JPS5920554Y2 - 金属製付加上枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は換気装置を内蔵せしめた金属製付加上枠に関す
る。

最近、いわゆるアルミサツシの普及などによって、建具
の気密性が向上し、それは断熱・防音などの立場からは
非常に好ましいものとされる反面、室内換気は極度に低
下したというマイナスの面も露呈しはじめている。

これがため、一部では障子上方に換気小窓とか、エアプ
レスを取り付けることとも行われているが、必ずしもそ
の換気効果は十分でなく、とくに建具が二重窓であるよ
うな場合には役に立ち難い。

そこで、障子そのものに換気装置を取りつける提案も為
されているが、該装置そのものが障子の開閉と共に移動
し、その電源用コネクタ一部の故障も生じ易く実用性が
乏しいとされている。

アルミサツシの普及した現在ではそれに若干の改造を加
えるだけで済むような簡易な換気設備の出現が要望せら
れている。

本考案はそのような要望に応えるべく為されたものであ
って、中空部内に換気装置を内蔵させた付加上枠を既設
上枠に固着させることにより、これを解決したものであ
る。

第１図はそのような付加上梓を付加した上梓を用いた金
属製サツシの正面外観図であって１は既設上枠、２は下
枠、３は左短枠、４は右短枠、５は本考案付加上枠であ
る。

いま実施の一態様である第１図Ａ−Ａ断面図である第２
図につき、本考案を詳述する。

本考案付加上枠５は、室外に面する前壁５ｄと、室内に
面する後壁５ｂと、これら両壁を結ぶ上壁５ａおよび下
壁５Ｃなる４壁の実質的方形の金属製中空材であって、
その中に強制換気のための換気装置が内蔵せられる。

内蔵位置は、後述する下壁５Ｃに設けられる小ネジ７の
通し孔Ｆを塞がない位置で、吸気孔Ａと排気孔Ｂの中間
部である。

そのような換気装置としては、小型な通常の軸流ファン
も機器容積を小さく、取付基礎も不要といえる程簡単に
することができ、機内での気流の方向が変更しないため
に効率がよいなどの理由により適用可能であるが、とく
に推奨されるのは、クロスフローファンである。

それは羽根車がプラスチックまたはアルミニウムによっ
て製作されて軽量であり、風速分布が均一で幅広い偏平
な送風特性をもち、必要あれば空気流を上下、左右に移
動させることが可能で、窓枠のような細長いホロー内に
コンパクトに組入れることができるがらである。

むろん、該換気装置を作動させることによって換気が行
われるのであるから、換気装置６の室内側に吸気孔が、
その外側に排気孔Ｂが設けられる（吸・排を区別しない
ときは換気孔と称すること・する）。

本図で後壁５ｂおよび下壁５Ｃの室内側に吸気孔Ａが、
また前壁５ｄおよび下壁５Ｃの室外側に排気孔Ｂが設け
られた場合を示す。

吸気量は必要に応じて吸気孔の内側に設けたスライド板
１０のスライド加減で調節することができる。

また必要あれば前壁５ｄに設けた排気孔Ｂには防虫網９
を冠して昆虫の侵入を防止するもよい。

本考案付加上枠は、既設上枠１に付加固着させて用いる
ものであるから、その上壁には、上梓への取付部５ｅが
添設される。

図ではこの取付部５ｅはＬ字状に突出したものであって
、これに係合し、既設上枠１に取付けられる断面上４大
の取付アングル８を介して既設上枠１と共に鴨居Ｅに固
定ネジ１１で固着される場合が示される。

そのま・では取付部５ｅとアングル８とは係合している
だけであるから取付けを確実にするため、下壁５Ｃに設
けた通し孔Ｆから小ネジ７を通し、上壁５ａと、アング
ル８とが一体に螺着される。

この通し孔Ｆは換気孔Ａ、Ｂを兼ねることは図示の通り
である。

付加上枠もまたむろん、既設の上梓と同じく窓枠の上梓
としての機能を果さなければならないのであるから、そ
の下壁５Ｃには、窓枠に建て込まれる各種建具案内条５
ｆが設けられなければならず、それは既設上枠の案内条
１ｆと同一でなければならない。

つまり既設上枠１は第２図中符ｌで示した高さだけ下位
に移されて５Ｃ位に一致させたこと・なる。

したがって、窓の高さは既設のものよりｌだけ低いもの
となるわけであるが、その場合障子ＣＩ、Ｃ２、網戸り
などはその分だけ高さを縮めることになる。

しかしそれは窓全体を新たな換気窓にし直す場合に比し
て、経費、手数いずれの面からも安価簡易である。

第３図は付加上枠の他の実施態様を示す断面図であって
、第２図の場合と異るところは、前壁５ｄに排気孔を設
けないで、排気孔Ｂ′を外陣子Ｃ１の上方に大きく開孔
せしめているのであって、むろんこの場合も該孔は通し
孔をかねている。

前壁５ｄに排気孔がないから、風雨が該枠内に侵入し難
い利点がある。

第４図はそのような排気孔Ｂ′の位置を明示するための
図である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案付加上枠を装した上梓を用いたサツシの
正面外観図、第２図は第１図Ａ−Ａ断面図、第３図は同
別態様Ａ−Ａ断面図、第４図は排気孔の位置を示すため
の第１図横断面図である。 上は上枠、２は下枠、３は左短枠、４は右短枠、５は付
加上枠、６はファン、７は小ネジ、８は取付アングル、
９は防虫網、１０はスライド板、１１は固定木ネジ、Ａ
は吸気孔、Ｂは排気孔、Ｃは障子、Ｄは網戸、Ｅは鴨居
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上壁５ａに、既設上枠１に取付けられる断面上状の取付
   アングル８に係合するＬ字状取付部５ｅを有し、下壁５
   Ｃに既設上枠１に設けられている障子案内条１ｆと同一
   の障子案内条、および取付アングル８の取付用事ネジ７
   の通し孔Ｆを設け、室外に面する前壁５ｄと室内に面す
   る後壁５ｂがら成る断面方形の中空材であって、該中空
   部の前記通し孔を塞がない位置で、かつ、吸気孔Ａと排
   気孔Ｂの中間部に換気装置６が内蔵されていることを特
   徴とする金属製付加上枠。