とする溶液であり、これを所定の昇温下で
加圧酸化することにより酸化鉄α−Fe2O3を沈殿分
離するものである。亜鉛は製錬系統の浸出工程に戻して
回収される。このヘマタイト法は亜鉛製錬残査を有用に
処分しうると同時にソフトフエライト用の良質の酸化鉄
を製造しうる可能性を持つものとして注目をあびている
しかしながら、従来のへマタイト法で得られた沈澱生成
物は、酸化鉄とジヤロサイト(KFe3(SO4)2(
OH)6又はNaFe3(SO4)2(OH)6 )と
の混合物として得られる場合が多い。ジヤロサイトは1
〜50μm程度の板状結晶であるため粒子が粗くそして
Na及びKを多量に含むためソフトフエライトの磁気特
性を劣化させる点で好ましくない。また、従来法で得ら
れる酸化鉄は針状の一次粒子が球状に凝集してなる二次
粒子の構造をとり、従つて平均粒径が2〜20μmと大
きく、ソフトフエライト用酸化鉄としては不満である。
更には、粒度分布が広く各種フエライト製品の作製に際
して障害を呈する。斯様に、ヘマタイト法に基いて従来
から為されてきた実施法では、平均粒径、粒度分布並び
に粒子構造及び形態の点でソフトフエライト用酸化鉄と
して満足すべきものは製造されず、工業的に用いられた
例はなく改善の余地を残している。
本発明者は、ソフトフエライト用としてきわめて適した
粒子特性を具備する酸化鉄粉末、即ち(i)平均粒径:
0.4〜1.2μ、好ましくは0.5〜1.0μ (ii)粒度分布:モード径±0.4μm以内に65%
以上を含む粒度分布を有する。尚、モード径とは粒度分
布曲線の最大値であり、その粉体中にもつとも多数含ま
れる粒子径である。
(iii)粒子形態:二次粒子を実質上伴わず、粒状の
一次粒子構造 なる特性を備え、且つ沈殿物生成時にジヤロサイトを包
んでいない酸化鉄粉末を入手するべく、ヘマタイト法に
基く従来からの実施法について検討を重ねた。上記特性
を備える酸化鉄粉末はヘツド、インダクタトランス等用
のソフトフエライト製造に好適なものであり、後述する
ように従来からのヘマタイト法或いはその他の公知の製
造法では生成しえない。検討の結果、ヘマタイト法を実
施する従来実施法においては、 (イ)180°〜210℃の昇温下で酸化反応を行うこ
とが表明されているものの、実際には180°以下の段
階で加温しつつ酸素が吹込まれたり或いは連続生産の場
合180〜200℃で酸化しつつそこに新たに原液が供
給されるため、槽内の溶液温度が部分的に下がり、針状
のゲータイトが生成され、これら中間生成物としての針
状ゲータイトが球状に凝集した後、脱水されて酸化鉄と
なる為、凝集構造の二次粒子として粗大な酸化鉄粒が生
成すること、及び (ロ)酸化反応して硫酸濃度が30g/l以上になつた
ところに原液が供給されることにより粗大なジヤロサイ
トが生成すること の2点が基本的に障害となつており、良好な酸化鉄粉末
の製造を阻んでいることが判明した。ジヤロサイト及び
ゲータイトが反応過程で生ずることがないよう、酸化時
の反応液温度及び酸濃度を綿密に管理することが必要で
あり、従来実施法はこの点配慮を欠いたものであつた。
本発明について第1図を参照して具体的に説明する。
本発明においては、出発材料として、硫酸鉄及び硫酸亜
鉛を主成分とする溶液或いは硫酸鉄、硫酸亜鉛及び硫酸
カルシウムを主成分とする溶液が使用され、これらは前
記したような亜鉛製錬残査の浸出液が主たる原料である
が、その他亜鉛渡金鉄スクラツプの硫酸溶解液等も原料
となりうる。
出発溶液は、熱交換器等で予備加熱される。或る温度以
上に予熱すると、溶液中の硫酸鉄がFeSO4・H2O
として析出するため、予熱温度は溶解度を考慮し高すぎ
ないようにする必要がある。
その後、予熱溶液はオートクレーブ等の高圧容器に送入
され、そこで蒸気によつて180〜210℃の温度に加
熱される。溶液全体が所定温度に達したことが確認され
ると、酸素の吹込みが開始される。酸素吹込みに際して
溶液中の酸濃度は硫酸換算で30g/l以下、好ましく
は20g/l以下とする必要がある。これ以上の酸濃度
において酸化反応を行うとジヤロサイトが随伴的に生成
する。但し酸素吹込み後、原液を供給しなければ反応槽
中の硫酸濃度は30g/l以下になつてもジヤロサイト
は生成しない。
酸素の吹込みに、溶液全体が完全に180℃以上に昇温
された後に行わねばならない。昇温過程から酸素を吹込
むと、中間生成物としてゲータイトが生成し、前述した
ように針状粒が凝集して二次粒子を形成し、その後脱水
してFe2O3となるので粗大粒が生成される。
酸化鉄の生成反応は、溶液中の硫酸鉄濃度が鉄換算値で
16g/l以上であれば、200℃に昇温した場合Fe
SO4・H2Oが沈殿する。昇温後酸素を吹込むと、以
下に示す反応によつて酸化鉄が生成し、同時に溶液中の
酸濃度か増加する。
2FeSO4+1/2O2+2H2O→Fe2O3+2
H2SO4反応が進むにつれ、溶液中の鉄濃度が減少し
、一旦生成されたFeSO4・H2Oは再溶解し、その
後酸化されてFe2O3が生成する。反応温度は200
℃以上が好ましい。その方が、反応時間を短縮し、操業
効率を高めるからである。酸素分圧は2〜4Kg/cm
2に維持するのが好都合である。酸素分圧が2kg/c
m2より小さいと、反応時間が長くなり、反面4kg/
cm2を越えると良好な酸化鉄沈殿物が生成されない。
反応時間は酸化鉄の充分なる沈殿が生じるに足る時間と
され、反応条件に依存するが、Po2:3Kg/cm2
及び温度200℃において2時間位で充分である。
昇温及び反応中、溶液を撹拌することが温度の均一化及
び反応の均一化の点から必要である。撹拌速度が速い程
、生成粒子は細かくなる。また昇温中から撹拌を行わな
いと反応容器壁にFeSO4・H2Oが付着し、粉体特
性の安定した酸化鉄が得られないばかりか再溶解速度が
著るしく低下し操業上の支障を来たす。
反応中の溶液温度の維持は蒸気の吹込みによつてもたら
される。反応容器中の多数の部位に配置した温度測定装
置により、溶液温度が少くとも局所的に所定範囲外に変
動する傾向が生ずると、蒸気吹込弁を加減し且つ撹拌を
強めて溶液全体が一定の温度範囲にあるよう監視するこ
とが肝要である。この他、ジヤケツト、電気的加熱装置
等の保温設備の使用乃至併用も可能である。
連続方式の場合には酸濃度についても、所定限を越えな
いよう反応中酸素濃度を検知しつつ、所定値を越えるよ
うであると酸素の吹き込みを中断し源液を供給し酸濃度
を低下させる。
斯うして、厳密な温度及び酸濃度管理の下で所定時間酸
化反応を実施した後、反応終了液は減圧容器に移され、
そこで大気圧に戻された後濾過しそして水洗される。こ
のようにして得られた酸化鉄にはジヤロサイトが含まれ
ていないため、従来必要とされたジヤロサイト除去のた
めの高温高圧水での洗浄操作は必要とされない。但し、
出発溶液が硫酸カルシウムを含む場合には、硫酸カルシ
ウムを除去する為洗浄が必要であるが、これは水洗によ
つて容易に行いうる。
その後、脱水及び乾燥が行われ、硫黄分の含んだままで
よい酸化鉄が求められる場合にはそのまま、そして硫黄
分を含まない酸化鉄が求められる場合は焙焼操作を経た
後乾燥又は焙焼時に生じた固まりの簡単な解砕を行つて
ソフトフエライト用酸化鉄とする。酸化鉄中に含まれる
硫黄分はフエライト製造時の仮焼工程で揮散するので製
品自体としては硫黄を含んだままの酸化鉄でも問題ない
のであるが、フエライト製造仮焼工程でSO2が発生し
、その為の排ガス浄化設備をフエライト製造工場側で設
置する必要がある。これを嫌つて、酸化鉄供給時に硫黄
を除去しておくことが需要者側から要求されることが多
々あり、この場合には硫黄分をあらかじめ除いておく必
要がある。硫黄は第2図のグラフに示すように、800
℃以上の温度で焙焼することにより簡単に除くことがで
きる。
斯うして生成された酸化鉄粉末は従来からのヘマタイト
法に基く実施法によつて製造された粉末(従来品という
)及び代表的な市販酸化鉄粉末と比較して全く別異の粉
体特性を具備し、ソフトフエライト用酸化鉄原料として
きわめて好適なものである。
先にも述べたように本発明の酸化鉄粉末は次の通り特性
づけることができる: (i)ソフトフエライト製品の構造に適性な0.4〜1
.2μ、好ましくは0.5〜1.0μの平均粒径を有す
る(平均粒径はフイツシヤーサブシーブサイザーによつ
て測定した)。
(ii)粒度分布が非常に狭く、均一性の良好な粉末が
得られる。モード径±0.4μm以内に65%以上を含
む分布を有している。
(iii)粒子形態が細い粒状の独立した一次粒子から
実質上成り、粒子が凝集した二次構造のものを実質上伴
わない。
(iv)化学組成 (イ)硫黄分を含む場合 (Fe2O3)/(93.0〜94.0) (CaO)
/(0.01〜0.02) (SiO2)/(0.01
〜0.02) (SO4)/(2.5〜3.5)(ロ)
硫黄分を焙焼により除去した場合(Fe2O3)/(9
9.1〜99.5) (CaO)/(0.01〜0.0
2) (SiO2)/(0.01〜0.02) (SO
4)/(0.2以下)第3図は、本発明粉末、従来品及
び市販品についての酸化鉄粒度分布曲線を示す。市販品
A及びBは酸化鉄溶液を高温に噴霧する瞬間焙焼法によ
るものであり、そして市販品Cは硫酸鉄溶液を焙焼した
もの(硫酸鉄焙焼法)である。従来品は、従来態様での
ヘマタイト法により製造された市販粉末である。本発明
においては後述する実施例1及び2の生成物を挙げた。
第3図からわかるように、従来品は粒子半径も大きく且
つ粒度分布も広い。市販品Aは粒度分布がきわめて広く
また完全に二山分布である。市販品Bは平均粒径は本発
明に近いが粒度分布が広すぎる。市販品Cはモード径±
0.4μm以内に60%以上含まれるが、平均粒径が小
さすぎる。径つて、本発明酸化鉄の平均粒径及び粒度分
布を同時に満す公知酸化鉄粉末は存在しない。平均粒径
が本発明の規定する範囲の下限より小さいと、ヘツド等
のソフトフエライト製品の作製に当つて粉末が凝集しや
すいので作業がきわめて困難となり、他方上限より大き
いと生成フエライト製品の品質が低下する。粒度分布が
狭いことは酸化鉄粒寸が良く揃い、平均粒径から外れる
粒寸のものが非常に少ないことを意味し、きわめて良質
のフエライト製品をもたらす。従つて、平均粒径が0.
5〜1.2μであり且つ粒度分布が狭いことは、ソフト
フエライト用酸化鉄としてきわめて有意義な特性を与え
るものである。
第4(a)図は本発明酸化鉄粉末の1000倍顕微鏡写
真を示しそして第4(b)図は同5000倍の写真であ
る。一つ一つの粒子が粒状でありかつ凝集していないこ
とが明らかである。粒寸の一様性も良いことがわかる。
これとは対照的に、従来品を示す第5(a)図(100
0倍)及び5(b)図(5000倍)の写真は凝集構造
の粗大粒子の存在を示している。特に第5(b)図には
、ゲータイトの中間発生から生じた針状凝集構造がよく
観察される。粒寸も不揃いである。第6(a)図は市販
品Aの1000倍顕微鏡写真であり、凝集構造、粒度分
布の広さが観察しうる。市販品Bについても第6図(b
)図は同様の傾向を示す。斯様に、本発明酸化鉄粉末は
顕微鏡観察による形態面からも公知の粉末と異なりユニ
ークな特性を具備している。
化学組成については、本発明粉末も従来品も市販品も左
程には変らない。この事実は、不純物の多い亜鉛浸出残
査等からでもソフトフエライト用酸化鉄として良好な酸
化鉄が生成しうることを示し、高純度原液を出発原料と
する高価な市販品と組成面でも遜色がない粉末が得られ
ることを示す。
従来品及び市販品については、このような小さな粒子の
分篩等の分級が工業的には不可能であり、また二次粒子
の解体状態を維持させることも不可能であるため、それ
らを基にして本発明範囲の酸化鉄粉末を創出することは
できない。二次粒子は、焼結、成形等の操作下ではそれ
自体1個の粒として挙動するので、有害である。
以上は製造法としてバツチ式を前程として説明したが、
本発明酸化鉄粉末は連続方式でもまた半連続方式でも構
造しうる。第7図は、連続式製造法の一例を概略示する
ものである。第8図は、昇温槽を1個とバツチ処理反応
槽を複数個並列に設けることによりみかけ上連続生産を
実施するものである。
第7図において、出発溶液は、反応槽とは独立して設け
られた昇温槽1に導入され、ここで180〜210℃に
昇温される。昇温は急速に且つ均一に行う必要上スチー
ムの吹込みによつて行われるが外部加熱手段を併用して
もよい。昇温中、撹拌器2により撹拌が継続される。出
発溶液の鉄濃度によつては、溶解度を越える温度以上で
は硫酸鉄がFeSO4・H2Oとして析出する。昇温槽
1には温度検出装置3が設けられ、溶液温度の連続監視
を行い、温度変動傾向に応じてスチーム吹込量を加減し
うるようになつている。出発溶液を予熱した後昇温槽に
導入してもよい。昇温溶液は析出したFeSO4・H2
Oとともに固液輸送管4により第1段反応槽5に送結さ
れる。180℃以下で酸素を吹込むと、ゲータイトが生
成するため昇温槽では酸素を吹込まない。
第一段反応槽5において、酸素及びスチームが吹込まれ
、酸化反応が開始される。反応中、撹拌器6により充分
なる撹拌が提供される。酸化反応が進行し、酸化鉄が生
成し始めると、以下に示す反応のために溶液の酸濃度が
上昇する:2FeSO4+1/2O2+2H2O→Fe
2O3+2H2SO4溶液の酸濃度が硫酸換算で30g
/l以上のところに新たに出発溶液が供給されると、硫
酸濃度が高くなりすぎジヤロサイトが生成するので、第
一段反応槽においては溶液硫酸濃度が30g/lになる
前に第二段反応槽9に固液輸送管8により送出すること
が肝要である。pHメータ7にて溶液酸濃度が監視され
ている。原液の鉄濃度が30g/lの場合反応率が約5
5%になると酸濃度が30g/lとなる。従つてジヤロ
サイトを生成させないために、第一段反応槽の液滞留時
間、PO2を制御することが必要である。滞留時間の調
節は流量の制御によりなしうる。
第二段反応槽9において酸素及びスチームを吹込みなが
ら180〜210℃の温度で反応させ、酸化鉄を連続的
に生成させる。昇温槽にて一旦生成したFeSO4・H
2Oは溶液中の鉄濃度が反応の進行に伴い低くなると再
溶解して酸化鉄となるので問題はない。第 二段反応槽においても撹拌器10より撹拌が行われる。
反応液を送出管11によりフラツシユタンクに送られ、
その後前述したような爾後処理に供せられる。第二段反
応槽においては、内部の圧力調整、排液弁の開度調整に
より給液量に見合つた分だけ排出させる。
第8図においては、第7図の場合と同じく、出発溶液は
昇温槽1にて撹拌器2による撹拌下で180〜210℃
に昇温された後、並列に設けられた反応槽5′〜5″″
に順次して固液軸送管4により送給されする。各反応槽
において2〜3時間の反応が必要であるため、昇温槽か
らの昇温反応液を時間をずらして反応槽に送給し、各反
応槽毎にバツチ的に所要の反応を行わしめて、フラツシ
ユタンクへ送出することにより、見かけ上ほぼ連続的に
酸化鉄を製造することができる。
こうして、酸化鉄とジヤロサイトが混在することなくま
たゲーサイトが反応過程で生成することなく、酸化鉄を
ほぼ連続的に製造することが可能となる。
実施例1 亜鉛浸出残査から得られた次の組成の溶液を調製した: この溶液15lを内容積20lのオートクレーブに入れ
、室温で30分間窒素でパージした後外熱により100
℃まで加熱した。その後、窒素をリークしそして溶液を
200℃まで加熱した。溶液全体が完全に200℃に達
したのを確認してから酸素及び蒸気を吹込みPo2:3
kg/cm2として2時間保持した。昇温及び反応中溶
液を充分に撹拌し、180〜210℃の範囲外への温度
変動を確実に回避した。硫酸濃度は30g/l以下に維
持された。反応後、オートクレーブを室温にまで冷却し
、濾過操作によつて濾液と沈殿物とを分離しそして沈殿
物を水洗した後、赤外線乾燥器で乾燥した。800℃で
脱硫した後、解砕して得られた酸化鉄の粉体特性は以下
の通りであつた:粒度分布は第3図に実施例1として示
した。
実施例2 実施例1と同等の溶液10m3を内容積17m3のオー
トクレーブに入れ、蒸気により昇温し、途中100℃で
気相部をリークした後200℃まで昇温した。溶液全体
が200℃に達したのを確認した後、酸素を吹込んだ。
Po2:3kg/cm2で3時間反応させた。反応後、
オートクレーブを100℃に降温し、溶液及び沈殿物を
抜取り、分離後沈殿物を水洗した。乾燥後、800℃で
脱流し、解砕して得られた酸化鉄の特性は下表の通りで
あつた。
粒度分布は第3図に示した。
大型装置のため撹拌速度が実施例1に比べて容器の大き
さに対して遅いので平均粒径が大きい。
しかし粒度分布は狭くソフトフエライト用酸化鉄として
このままでも使用可能である。
実施例3 実施例2において脱硫処理を行わないで解砕して得られ
た酸化鉄粉末の特性は次の通りである。
参考例1 実施例1および2で得られた酸化鉄を原料として、実際
にNi−Znフエライト(Fe2O349.5mol%
、NiO17.2mol%、ZnO33.3mol%)
を試作し電磁気特性の測定を行なつた。Ni−Znフエ
ライトの作り方は既知の方法でFe2O3、NiOおよ
びZnOを許量し、湿式ボールミルで5時間配合した後
乾燥し1000℃で2時間仮焼した。仮焼品を湿式ボー
ルミルで微粉砕し乾燥後ポリビニルアルコール6%水溶
液を加え、顆粒を作製し金型に充填して1Ton/cm
2の圧力で加圧成形したものを1270〜1300℃に
おいて2時間焼成した。電磁気特性を測定した結果を下
表に示す。本発明酸化鉄の使用により従来品より改善さ
れた電磁気特性が得られた。
実施例3の粉末を上記と同様にしてNi−Znフエライ
トに使用した場合の特性は次の通りであつた。
参考例2 実施例1および2で得られた酸化鉄を原料として、実際
にMn−Znフエライト(Fe2O353.5mol%
、MnO37.5mol%、ZnO9.0mol%)を
試作し電磁気特性の測定を行なつた。Mn−Znフエラ
イトの作り方は既知の方法で、Fe2O3、Mn3O4
およびZnOを設置し、湿式ボールミルで40時間配合
した後乾燥し1000℃で2時間仮焼した。仮焼品を湿
式ボールミルで微粉砕し乾燥後ポリビニルアルコール6
%水溶液を加え顆粒を作製し金型に充填して1Ton/
cm2の圧力で加圧成形したものを1300〜1330
℃で2時間焼成した。電磁気特性を測定した結果を下表
に示す。
*Lossは16KHz150mTのsin波で測定し
た値である。
実施例3の酸化鉄を使用しての結果は次の通りであつた
斯様に、本発明は、亜鉛製錬残査等から得られる亜鉛、
鉄浸出液を出発原料としてソフトフエライト用にきわめ
て適した酸化鉄粉末を製造することに成功したものであ
り、ソフトフエライト用鉄源の開拓の一環として斯界に
有意義な貢献を与えるものでありまたより改善された電
磁気特性を持つフエライト製品の製造の為の原料酸化鉄
を提供する点でも有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法のフローシートであり、第2図は焙
焼による硫黄除去率を示すグラフであり、第3図は本発
明酸化鉄粉末並びに従来品及び市販品の粒度分布曲線を
示すグラフであり、第4(a)及び4(b)図、第5(
a)及び5(b)図並びに第6(a)及び6(b)図は
本発明品、従来品並びに市販品の酸化鉄の粒子構造を示
す顕微鏡写真であり、第7図及び第8図は本発明製造方
法の例を示す概略図である。 1:昇温槽 5:第一段反応槽 9:第二段反応槽 5′〜5″″:反応槽 6、10、6′〜6″″:撹拌器 4、8:固液輸送管 第 、1  (iC図 が>、 、、、7./<切に 炉、 −1、”i+、’)  6ゝ、 第7因 第8図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)平均粒径(フイツシヤーサブシーブサイザーにより
    測定)が0.5〜1.2μmであり、モード径±0.4
    μm以内に60%以上含む狭い粒度分布を有しそして各
    粒子が粒状の独立した一次粒子から実質上成るソフトフ
    エライト用酸化鉄粉末。 2)硫酸鉄と硫酸亜鉛或いは硫酸鉄と硫酸亜鉛と硫酸カ
    ルシウムとを主成分とする出発溶液を180〜210℃
    の範囲内の温度に昇温し、該出発溶液全体を該温度範囲
    に維持しつつ酸素分圧2〜5Kg/cm2の下で酸化反
    応を行わしめ、その際硫酸濃度が30g/l以上になつ
    ているところに未反応の出発溶液を供給しないようにし
    、生成する沈殿物を分離し、水洗し、必要なら脱硫焙焼
    し、そして解砕することから成るソフトフエライト用酸
    化鉄粉末製造方法。 3)出発溶液の昇温が酸化反応槽とは別個の槽にて実施
    される特許請求の範囲第2項記載の方法。 4)酸化反応槽が複数個直列に設けられる特許請求の範
    囲第3項記載の方法。 5)酸化反応槽が複数個並列に設けられる特許請求の範
    囲第3項記載の方法。
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